（ああっ、せんせい……季子せんせい……きこぉ……）
　季子が部屋から出て一人になった恭平は彼女の座っていた座布団へ手のひらをおき、その温もりを感じながら、今、トイレでパンティをおろし、性器を露にし放尿しているであろう季子を想像していた。
（ああっ、見たい……女のま○こ……せんせいのま○こ）
　やはり、恭平は若い。それに、童貞だ。ゆとりが無い。悶々とした情欲のうねりを塞ぎこむことはできない。二枚の布に隠れている肉竿がピクピクと揺れている。
　恭平はその膨らみに手をあてた。そこに刺激を与え、精液を放てばこのムラムラ感も緩和されゆとりが生まれて、冷静に対応できる。今すぐに肉竿を剥き出しに直接しごいたら、きっと、一分もかからずに射精することだろう。それほど、恭平は興奮し、肉竿は敏感になっている。
　だが、やはり、先生の温もりを感じながら放ちたい。先生の口か、手か、おま○こか、どこでイッてもいい。ともかく、先生に刺激を与えて欲しい。
　恭平は肉竿と座布団から手を離し、立ちあがり椅子に腰掛けた。
（くそぉっ！　早く、薬が効いてくれぇ！　早く、セックスしたいよぉ）
　恭平は髪の毛を掻き毟った。

「お待たせぇ」
　季子が戻ってきて、隣の椅子に腰掛けた。
「じゃぁ、早速、採点するね」
「うっ、うん……」
　季子が答案用紙を手にし眺めた。
「どうしたの？　今日は？　最初の方しか書けてないじゃない……おかしいなぁ、今の恭平君の実力だったらそんなに難しい問題とは思わなかったんだけど……」
　確かに、いつものように肉竿に疲労感を感じるまで、精液の粘り気がなくなるまでオナニーをした後の試験であれば、問題に集中し、ある程度は解答することはできたかもしれない。しかし、今日はいつもとは違う。
「もしかして、体の具合でも悪いの？」
「いや、そうじゃないんだけど……」
「そうじゃないって？　じゃぁ、どうして？」
「……」
　恭平はその問い掛けに答えられない。いや、答えられるわけがない。テストの最中にずっとあの媚薬のことを考えていたなんて。
　季子が続けた。
「ねぇ、さっきも言ったけど、今日の恭平君おかしいよ」
「どこが……」
「うん、なんかそわそわしていて、心ここにあらずって感じがする。それに、その思いつめたような顔……ねぇ、何か悩みでもあるの？　よかったら、先生に聞かせて。恭平君の力になれるかどうかはわからないけど……」
　季子の視線が恭平にぐーっと突き刺さる。恭平は正直に話すべきか、否か迷った。また、早く媚薬の効果が早く現れることを切実に願った。
「恭平君、黙っていたらわからないよぉ……」
　先生が媚薬を飲んでから、二十分近く経っている。まだ、ちっともイヤらしい方向には向かっていない。いつもと同じ先生、季子さんだ。
　授業が終わるまであと四十分。恭平は媚薬の効果に疑念を抱き始めた。
　この日、この時のために、なけなしの小遣いで買った媚薬なのに、未だ効果があらわれていない。もし、このままで終わってしまったら、あまりにもお馬鹿な結末だ。いつものように先生と玄関先でわかれ、部屋に戻り、怒り狂う肉竿を力強く扱き精子を飛ばすだけ。
　季子は口を開くのを待っている。
（もぉ、どうにでもなれ！）
　恭平は覚悟を決めた。せんせいが好きだ！　先生とＨがしたい！　と正直に話そうと。
「……わかった。言うよ、言うから……けど、絶対に茶化さないで、真剣に聞いてくれる？」
「うん、いいよ……」
「さっき休憩時間に先生が言ったでしょ？　あれ、当たり」
「えっ、わたし何か言ったかなぁ？　具体的に言ってくれない？」
「もぉ、忘れたの？　先生。だから、先生が、『先生のこと好きだったりしてって』って言ったでしょ。それ、あたりだから……」
　恭平は、季子から視線を外し告白した。
「本当かな？」
「だから、茶化さないで！　俺、マジに苦しいんだから。先生のことを思って、今日だって……」
　恭平は途中で言葉を止めた。
（やばっ、オナニーしたことまで正直に言いそうだった）
「今日だって、どうしたの？　その先は？　どんなことだって驚きはしないから、全て吐き出してみて。その方が、気分がすっきりすると思うよ」
「……そんなこと言えるわけがないでしょ」
　やはり、先生を想像しながら、オナニーしたと本人に告白するのは抵抗がある。
「恥ずかしい？」
　季子の言葉にドキッとした。もしかして、ベッドの上に置いた雑誌の下に隠れた精液に気づかれたのではと。
「何で？」
　恭平は惚けた。
「何でって、恭平君本人が一番知っていることじゃない……そんなに恥ずかしいかったら、わたしが言おうか？」
　季子に問い詰められ、恭平の肉竿は硬い鉄から柔らかいこんにゃくのようになっている。もぉ、完全に恭平のペースではない。季子に押し込まれている。
　季子がつつげた。
「恭平君、一人でしたんでしょ？」
　遠まわしだが、意味は通じる。恭平は恥ずかしくて顔を赤く染めた。
