女教師・極姦授業

（後編）

　夜の旧校舎内で丸く白いものが揺れている。全裸に四つん這いという姿で廊下を歩む中島里奈の尻である。
「もっときりきりと歩けよ、先生」
　右手に巻きつけた首輪のリードを高岡は強く引いた。長さ一メートルほどの鎖が伸びきり、つられて里奈の裸身も前に傾く。悲しみに震える背中に少年たちの嘲笑が落ちる。
「こんなこと……ひ、ひどいわ」
　いやがる中島里奈を無理やり裸にし、教室内で次々と挿入しただけでは少年たちは満足しなかった。彼らは里奈に首輪をかけると、全裸の彼女を廊下へと引っぱりだし、夜の校舎内を徘徊しはじめた。
　何か目的があるわけではない。単に、恥辱にまみれる女教師の姿を見たかっただけなのだ。悪ふざけの暴虐だから、犬と同じ姿を強要させているのだ。けれども、プライドの高い彼女には強姦以上に効果的な辱めだった。
　あまりの恥ずかしさについ歩みが止まる。と、すかさず西尾が右手を振りあげた。
「ンあう……い、痛いッ」
　平手を浴びた尻が何かをほしがるようにくねつく。
「やめて、お願いだから暴力はやめて……叩かないで」
「できの悪いペットを躾けるのは当然だろうが」
「そんな、ペットだなんて」
「いいから歩けよ、犬みたいにケツを振ってさ」
　今度は南に尻を叩かれた。
「もう少し歩いたら先生のやりたいことをしてやるよ」
　廊下の十メートルほど先を南は指さした。中庭の雑木林が開けているせいか、そのあたりがもっとも明るい。
　里奈は泣くなく手足を動かした。犬にしては美しすぎる肉体を揺らして、埃まみれの廊下を這い進む。細い両腕のあいだで下向いた乳房が震える。
「たまんねえ眺めだよなあ」
　巨漢の灰田がつぶやいた。首輪を巻かれた全裸の女が床に手足をつき、プリップリの尻を高く掲げて歩く姿は、この上なく淫靡だった。しかも、ただの女ではない。全校男子が憧れてやまない美人の女教師である。
「授業中もこんな恰好してくれたら成績もあがるのにな」
「おまえはどのみち赤点だろ、灰田」
「言うなって。でもさ、放課後の補習授業とかなら大丈夫だろ」
「クラスの男子を全員あつめて、素っ裸で性教育の授業か」
「そうそう。で、成績優秀者には本番サービスのご褒美ってわけだ」
「教室じゅうがザーメン臭くなりそうだな」
「やめてッ、恐ろしいこと言わないでッ」
　たまりかねて里奈が歩みを止めると、容赦ない平手がまた尻を襲った。
「さっさと歩けよ、おらあッ」
　怒声とともに高岡に鎖を引かれて、里奈はふたたび動きはじめた。教室で犯されたときでさえ涙ひとつ見せなかった彼女が、今は声を殺して泣いている。
　年下の子供たちから家畜同然の扱いを受ける恥辱は、とてつもないものがあるのだろう。疲労と悩乱のために身体がふらつき、何度も体勢を崩しそうになる。その身体を細い腕でなんとか支えて、また歩む。
　ようやく窓際まで進むと、高岡は、首輪の女教師に新たな命令をくだした。
「咥えろよ」
　ズボンの前を開き、若い勃起を彼女の鼻先に寄せる。
「先生だって好きなんだろ？」
「命令しないで」
「ペットは飼い主の言うことをきくもんだぜ」
「わたしはペットなんかじゃありません」
「またマワされたいのか？」
　顔を横にそむけても無駄だった。ほかの少年たちも次々と衣服を脱ぎ捨て、全裸となり、右から左から勃起を突きつけてくる。強烈な匂いだった。すでに精を吐きだしている今野と西尾は、特に匂いが濃い。
「どれでもいいぜ、先生の好きなのを選べよ」
「ねえ、お願いだからもうやめて。こんなの変よォ、どうかしてるゥ」
「みんな先生が好きなんだよ、先生がいいオンナだからハメたいんだよ」
