７．離れ

　高志がなくなったのが、一昔前と言われる程、月日は流れた頃。
　隆治が突然、倒れた。
　頭の病気だったが、１ヶ月程で退院、左足が不自由になってしまった。
　自由に歩けないが、その他には支障がなく健康だった。
　栗屋敷では、隆治のために渡り廊下の付いた離れを、日の射す庭先に増築した。
　親と子の不条理な関係は、今も変わらない。
　高志がいなくなり、咎める者も居なくなると、沙耶香の決意も簡単にくつがえっていた。
　昼となく、夜となく繰返される情交は、隆治の意思で続いているかに見えたが、離れに移ってからも続いた。
　沙耶香の淫欲によるものだったのか。
　足が不自由になった隆治の世話は、沙耶香の役目。
　香織が高校生になったころ、足の症状は悪化し、隆治は寝たきりになっていた。
　トイレにも助けが必要な程である。
　沙耶香は隆治の夕食の片付けに、離れに向かう。
「足のかげんは、どうですか」
　父を気づかう沙耶香。
「悪くなっても、良くなることは無いようだな」
　弱気な返事を返す隆治。
「下の方はどうですか」
「頼む」
　尿瓶を用意する沙耶香。
　掛け布団を剥がし、隆治の股間を露わにする。
　筒先を摘み上げ、宛がう沙耶香の白い指。
　ジョ、ジョ〜〜
　要を済ませると、尿瓶をよけ、まえぶれもなく顔を寄せていく。
　萎えたそれに、沙耶香の手が包み込む。
「よせ、沙耶香」
　卓越した沙耶香の手の動きは、皮をたぐり寄せ、人差し指と親指で作った輪が、エラを往復する。
　指が直接、触らないソフトな刺激に、隆治のそれは言葉と裏腹に、膨らみを増し、張を持ってくる。
　鈴口から滴り始めた、第一チ○ポ汁。
　沙耶香は鈴口に口を寄せ、湧き出る汁を舐め上げる。
　隆治のそれが、しっかり強張った頃、沙耶香は手から口に道具を替える。
　指の輪は、強張りの根元をしっかり押さえ、静脈を堰き止める。
　唇が強張りの先の雁首を頬張り、エラを往復する。
「うぐっ」
　隆治は放出感の増大にうめく。
　一途に、咥えすぼめた唇が嫌らしい、隆治のそれはしっかり起立している。
　ゆっくりしたストロークで、沙耶香の頭が、アヒルのような往復をつづくける。
　沙耶香は、首が疲れると頭の動きを止めて、舌先でエラをスクリューし強張りへの刺激を休めることなく継続する。

　天井にある黒い節目の丸い穴にはギラついた瞳。
　親子の激情に覆われた情交は、のぞきの存在など疑う事もなく営まれる。

　沙耶香は口を離すことなく、着物を脱ぎ捨てると、隆治の顔へお尻を寄せていく。
　花弁を開き蜜を滴らせた肉の花、頭をもたげて頬張る隆治。
「あっ、あぁ〜」
「ここが好いか、沙耶香」
　頭を出してきた肉芽に舌を絡める隆治。
「あっ、いい〜〜」
　お尻を押し付ける沙耶香、無意識にくねる腰。
　ヌチャ・ヌチャ、ヌチャ・ヌチャと卑猥な音を響かせ腰をくねらせながら、強張りを頬張りつづける。
　強張りの先が、はちきれんばかりに張りきり、光り輝くと、身体を起こした。
　動けぬ隆治に、あられもなく湯文字を剥ぎ取り、跨る沙耶香。
　躊躇する様子もなく、花園の花弁を指で押し広げ、もう一方の手が強張りの先を包むように握り、秘口に案内する。
　双方ともに、ヌルヌルした溶けるような感触で結合し、沙耶香の腰はさらに下がっていく。
「あぁっ」
　限界まで押し下げられると、沙耶香の喘ぎが始まった。
「あっ、あっ、あっ、あっ・・・・・・」
　前後にくねる嫌らしい腰の動きに連動した喘ぎ。
　沙耶香の淫欲が、動かぬ男をもてあそぶ。
　蜜壷から溢れた淫汁は、隆治のふぐりを濡らし、白いシーツに地図を作りだす。
「あぁぁ〜〜」
　激しい喘ぎと共に、蜜壷を締め上げる沙耶香。
「おおっ、良いぞ、それ」
　蜜壷の締め付けに満足する隆治。
　沙耶香の腰が、上下動に切り替わる。
「うぐっ、・・・・イ、イくぞっ」
　隆治が顔をしかめて、腰を突き上げる。
「だめ、だめだめ、まだ、まだよっ」
　強張りをしっかり納めて、腰の動きを抑える沙耶香。
　ゆっくり、１０を数えた頃、上下動を再開する沙耶香の腰。
「いい、いいぞ、それ」
　連続して締まり続けた蜜壷に、割り裂くように押し込まれる感覚に強烈な快感を覚える隆治が身悶える。
　嫌らしく上下に折れ曲がる沙耶香の腰の動きが永くつづく。

