ＳＭランド
第六章
この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんら係りがありません。
女体担保金融

　新しい国際金融会社がオープンした。インターネットで貸付をしてもらえる。そこまではあたりまえであるが、担保が女躰である。誰でも良いわけではない価値のある女躰のみである。
　審査は各国にある極東コンサルのモデル紹介部が行なう。モデル審査に混じって女躰審査を受ける。審査を通るとＩＤをもらえる。モデルとして紹介してもらえるのはＡＢの二ランクであるが、Ｃランクまで融資は受けられる。銀行系、信販系、町金系の枠以外に五百万の枠をもらえる。
　返済できなくとも即風俗と言う訳ではない。極東コンサルの秘書派遣業で働けばよいのである。ただセクハラＯＫ秘書ということになる。派遣会社が企業に対してセクハラの苦情を言わない保証をする派遣秘書である。
　アメリカで日本の企業が莫大なセクハラ賠償を取られたのが、更にワイドショーのキャスターが日本はセクハラ賠償が何故安いかと騒いだのが、並木会長の逆鱗に触れたのである。
　風俗の値段の何百倍も、ほんの少しの躰に触られた程度、何ら実損はない。まして言葉のセクハラなど何処にでもある。宴会で勺をしたり、服の上から触られるくらい本来今でも普通であるべきである。そんなことを訴えるくらいで多額の金をもらえるのはけしからん。何としてもこの現状を覆せとの至上命令である。
　これに応えたのが極東コンサル日本支社の田之上社長の部下高根沢ひとみである。彼女の企画書はあすか女王を経て並木会長の手に渡った。極東コンサルは女王の系列企業である。かつ田之上社長は女王と実懇というより、女王のおもちゃになっている。
　田之上社長は若年２８元警察庁のキャリア警部補であったが、柔道が下手で女性警視に締め技で落とされ、失禁して警察庁に居られなくなり、退職後に社長令嬢と結婚に成功した。
　極東コンサルの社長令嬢であったが、社長である御父さんと旅行中に飛行機事故で死亡した。
　その後田之上が社長を引き継ぎ、あすか女王に可愛がられ、会社は十倍の規模に発展した。
　伊東警視に絞め落とされてからＭに目覚め、あすか女王に虐められていた。（工作員無残偏参照）あすか女王は本来若い男は趣味でない。だが田之上だけは例外である。田之上は一晩にあすか女王から７．８回抜かれ泣いて許しを乞う。立てなくなり翌日いっぱいくらい女王の部屋にへたり込む。
　だがある日二人ともヤリ倒れてしまった。そこに並木会長が踏み込んできた。田之上は間違いなく死刑を覚悟したが会長は笑っていた。
「ごくろうさん。大変だったねこれからも頼むよ」と言われ、今回の企画案を依頼された。
　
　既に第二日本帝國の世界戦略のなかで、人材派遣業は、極東コンサルほか、極東興産の系列会社で８０％が独占された。特にリベートをたくさん取っていた、日本の人材派遣業は、ほとんどが吸収又は倒産した。第一章に出てくる典子の会社もその一つである。（第一章並木会長のペット参照）
　そしてほとんどの企業が九割以上を派遣労働力で賄う様になった。正社員５人派遣社員２０００人などがあたりまえになってしまった。
　派遣の方がレートは高いと思われるが、経験職種などで多少は増額されるものの、派遣先が変わるごとに再審査である。
　特に女性の場合本来女性に求められていた職種に限って派遣される。そんな暗澹たる不況の中で女体担保金融は爆発的に当った。だがバンスでなくても派遣秘書の成り手は増加した。企業もあたりまえのごとく極東コンサルから秘書ＯＬを導入した。
　金額的に倍額になるがセクハラで罰されること無く、かつ若い間だけ使って契約終了できるのである。
　更に埼玉に始まった農場経営は日本、韓国、亜細亜を蹂躙した。まさに昔日本が唱えた大東亜共栄圏が確立したのである。だがヨーロッパ、アメリカではユダヤ資本が極東興産と真っ向から対立した、どちらも難攻不落の旅順口である。
