（すっ、すごい。なんてイヤらしいんだ……これがオンナ）
　本物のオンナ、生のオンナが乱れる姿はアダルトビデオで見た女優より、ずっと迫力があり、卑猥だった。
　季子は瞼を閉じ膝を開いたまま女体をピクピクと痙攣させている。これは演技じゃない。せんせいは僕の指と舌でイッたんだ。
　初めて見たオンナの性器に今までに感じたことがないほど興奮し、ただ夢中に愛撫しただけなのにセンセイがイッてくれた。
（もしかして、俺って才能あったりして）
　恭平は嬉しさとともに妙な自信を感じながら、卑猥な淫裂に視線を移した。
　焦げ茶色の淫裂が唾液と愛液の混ざった透明な汁で照り輝いていていやらしい。
　季子の手で大量の精液を放ったのにも関わらず、肉棒は、はち切れんばかりに膨らんで、ビクッ、ビクッンと震えだした。
（たまんねぇ、たまんないよ、季子さん）
　一刻も早く、この淫猥な穴の中に肉棒をぶちこんでみたいとの思いが強烈に湧き上がり、まだ、瞳を閉じ快楽の余韻に浸っているかのような季子の様子を窺いながら、女体の上に覆いかぶさろうと身体をずらした。
　その時、季子の瞳が開いた。
　視線が重なり、胸がドキドキと高鳴りだす。
　その瞳はセンセイのものではない、オンナのものだ。
（うわぁ、やっぱり、いいオンナだなぁ……）
　そんな季子に見惚れ、先に進めずにいると、
「せんせい、いっちゃった……」
　季子がペロッと舌をだし少女のように照れ笑って、ベットに手をつき上半身を起こし、
「今度は、わたしが恭平くんを気持ちよくしてあげるね」
　と、甘ったるい声をだし両手を首に絡ませて唇を重ねてきた。柔らかいオンナの唇を感じながら、背中からベッドに倒れこんだ。
　季子の舌が口の中に差し込まれた。オンナの舌が舌に絡みつく。
（あぁっ、すげぇ）
　この複雑に蠢く舌が肉棒に絡みついたら、どうなってしまうのだろう？
　手だけであんなに感じた。口と舌を使った肉棒へ愛撫、想像はできないが、たぶん、手よりずっと感じると思う。

　季子が唇を離して甘く囁いた。
「じっとしてて」
　妖しい表情で笑みを浮かべ、耳に唇を寄せてきた。
　耳の穴に湿っぽい吐息が吹き付ける。たった、それだけなのに肉竿が大きく跳ね上がる。
　耳の穴に舌を感じた。クチュ、チュッと鼓膜に響く湿った唾液の音と頬を擽る柔らかい髪から放つ甘い香りが情欲を高めていく。
　耳から這い出た舌が耳朶から首筋へおりていく。
　そして、乳首に鋭い刺激が走った。
「うっっ」
　初めての感覚にたまらず喉の奥から声がでた。
　ピンク色の舌が左の乳首を這い、細い指が右の乳首を優しく撫で回す。
（あぁ、変な感じ……乳首も気持ちいいんだ）
　乳首が感じるなんてオンナだけかと思っていたが、違う。多少の擽ったさはあるが、意外に気持ちがいい。
「どぉ？　気持ちいい」
「うん……」
　素直に恭平は応えたが、それよりも直接的な刺激を与えて欲しいとの思いが強い。
（早く、俺のものを触って）
「ふふ。じゃあ、これはどうかしら？」
　思いが通じたのか、季子の舌が皮膚に密着しながらどんどん下に這っていく。
　
（あぁ、あと少し……）
　お臍から下は肉棒しかない。ようやく、初めてのフェラチオを体験することができる。あの柔らかそうな唇で肉棒を包み込まれると思うと一際鼻息が荒くなる。
　が、無情にも季子の舌は肉棒を避けて太ももへ這っていった。
　太ももの筋に舌が這う。
　そこも気持ちはいいのだが、やはり、肉棒を舐めてほしい。
　間接的な愛撫ではもの足りず、肉棒を愛撫してくれとの欲望が心の底から湧き上がり、ついに耐えることができず、先生の手首を握った。
　しかし、軽く手を払われた。
「じっとしててって言ったよね」
「そ、そうだけど、もぉ、我慢できないよ」
「もぉ、せっかく、恭平くんの性感帯を開発してあげようと思ったのに……でも、初めてだから仕方がないかっ」
　季子が微笑んで、ようやく臍に張り付きそうなくらいに反り返っている肉棒を握ってくれた。冷たい手の感触を喜ぶかのように肉棒がピクピクと蠢く。
「ふふっ、また、こんなに濡れちゃって」
　と、季子はいやらしい目で見つめ、舌を差し出し先走りの液体で濡れる先端をぺロリと舐め、そして、一気に唇を被せてきた。
「あぁぁっ」
　手とは全く違う生暖かい口の感触にたまらずに呻き声があがる。
　その瞬間、頬を凹ませ肉棒を咥える季子と視線が交わった。
　切なそうなところを見られるのが少し恥ずかしい。だが、蠢く舌に一瞬にしてそんな羞恥の心もかき消される。
（あぁ、なんだ、この感触は？　あぁっ、すげぇっっ、滅茶苦茶気持ちいいよー）
　亀頭に舌がねっとりと絡みつく。滑らかに這い回るオンナの舌。頬を窄めて肉棒を咥える季子。夢にまでみたフェラチオ。その亀頭から立ち昇る快楽と頬を窄めて肉棒を銜える季子に身が震えた。
　
　恭平のみならず、男は、女が己の肉棒を銜えているところを見ることにも、大きな興奮を得る。
　なにしろ、排泄する器官なのだ。
　そんなところをうっとりとした表情でしゃぶられたら男にはたまらない。
　そんな恭平も情欲の波が大きく高まってきた。

