（３）


　ピーン…と言う電子音と共に、小さなウインドウが開きました。そこには「お名前を入力してください」との文字が記されていました。そしてその下には文字入力のスペースがありました。私は何かに急かされるように、友人から教えて貰った『美咲』と言う名前を書き込み、『ＯＫ』と記されたアイコンをクリックしていました。

　再びピーン…と言う電子音が響きました。そしてディスプレイ一杯にウインドウが広がったのです。そしてその画面の上には

☆【名前】――亮太
☆【性別】――男性　　　　
☆【年齢】――２０歳
☆【メッセージ】――オ○ンコムズムズさせてるんだろ？グチャグチャに掻き回してやるから早く入って来い！

　と書かれてあったのです。

　私はそのメッセージを見てドキッとしました。
（ああッ…よりによって、こんなメッセージのところに来ちゃうなんて…）
　急いで入室したせいもあり、きちんと表示を見ていなかったのだと思いました。いや、そう思いたかったのかもしれません。急いで入室したせいで、表示を見る余裕が無かったのだと…
　しかしそれがただの言い訳に過ぎない事は、自分自身が一番判っていました。前の画面でズラリと並んでいたメッセージの数々。それを読み進めるうち、私が最も刺激を受けていたのが今ここに表示されているメッセージだったからです。私は咄嗟に、もしかしたら無意識のうちに、このメッセージを選んでカーソルを合わせていたのです。
　私はもう一度そこに書かれてあるメッセージを見詰めました。
――オ○ンコムズムズさせてるんだろ？グチャグチャに掻き回してやるから早く入って来い！
　私の身体に言い知れない疼きがズキズキと広がっていきます。私はディスプレイを見詰めたまま「はあぁッ…」と熱い吐息を零していました。そしてその時、見詰めていた画面に変化が現れました。

【亮太】あ、こんにちは〜

　そこには『亮太』と名乗る人物が私の（誰でも良かったのでしょうけど…）入室を待ち構えていたのです。

【美咲】こんにちは

　私は震える指先でそう入力しました。胸の鼓動はドキドキドキドキと高鳴り続けていました。

【亮太】初めましてです美咲さん！
【美咲】はじめまして
【亮太】「美咲」って、凄く綺麗な名前ですね？
【美咲】ありがとう
【亮太】きっと本人も綺麗な人なあだろ〜な〜って想像しちゃいます！

　『亮太』と名乗る相手の言葉に私はぎこちない返事を返しながらも、最後の書き込みには何と答えていいのか判らず、暫く画面を見詰めていました。

【亮太】女性の方に聞くのも失礼なんですが…美咲さんはお幾つですか？
【美咲】３０歳です

　緊張していたせいと、余り相手を待たせても悪いのではないか？と言う思いから、私は咄嗟に本当の年齢を書き込んでいました。表示された文字を見て「あッ…」と思いましたが、胸の鼓動は更に激しく高鳴りました。
（…でも…年齢なんかじゃ…どこの誰だか判る筈…ないわよね…）
　そう考えながら、取りあえず気持ちを落ち着かせようと深呼吸をしてみました。

【亮太】うわ〜っ！僕の好みにピッタリの年齢です！…人妻さんですか？
【美咲】想像にお任せします

　入室すればいきなり厭らしい言葉で話し掛けられるのだと想像していた私は、普通の会話に少しだけ落ち着きを取り戻していました。深呼吸の効果もあったみたいです。
　それでもやはり、胸の鼓動はドキドキドキドキと脈打っていました。

【亮太】美咲さん…緊張してます？
【美咲】はい、緊張してます
【亮太】もしかして、こんなとこ来るの初めてとか？
【美咲】はい・・・
【亮太】ふ〜ん、そうなんだ…

　そこでまた私は何を返せばいいのか判らなくなり、じっと画面を見詰めていました。
　実際、私生活でも男の人と会話を交わすことは殆んどありませんでしたし、結婚してから後は特にそうでした。
（やっぱり…緊張するわ…どんな風に会話すればいいか…全然判らないし…もう退室した方がいいかしら…）
　と、そこで画面に変化が現れました。