　
　さてここは台東区寿、第二日本の建てたペンシルビル内の一角で、極東コンサルのモデル紹介部である。
　審査に現れたのは第五章でさんざん埼玉県警に虐められ、下田少佐の温情に助けられ借金を全て免れ、彼氏と事業を継続できた幸枝である。あれから東京に移って彼氏と事業を拡大したが、幸枝の判断の甘さで再び苦境に立たされた。今回は借金の申し込みである。
　幸枝の通された部屋は産婦人科の診察室であった。ど真中に開帳台があり白衣の男性五人女性が二人いた。
　真中にある簡易更衣室を指示され、女性看護士に中で衣服を全部取らされた。全裸で開帳台に載せられ、あの恥かしい格好で固定されてしまった。
　乳輪の直径、乳首の高さ、乳房の重さ、外径、陰毛の質、肌の測定、そして尿検査になった。明るい開帳代の上で、男性医師二人に大陰唇を広げられ、尿道にカテーテルを通される。以前に散々にやられた事でも、一度普通の生活に戻った幸枝には改めて恥ずかしさの極致である。
　更に医師は全身に心電図を付け内診をするように指で敏感な部分を心電図の波長を見ながら濡れ具合を確かめていた。
　幸枝は五百万の枠を希望していた。だが審査は厳しかった。幸枝は女優の○雪似のやや大柄な女である。化粧を落とすと、やはり年は隠せない既におばさんの顔が出てしまう。
「女体担保融資は無理ですね」
「駄目ですか」
「でも融資は受けられると思いますけどね」
「お願いしますどうしても五百万必要なのです」
「まず秘書としては年齢的に行き過ぎています」
「もう駄目なのですか」
「紹介しても先方が既に興味を示しません」
「どうすれば融資してもらえるのですか」
「先にお断りしておきますが、融資の実行はインターネットを通して第二日本帝國の中宮にある本部が行ないます。ここでは審査結果を保証するＩＤカードを発行します」
「それをもっていれば融資を受けられるのですね」
「１００％ではありません」
「どういうことですか」
「ここではヌードモデルとしての女躰の価値を評価しているのみです。融資の審査は別です」
「他社の融資とかが関って来るのですか」
「他社の融資はあまり関係ないと思います。ここでＩＤを発行していれば本国第二日本帝國で何も引っ掛ることが無ければ通ります」
　要するに建前半分、風俗でのトラブル経歴半分である。
「ただランクがＥとなります。この場合風俗の三級に該当します、ＳＭクラブ又は熟女ソープと限定されます。また直ぐ仕事に付いて返済を開始して頂く条件となります」
　ＳＭと聞いただけであの忌わしい思い出が幸枝を絞め付ける。あの局部への鞭の壮絶な痛さが、まだ埼玉農場の主催のパーティでやられた時は、長時間の入浴で癒すことができた。警察の留置所では、入浴時間が短く痛みを癒すことさえできず一昼夜苦しみぬいた。思い出しても気が狂いそうに成る。
「熟女ソープですか、もう少し柔らかい風俗にならないのですか。最後までしなくてよいヘルスとか」
「それでしたら、日本の風俗で、バンスをやってくれるところをあたった方がいいです。五百万には成らないでしょうけど、我が国ではやらずボッタクリと言って、挿入を拒否する風俗を厳重に禁止しています。一部のハードＳＭに女性器の使えない人の例外はありますが」
「でもここは日本では」
「我が国の直営ではそういった店はありません。それにこれは本国に渡航して頂く条件になります」
「ちょっと考えてみます」
「カードだけ発行しておきましょうか、融資の手続きは直接やっていただくのですから」
「では一応お願いします」
　幸枝は重い足取りで極東コンサルのモデル紹介部を後にした。
　いちかばちか切った手形は既に回っていた。迷う余地などない。不渡りを出せば彼も潰してしまう。世間はセクハラはけしからんと騒ぐ、ほんとにお金を稼ごうと思えばセクハラ等では済まない。今はセクハラ秘書で済めばどんなに楽だろうと思う。
