第１３章　フォルテッシモ

　茜ちゃんは、明らかに動揺しました。どうやら知っている声のようです。
「あかね…　…どこ　…たんだろ」
「まさか、理科…なんかに…」
　とぎれとぎれに聞こえる声は、どうやら茜ちゃんを探しに来た声のようです。どうやら、一度は見送った友だちが、やはり心配したに違いありません。
　私を包み込んでいる部分が、きゅーっと締め付けてきました。
　どうやら、緊張したのでしょう。ただでさえ狭い肉筒が、自然に狭くなってしまったようです。
　私は、と言えば、あどけない女の子達の可愛い声のすぐそばで、セックスしているという状況に興奮してしまったのです。それも、その声が探している当の本人と、壁を隔てて数メートルの距離で禁断のセックスしているのです。
　私はこの状況に異常なまでに、興奮してしまいました。
　おそらく、見つかれば、職を失うどころか、犯罪者として社会から抹殺されるでしょう。
　しかし、それでも、今の状況と、何よりも、茜ちゃんが、かわいい顔をして恥ずかしがる姿が魅力的だったのです。
　それに、最大限に大きく、硬くなってしまった怒張を、今までとは違う、ぎゅーっと全体が収縮するように締め付けてきます。
　その気持ちよさに、途中でやめることなど考えられなくなったのです。
　茜ちゃんは、暴れこそしませんでしたが、しきりに目で、降ろしてと訴えてきます。
　つい、もじもじと動くと、私を包んでいる肉筒全体がうねり、新たな快感がわき起こります。
　もちろん茜ちゃん自身も、相当、強烈に感じているのでしょう。
　その上、あいかわず、先端部をぷにぷにとつまんでくるような、奥の子宮口の快感がありました。
　私は、ぐっと茜ちゃんを抱え、僅かに体を持ち上げます。ずるずると、私のモノが茜ちゃんの中から姿を現します。
　茜ちゃんは、声を我慢しながら、ほっとした表情です。
　にぎやかな声は、なぜか、この部屋の前で立ち止まり、茜ちゃんのことから、ともするとおしゃべりになってしまっています。体育館から遠く離れ、つかのま、大手を振って練習をさぼって、開放的な気分なのでしょう。
　蒸し暑い部屋の中でも、もっと高い体温の濡れきった中から出てきた私の幹は、ヒンヤリ感じられます。ちょうど、カリの部分までが出ててきたときです。
　私は、茜ちゃんを抱き上げた力を一気に抜いてしまいました。重力に引き寄せられて、茜ちゃんの身体が、落ちてきます。
　もちろん、身体の真ん中を貫くように、怒張が深々と突き刺さったのです。
「あふぅう、あうう、あうう！ああぁあ！」
　私に再び満たされ、奥まで突かれた茜ちゃんは、思わぬほど、大きな声を出してしまったのです。恐らく、望まないオーガズムの大波が、その薄い背中を駆け抜けたのに違いありません。
　もちろん、奥深くまで入り込んだ怒張が、波が駆け抜けた後も、快感が落ちることを許しませんでした。
　懸命に口を閉ざしますが、くぐもった嗚咽のような淫声が、こぼれ出します。
「え？」
「ね、なんか、聞こえない？」
「なんか悲鳴みたい」
　明らかに、廊下にまで聞こえたのです。
　女の子達が、口々に話し合っている声がします。
　茜ちゃんは、これ以上ないくらい恥ずかしがって、今度こそ降りようともがくのですが、そのたびに、感じてしまうらしく、身動きすらままなりません。
　そして、私は、ゆっくりと、つながったまま、茜ちゃんの背中を床に降ろします。そのまま、今度は足を大きく広げて抱え、体重をかけないように気をつけながら、動かし始めたのです。
　茜ちゃんは、必死になって私の動きを止めようとしましたが、止められるはずもなく、声を我慢するのに必死です。
　いやらしい声を友だちに聞かれてしまったのです。
　もちろん、友だちは、今のところ、それとは知らないでしょうが、声を聞かれてしまったのは事実です。
　まして、ここでもう一度声を出せば、友だちは、この部屋に入ってきてしまうかも知れません。