【亮太】で？…美咲さんは、こんな真っ昼間からこんな厭らしいところで、何をしているの？

　その書き込みに私の身体はビクリ…と反応を示しました。鎮まりかけていた肉体の疼きが、ジワジワと滲み始めたのです。
（えッ？…あッ…な、何って…）
　私がどう答えて良いものかと迷っていると、亮太と名乗る相手は続けて言葉を打ち込んできました。

【亮太】ここに入ってきて、何を期待してたのかな？
【亮太】メッセージどおり、オ○ンコグチャグチャに掻き回してもらいたかったんじゃないの？

「あッ…ああッ…そ、そんな…こと…」
　私はディスプレイを見詰めながら、震えるような呟きを漏らしていました。入室前に感じていた身体の奥底から湧き上がるような悦楽が、再び燃え上がり始めたのです。
「ああッ…どうしよう…」
　私は再び感じ始めた肉体の疼きに困惑するように、キュッと眉を寄せていました。
（今ならまだ…間に合うわ…もう…退出しなくちゃ）
　そう考えていた時です。又しても私の頭の中に、暗闇からの囁きが聞こえたのです。
――本当にいいのか？ここから先に、お前の求めていたものがあるんじゃないのか？
「あッ…そ、それは…」
　そう漏らしながらディスプレイへと視線を向けると、新たな言葉が書き込まれているのに気付きました。

【亮太】正直に言ってみな？もうオ○ンコ濡らしてんだろ？本当は気持ち良くなりたいんだろ？
　

「あああッ…」
　まるで私の心を見透かしたかのような文章に、私の身体はゾクゾクと震え上がりました。「オ○ンコ」と言う卑猥な言葉に下腹部は熱く疼き、濡れた粘膜がキューッ…と収縮するのが判りました。急激に沸騰するような欲情の昂ぶりに、私の意識は朦朧としていたのかもしれません。

【美咲】・・・・・・・・・・・・・

　ディスプレイに表示された自分の書き込みに、私は「はっ…」と喉を詰まらせてしまいました。最後に使ったキーに乗せたままになっていた指先が、無意識のうちにそれを押し続け、送信してしまっていたのです。
（ああッ…ち、違うのッ…こんなの…ど、どうすれば…）
　私が戸惑っている間にも、まるで私の心情を嘲笑うかのように亮太の書き込みは続けられました。

【亮太】ハハハハハッ！…図星だったみたいだね？美咲さん？
【亮太】もうオ○ンコドロドロなんだ？パンティーの中でグチョグチョになっちゃってるんだ？

「ああッ…そ、そんなこと…な…い…」
　私は亮太の言葉に否定の声を漏らしながらも、スカートに覆われた下腹部の中心で、クチュクチュと蠢くような感覚を確かに実感していました。亮太に指摘されたとおり、私の股間は溢れ出した厭らしい粘液で濡れ塗れてしまっているのです。
――早く返事を返さねえと、このまま終わっちまうぜ？
　私の頭の中で闇の声が囁きます。
「あッ…だ、駄目…そん…な…の…」
　私は眩暈をも覚えるほどの意識の中で、そう呟いていました。

【亮太】もうオ○ンコが疼いて仕方ないんでしょ？もうどうにかして貰いたいんでしょ？…ほら美咲さん、何とか言ってみなよ？僕がもっともっと気持ちいい事してあげるからさッ！

「あああッ…も、もっと…気持ち…よく？」
　ディスプレイに表示された文字を見ているだけで、私の官能は蕩けていくようでした。これから先にあるであろう快楽への期待に肉体は疼き、理性までもが溶かされていくのです。
「はあッ…あッ…ああぁッ…」
　いつの間にか唇はだらしなく開き、喉の奥から搾り出されるような熱い吐息が零れていました。
――ほら、早くしねえと…相手も退室しちまうぜ？
　震える私の指先はまるで闇の声に導かれるように、キーボードへと伸びていったのです。と、その時…ディスプレイに亮太の書き込みが表示されました。