　・・・熟女ソープでは返済に時間がかかりますよ。ＳＭなら半年で済みます。・・・
　さっきの医師のような男性の言葉が頭を駆け巡る。そして埼玉県警で受けたＳＭまがいの拷問の凄まじさ、もう一度あの苦しみを味わう事になる。

　だが幸枝には自分を売る以外損害を補填する手段がなかった。損害を補填して彼とは別れることになる。成田発巽行き最終便、航空運賃は受け入れ先のＳＭクラブが持ってくれた。１ＤＫのマンションも用意してくれている。本日中に着けば直ぐ金は補填してもらえる。明日の決済には間に合う。
　ＳＭクラブ「シャトー」のＨＰは見た。プレイ内容は以前の川越のショーに比べてソフトに思う。金も高いので返済も速いと思われた。少し安心が湧いた。
　便はビジネスクラスだった。いつ日本に帰れるかわからない。別れの手紙は書いてきた。川越のＳＭパーティーや、東川越警察の拷問より楽だと自分自身に言い聞かせていた。
　巽空港にはクラブのマネージャーが迎えに来ていた。車ではなく電車に載せられた。僅かな時間で中宮駅に着き、新都市交通を二本乗換え直ぐビルの中が自分の部屋だった。
　思った以上に美室である。これがＳＭの仕事ではなく、借金の返済でもなければ、ほんとに喜べる内容である。ビル同士の間隔があいているので窓の外の夜景も良い。昼間なら遠くには海らしきも見えるようである。
　金の手続きは本日中に済ませてもらい明日一番に当座に入る。前回も自分のミスであり、今回も自分の強引な判断が招いた失敗である。
　荷物も空港から自分の部屋の階までコンテナで届く。コンテナから部屋まで運ぶだけである。クラブの事務所は同じ建物の中にあるらしい。明日の２：００までに行けば良いといわれている。待機も自分の部屋で出来るようである。
　艮宮では格安店との事だが、日本の池袋近辺にあるＳＭクラブのＨＰと比較して高い。
　マネージャーは黒田といった。自分より一つ二つ年上くらいの感じのよい男性だった。明日礼子というママに引き合わされる。夕食はデリバリで済ませた。この先もそう成りそうである。明日はゆっくり起きられる。移動で疲れているので本日はシャワーを使って寝ることにした。バスルームもホテル並である。
　そのころシャトーに来て二週間の多岐江はある日本の企業の慰安会に出ていた。多岐江の仕事はクラブのＳＭホステスというより、ショーの生贄である。仕事は二．三日に一回、延長無しで２０万になる。五百万の借金も生活費を引いて３ヶ月で終了する。
　そこは海沿いの観光ホテルの宴会場であった。４０人くらいの宴会である。女性が半分である。殆どの女性がまともな状態ではない。となりの男性に好きなように弄られている。彼女らはコンパニオンではない。この会社に、極東コンサルから、派遣されているセクハラＯＫ秘書である。
　極東コンサルは、本来ＩＴコンサルタントとか、各種コンサルタントの派遣会社であった。ここ一年でセクハラＯＫ秘書が８割に成ってしまった。各種コンサルタントが減ったわけではない。単純に人数の規模が５倍に成っただけである。
　女性はそれぞれにスカートに手を突込まれたり、オッパイに直に触られている。６０過ぎの禿の男性にディープにキスされている女もいる。ある女性はスカートを捲り上げられ、パンティの上から局部を撫でられている。温泉コンパニオン並みのエキサイト振りである。
　多岐江はワゴンの上に全裸で仰向けに大の字に縛られて宴会場に運ばれる。もちろん廊下では申し訳程度に胸と局部にトーションは掛けられている。多岐江に続いて寿司のネタケースが運ばれ板前が二人ついてくる。
　宴会料理は殆ど片付いており、女体盛はつまみ代わりである。宴会料理と少し離れて多岐江が横向きに置かれ、ネタケースが平行に置かれる。