　亀頭を包み込んでいた唇がはずれ、舌先が裏筋張り付きながら下がっていく。
「うっ、ううっ」
　自然と情けない声が出てしまう。
「どう？　気持ちいい？」
「すごく、気持ちいいよ」
「ふふ、じゃぁ、こんなのはどうかしら……」
　淫膿が唇に含まれ、優しく舌が蠢きだす。それと同時に肉棒を掴んだ手がしなやかに上下に動く。
「あぁっ」
　オンナ唾液が潤滑油の役目を果たし、肉棒からクチュクチュと卑猥な音がする。
　淫膿から裏筋に舌が這いあがり再び亀頭が口に含まれた。
　チュッ、ジュボッ、ジュバッと卑猥な唾液の音をたてながら唇が上下にスライドしはじめた。
　生殖器、視に加え聴の三つから同時にくる官能の刺激に忽ち射精感が立ち昇り、肉棒が大きく震えた。
「ぐっ、うっっっ」
　しかし、まだ、だしたくない、と、腹筋と肛門に力を入れて踏ん張った。

　なんとか、射精感は収まったが、雁の周囲をローリングするオンナの舌が止まずに、直に次の射精感が訪れる。
「くっ、くぅぅぅっ」
　再び、堪えた。

　このまま口の中で精液をぶちまけてしまってもいいのかもしれないが、ここで果ててしまったら、いくら十代の回復力があるとはいえ、さすがに、完全な勃起状態に戻るまでに三十分はかかることだろう。
　それに確実に感度も衰えるはずだ。
　それは毎日、何度もしているオナニーから実証済みだ。
　一回、二回そして三回と射精回数を重ねるたびに気持ちよさは減っていく。
　まだ、先はある。
　口の中で果ててみたいとの願望は強くあるが、その機会はまだあるはずだ。
　なにしろ、今、現実に季子が俺のものを咥え舐めている。
　童貞を失うならば、まだ鋭い感覚があるうちにオンナの膣肉を感じてみたい。
　恭平は迫り来る射精感を何度も堪えて、この甘美な感触から逃れるよう腰を引いて声をあげた。
「き、き、季子さん、や、やばいよっ！」
「いっちゃいそう？」
「う、うん」
「我慢しなくてもいいのよ。お口の中で出しても」
　そう言って肉棒を摘み、唇で挟もうとする季子に恭平は慌てて肉棒に手を被せフェラチオを防いだ。
「まじ、やばいって」　
「くすっ、そんなに気持ちよかった？」
「うん、やばいくらいに」
「うふっ、やばいって？」
「うん、なんていうか、出そうになっちゃった」
「ははっ、せんせい、嬉しいわ。でも、我慢しなくてもよかったのに」
「だってさ、ここで出しちゃったら、これで終わりになるかもしれないし」
「あら、若いのにもぉダメなのぉー」
「だって、ここで射精したら三度目だよ」
「あ、そうだったね。わたしが来る前にオナニーしたみたいだし、それに、さっき、わたしの手でいっちゃったからね」
「そう……だからぁ、そろそろセックスさせて」
「ふふっ、いいよ。けど、ちゃんと用意はできている？」
「用意って？」
「あれ、ちゃんと着けなきゃダメだよ」
　恭平はあれの意味を理解した。コンドームを装着しろと季子は言っている。
（あ、そういえば、準備してなかった）
　コンドームはある。