　そうなれば、と考えたのかどうか。
　しかし、茜ちゃんは、必死になって我慢しつつも、ものすごい締め付けとともに、しきりと頭を振り立て、快感を訴えています。
「どうする」
「ひょっとして、理科室かなあ」
　茜ちゃんは、目一杯目を見開き、やめて、と訴えます。しかし、私が動けば、もちろん、喋ることすらできず、腕を口に当て、声を我慢するのがやっとです。
　その時です。私は、その必死な様子が、とっても可愛くて、さらに腰を早く動かしてしまいました。
「はぐぅ、ぐぅ、うっぅく、あうう！ぃくっ！」
　茜ちゃんはとうとう、快感に負けてまた頂点に達してしまったのでしょう。目一杯押さえつけた腕の中で、いやらしい、オンナの淫らな声を噴きこぼしてしまったのです。
「やっぱ、なんかいるよ」
「お化けだよ」
「なんか、ヤバイよ、行こうよ」
　聞く者が聞けば、アノ時の声だというのは、すぐにわかるような婬声でしたが、もちろん男女のことなど何一つ知らない年頃です。わかるはずもありません。それに、理科室というのは、いつの時代も、お化け話の一つや二つ、どこの学校にもあるものです。
　茜ちゃんの友だちにとっては、セックスより「理科室のお化け」の方が、よほど現実的な世界に違いありませんでした。
　パタパタと走り去る足音の中で、私は茜ちゃんの耳元で囁きます。
「友だちの前で逝っちゃったね」
「え？」
「気持ちよくなっちゃったでしょ？エッチになって」
　困惑し、恥ずかしそうに目を伏せますが、それでも正直にコクリと肯くのが茜ちゃんのかわいさです。
「声、聞かれちゃった…」
　ふふ、今度、気持ちいいこと、友だちに教えてあげたら？それなら引き分けでしょ。
「あぁ〜ん、もう、ヒドいですぅ。もう、恥ずかしぃ」
　消え入りたそうな表情で、しきりに恥ずかしがります。しかし、友だちに、オーガズムで漏らす声を聞かれてしまうという、これ以上ないほどの羞恥の体験をさせられても、恥じらう茜ちゃんに、怒りの色は見えません。
　私は、この美少女に何をしても、許されるのでしょうか？
　つい、そんなことを考えると、かわいい娘はもっと、いじめてみたくなるのがオトコというものです。
　ふふ、でも、もし戻ってくるといけないから、これで終わりにしようか。
　耳元で囁きます。
「おじさんは？」
　え？
　正直言って、この瞬間、感動といっても良い物が背中を貫きました。
　あれだけ恥ずかしがりながらも、私が出したかどうか、つまり、オスとして満足したのかと心配してくれているのです。
　それなら、と。
　じゃあ、激しく動くけどいいかな？
「もう、友だち、いないみたいだし、あの、大丈夫ですから。好きなようにして。あふう！」
　茜ちゃんの言葉を最後まで聞かず、動き始めた私のモノに、またも感じてしまうのでしょう。私も汗をポタポタと白い胸に垂らしながら、ラストスパートをします。
「出るよ」
「奥に、奥に出してください、お願い、ああ、また、また、ヘン、ヘンになるぅ、くぅっ」
　ヒクヒクとした締め付けの中、私は、ドクドクと狭い肉筒の中に、いえ、先ほどから足を抱え込んでいるため、一番奥に届いています。
　ぷにぷにとした子宮口に直接注ぎ込んでいると言っても良いでしょう。
「ああ、熱い、おじさんのが、あん〜んっ」
　茜ちゃんは、顔を左右に振り立て、懸命に押さえながらも、あううという様な獣のような声を出しながら達しています。
　何度も小刻みに腰を突き上げるようにしながら、私のモノを少しでも奥に引き込もうという動作をします。まるで、ケイレンしているかのような動きでした。
　理科室の暑い空気は、私と茜ちゃんを包み込んで、ここだけが時間が止まっているようでした。

　先に理科室を出た茜ちゃんの合図で、私は無事、廊下に戻ることができました。