　ネタケースをはさんで二人の板前が立ち、多岐江の恥かしい部分を隠していたトーションが無残にも剥がされ、既に土手は剃毛されている。乳房と局部を隠さないように、女躰の上に刺身のつまが載せられる。土手に大根卸で堤防が作られ、醤油を溜められわさびを溶かれる。きっと染みているであろうがこれから起こる凄惨なＳＭショーに比べればたいした事はない。
　多岐江の目はパッチリ丸く大きいので印象が強い。小振りの顔だが鼻が高い。肌の色は雪の様に白い。小柄で細い体系の割に、大きい乳房は寝かせるとさすがに崩れてしまう。普段弾力のある乳首でもやはり皺が軽く寄ってしまう。
　ハザマは普通に立っても拳が一つ入る。脚に余分な肉が付いていない。縦筋一本の突起の少ない女性器もくっきり突き出るように丸出しである。無毛なので尚更だが、普通の日本人に比べて毛の生えていたであろう部分の紅さが薄く白人の様に綺麗である。
　多岐江をカウンター代わりに寿司を握ったり刺身を出す嗜好である。女の子は遠慮して誰も近づかない。男はかわるがわる刺身や寿司を取りに行く。
　多岐江の土手で醤油をつけるのは半分以下である。あとは多岐江の躰にひかれた冷たい大根のつまに載せられた寿司と、刺身だけを取り皿に盛って行く。ご多分にもれず多岐江の腿と乳房を弄って行く。中には箸で乳首を摘んだり、口に刺身を入れたりする。まるで生簀で活き造りの動く魚を弄ぶ様である。
「このソーセージは何」
　一人誰にも触られてなかった女がいた。高見舞。唯一この会社の正社員である。
　板前も女性からの質問には困ってしまった。
「それは、御遊びにお使い頂くのですが・・・」
「わかったこれをあそこの穴に入れるのね。マスタードたっぷりつけてもいいのでしょう」
　多岐江はズキンとした、既に背中は冷や汗である。あれを入れられると地獄の苦しみである。いくらバイブレーターを回されても疼きが治まらない。あの中が痒くて痒くて気が狂いそうだった。高見舞は容赦なくローションの代わりとばかりにマスタードを塗っている。
「お願いそれは許して」
「何でよ、これもプレイのうちでしょう」
「ああ、どうかそれだけは」
　多岐江は蚊の泣くような声で頼んだ。
「駄目よ。これからみんなに突っ込んでもらうのでしょ。私もバイブレーターでたくさん鳴かしてあげるわ」
「ああ、許して」
　多岐江の顔は既に恐怖に歪んでいる。
「ちょっと木野君。この女のあそこ広げて」
「はい高見さん」
　木野は二十歳そこそこの青年である。おどおどと多岐江の女陰を両手で広げる。
「もっと膣の口が開くまで広げて」
「はい」
「ああ・あぁ」
　多岐江の色香のこもった辛い表情は木野の股にある一物を腫らせるに充分過ぎた。
　高見舞は指で最初にマスタードを膣の中に塗り込む。そしてソーセージは膣口でマスタードを拭うように膣内に挿入される。
　刺身と寿司の振る舞いが一通り終了するとネタケースと板前が引き上げる。
　多岐江の顔は既に切なそうに痒みを耐え始めている。
「どなたかマスタードと彼女の愛液たっぷりのソーエージ召し上がります」
　高見舞は蝋燭に火を灯し次のプレイの準備をする。多岐江には本日高見舞の出現がかなりの悪条件である。今日はかなり辛いと覚悟しなければならない。
「誰も食べないの、では本人の口に」
　何と自分の膣に入ったソーセージを口に突っ込まれるのである。多岐江は思わず吐き出してしまう。多岐江は三十を一つ越えた年頃で、高見舞は二十五．六といったところである。多岐江には男性に弄ばれるより辛い仕打ちである。高見舞はこれだけの企業が正社員で採用しているだけあって容姿は美形であるが、現実は無能な女が立場にふんぞり返って虚勢を張って格好をつけているにしか見えない。
「何で吐き出すの、これは御仕置きね」
　高見舞は蝋燭の火を揺すって蝋涙を蝋燭の上部に溜める。男性を手招きして一本ずつ持たせる。そして躰の湿りを丹念にふき取る。更に会場の冷房を強くする。今まで冷たいものを乗せられ、冷えた躰から更に湿気だけを取り、部屋の温度を下げて蝋燭の熱さを存分に味わって頂こうというもくろみである。