「そんなの、身勝手な理屈だわ」
「理屈を言ってるのは先生じゃないかよォ」
　これ以上拒んだら彼らに何をされるのか、里奈は知っている。そして、彼女の予想通りのことを灰田はすぐに実行したのだった。
　四つん這いの尻に平手の一撃が落ちた。
「ああうッ……や、やめて。これ以上はぶたないで」
「咥えたら許してやるよ」
「痛い、ひいいッ……い、痛ァい！」
　殴打の乾いた音が何度も廊下に響き、無数の勃起で包囲された女の裸身がのけぞる。顔や首筋に少年たちの亀頭が当たる。
　反射的に里奈は首を伸ばし、そのうちの一本に唇をかぶせた。
　暴力から逃れるための咄嗟の行動だったのだが、いったん口に含んでしまうと、頭が自然と前後した。勃起が思いのほか熱くて、太さと硬さが魅惑的すぎて、ついそうしてしまった。
「ハハハ、とうとう自分から咥えはじめたぜ」
　ひどい罵りを浴びても淫らな首振りは止まらない。もしやめたら叩かれるかもしれないという危惧が心の内にあった。
　その感情を口実にして、彼女は勃起の根元までを頬張り、美顔を引き、次には大きな乳房ごと頭を前後させて啜った。少年たちの卑猥な歓声を浴びながら、口のなかにあるものの形状を舌を巻きつけて確かめた。
「エロいフェラチオだなあ、先生よォ」
　嘲りの声を頭上から落とされ、里奈は、自分の咥えているのが高岡の勃起だとはじめて気づいた。
「夢中になるのはかまわないけどさ、チ×ポはひとつだけじゃないんだぜ」
「そんな。わたし、夢中になってなんか……」
「ほかのやつのも咥えてやれって言ってるんだよ」
　反論しようとした矢先、新たな勃起が眼前に突きつけられた。
　里奈は自分から顔を寄せて南の男茎を口に含んだ。言葉と行動がすっかりばらばらとなっている。
　無数の勃起を次々と突きつけられては、冷静な思考など生まれるわけもない。何かを考えるよりも先に身体が動き、口内の勃起を吸引し、亀頭の複雑なくびれを舌先でころがし、指まで巻きつけてゆるゆるとしごく。頬に押しつけられた別のペニスにも舌を伸ばした。この行為に心酔しはじめているのが自分でもわかった。
　ああン、こんなにたくさん……お、オチン×ンがこんなにィ……。
　匂いたつ勃起が次々と唇に突き刺さる。口のなかでさんざんに暴れ、亀頭が舌を喉を叩き、涎の糸を引いて離れたかと思うと、またすぐに別の男が突き入れてくる。
　ほとんどひっきりなしに口を塞がれているため、まともに息をつく暇もない。だから、荒い鼻息だけの呼吸になる。男がもっとも興奮するしゃぶりかたである。その呻きがあまりにも色っぽくて、咥える表情が魅惑的すぎて、今度は灰田が勃起をねじこんだ。涎の塊が口内からもれ落ち、彼女の首筋から胸の谷間までを汚す。
　かまわず里奈は顔を押しこみ、舌で包むようにして亀頭を受け止めた。五人の少年たちは、勃起の大きさも形状もそれぞれ個人差がある。匂いも違う。別の口で味くらべをしてみたいという欲求が一瞬だけ彼女の心に浮かんだ。
「このままかけてやろうか？」
　右手で勃起をしごきながら高岡は言った。揺れる亀頭が里奈の頬に当たる。
「先生の顔を全員でドロドロにしてやるよ」
「だ、だめよォ。そんなのだめ、顔は絶対にだめェ」
「なら、別の場所にならいいんだな？」
「え、別って」
「そこの壁に手をついてさ、ケツをこっちに向けろよ」
　訛りの強い口調で命令してくる。何をされるのかは明らかだった。
「先生も期待してるみたいだしさあ」
「そんな。わたしは何も……ひ、ひいッ。痛ァい」
　少しでも躊躇のそぶりを見せると、また尻を叩かれる。
「ハメてやるからケツをだせって言ってるんだよォ！」