　目の前の茜ちゃんも、すっかり身繕いが済んで、さっきまでの淫らな狂乱状態がウソのようです。溌剌とした運動部の女の子そのものに見えます。
　いえ、見えるんじゃなくて、ホンモノの少女なんですよね。
　しかし、今、目の前にいる、体操着姿の女の子。その可愛い唇が、さっきまで、私のオトコを咥え、そのエキスを吸い取っていたなんて、誰が思えるでしょう。
　ハーフパンツから見えている健康的な太ももが、さっきまで、私に抱えられて、ケイレンしていたのです。このまま体育館に戻れば、この太ももがダイナミックに動いて、体育館中を走り回るのでしょう。
　そこで茜ちゃんを見る誰もが、この紺色の飾り気のないハーフパンツに包まれた、小さなお尻に、ついさっきまで怒張が突き立てられ、喜びにうち震えていたことなど、誰も信じるはずがありません。
　女の子、いえ、ふと、妻のことを思い出します。オンナというのは、体の中に神秘的な小宇宙でも抱えているのでしょうか。私はつくづくと目の前に立っている少女を見ながら、そんな思いにとらわれて仕方ありませんでした。
「あ！」
　眉をひょっとしかめて、突然の「何か」に困った、と言う表情で私を見つめました。
　どうしたの？
「おじさんが…」
　その可愛く困惑した顔がとっても無邪気なのに、どこか妖艶な匂いがしたのにはわけがありました。
「おじさん、ごめんさい、先に行っててください」
　クルリと振り向いて、早足で去っていく茜ちゃんの歩き方が、やや、がに股になっていました。
　その姿で私はぴーんと来ました。
　ああ、なるほど、僕のが出てきちゃったんだ。
　私がひとり納得した頃には、茜ちゃんは、しきりに足の間を気にしつつも、スタスタと歩き始めていました。
「この間のところで待っているからね」
　私の声が聞こえたのでしょうか。クルリっと鮮やかに振り返り、一度ぺこりとお辞儀をします。そして、いっけないっと言う感じの顔をして再び振り返ると、子鹿のように廊下の向こうへと去ってしまいました。
　私も、ゆっくりと階段を下りながら、ふと後を振り返ります。
　そこには、誰もいない廊下が、しーんと静まりかえりながら、夏の暑さにゆらゆらとゆらめくように、あるだけです。
　決して長くはないけど、激しかった今の交わりが、ウソのような静けさです。
　ふと思いついて、指先を鼻に当ててみました。そこには、酸っぱいような、甘いような、ちょっと不思議な匂いが残っていて、さっきの時間が夢でなかったことを思い知らせてくれたのです。

　
「先生」
「なあに」
　スープをすくったスプーンの手が止まります。妻は、ドレッシングのフタを外しながら、茜ちゃんに答えます。
「今日、理科室でお化けが出たんですって」
「えぇ？いくら夏でも昼から出たりしないでしょ、見たの？」
「ううん、由貴達が聞いたんですって。誰もいない理科室から、悲鳴が、って」
「そうね、ふふ。何かがあたって、偶然そう言う音がすることもあるからね」
「でも、なんだか、人の声みたいだったって」
「あらあら、茜は、お化け話を信じちゃったの？」
「ううん、でも、理科室に誰かが入り込んでなんかしてたのかなって思っただけ」
「そうね、そう言うことなら、あら？あなたどうかしたの？」
　ううん。まあ、あれだね。昔から、理科室はいろいろな話があるだろ。君のとこの学校にもあるんじゃないの。
「そうね、そう言えば…」
　妻が自分の学校のことを話してくれて助かりました。もうちょっとでヘンなことを口走りかねないところだったのです。
　茜ちゃんは、左の目で軽くウィンクしてみせます。イタズラ坊主の表情です。いえ、手あかの付いた表現だけれど、やっぱりこの表情は、かわいい小悪魔、以外の何ものでもありません。
　どうやら、昼間、友だちの前で逝かせられたことへの、ささやかな仕返しのつもりのようです。
　久々に、妻と三人一緒の夕食でした。
　圭司君は、腕が折れた以外は支障なしと言うことで、付き添いがいらなくなったのです。