　蝋燭の前に高見舞は紙袋から蛇を取り出し、多岐江の仰向けに固定された裸体の上に載せる。
「え、なに・・いやあーーーぁん、ぎゃーーーぁぁ」
「馬鹿ね。ゴムのおもちゃよ」
　既に多岐江の躰は汗を噴いている。高見舞はもう一度汗を拭き落し、一回氷を上体にばら撒く。
「あああーーん」
　多岐江は眉に皺を八の字に寄せ喚く。高見舞は氷をどけもう一度躰をカラカラに拭く。蝋涙は充分に溜まっている。
「それでは皆さんお楽しみの蝋燭の洗礼を」
　四人の男性の手で一斉に溜まった蝋涙を流し込むように、二つの乳房、局部、太腿に掛けられる。
「ああーああああーーーぁぁ」「あはあーーん」「あああーーーーーーーー」
　真っ赤な蝋の雫が両方の乳房にべっちゃり掛かり、小さな雫が点在する。土手から女陰に幾筋も股間をつたっている。真っ白な左の太腿も真っ赤な一枚の蝋を被っている。多岐江の全身はぶるぶる震え、眉間の皺は八の字が二重に突っ張っている。４人の男性の手は、容赦なく蝋燭を斜め下向きに、火をつたった蝋涙を垂らす。
「あああーーーああ」「あうああうああはああーん」「あああーン・・ああん」
　男性は皆、多岐江の苦悩の表情を見つめながら、多岐江の白い躰を蝋燭の雫で紅に染めて行く。多岐江は綺麗な悲鳴を上げながら縛られた躰を右に左に攀じる。開脚型に縛られているとはいえ突き出た股間から性器を余計に晒す事さえ抑えられない。
「あああーああん、ああ・・ああ・・ああ」
　収まるところなく続く。僅かな時間で多岐江の白い躰は全面蝋の雫に染まる。高見舞は浣腸器と開帳台を手配していた。男性は参加せずとも、女の子を弄りながら多岐江をしっかり見ている。女性の殆どは多岐江の方に目を合わせない。
　高見舞は多岐江の縄を解き一旦台から降ろす。開帳台に連れて行き寝かせ、両脚を開いて高く上げ性器とアナルが丸見えになるように固定する。台から降ろされて自分の恥かしい姿を見ている人数にあらためて恥ずかしさを実感し、白い顔をいま一度真紅に染める。
「木野君浣腸器に２０００ＣＣ入れて」
「はい高見さん」
　多岐江は今日までまだ一度も浣腸されていない。生まれて初めての浣腸である。ＳＭクラブのメニューにあってもこれだけの人数の見ている前で強制的に排便させられるのである。多岐江の心臓は強く鼓動している。アナルに触られるだけでも恥かしい。しかも多岐江はこちらに来てから便秘気味である。大便をしたのは二日前ほんの少し出ただけである。今浣腸されたら便は限りなく臭いと思う。
　無駄と承知で黒田マネージャーを呼んで便秘している事を断ってもらう。
　黒田マネージャーもその旨を芳谷社長と高見舞に説明するが、かえって高見舞を喜ばせてしまう。
「社長、彼女今浣腸すると臭いって、どうします」
「これだけの女なら見たいよ。それに超高性能の換気扇が上に付いているし問題ないよ」
　木野青年は恐る恐る意見する。
「でも、女性がこれだけの人数の前で便秘したうんこを出さされるなんて、あまりにも可哀想ですよ」
　多岐江は真紅の顔を更に歪めて、縛られた足を更に捩っている。マスタードの痒みが現れてきたようである。
「何言っているの木野君、今日の宴会で彼女にいくら払っていると思う４０万よ。私たちの一ヶ月分のお給料より高いのよ」
「でも本人にはそんなには行かないでしょう」
「それでも半分以上は入るのよ、貴方彼女気に入ったのでしょう、浣腸の前にやらせてもらう、マスタードが効いて来たみたいね、してほしそうよ」
「そんな、こんなところで出来ませんよ」
「じゃ私と御部屋でしよう。私も女だから女のうんこは見たくないわ」
「・・・」
　木野青年は断り方に困っている。
「私じゃ嫌なんて言わないよね」
「ああ・・はい」
「じゃさっさと浣腸して御部屋に行こう」