【亮太】ほら、早く言わなきゃ…僕はこのまま帰っちゃうよ？

　私の頭の中で囁き掛ける声と同じ内容の書き込みに、私の心臓はキュッと締め付けられました。私の考えている事は、この『亮太』と名乗る男には全てお見通しなのだと思ってしまったのです。ディスプレイの向こうで私の事をじっと見詰めながらニヤニヤと嘲笑う『亮太』の姿が、その時の私にははっきりと見えていたのです。
「あッ…い、嫌ッ…帰らないでッ…」
　私はディスプレイに向かって…いや、ディスプレイの向こうに居る『亮太』に向かって、縋るような言葉を零していました。それと同時に、震える指先でキーボードを叩いていたのです。

【美咲】あっ、嫌っ、帰らないで・・・・

　ディスプレイに表示された自分の書き込みを見た途端、身震いするほどの悦楽が私の全身を包み込みました。ゾクゾクと疼くような感覚に肌は粟立ち、背筋が弓なりに反り返っていました。下腹部はキュ〜ッ…と収縮を繰り返し、成熟した太腿をズリズリと音がするほどに擦り合わせていました。そしてショーツの内側ではドプッ…と言う音が聞こえるくらいに、愛液を吐き出してしまっていたのです。

【亮太】ハッハッハッハッ！…遂に本性を現したみたいだね？…美咲さんのドスケベな本性をね？

　
　ディスプレイの向こう側で蔑むような高笑いを上げて、私を見下ろしている『亮太』の姿が見えるようでした。いえ、その時の私にはその姿がはっきりと見えていたのです。
「あああッ…嫌ッ…み、見ないでぇッ…」
　悦楽に肉体を戦慄かせている私の姿を『亮太』に見られているような錯覚を覚え、私は思わず両手で顔を覆い声を漏らしていました。

【亮太】それじゃあ今から、タップリと美咲さんを感じさせてあげるから…ちゃ〜んと僕の質問に答えるように！
【亮太】じゃなきゃ…すぐに帰っちゃうからね？わかった？

　指の隙間から『亮太』の書き込みが見えました。「見えました」と言うよりも、私はわざと指に隙間を作り、書き込まれる『亮太』の言葉を期待しながら見ていたのです。
「ああッ…帰っちゃ…嫌…」
　私はそう呟きながら両手を顔から離し、キーボードへと指先を伸ばしていったのです。

【美咲】はい・・・判りました・・・

　文字を入力する指先が震え、期待感に胸の鼓動はドキドキドキドキドキドキ…と高鳴り続けています。

【亮太】どんな姿勢でＰＣの前に居る？
【美咲】椅子に腰掛けています
【亮太】今の服装は？…色や形も詳しく教えてよ？
【美咲】スカートは膝丈くらいのフレアースカートです。色は白色で、薄いピンクの花柄模様が散りばめられています。
【亮太】上は？
【美咲】上着は無地のノースリーブニットです。色はピンクです。
【亮太】可愛い恰好してるんだね？でも３０にしちゃ、ちょっと若作りし過ぎなんじゃないの？

　自分でも少し派手かな？とは思っていましたが、自分には似合ってるとも思っていました。実際私は、実齢よりも若く見られることが殆んどでした。別に童顔と言う訳ではありませんでしたが、初めて会う人には（男も女も含めて）いつも２５歳前後に見えると言われていました。

【美咲】いつも年齢より若く見られるので、これくらいの方が似合ってるのかなと思って・・・・
【亮太】そりゃいいや、僕そう言うの大好きだし…綺麗な顔した美咲さんが想像できるよ…
【美咲】ありがとうございます・・・・
【亮太】だいぶ美咲さんの姿が判ってきたよ…まるで僕の目の前に居るようだね。