　この日の為にと、悪友から貰ったゼリー付きのゴムが一枚、定期券のケースに忍ばせてあるが、インターネットで見たセックス・マニュアルでは『自分の部屋で彼女とエッチする時は枕の下に忍ばせておけば、高まった気分を止めることがなく、セックスに持ち込むことができる』と書かれてあったのに、そうするのを忘れていた。
　今となっては仕方がない。間は空いてしまうが、童貞とおさらばするためには、コンドームを取りにいくしかない。
　恭平はベッドからおり、机の上にあるパスケースをとってコンドームのはいった袋を抜き取った。
「あっ！」
　恭平は思わず声をあげた。
　なんと！　袋が切れて、ゼリーが漏れていたからだ。
　それも、そのはず、これをもらったのは進級した頃、いつかこれを使う日を夢見て、何度もケースから抜いたり戻したりしていたから、きっと、それで袋が弱くなっていたのだろう。
「どうしたの？」
「あっ、これっ、大丈夫かな？」
　袋ごと季子に見せた。
「んっ、切れているじゃない……、新しいのないの？」
　コンドームの購入も考えてはいたが、何しろ、媚薬で小遣いは使い果たしていたし、一個あれば、とりあえず、ＯＫだろうと思ってので、予備は用意していない。
　が、その時、恭平の脳裏にもしかすると、両親の寝室に隠されているのでは？　との考えが浮かんだ。
　というのも、共働きの両親の悪友の家に遊びにいったとき、彼女とエッチするときコンドームはどうしているのか？　買うときは恥ずかしくないのか？　と訊ねると、『へへっ、タダで手に入るから、問題なし』と言い、両親の寝室へ案内してくれた。
　そして、悪友がにやにやと笑いながら箪笥の引き出しを開くと、なんと、十二ダース入りのコンドームが封の開いたもの開いてないもの含めて三箱もはいっていた。
　その時、思わず、そいつの両親がセックスしているところが頭に浮かんだ。
　あまり色気を感じない母親だが、やることはやっているんだ、やっぱり大人なんだ、と少し興奮した覚えがある。
　そう、そこで、もらったのがコレだ。

「ちょっと、探してくるよ」
　恭平は一階の寝室へコンドームを探しに行こうと引き締まった尻を季子に向け、ドアに手をかけた。
　その時、季子が「ちょっと、待って」と呼び止めた。
「えっ？」
「いいわ、今回は特別よ。今日は安全日だから、許してあげる。それに、せっかく、盛り上がった気分も萎えちゃうし。女の子はね、こういった流れに敏感なの……だから、こっちにきて」
　恭平は、その言葉に小躍りしながら、ベッドにあがった。
　あお向けで寝転んでいる季子の両脚を開いた。そして、両手をマットにつき、季子の身体に覆いかぶさっていく。
「やさしく、焦らないで」
「うん、わかってる」
　一刻も早く膣肉の感触を確かめたいと逸る心を必死に抑えながら腰を進めると先端が割れ目に触れた。
（あぁ、ついに、俺もセックスできるんだ）
　と、熱い粘液を亀頭に感じながら、更に腰を進めたが、ビラビラの外側までビチョリと濡れた愛液でヌルッと滑って淫裂に入らない。
　腰を引いてもう一度落とした。
　が、また滑ってしまう。