　なんと浣腸液が入るのは見届けて行こうというのである。
　更にマスタードの痒みが多岐江を虐めるのである。痒みを耐えても開帳台に縛られた脚をよじってしまう。目を瞑ったままの眉間の皺がその辛さ、せつなさを物語っている。
「木野君彼女に浣腸したいでしょ」
「えー僕は」
「誰か浣腸したい人居ません」
　誰も名乗り出ないので高見舞が浣腸器を掴んで捩っている多岐江の両脚を広げる。
「浣腸しますから、お尻の穴の力を抜くのよ」
「ああ・・ああ」
　よく見ると既に多岐江の女陰からは愛液が肛門方向に流れ出ている。
「あらーあ、こんなに濡らしちゃって」
「嫌・・」
「誰か彼女に入れてあげない、もうズルズルよ」
　誰も男女混合で見ている前ではできない。芳谷社長が卵バイブを高見舞に渡す。
「じゃこれでも入れてあげるか、木野君また広げてあそこ」
「はい」
　そこで痒みに耐えかねて多岐江は恥ずかしさを押して哀願する。
「お願いです。長いほうにして頂けませんか」
　卵では奥まで塗られたマスタードの痒みに届かない事が多岐江には前回で承知しているのである。
「そう、卵バイブじゃ行き渡らないのね」
「はい、どうか」
「社長こんなこと言っているけど」
　芳谷社長は直ぐに極太のバイブを渡してやる。
「どうやって固定するかな」
「大丈夫、ロープで股の付け根に止めるから」
　高見舞は挿入したバイブの根元を括り、両脚の付け根に縛り付け、更にバイブをバツの字に土手からお尻にガムテープで貼り付ける。
「さあ、浣腸するわよ」
「ああ・・ああ・・ああ」
　多岐江は刹那そうである。眉間に皺を寄せたまま真紅の顔で必死に耐えている。容赦なく浣腸器はアナルに差し込まれる。
「あうう・・ぅぅ」
　浣腸液の注入が終わると高見舞は木野青年を引っ立てて宴会場を出て行ってしまった。
　ここで薄幸であった多岐江のこれまでの人生に触れる。
　多岐江にはゼロ歳の娘がいる。愛人との間に不倫関係で出来た娘である。
　愛人と言っても恋愛関係の愛人ではない。御世話になっていた愛人である。多岐江の父は社長であったが会社が倒産し行方不明、母は再婚した。多岐江に父と母が離婚したとき多岐江の母は夫の姓を受け継いだ。母の再婚後多岐江だけが父の姓を受け継いだ。これが悲劇の人生の原因となった。それについてはこの章の終わりに解説する。
　再婚した母の相手と多岐江は上手く行かなかった。そればかりか相手の男は多岐江を強姦してしまった。母は見て見ぬ振りで、別れた多岐江の父を罵る事で終始していた。
　多岐江は二十歳を待たず家を飛び出した。何度も仕事を転々とした。不真面目だった訳でも、仕事が出来ない訳でもない。上司、同僚の男性から八方誘いが掛かる。断っても応じても問題が起こる。女の上司からは嫌われ苛められる。いくら勤めを替えても同じ結果に成る。
　ある日、街頭の占い師から貴方は宿命が北に傾いているから、水商売が向いているといわれ、キャバクラに勤めたが、そこでも執拗な客の誘いと売上の挟間に悩まされた。ある日多岐江の父を知っている客に巡り会った。笹崎一郎といった多岐江の父より二つぐらい若い。笹崎は多岐江の母と違い多岐江の父を悪く言わなかった。
「あの状態で御父さんはどうする事も出来なかったと思う」
　笹崎も多岐江の父と同業であった。笹崎も多岐江を気に入り自分の女にしようと通い続けた。
　徐々に多岐江も笹崎の世話になるところに落ち着き、笹崎の借りたマンションに暮らすようになった。当然笹崎には妻子があった。だが笹崎の多岐江に対する性行為は激しかった。避妊を怠り、生射精が度々あった。最初は危ない日を避けていたが、笹崎の衝動は多岐江の制止を押し切った。危ない日の性行為は好まぬ妊娠という落とし穴にはまった。
　笹崎はおろしてくれと頼むが、多岐江には決心が付かなかった。そんなある日笹崎は殺害された。木に吊るした絞殺である。多岐江にも容疑が掛かった。死亡時間のアリバイがない。