　『亮太』の書き込みを見ながら、ディスプレイの中から私の全身に絡み付くような視線を感じました。
（ああッ…み、見られてるッ…）
　実際にはあるはずの無い視線に、それでも私は身体をブルッ…と震わせてしまっているのです。

【亮太】身に付けてるアクセサリーは？

　細部にまで拘る『亮太』の質問が、身体に感じる視線を更に鋭くしていきます。身体の隅々にまでその視線を感じてしまうのです。
「あああッ…そ、そんなに…見な…い…で…」
　私は甘い吐息を零しながら、キーボードを叩きました。

【美咲】シルバークロスのネックレスと、銀の指輪です。
【亮太】結婚指輪？
【美咲】はい

　私は自分の書き込みに「はッ…」としました。自分が人妻である事を隠していた事に、今更ながら気付いたのです。しかし、時すでに遅しでした。「はい」と言う文字は、ディスプレイにはっきりと表示されてしまっているのです。私は『亮太』の誘導尋問にまんまと嵌まってしまったのです。

【亮太】ハハハッ！やっぱり人妻だったんだ？

　してやったりと言った表情で笑う『亮太』の顔が見えました。貞淑でなければいけない筈の人妻が、昼間からこんな卑猥なサイトを覗いているのです。自分が不貞な行いをしていると言う事実が、今更ながら明確に私の目の前に突き付けられたのです。
　自分が人妻であると言う事を『亮太』に知られた瞬間、私の心は「背徳感」と言う妖しい感情にキュ〜ッ…と締め付けられていました。その言葉の持つふしだらな魅力に、私の胸の鼓動はより一層の高鳴りを覚え、全身を淫らな感覚に染め上げていったのです。

【亮太】昼間っから発情しちゃってるスケベな人妻さんに次の質問。…ストッキングは穿いてる？

「あああッ…そ、そんな…こと…」
　厭らしく罵るような『亮太』の言葉が私の羞恥心を煽り立てます。余りの恥ずかしさに私は顔を真っ赤に染め上げ、消え入るような声を漏らしていました。それでも、続く質問に私は正直に答えていたのです。

【美咲】今は、穿いていません・・・

　キーボードを打ちながらも、『亮太』の視線が私の素足に絡み付いてくるような感覚を覚えました。脚全体がチリチリとした刺激に見舞われ、プツプツと粟立ってきます。
「あッ…はあぁッ…」
　私は悩ましい吐息を零しながら、成熟した太腿をキュッ…キュッ…と擦り合わせてしまっていました。

【亮太】スベスベで綺麗な脚してるんだね？素肌同士の太腿を擦り合わせてモジモジさせてるんじゃないの？

「えッ？…あッ…はあぁッ…嫌ッ…」
　まるでこちらの様子が見えているかのような書き込みに、ディスプレイの奥から感じる視線は益々強くなっていきます。スカートに潜り込み、太腿を這いずり回るような感覚は、もはや視姦されてると言ってもいいほど強烈な刺激を与えてきました。
「あッ…はうんッ…ああッ…駄目ぇッ…」
　私は片手でキーを叩きながら、もう一方の手でスカートを押え付けて身悶えていました。

【美咲】あああああ
【亮太】はははッ！このドスケベ！…じゃ、次の質問。身長と体重は？
【美咲】１６３の４９です。
【亮太】今着けてる下着はどんなの？詳しく教えてよ？

「ああッ…そんな…そんな事…まで…」
　『亮太』の質問に顔を真っ赤に紅潮させて喘いでいました。張り付くような視線が衣服の内側にまで入り込み、絡み付いてくるようでした。
「あああッ…い、嫌ッ…」
　私はそう呟きながらも、今身に付けている下着の色や形を思い出しながら、キーボードを叩いてしまうのです。