「あっ、あっ、あっ・・・・・」
　強張りの先の砲弾を、子宮のしこりでスクリューする沙耶香の淫らな動き。
「あっ、イって・もいいわっ」
　激しい上下動を開始する沙耶香。
「イくぞぉっ」
　沙耶香の腰の動きにぶつけるように腰を振り、ドクドクと強張りを打ち震わせて多量の第二チ○ポ汁を放出する。
「あぁぁぁぁ〜〜〜〜〜」
　放出を終えた強張りに必死で腰を振付け、きつい締め付けで女の精を放つ沙耶香。
「おぉぉっ」
　放出後の敏感な強張りを強烈に締め付ける蜜壷の刺激に吼える隆治。
　シーツの地図は、さらに大きくなっていく。

　二人は死んだように静かになり、繋がったまま重なり合っている。
　沙耶香は、隆治のそれが、萎えていくのを女の園で感じながら余韻にまどろむ。
　動けぬ隆治には長い時間が過ぎた。
　沙耶香が身体を起こし、結合を解く。
　しっかり萎えてしまった隆治のそれに口をよせ、卑猥な顔で始末する沙耶香。
　汚れたシーツをひきかえ、身づくろいを始める。
　裾もとを整え最後の帯を締めると、凛として離棟を後にする。

　天井の、妖しい眼が動く。

８．終焉

　隆治が別の世界に旅立つと栗屋敷の秘密も消えていた。
　年増の女といわれる程、歳を重ねた沙耶香の身体は、今だ若さと美しさを保ち女臭を放っていた。
　奥深い女の喜びを知った身体は、平穏な夜を許さない。

　暗い夜を迎えた栗屋敷。
　まとわり着く衣服はなく、薄暗い黄色いランプに照らされた白い素肌。
　両腿を大きくはだけ、Ｍ字に開かれた脚。
　沙耶香の右手には、鼈甲でできた大きな張方が握られ、股間を擦りあげている。
　幾重にも折り畳まれた掛け布団を背に、左手は乳房を揉みつけ、乳首を尖らせている。「あぁ〜っ」
　恥ずかしげもなく喘ぎ声をあげる沙耶香。
　張方の先端が、肉芽を擦り、花弁を押し開き、秘園の口を刺激する。
　ヒクッと引き攣れめように反応する腰。
　張方の滑りが良くなると、動きを止めて持ち替える。
　獲物を狙う蛇のように、秘園の口を狙う張方。
　沙耶香の意思で埋め込まれる。
「あぁ、あっ、あぁ〜〜」
　満足げな喘ぎ声をあげる沙耶香。

　ここでも、天井の眼がギラついている。

　張方は驚く程に深く埋没し、抜き出される。
　花弁はハの字に開き太い張方をしっかり咥え込み止まることなく行き来する。
　掻き出されるように滲み出る淫汁が長い張方に纏わり着く。
「あっ、あっ、あっ」
　萎える事のない、強張りを身体の芯に突き立てる沙耶香。
　激しい送輸も、焦らすような静かな送輸も思いのままに腰を振る。
　張方の送輸は止まらない。
「あっ、あっ、イくぅぅ〜〜〜」
　果てる沙耶香、虚しさが漂う。
　思い通りが面白くないのか、何か満足できない独りよがりに不満が募る。
　栗屋敷の長い夜はつづく。