　昼に病院に顔を出したら、婦長さんからそう言われ、圭司君に告げたときの残念そうな顔と言ったらありませんでした。おまけに、急な患者さんが入って、急遽、大部屋に移るということになりました。さすがに、急患が入ってしまっては、腕を骨折した以外はぴんぴんしている人間を個室には置いておけないらしいのです。
　というわけで、今、目の前には、妻がいて、その横には、ここ数日で、すっかりオンナの喜びを覚えてしまった私の「恋人」がいるのです。
　どちらも、十分若く、片方は若すぎるほどで、おまけに、どちらも魅力的。その上、方や適度に熟したプロポーションが抜群なら、方や、成長途上の、今だけのしなやかな身体が危うい美しさを見せつけてくれて、おまけに、「味」も抜群ときています。
　男なら、喜ぶべきでしょうか？
　いえ、問題もあるのです。
　妻が家にいる、ということは、この若すぎる恋人と２人の時間は極度に限られてしまうのです。そのうえ、この恋人は、私が妻とセックスするその横の部屋にいるのです。
　しかし、私は、楽観的でした。そうです。妻にも若すぎる「恋人」がいるのです。その恋人は、若さゆえに持てあます精力を、今頃、病室の中で、妻に向けて放出したくて仕方がないはずです。ひょっとしたら、今頃、自由になる片手で、妻を思い浮かべながら一人で放出しているかもしれません。
　やっぱり、したいだろうなあ。
　一度、美肉の味を知ってしまったら、一人でするだけで我慢できるはずもありません。青臭い精液をたっぷりと溜めながら、我が家に帰ってくる時、妻は、少年の熱い思いを、そのままにできるとも思えなかったのです。
　淡い嫉妬もありますが、むしろ、その関係こそ、上手くいけば、理想的とも言えるパラダイスができあがるはずでした。
　そして、その種はもう蒔いてあります。
　昼に、圭司君と交わした会話を思い出していました。久々に、妻と茜ちゃんの共同の手料理を食べながら、私がにこっと笑うのを、妻はいぶかしげに、茜ちゃんはきょとんとしながら、見つめています。
　妻は、まだ、圭司君との「その会話」を知りません。にこやかな笑顔の、食卓の二人を眺めながら、圭司くんとの会話を思い出していました。

　ま、今日は寂しいけど、大部屋なら寂しくないでしょ。さっき見たら、同室の人は良さそうな人たちだったし。個室だと、いろいろとプライベートなこともできるけど、大部屋も賑やかで良いものだと思うよ。
　残念そうな顔の直後に、なぜか顔を赤くしながら、下を向いてしまいます。「いろいろと」したことを思い出したのかもしれません。
　口の重い圭司君に、ムリヤリ、あれこれ話しかけながら、その横顔を見つめます。
　この大人しそうな少年が、妻に何度も挿入し、その若いエキスを何度も飲ませていたのです。
　結婚するまで、いえ、つい最近まで、妻は私以外のオトコを知りませんでした。
　この間、おもちゃ屋のオヤジにさんざん弄ばれてはいても、生身のオトコは挿入していないはずです。
　ところが、私だけでなく、この少年も、妻の肉の味を知っているのです。
　私には、ホモっ気があるわけではありませんが、この少年のペニスを間近にみたいと思いました。もちろん、妻に弄ばれているところを、です。
　いえ、違います。妻の中に入っている所をみたいと思ったのです。
　妻が、この若い牡のエキスでメロメロに感じるところをみたいと思ったのです。
　私はその時、唐突に決断してしまいました。
　あるいは、圭司君と妻のビデオを見たときからこうしたいと思っていたのかも知れません。
　ねえ、圭司君。右手、当分動かないね。
　きょとんとして、首をかしげ、こっちを見ます。うんと頷く素直な目。
　ヘンなことを聞くようだけど、オナニーって、もう知ってるよね？　
　え？と言う顔で、まともにこっちを向きます。おそらく、言葉の意味はわかるのでしょうが、何でそんなことを聞くのかわからず混乱しているに違いありません。