【美咲】上下お揃いの、パールホワイトのシルクの下着です・・・
【亮太】高級そうな下着だね？柄や刺繍なんかあるの？
【美咲】はい、上下とも細かい刺繍が施されています。

　今自分が身に付けている下着のことを細かく説明していくうちに、まるで自ら『亮太』の前に下着姿の自分を晒しているような錯覚を感じていました。
「はあッ…はあッ…ああッ…み、見ないでぇ…」
　自分の書き込みが表示されているディスプレイを見詰めながら、悩ましげな吐息を零し、身悶えているのです。

【亮太】ハハハハッ…厭らしい下着を着た美咲さんの姿が、ディスプレイの向こうにはっきりと見えるよッ！
【美咲】ああああ・・見ないでぇ・・
【亮太】嘘付け！本当は見られたいくせに…もっとよく見てやるから、スリーサイズも教えなよ。

　『亮太』の言葉に、私の心臓はドクッドクッドクッドクッと破裂しそうなほどに高鳴りました。ディスプレイの向こうから突き刺さるような強烈な視線を感じ、全てを見られているような感覚に、私の肉体は身悶えてしまうのです。
――嘘付け！本当は見られたいくせに…
「あッ…はああぁッ…見ちゃ…いや…ああぁ…」
――もっとよく見てやるから
「ああああぁぁッ…」
――スリーサイズも教えなよ。
「あああッ…も、もう…だ…め…」
　私はかつて味わった事がないほどの悦楽に打ち震えながら、自分の身体のサイズを晒していったのです。

【美咲】上から、８７・５８・８８です・・・・

　私はディスプレイに表示された自分のスリーサイズを見ながら、『亮太』の目の前に全てを晒してしまったかのような羞恥の感覚に見舞われていました。しかし、自分の全てを見られていると言う羞恥の感覚は、私の官能をドロドロと蕩けさせていくのです。
「いッ…あッ…ああッ…はああッ…」
　肉体に横溢しきった欲情の塊が私の体内で渦を巻き、捌け口を求めて這いずり回っているようでした。

【亮太】うっひゃ〜！凄えナイスバディーじゃん！エロエロの人妻フェロモンが画面越しにプンプン匂ってきちゃうよ！

「ひうッ！…あッ…ああああッ…い、嫌ぁッ･･･」
　クンクンと鼻を鳴らしながら私の匂いを嗅ぐ『亮太』の存在を、私はすぐ側に感じました。鼻息や吐息すらも感じてしまうほど、ある筈が無い『亮太』の存在を、リアルに感じていたのです。
　

【亮太】じゃ、最後の質問。ブラのサイズは？

　私は「はあッ…はあッ…」と息を荒げながら、もはや催眠状態に陥ったかのように、震える指先でキーボードを叩いていました。

【美咲】６５のＥカップです・・・・

（ああッ…あああッ…も、もう…私…見ず知らずの男の前に…全てを晒してしまったのね…）
　そう思うと、全身を鋭い快楽が駆け巡りました。身体はビクビクと震え、下腹部はジュクジュクと蕩け、胸の先端へと突き上げるような刺激を感じていました。

【亮太】凄い厭らしい身体してるんだね？キュッと括れたウエストに、成熟してムチムチのお尻…そしてスレンダーな上半身にＥカップのオッパイがグイッ…って突き出てるんだ？

　卑猥な視線が私の身体の隅々にまで這いずり回るのを感じました。自分の全てを『亮太』に見られてると思えば思うほど、私の官能は燃え上がり、全身の快楽神経が剥き出しにされていきました。
「あッ…はあああぁッ…た、たまらないッ…」
　肉体に渦巻く欲情が、剥き出しの神経をズキズキと刺激してきます。もうどうにかなりそうでした。早くこの疼きを鎮めて貰いたいと、私の身体は身悶え咽び泣いているのでした。
「あああッ…も、もう…どうにか…してぇ…」
　私は知らず知らずのうちに、ディスプレイの向こうの『亮太』に訴えていました。肉体に横溢しきった欲情を、早く解放して貰いたくてどうしようもなかったのです。