「ふふっ、焦らないで、ゆっくりと」
　と、季子がいいながら、肉棒に手を伸ばしてきた。肉の先端を摘み、濡れた割れ目に導かれる。ヌルッとした愛液が亀頭を濡らす。
「馴れないと、腰だけでは、なかなか入らないものなのよ。こうして、手で掴んで、狙いを定めて、ゆっくりと、ねっ。あんっ」
　季子が腰を進めると亀頭が割れ目の中にヌルッと潜った。
「あっ、あぁ」
　膣の亀頭への圧迫感と生暖かい粘液を感じ、呻いてしまう。
「ゆっくりと腰を進めて」
「うんっ」
　恭平は季子に言われるがまま肉棒を先にすすめた。充分すぎるほど潤っている膣肉は恭平の昂ったオトコのものを奥までスムーズに受け入れた。
（やっ、やったぁぁっっ！　こっ、これで、俺も童貞とおさらばだ）　
「あぁ、すごい。恭平くんのおちんちんがあたってるぅっ」
「あっ、あぁぁぁっ！　せんせい、季子さん、すごい、すごいね、セックスって！」
　恭平は初めて味わう肉棒への膣肉の圧迫感、ヌルヌル感に腰を振ることなく感激していた。
（すっ、すごいなっ。温かくて、気持ちいい。口も良かったけど、それよりも、もっと、ずっと気持ちいい。ぴったりとチンポに密着して……それに、このヌルヌル感、たまんないなぁ。あぁ、こ、これがオンナなんだ）
「あぁっ、恭平くん、腰を振って、わたしを感じさせて」
「うっ、うんっ」
　恭平は慎重に腰を振りはじめた。腰の使い方がまだよくわかっていなので、ぎこちない前後運動だが、季子が眉間に皺を寄せ切なげな喘ぎ声を漏らしている。
（あぁ、すげぇ）
　亀頭を擦る膣肉の良さは想像以上の快感を肉棒に与えてくれる。
　次第に腰の振り方に馴れてくると、
「もっと、もっと、激しく、突いて！」
　と、季子が大きな声をあげた。
　恭平は、思いっきり、腰をひいて、ズンッと突いた。
「あんっ！」
　再び、腰をひき、ズシンとつく。
「いいっ！」
　三度目に強く腰を引いたとき、ヌルッと肉棒が膣の外に逃げた。
「あぁんっ、だめっ、抜かないでっ！」
　わざと抜いたわけではない。腰の振り方は覚えてきたが、まだ、力の加減がわからない。
　恭平は季子に教わった通りに肉棒を摘み膣肉へ先端をあて腰を進めた。
　ヌルッ！
　今度は上手くいった。
　
　両手をマットに突っ張らせ、上半身を反らし、腰を前後に動かした。
「ああぁ、そう、強弱をつけて、あんっ、そう、そうよ、上手っ」
　男の本能であろうか？　強弱のつけかたもわかってきた。

　浅く、浅く、深く、浅く、浅く、深くと繰り返す。
　眼下では季子が眉間に皺をよせ喉を露にして感じている。肉棒を打ち付ける度に連動しゆっさゆっさと揺れる乳房も刺激的だ。　
（あぁ、すげぇ、セックスって最高だな）
　亀頭だけでなく、太い竿までもがしっかりと膣肉に密着する。膣のなかの凸凹に擦れて気持ちいい。
　甘美な感触に忽ち限界が立ち昇る。
「あぁ、せっ、せんせい、おっ、でっ、いっ、いきそう」
「あぁん、だめぇっ、まだ、出しちゃ、だめっ！　もっと、せんせいを喜ばせてぇーっ！」
　季子の訴えに、射精しないようお尻の穴に力をこめて踏ん張った。
（ふわぁぁっ、あっ、あぶねぇっ）
　なんとか、快楽の脈動を防ぐことができた。
　が、これからどうすれば？　なにしろ、少しでも腰を動かしたら、肉棒を刺激したら直に果ててしまいそうなほど、性感は高まっている。
「や、やめないでぇーっ、もっと、ついてぇぇっ！」
　季子が媚びるような声をあげ抽送を要求し、腰を振りだした。
「うっ、ううっ」
　だめっ、と言われてせっかく耐えきったのに、また腰を振れっ、て言う。
（そんな、殺生なっ！）
「あっ、そんなっ、動かしたっ、らっ、ううっ、ぐっ、うっ、うっ」
　肉棒を擦る膣肉に一旦止めた射精感が忽ち復活し、肉棒が根元から脈動しはじめた。強烈な射精感に耐え忍ぼうと、もう一度踏ん張ったが、もう遅い。肉棒がドックンドクッンと力強く脈打ちだす。
「うっ、うっ、うっ、くっ、いくっ」
「だっ、だめっ」
　季子が腰をとめたが、力強い脈動しはじめた肉棒をとめる事はできはしない。
　痺れるような凄まじい快楽とともに、肉棒がビクンッ、ビクンッと何度も脈打ちながら、オンナの体内へ熱い液体を吐き出していく。
　脈動は何分続いたのだろうか？　いや、きっと、一分も経っていないのだろうが、オナニーで射精してきたときより、ずっと、長い快感と脈動がつづき、膣肉がキュッと肉棒を締め付けるのを感じたとき、ようやく、脈動がとまった。