　怯えながら里奈は身体を起こし、廊下の壁に両手を押しつけた。新校舎の黒い影が窓の向こうに見える。
　窓際で立ちあがったために月明かりが肌を照らし、女教師の裸身に新たな妖しさが生まれた。灰色よりも濃く青白さよりも深いその色は、神秘そのものの光沢である。少年の腕が細腰に巻きつき、彼女の下半身を引き寄せた。
「わたしは変態のマゾ教師ですって言えよ、先生」
　それが巨漢の灰田だということは、腕の太さと声でわかった。
「言わなきゃハメてやんないぜ」
「ああン、そ、そんなの……」
　勃起の横腹で尻をはたかれ、里奈の表情が歪んだ。
「先生だってヤラれたいんだろ？」
「だめよ、そんなの無理よォ。わたしは教師なのよッ」
「ああ。見境なしにチ×ポを咥える淫乱教師だ」
「……お願い、苛めないで」
　口調まで気弱なものになっている。目線だけで生徒を黙らせる普段の威圧感など、もはやない。
「言わなきゃ顔に射精するぜ。それともケツを叩かれるほうがいいか？」
「いやいやン、どっちもいやァ！」
「なら言えよ、自分が変態のマゾ教師だって認めろよ」
「わ、わたしは」
　高校で世界史を教える美人教師は唇を震わせた。
「……変態の……マゾ教師、です」
「ただの変態マゾじゃないだろ」
「痛いッ、あン、だめえ」
　高岡の平手が尻に落ちた。さらには灰田も右手を振りおろしてくる。女教師の左右の尻たぶを交互に打ちのめす。
「こういうのが好きなんだろッ、嬉しくて仕方がないんだろッ」
「はンン……はい、そ、そうです。叩かれるのがいいんです。好きなんです。わたし、叩かれて感じる変態のマゾ教師なんですゥ！」
　痛さのあまりに大声で叫び、次には、わんわんと声をあげて泣きだしてしまう。冷徹で理性的な女教師が失墜した瞬間だった。
　少年たちの高笑いが校舎内に響いた。
「なるほど。変態だから、いつもあんなパンティを穿いて期待してるってわけだ」
「きっと授業中もスケベなことばかり考えてるんだぜ」
　灰田の右手が尻の谷間へと潜った。甘い手つきで淫裂を撫でる。
「ここもこんなにグッショリだしさあ」
「はあァ……ン」
「犯されたいんだろ？」
「……はい、犯してください」
　嗚咽に濡れた声はゾクリとするほど色っぽい。
「ください。性交してください」
「いまさら恰好つけるなよ、ペットならペットらしく交尾と言え」
「り、里奈と交尾してください……ッ、あ、あはーン！」
　言葉の途中で灰田が挿入してきた。
　ドロドロの膣に勃起の半分ほどを埋めると、そこで巨漢の少年はいったんひと呼吸ついた。姿勢のためにいっそうくびれの目立つ腰を掴みなおし、反動をつけて全茎を打ちこむ。男子学生にバックスタイルで犯され、里奈の裸身がきしんだ。
　ああァン、嘘、大きすぎるゥ……いい……。
　頭のなかにその単語が浮かんだ直後、嵐のような突き入れがはじまった。
「うあン、ああンッ……ッだ、だめえ、こんなの……すごいィ」
「そんなにいいのかよ、先生」
「うん、いいの、これいいッ……た、たまらないッ」
「俺もすっげえ気持ちいいよ」
「ああァ……ねえ、きて、もっときて。突いて、オチン×ンでズンズン突いて！　オマ×コをやって！」
　女教師の本心が叫びとなった。

　　☆

　生徒に教科書を朗読させているあいだ、教室内をのんびりとした歩調で歩くのが中島里奈の常だった。黒板には中世ヨーロッパの百年戦争に関する説明が書きこまれている。
「南は巨乳好きだから仕方ないけどさ」
　と、声をひそめながら灰田は言った。
「……でもさあ、中島先生の魅力は胸だけじゃないだろ。やっぱりあの尻だよ」
「そうか？」
「だってさ、たまんねえ形じゃないかよ」