　もう君の年なら、時々は出さないと、やってらんないよね。おじさんなんかは、君くらいの時は、もうほとんど毎日だったなあ。
　きわどい話題に、圭司君は、気の毒なほど、どきまぎしています。
「え、あの、ぼく、その」
　いや、その右手じゃできないだろうから、可哀想だなって思ってさ。
「いえ、あの、えっと、そう、ひ、左、左手もありますから」
　それもそうか。いや、さ、できないなら、誰かにしてもらうしかないでしょ。でも、おじさんにされるのは嫌だろうから、亜希子に言っておこうかなって思ってね。
　目をぱっちりと開けて、驚きの表情を作り、声が出ないようです。
　そうです。少年とは言っても、これまで妻にしてもらってきた数々のことは、いけないことだと十分知っているのです。しかも、それを知れば、私が怒るだろうことだって、わかりすぎるほど、わかっているはずです。
　それなのに、こともなげに、私が告げているのは、紛れもなく、オスの欲望を妻を使って解消して上げようかという誘いなのです。
　私は、混乱する圭司君を残して立ち上がりました。
「じゃあ、退院して来るのを楽しみにしているよ。まあ、歓迎会はうちに帰ってからだね」


　で、さ、「歓迎会」って言葉を、強く発音して、それから、さよなら、とだけ言って帰ってきたわけ。
　きっと期待しているよ〜。歓迎会。
「そんな、なんて、ことを、ああん、もう、ひどい」
　私は、妻の柔らかい肉に埋め込んだモノを動かしながら、今日の顛末を話して聞かせたのです。
　最初、妻は、怒った振りをしようとしました。しかし、オンナの欲望を刺激されながらでは、うまくいきっこありません。
　そして、ひたすら、そんなこと知らないと言い続ける妻に、今度は「どうする」と言いながら、速い動作で動かしたのです。
「ああ、だめぇ、お願い、やめてえ、あん、もう、もう、いっちゃう、いっちゃうから、ああ」
　私は、急に抜いてしまいます。
　だめじゃない、人の話をちゃんと聞かなきゃ〜
「あうぅ、意地悪ぅ」
　切なそうに、眉を寄せ、腰がうねうねとうごめきます。
「お願い、ねぇ」
　私は、そのいやらしく動く腰を無視して話しかけます。
　あのさ、圭司君が帰ってきたら、するところを見たいな。
「何を言ってるの。何にもしないわ」
　ホントは、したいんでしょ。
　私が、先端部分で妻の入り口を軽くなぞるようにしながら、そう言うと
「あん、もう、うううぅ、あ、あ、あ、あなたああ、もう、ダメになっちゃうから、早く、お願いぃ」
　したいの？
「お願い、あなたのを入れてぇ〜」
　違うでしょ。圭司君にしてあげるんでしょ。
「そんなことしないわ、だって、ああん、もう、だってあなたに悪いし、あん、お願い、ね、ね、あなた。だって…」
　だって？
　私が先端部分を軽く埋め込むと、妻は自分から腰を突き上げて、全部を我が身に埋め込もうとします。無意識の動作でしょうか。私が、腰の動きを合わせて、それ以上、奥に入らないようにすると、無念といった面持ちで
「むぅぅぅ」
　という声にもならない嗚咽を漏らし、いやいやをします。
　もう、奥まで満たす私のモノが欲しくてたまらないという様子です。
　私は、形の良い乳房の頂点にある、ちょこんとした乳首を三本の指で摘むように捻り上げながら
「ほら、欲しいでしょ。胸も感じる？」
　コクコクとうなずきながら、腰が大きくグラインドします。
　圭司君に、してあげるよね
「嫌あぁ、ねえ、意地悪しないで、ねぇ、もう、オカシクなっちゃうから」
　じゃあ、このまま抜いちゃおうか。
「意地悪ぅ、もう、いや、いやあ、おねがいい」
　見せてくれるね。するところ。
　そう言うと、一瞬だけ、妻は、正気に戻ったかのようにビックリした目で、私の目を見つめます。
「見せるって、あなたに、圭ちゃんとしてるとこを…　そんな」