「ねぇ、顔をあげて。しっかりとわたしの目を見て」
　季子に言われゆっくりと顔をあげた。だが、視線は合わせられない。
「まぁ、いいわ。恭平君、別に一人ですることを責めているわけじゃないのよ。だって、それは自然なこと。まして、恭平君は若いんだから健康である証拠よ」
　季子が嫌悪感を示していないことがわかり、ほっとして、視線を合わせた。表情にも険しさは伺えない。
　季子が微笑んだ。
「ねぇ、どんなこと想像しながらするの？」
「そっ、そんなこといえるわけないでしょ」
　間違っても、季子を想像しているとはいえない。だが、季子は
「わたしのことを想像していたりして……」
　といい、妖しく笑った。
（媚薬の効果があらわたのか？）
　先生の目が教師のものから女のものへ変わったように見える。全身の血が沸騰したように熱くなり、若い肉竿は瞬時に硬くなった。同時に理性が失われ、恥ずかしさがどこかへ飛んだ。
「せっ、せんせい、俺、いつも先生のこと思いながらしている。ねぇ、先生、俺もぉ、限界だよ」
　恭平は思い切っていい、立ち上がった。座っているときにはズボンの皺で隠れる勃起の膨らみが、今はくっきりと短パンの前にテントを作っている。
「うわぁ、凄いね。こんなになっちゃって」
　季子は短パンの上から膨らみに触れた。
「あっ、あぁっ」
　直接ではないが、初めて肉竿に触れた女の手。それだけで、鼻息は荒くなる。
　季子はその形を確かめるかのように指で摘んでいる。
「せんせい」
　恭平は肉竿を弄っている季子の手首を掴み引っ張った。小柄な女の身体はすぐに引き寄せられる。
　立ち上がり、向かい合った季子の唇を狙う。だが、季子は顔をそむけ唇から逃れた。
「せっ、せんせい、好きなんだ！　せんせい、季子さん、女を教えて」
　恭平は泣きそうな声で必死に懇願しながら、季子の背に両手を回し、ぐいっと季子を引き寄せた。ここまで女性と密着したのは初めてだ。シャンプーの甘い香りがする。女の柔らかい乳房を胸に感じる。
「ちょっ、ちょっと、痛い！　離して！」
　季子が身体をくねらせた。
　それでも恭平は離さない。息を荒くしながら、短パンに隠れた硬い肉竿を季子の腹部に押し付ける。
「きょ、きょうへい君！　こういうの嫌い！　やめて！」
　季子の怒りの声に恭平の頭は混乱した。肉竿に触れてきたのはセックスすることに同意したからではいなか？　なのに、なぜ？　こんなに拒むのか？
　しかし、本気で怒っていることだけは理解できた。季子を解放しなければ。
　恭平はスーッと腕の力を抜いた。
「もぉ、こんなに強引にして女が喜ぶとでも思っているの？」
「ごめん」
　恭平はシュンとしたが、肉竿は力を漲らせたままだ。
「女ってとてもデリケートな生き物なのよ。そうね、心と身体は一緒なの。だから、心が許さなければ、先にはすすめないの……言っている意味、わかるかな？」
「うん、ごめん。ずっと、先生に憧れていたから、それで……興奮して……ごめん」
「いいよ、今回は許してあげる。でっ、恭平くんはしたいでしょ？」
　恭平は頷いた。
「いいよ、させてあげる。でも、条件があるの」
「条件って？」
「それはね。まず、わたしと関係を持ったことを誰にもいわないこと。二人だけの秘密。絶対に友達にも話したら駄目。そして、二番目だけど、絶対に志望校に合格すること。あっ、別に志望校じゃなくてもいいのよ。けど、志望校よりランクの高いところが条件よ。それと、もし、模試の成績が下がるようなことがあったら、家庭教師は辞めるわ。それで、恭平くんとはお終いよ。三つ目は、うーん……そうね。恭平くんの一人でするところを見せて……」
「えっ！？」
（なんだって？　一人でするところっていうと、先生の前でオナニー？）
　恭平は躊躇した。
「ねえ、わたしとエッチしたいんでしょ？」
　恭平は頷いた。
「だったら、恭平君が三つの条件を受け入れてくれないとね」
　先生の目前でオナニーすることは恥ずかしいが、全ての条件を呑めば童貞とおさらばできる。しかも、憧れの季子さんと。迷うことはない。
「うん、わかった」
「じゃあ、はやく見せて……。いつも、せんせいのことを考えながらしているんでしょ。早く脱いで、せんせいに見せて……」
　先生はアダルトビデオの女優のようにイヤらしい笑みを浮かべた。
　先生がジーッと見つめてくる。
　こうじっくりと見つめられるとやはり恥ずかしい。短パンのボタンを外す指が震える。緊張しているのだろうか？　それとも極度に興奮しているからだろうか？　
　震える手でチャックを下ろした。肉竿が濃紺のピッチリとしたボクサーパンツを突き破らんばかりに硬く勃起している。その頂点は濡れている。
「すごい……」
　先生は唇を半開きにし、下着の膨らみを凝視している。
「早く、脱いで……」
　先生に促され、一気に下着を下ろした。と、同時に生臭い肉竿の匂いが漂った。

つづく