「俺はやっぱり胸がいいけどな。上級生の女にだってあんな巨乳は……」
　そこで南は言葉を呑みこみ、灰田に背中を向けた。慌てて教科書を開いたふたりの横を、中島里奈が通りすぎる。今日の彼女は、ダークグレイの上下というシックな服装だ。顔立ちも凛々しい美形だから、テレビドラマに出てくる女刑事のような雰囲気がある。
　灰田はその姿を目で追った。タイトスカートの張りついたムチムチの尻が左右に揺れている。普通に歩くだけでも、些細な動作でも、そうなる。豊満すぎる尻のため、何をしても授業中の女教師にあるまじき姿になるのだ。そんなことなど気にもとめていないというふうに、里奈は黒板にチョークを走らせる。
「西尾に聞いたんだけどさあ」
　灰田は、最前列に座る眼鏡の男子生徒に視線を向けた。
「今野のやつ、中島先生で毎晩センズリしてるんだってよ」
「あのインテリ男がか？」
「三輪と大和田も日に二、三発ヤッてるらしい」
「すげえ人気だな」
「でも、気持ちはわからんでもないけどな。あの顔と身体で……」
　灰田が異変に気づいたのはそのときだった。クラス中の視線が彼のほうに向いていたのだ。夏の暑さが厳しい山あいの高校だから、男子は丸刈り頭が目立つ。
「聞こえなかったのかしら、灰田くん」
　澄んだ音色の声で中島里奈は言った。
「つづきを読んでください」
「はい……あの、ええと」
「五十七ページよ」
　中島里奈は彼のおしゃべりを注意したりはしなかった。さめた目で少年を見据えただけだった。そういう事務的な態度も彼女のミステリアスな印象を濃くする。冷徹さの奥に隠されたプライベートの顔に自然と興味が湧く。
　ベッドの上で男に裸身をさらしたさい、この女教師はどんな顔をするのだろう。今のように涼しげな顔のままなのか。あるいは、女っぽく恥じらったりするのだろうか。挿入時はどんな声をあげて乱れるのか……。
「灰田くん？」
「あ……は、はい。すみません」
　灰田は慌てて席を立ち、教科書をめくった。

　　☆

「はあァン、やン……い、いいッ！」
　少年たちにどよめきが起こった。教室で犯されたときはあれほどいやがっていた中島里奈が、今は、あらゆる男が喜びそうな恥声をあげている。学校の廊下で、全裸姿のまま男子学生にハメられて、乱れまくっている。
　彼女が女神的な肉体を持つ教師だということは、学校の男なら知らないものなどいない。だが、この狂乱は予想していなかった。彼らの淫らな夢想をはるかに超えていた。誰もが身じろぎすら忘れて魅入るなか、灰田ただひとりが夢中で勃起を打ちつけた。
「ううッ。つ、強い……ィ」
　ほとんど折檻に近い交接だから、いやでも声が出る。
　女としては長身の部類に入る中島里奈であるが、柔道部に所属する百八十九センチの少年に犯されていると、やけに小柄に見える。ほとんど大人と女児ほどの差があった。しかし、女児は勃起を挿入されて悦んだりしない。尻をくねつかせたりしない。
「最高だよ、先生のケツ」
　勃起を深く埋めたまま灰田は笑った。
「こんなにでかくてプリップリだしさあ。俺、病みつきになりそうだよ」
「はン、はあァン」
「先生も感じてるんだろ？」
　言葉で問いただす必要もなかった。感じていない女がこんなにも結合部を濡らすわけがなかった。突き入れられている里奈の淫裂も、突き入れている灰田の勃起も、もうグッショリなほどである。そして、勃起で打ち抜かれるたびに里奈が「いい」と叫ぶ。
「チクショウ、たまんねえや」
　そうつぶやいたのは西尾だった。美人教師のこのような痴態を見せつけられては、見物だけで満足できるわけがない。