　だが多岐江一人の力では犯行は不可能と断定され、やがて別の容疑者が捜査線上に浮かんだ。だが不倫関係は笹崎の妻にばれ、笹崎の妻の頼んだ暴力団員から強制的に高利の借金を作らされ、慰謝料３００万を取られてしまった。更に妊娠で仕事が出来ず、金融業者の紹介で追加２００万と最初の３００万の借り換えを行なった。その５００万の代償が今の仕事である。
　そして笹崎殺害の容疑者も逮捕に至らず今だ未解決である。

　多岐江はもう対面も恥ずかしさも痒みと疼きの苦しさには勝てない。二本の縛り上げられた脚のつま先が周期をずらして各々円を描くように動き、根元の女の部分を捩るように咥えさせられたバイブに膣壁を擦り付けている。
「ううん・・ううん・・うぅ・・うぅ・・ううん」
　恥ずかしさの極みに開帳台の背に仰向けに反らせた顔に真紅を浮かばせ、眉間の皺は相変わらず固まり、殺したはずの声が絞り出される。縄で固定され、ガムテープで×クロスに留められたバイブレーターの根元が揺れ続けている。
　浣腸の苦しみも拍車を掛け、徐々にアナルから浣腸液が漏れ始めて来る。どんなに合意のＳＭパーティーの生贄といえども、後にビデオなどに撮られた自分の姿を見れば気が狂ってしまう光景である。
　多岐江の脳裏は今このままこの場から自分が消えてしまう連想を繰り返していた。３ヶ月の辛抱といえどもこの姿を何回も晒さなければならない。あまりにも辛すぎた。スケベでサディストの男性一人の前で行なわれるならば耐えられるかもしれない。でもパ−ティではＳＭなど趣味でない真面目と思われる人や女性にまで見られている。これ以上の屈辱は無い。心底から辛い。
「あああ、ああ、ああぁぁぁん、ううううーん」
　浣腸液がズルズルっと流れ出す。
「ああ駄目・・」
　液に続いて一気に便が飛び出す。便秘していただけに蛇の様に一本に繋がって流れ出す。
「ああ・・ああ」
　泣き叫ぶ多岐江の周りに猛烈な匂いが充満する。いかに大型の換気扇が上で廻っていても匂いは強烈である。そしてその匂いは多岐江をいっそう辱しめ頭の中は真っ白である。ここから消えてしまいたい。でもいくら願ってもそれは叶わない。
　一通り収まってもまだ臭い。マネージャーの黒田が開帳台に付いた汚物壷を外して外に持ち出す。多岐江のお尻は芳谷社長が入念にガーゼで拭いている。この恥ずかしさの中でも痒みには勝てない。お尻を拭かれながら刹那そうに脚を捩り続けている。
　あまりに可哀想に思ったのか芳谷社長はガムテープを外してバイブを手で操縦してやる。男性器が出入りするさまを大振りの動きで続けてやる。
「あは・あああ・・ああ・・ああん・・あん・あああ」
　この世のものとは思えない程の辱しめの後、多岐江の真っ白な脳裏は快感へまっしぐらに上り詰める。
「黒田さんセペは有りますか」
「はい」
　ＳＭの道具を入れてきた大きなカバンからセペの瓶を一本取り出す。
「何本か有りませんか」
　黒田はカバンの中を探って５本取り出し芳谷社長に渡す。
　芳谷社長は手招きで女の子を呼ぶ。
「これで５回ぐらい洗ってあげて」
　多岐江は一瞬優しくされたと思ったが束の間、鞭打ち刑が待っていた。だが思い直すとあのまま鞭打ちされることを思えば幾分かは楽である。いやあのままは耐えられない。
　宴会場には磔柱はない。オーダーすれば設置してもらえるが今回は注文していない。開帳台で鞭打ちとなった。鞭を使うのは３．４人だった。最初の一人が平手打ちだったので平手打ちをするものが多かった。
　やはり女の顔を叩くは痛快である。女性も僅かに混じっていたが鞭を力を抜いて叩いていた。一人年配の男性がスパンキングで頬、オッパイ、女性器を叩く。遂に多岐江は声を上げて泣き出し、泣き喚いた。それで他の者は退いてしまった。サド女は高見舞一人だったようである。黒田マネージャーは延長で御部屋に持ち帰り廻す事も出来ると営業したが延長にはならなかった。