２.弐之扉


　壱之扉で息絶え絶えになった祐介は、ある意味、進むのが怖くなっていた。
　それでも、進まなくては・・・そうでなければ、死が待っているだけだと、今は、確かに、そう思えるようになっていた。
　再び壁、壁、壁の無機質な世界が続く。
　真っ白な通路と壁の連続は、祐介の神経を不安と焦燥感で犯していった。
「なんだって、こんな目に遭わなきゃいけないんだ〜」
　歩いても歩いても壁に突き当たる白い通路で、祐介は苛立ちきっていた。
「喉が・・・痛い・・・あぁ・・・水が、飲みたい・・・」
　倒れるようにして角を曲がった時、弐之扉が目に映った。
「やっと・・・ふたつ、か・・・」
　気力で扉を開けると、ギリシア神話の女神のような女性が微笑んでいた。
「いらっしゃい〜だいぶ、疲れているようだけど、テストは出来るの？」
　透き通るような白い肌に、シルクの白いドレスに包まれた女性が相手だ。
　祐介は、その美しさに惹かれるように、立ち上がった。
「な、何だ〜今度は・・・？どうすれば、いいんだ・・・」
「大丈夫なの？ここのテストは、ちょっと難しいわよ〜」
「頼む・・・水を〜水をくれないか・・・」
「ダメよ！それは、違反行為よ〜聞いたと思うけど、違反は即、死・・・もし、あなたが勝てば・・・そこの水をあげるわ〜勝てば違反じゃないわ」
「分かった・・・よし、やろう〜」
　祐介は女神の前に胡坐を掻いて座った。
「このわたしを、あなたの肉棒を使わずに絶頂へと導くのよ〜」
「つまり・・・君をイカせるということか？」
「そうよ〜わたしは無理に我慢はしないわ〜だから、感じさえすれば・・・可能性はあるわ〜壱之扉より、簡単かも知れないわね〜どう？自信は？」
「あぁ、イカせてやるよ！気持ち良くな〜それで、制限時間は？」
「そうね、それが問題かも・・・５分よ！」
「５分・・・せめて、10分は欲しいなぁ〜」
「それじゃぁ、誰でもイクわ〜・・・ネッ」
　美しき女神はベッドに横になり、タイムをＯＮにした。
　祐介は制限時間を考え、女神のウィークポイントを探った。
（こういうタイプは恥ずかしさに弱いはずだ〜）
　女神のシルクの裾を捲り上げ、太股の間に入った。
「下着を穿いてないんだ〜しかも、毛もきれいに剃ってるから丸見えだ〜」
「イヤッ・・・」
　女神の白い肌が朱く色づいた。
　引き締まった長い両脚を高く上げ、自分の目の前に女神の局部を置いた。
　きれいなワレメにむしゃぶりつき、舌を差し込みクリトリスを舐め始めた。
　同時に萎んだ菊の蕾に指を挿入し、もう1本の指でＧスポットを捉えた。
「あぅっ・・・そこは・・・えっ、イヤッ、あぁ〜いぃ〜あぅ、あぁ〜あぁ〜〜」
「うっわぁ〜〜女神って、イヤらしいんだ〜お尻の穴までピクピクしてる」
「そ、そんなぁ〜〜あぁ〜でも〜いぃわぁ〜〜もっと、擦ってぇ〜〜」
　女神が愛撫を要求した。
　祐介は、今がチャンスと思い、舌も指も限界まで動かし始めた。
「あぁ〜〜ダメぇ〜あぁ、きちゃう〜あぁ〜いいぃ〜〜イッくぅうう〜〜」
（はぁ〜っ・・・イッたぁ〜〜じ、時間は？）
　制限時間の５分まで、まだ、１分以上残しての完勝だった。
「はぁ〜、すごいわ〜こんなに早くイカされたの初めてよ〜」
「じゃあ、水・・・水をください」
　女神は水差しから自分の口に水を含み、祐介に口移しで飲ませた。
「一気に飲むと身体に毒だから・・・さぁ、もう、飲んでいいわよ〜」
　祐介は不思議な感じがしたが、とにかく渇きを潤した。
「はっ、はぁ〜〜ぁ・・・やっと、生き返った・・・ありがとう〜君のおかげだ」
「どうして？」
「だって、水を・・・。大丈夫かい？君には危害は及ばないのかい？」
「あなたって、優しいのね・・・良かった〜あなたがクリアできて・・・」
　女神の微笑を受けながら、祐介は妙な気分がしていた。
　早く次に行かなくてならないのに、このままでは中途半端な気がしていた。
「今は、たいしたお礼も出来ないので・・・気持ちを受け止めて欲しい・・・」
　祐介は女神のシルクのドレスを丁寧に脱がすと、優しく口づけをした。
「な、何をするの？早く次に進まないと、出られなくなってしまうわ〜」
「いいんだ・・・そうなったら、それはそれで僕の運命だと諦めるさ・・・今は、それより、あなたを本気で愛してあげたい・・・それしか気持ちを伝えることが、今の僕には出来ないから・・・受け止めて、欲しい〜」
「あなたって・・・バカなひとね・・・でも、嬉しいわ〜」
　ふたりは自然と重なりベッドの上で愛し合った。
　祐介は女神の透き通った白い肌を優しく愛撫した。
　女神は祐介が活力を得るように、自分の蜜を飲ませた。
「美味しいなぁ〜君の蜜は特別なのかな？こんなに美味しい蜜は初めてだ」
「次は、さらに大変だから、体力は残しておかなきゃダメよ・・・わたしがあなたの肉棒に力をあげるわ〜」
　女神は美しい口唇で祐介の肉棒を咥え、肉棒全体を丁寧に舐め始めた。
「これは、イレギュラーなこと・・・あなたの気持ちへの答えよ〜」
　祐介の股間に跨り、硬直した肉棒を自分の蜜壷の中に上から沈めていった。
「あぁ〜、気持ちがいい・・・、このまま・・・このままで・・・」
　女神も深く肉棒を自分の中に沈めたまま、じっと目を閉じていた。
「あぁ〜もう、いいよ〜ありがとう・・・これで、気分良く次に行けるよ」
「そう・・・絶対に全てをクリアしてね！わたし・・・祈ってるから・・・」
「ありがとう〜僕の女神・・・また、逢えるよね？」
「えぇ・・あなたが、この迷宮から・・淫界から脱出できたら・・・きっと〜！」
「分かった！じゃあ、頑張るよ」
　祐介は、迷宮に迷い込む前より活力に溢れ、参之扉を目指して出発した。