　女の性器はひとつしかないが、挿入するための穴ならほかにもある。西尾は横から手を伸ばし、ショートヘアの黒髪を掴み取り、犯される女の顔に亀頭をぶつけた。
「咥えろよ、ペロペロしゃぶってくれよォ。ほらあッ」
　ほどなく半開きの唇に茎がおさまり、少年の腰が前後に揺れはじめた。灰田が挿入していることなどおかまいなしの激しさである。
　性交とは名ばかりの暴虐行為だというのに、里奈の肉体はかえって昂ぶっていた。乱暴に扱われれば扱われるほど感じる。ペットだ淫乱だと罵られながらの挿入が嬉しい。
　一の辱めを受けるたび、性熱が十にも百にもなって身体にはねかえってくるのだ。平手で尻を叩かれてからは、それが特に顕著となった。股間の濡れだっておびただしい。
「すげえな、自分から腰を振ってやがるぜ」
「チ×ポ狂いのエロ教師だ」
　嘲笑の声が右から左から裸身に突き刺さる。
　そうよ、わたしはエロ教師なの。チ×ポが好きな最低の教師なの……。
　そう思うと、興奮の度合いもいっそう強まる。恥辱にまみれることで快感が味わい深いものとなる。
　里奈は首を斜めに突き伸ばし、西尾の股間により深く顔を埋めた。亀頭が喉に当たってひどく息苦しいが、かまいはしなかった。
　別の勃起で淫裂を突きあげられていては、味わって咥えることなど不可能だ。舌で弄ぶ余裕もない。かわりに無我夢中のしゃぶりかたとなる。
　頭を前後に動かし、乳房まで揺らし、口のなかにある硬いものをしごく。無理な姿勢でフェラチオに没入しすぎたあまり、まず左手が、次いで右手が壁から離れた。
　里奈は左手を自分の膝の上に乗せるが、それだけでは姿勢を支えきれない。ならばと右手を壁に戻そうとする。しかし、その手に触れたのは壁ではなかった。妙にゴツゴツとして、火を噴いたように熱くて、細長いものだった。
「うああァ、せ、先生」
　その声で、自分の触れているのが今野のペニスだとわかった。
　すぐさま里奈は指を巻きつけた。ふたりの少年に膣と唇を犯されながら、別の勃起を右手で擦った。かと思うと、今度は首を逆向きに捻り、今野の勃起を口に含み、空いている左手で西尾の男茎を握ったりもする。
「俺のもやってくれよォ、先生」
　西尾の横から南がペニスを寄せてくると、これにも里奈は舌を伸ばした。ビュッフェバイキングの料理を前にした子供のように、あるいは色獣のように、三本の勃起を交互に口で味わう。自分が教師だということなど、すでに頭にない。
　口淫に夢中になりすぎたため、膣にも勃起が刺さっていることをつい忘れてしまった。そのため、快感の大波は唐突にやってきた。
「ああッ。僕、もう……」
　彼女の歓喜が伝染したかのように今野が呻いた。
「だすよ、先生。このまま顔にだすよッ」
「ンああゥ、いやン……だめよ、だ、だめえェ」
　里奈のその声は、顔に射精されるのをいやがる拒絶の言葉であり、突然の喜悦にさらわれそうな自らの肉体に対して向けられたものでもあった。
　かまわず今野は放った。強いアクメのためにのけぞる里奈の顔にドピュドピュとだした。灰田と西尾も短い声をもらし、それぞれ彼女の膣内と横顔に精を飛ばした。
　美しい乳房を突きだした姿勢のまま、里奈は泣き悶えた。嬉しさのあまり泣き悶えた。精液の集中砲火を浴びながらの絶頂は、格別なものだった。
　あまりの気持ちよさに頭の芯がグラグラと揺れ、視界が黄金色に染まり、身体の平衡感覚まであやふやになる。狂気的な感覚だった。女の肉体がこれほど感じるものだということを、はじめて彼女は知った。それにしても、この絶頂感はあまりに異常すぎる。
　裸体の激震がいつまでたってもおさまらないのだ。淫裂もズキズキと痺れたままだし、乳房だって丸く動いている。絶頂の痙攣ではない。これは、外からの突き入れによって生じる揺れだ。