【亮太】そんなに厭らしい身体してちゃ…真っ昼間っから発情しちゃってるのも頷けるね…
【亮太】もうたまんないんだろ？身体が疼いて疼いて、どうしようもないんだろ？

　ディスプレイの向こうから身体を視姦されるだけではなく、心までもを見透かされているのだと思うと、もうこの人には逆らえないと言う気持ちが芽生えてくるのでした。
「あああッ…亮太…くん…」
　私は初めて、ディスプレイの向こうに居る相手の名前を呼んでいました。
「もう…お願い…どうにか…どうにか…し…てぇ…」
　私は『亮太』に哀願するように声を漏らしながら、キーボードを叩いていました。

【美咲】あああっ・・・もう・・どうにか・・して・・ください・・・

　余りにも恥ずかしい私の告白でした。それでも、表示された文字を見ているだけで私はバストの先端をジンジンと疼かせ、股間からジュワジュワッ…と愛液を溢れさせてしまうのです。

【亮太】ハッハッハッハッ！！この変態奥さん！…厭らしいこと言われるだけで、乳首を勃起させちまったか？オ○ンコグチョグチョにしちまったのか？
【美咲】ああああっ・・い、言わないでぇ・・・・

　下品極まりない『亮太』の言葉でした。ディスプレイの向こうから蔑むような笑みを浮かべる『亮太』の顔が見えました。厭らしく突き刺さるような視線を感じました。
　そんな羞恥の感覚に見舞われながら、それでも私の肉体は更なる昂ぶりを覚えてしまうのです。

【亮太】もうたまんねえんだろ？どうにかしてもらいてえんだろ？
【美咲】ああっ・・・そ、そうです・・

　キーボードを叩く指先までがジンジンと痺れていました。堪らないほどの欲情は指先にまで染み渡り、快楽の神経を剥き出しにしているのです。キーを叩く度に指先からゾクゾクとした甘い疼きが脳天へと突き抜けてきました。
「ああッ…も、もう…駄目ぇ…」
　頭の天辺、髪の毛の毛先から足の爪先に至るまでに横溢しきった欲情の疼きに、私の肉体は今にも破裂しそうになっていました。

【亮太】まあ、そんなに焦るなって、時間はタップリあるんだし…じっくりと美咲さんの肉体に、これまで味わった事の無い快楽を刻み付けてやるからさッ！

「ああああッ…」
　『亮太』の言葉に、欲情しきった私の肉体も精神もブルブルと戦慄いていました。これから味合わされるであろう快楽の予感に、肉体も精神も熱せられたバターのようにドロドロと蕩けていくのが判りました。

【亮太】じゃあ今から、ドスケベで淫乱な奥さんの肉体を、骨の隋まで堪能させて貰うからね？
【亮太】美咲さんもちゃんと返事を返すように！…じゃなきゃすぐに止めて帰っちゃうからね？

――骨の隋まで堪能させて貰うからね…
「はあああぁッ…そ、そんなッ…あッ…はあぁッ…」
　『亮太』の厭らしい囁きが、私の耳元で鳴り響いていました。それだけで私の身体はビクンビクンと反応を示してしまうのです。そして私の期待はいやが上にも高まっていってしまうのです。
　快楽の予感に支配された私は、熱く火照った吐息を「はあッ…はあッ…はあぁッ…」と漏らし続けながら、震える指先でキボードを叩くのでした。

【美咲】はい・・判りました・・だから・・帰らないで・・気持ち良く・・して・・・

　ディスプレイの向こうで卑猥な笑みを浮かべる『亮太』の顔が見えました。私は蕩けきった眼差しでディスプレイを…いや、『亮太』の表情を見詰めながら、快楽の深みへと嵌まっていったのです。

（つづく）