「きこさん、おれっ」
「わかってる、イッちゃったんでしょ」
「うん」
「で、感想は？」
「うん、すげぇ気持ちよかった」
「どれくらい？」
「うん、何しろ、初めてだから、上手く表現できないけど、自分でしたときの百倍は気持ちよかった」
「ふふっ、たった百倍？」
「いや、千倍、一万倍、いや、それ以上かも」
「くくっ、そんなに？」
　笑顔で応える季子に胸がキュンッと締め付けられた。
「うん、それに、おれ、季子さんがますます好きになった。季子さん好きだっ」
　季子の身体に重なり、その小柄な身体をギュッと抱きしめた
　セックスをした今、初めて季子のことをただの性的な対象者だけでなく、恋愛の相手であることに気づいた。理屈ではない。こうして、胸が破裂しそうなほどに漠々と心臓が脈打っている。
　好きだ！　好きで、好きで、たまらない。もう、放したくない。

「ちょ、くっ、苦しいよぉぉっ」
「あっ」
　恭平は慌てて季子の身体を解放し、身体を起こした。
　すると、硬さが失われた肉棒が膣肉からヌルリと抜けた。
「もぉ、恭平くんたらっ！　そんな強く抱きしめられたら、苦しい……あっ！　出てきた」
（んっ！？）
　恭平はオンナの割れ目に視線を送ると、挿入する前と違いパックリと口を開いた割れ目から、ザーメンと愛液が混ざった情欲の汁がドロリと流れだしてきた。
（うわぁぁっ、やらしい）
「もぉ、ぼうっとしてないで、早く、テッシュ」　
　膣肉から流れる精子、たぶん、そう何度も見れるものじゃない。もっと、じっくり観察していたいと思うが、そうもいかないようだ。
　恭平はヘッドボードのテッシュボックスからペーパーを三枚とって、季子に渡した。
　季子は恭平からテッシュを受け取ると、すかさず、膣肉にテッシュあて、流れてくる精子をせき止める。
「ほらっ、恭平くんもジッとしていないで、汚したところ拭きなさい」
「うん」　
　新たにテッシュをぬいて、ベットカバーの汚れを拭い取った。

　そして、体液を拭ったテッシュをゴミ箱に捨て、季子の隣にいった。
「ねぇ、季子さん、さっきもいったげと、俺、季子さんのことが大好き」
「うふっ、ありがとう。けど、大好きなら、ちゃんと勉強して成績あげてね」
「うん、それはわかっているけど。そういうんじゃなくて……」
「そういうのではないって？」
「あのぉっ、そのぉっ」
「もぉ、男なんだからはっきりしなさい！」
「わかった。季子さん俺と付き合わない？」
「それは、だめよ。だって、こうなっちゃたけど、あくまでも、わたしと恭平君は先生と生徒。もしこのバランスが壊れたら、お互いに勉強どころじゃ、なくなっちゃうからね」
「お、おれは大丈夫だよ」
「だぁーめ。そういうのは対等の立場になってから。そうね……、恭平くんが大学生になってからなら考えてあげる」
「うーん、仕方がないか」
「そう、いい子よ。じゃあ、いい子ついでにシャワーを貸して」
「うん、そうだね。今、準備してくるよ」
「あ、恭平くんが先でいいから。終わったら呼んでね」
「……」
「どうしたの？」
「いや、一緒に浴びない？」
「もぉー、一人で浴びてきなさい」
「えぇぇ」
「だぁーめ」
「ちぇ」
　恭平は舌打ちをし、萎れた肉棒を隠さずに部屋を出て行った。

＊

（はぁ、久しぶりだったわ。でも、ちょと、あっけなかったかも）
　既にイクことを知っている季子の肉体は不完全燃焼だった。もう、一度、誘えば、絶対、恭平はのってくるはずだ。
　だけど、ここでもう一度してしまうことが怖いような気がする。
　というのは、さっき、恭平に『好きだ』と告白され、きつく抱きしめられたとき、恭平の背に手を回し、腰に両脚を絡ませ、熱い口付けを求めそうだった
　つまり、恭平に恋を感じてしまった。
　素直に恋をしてもいいのだろうか？　
　恭平は大学進学を目指している大切なときを過ごしている。そんな時に、恭平の気持ちを受け入れてしまって、果たして、二人は上手くいくだろうか？　難しい。
　肉体関係を受け入れてしまったとはいえ、やはり、一線をおいたほうがいい。自分を見失わないようにしなければならない。そうでないと、わたし自信が恋に暴走しちゃいそうだ。あくまでも、第三者の視点で二人を見つめていこう。
　そんなことを考えているとき、恭平から声がかかり、脱ぎ捨てた衣類を全部手にして階段を下りていった。

つづく