　壁に右手をついて姿勢を支え、里奈は首を捻って後ろを見た。彼女の尻を両手で掴み、高岡が腰を打ちつけている。
「まだまだチ×ポは山ほどあるぜ、先生」
「ああン、嘘ォ」
　強烈すぎる絶頂感のために、新たな勃起が挿入されたことさえ気づいていなかった。そして、自覚をしたとたんにより強大な性熱が襲いかかってきた。
「だめよォ、これ以上は無理なのォ……ああだめ、アソコが壊れちゃ……ッ、ウググ」
　里奈の姿勢が突然に崩れた。首輪の鎖をグイと引っぱり、南が口内に勃起をねじこんできたのだ。
「たまんねえよな、先生のフェラチオ。すげえ吸いついてくるんだもんなあ」
　すでに絶頂寸前の勃起はすぐに口内ではてた。けれども休む間もなく、次には灰田が押し入ってきた。今さっきまで膣内に埋まっていた勃起で口を犯される。女教師の赤い唇が、淫裂が、挿入と射精をするための小さな便器となる。
　これ以上の冒涜などないというのに、里奈はまったく逆のことを考えていた。冒涜どころか、これは栄誉だった。自分が特別な女になったように思えた。
　ずぶ濡れの淫裂に深く入る、さまざまな形状の男茎。どれだけ尻を突き揺さぶられても、大量の精液で汚されても、挿送の動きはいっこうに止まる気配がない。新たな勃起が次から次へと埋没してくる。ほとんど底なしの精力である。
　誰もが夢中になっていた。体力の限界を忘れるほどに情交にのめりこんでいた。この肉体が彼らをそうさせているのだと思うと、里奈の快感もより膨大なものになる。
「ひあァン！　ひ、ひいーッ！」
　牝犬そのものの声が出る。突き入れられるオマ×コも騒ぐ。いい。たまらなく気持ちがいい。口と性器を同時に貫かれるのがいい。秒刻みでやってくる絶頂感がいい。
　普通の女が一生かけてもこの快感に到達するのは不可能だろう。この世のありとあらゆる愉悦を彼女ひとりが独占している。無数の勃起を独占している。前から後ろから精液の雨が降り注ぎ、顔に乳房に、くねつく尻に落ちた。
「だめえ。いッ、イクうゥ」
　少年たちの聞きたかった単語がついに女教師の口から出た。勃起の抜け落ちた丸尻がブルブルッと震え、次の瞬間、彼女の股間から何かがこぼれ落ちた。
　数滴の雫はすぐに弱めの放尿となり、足元の床を汚した。
「うわ、すっげえ！」
「中島先生がイキながらションベンもらしたッ！」
　少年たちの歓声も里奈の耳には届いていなかった。声どころか、自分が失禁したことさえ気づいていない。意識がすっかりと飛んでいる。何もかもが白一色の世界だった。
「ああァン、いい、チ×ポいいッ……チ×ポ好き……ィ」
　小便をもらしながら里奈はつぶやいた。
　特別な意志を含んだ声ではない。淫裂にまだ勃起が挟まっているような気がして、突き揺さぶられている感覚があって、無意識に喘いでしまったのだ。けれども少年たちは、女教師のその声を挿入の要求だと思った。
「安心しろよ、まだまだハメ倒してやるからさ」
「あと四、五発はいけるぜ」
　ずぶ濡れの淫裂に新たな勃起が刺さる。口にも埋没する。犯される女教師の裸身を激震が襲い、女のありとあらゆる体液が、少年たちの亀頭から漏出した白濁が、濃い匂いを伴って間断なく宙に飛び散る……。
　旧校舎内に静寂が戻った。
　最後に淫裂を犯した灰田が勃起を引き抜き、巨体を揺らして廊下の真んなかに座りこんだ。ほとんど崩れ落ちるような感じだった。この短時間で何度射精したのか、自分でも把握していない。疲労と興奮のためにすっかりと息があがっている。
　ほかの少年たちも同じだった。大の字になって床に横たわる生徒、あぐらをかいて下を向く生徒。誰もがペニスを丸だしにした全裸姿で、疲労困憊の形相だ。まるで無差別殺人の現場である。異なっているのは、床や壁に付着したのが血飛沫ではなく、白濁色の精液だということだ。
　床の上でしばらくうずくまったあと、女の裸身がもぞりと動いた。
「三十点ね」
　と、顔をあげながら中島里奈は言った。
「……あらかじめ言っておいたはずよ。恥ずかしいことや痛いのはかまわないけど、顔に射精するのは絶対にだめだって」
「でも、先生」
「言いわけなんか聞きたくありません」
　女教師に厳しい目で見つめられ、西尾と今野は肩を落として萎縮した。立場がすっかりと逆転し、教師と生徒という正常な関係に戻っている。
「……もういいわ。時間も遅いことだし、はやく着替えてきなさい」
「は、はい」
「掃除と後始末も忘れずにね」
　教室内へと戻る少年たちの背中を見届け、里奈は身体を起こした。胸の谷間を精液が伝い、スラリとへこんだ臍を濡らし、陰毛へと垂れ落ちる。
「先生ってすげえよな」
　はやくも着替えをすませた高岡が近寄ってきた。彼は手を伸ばして里奈の首輪を外した。
「とても演技とは思えなかったぜ」
「そのほうがあなたたちだって興奮するでしょう？」
「そりゃまあ、そうだけどさ」
「せっかく大勢で楽しむんだもの、少しは趣向を凝らさないと」
　女教師の美貌がすっかりと白い精液でまみれている。とんでもない汁量だった。片目も塞がったままだし、何かをしゃべると口内にも垂れ落ちてくる。
　里奈は右手でそれを拭った。顔じゅうの白濁を指ですくい、口と舌で丁寧に舐め取り、ふたつの乳房にも両手を押しつける。裸身のどこもかしこもグッショリだ。濡れていない部分など何ひとつない。
「あン……ここもベトベト」
　膝を開いて淫裂に指をあてがうと、湿った息が自然とこぼれた。表情にも官能の色あいが戻る。扇情的な光景だった。身体を拭うふりをして自慰をしているとしか思えない。
　高岡の喉が動いた。
「そんなの見せられたら、またヤリたくなっちゃうよ」
「六回もだしたんだから、我慢しなさい」
「次は来週でいいのか？」
「ええ。今度はお尻もいいわよ」
「アナルセックスか」
「西尾くんが興味あるって言ってたから」
「三輪と大和田にも声をかけておくよ。あいつら先生のファンなんだ。いいだろ？」
「そうね。人数は多いほうが楽しいものね」
　制服姿の灰田が教室から出てきた。女物の下着とブラウス、それに黒いスカートを持っている。ブラウスは先ほど高岡に破られたものではなく、あらかじめ用意しておいた新品のものだ。
　里奈は、それを灰田から受け取った。まだ精液で汚れているのもかまわず、極上の裸身に身につける。乱れたショートヘアを手櫛で簡単になおす。
「次はバイブレーターも持ってきてあげるわ。通販で買ったのよ」
「……やっぱりすげえよな、先生って」
　高岡は皮肉っぽく笑った。
「普段はお堅い教師って感じなのにさあ」
「あれも本当のわたしよ。そしてこっちも本物。別に偽ってるわけじゃないわ」
「都会の女ってみんなこうなのか？」
「そういうわけじゃないけど。女はね、いろいろな顔を持っているものなのよ」
「ふうん」
「大人になればあなたたちにもわかるわ」
　授業中と同じ静かな声で里奈は言った。赤い唇には精液の雫がまだ残っている。

あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。

2010.8.7掲載

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