　その、澄んだ瞳は、一瞬の後に、ひどく淫らな表情に消えてしまいます。背中を大きく仰け反らせながら、オーガズムに捕らえられたのです。
「はうう、いく、いく、あなた、お願い、一緒に！早く、ああ！いくっ！」
　妻は、突然、オンナの極致に達してしまったようなのです。私は、余りにも突然起きた妻のオーガズムに、びっくりし、慌てて、奥まで入れます。
「くうううう…」
　私のモノを飲み込むように、うねうねと入り口から奥の方へとヒダヒダがヒクヒク締め付けてきます。その、妻の美肉のうねうねとしたうごめきに耐えるのは大変でした。
　妻の収縮が一段落してから私は尋ねます。
　どうしたの、急に？　
「わからない」
　ひょっとして、想像した？
　私は奥までゆっくりとした動きの中で妻に尋ねます。妻はしばらく、ためらったかのように黙り、そして、コクリとうなずいたのです。
　何を想像したの？
「ああん、もう、し、知らない」
　ちょっと甘えたように、しらない、しらない、と繰り返しながらも、妻の腰は、私を乗せたまま大きく左右に動いてしまいます。
　また、快感が登ってきたのでしょうか。
　しているところ、思い浮かべたんでしょ。
　私はゆっくり動きながらそう語りかけると、妻がギュウッと私を抱きしめてきます。そして、ううん、という唸るような声とともに、また、一気に力が抜けます。
　再び、達してしまったようです。
　私は一気に追い込みます。
　力が抜けたままの妻の奥に今までとは一転して、早く大きなストロークで打ち込むと、妻の美肉はそこだけが別の生き物のように、うねうねと絡みついてくるのです。
「ああ、あなた、また、また、お願い。一緒に、いっしょにきて、ねぇ、ねぇ」
　見せてくれるよね。いやなら抜いちゃうぞ。
「ああ、もう、いや、抜かないで、お願い、このまま、このままで、あなたも」
　じゃあ、見せるんだよ。
　妻は、目をつぶりながら、カクカクと首を振ります。
「お願い、言うこと聞くから、一緒にぃ」
　見てって言うんだよ。
「み、見て！、お願い、見て、だから、ああん、もう、もう、お願い、い、いく、いくぅ！！！」
　今度は私も耐えることができませんでした。妻は、広げた両足をしっかりと私の腰に絡め、ギュウッと奥に私のモノを押しつけるようにしたまま達してしまいます。
　妻の女性の中の、やわらかな、ぐねぐねと動くヒダというヒダが、私のモノをとろけさせるように、うねうねと絡みついてきます。
　私も、とうとう、大量のエキスを妻の美肉にあふれるほど、放出したのです。
　ふふふ、楽しみにしているよ。
　妻は何も答えません。はあはあと荒い呼吸のままです。
　ね、これ、きれいにしてよ。
　枕の横に膝立ちになって、びしょびしょになった私自身を妻に突きつけながら妻に言います。もちろん、こんなにぐちゃぐちゃになったモノを妻が舐めてくれるわけはありません。しかし、こんなに感じていたよという証を妻に見せつけたかったのです。
「もう〜　変なこと言ってぇ、知らないから」
　妻は、そう言いながら向こうを向いてしまいました。
　しかし、私が、それでも、もう一度、頼むよ、と言うとクルリとこちらを向いて、何も言わずに身体を起こして、私のモノをパクリと飲み込んだのです。
　私は、まさか、妻が本当にしてくれると思わず、ドキドキしながら妻の口の動きを見守ります。
　妻のよく動く舌が、私のモノを舐めてくれます。妻自身の白く濁った液が膜を張ったようにたっぷりと付いている私のモノをきれいにしていきます。
　私は、まさかの、その妻の動きに、たちまち回復してしまいました。
　で、圭司君にも、こんな風にしてあげるの？
　私が、妻のあまりに、急に大胆になった行動に驚きを隠せず、ついそう言ってしまうと、途端に、私のモノを歯で挟みます。
　いてて。
　大げさな私の反応に満足したかのように、再び、舌を絡めてきます。
　その時でした。
「本当に見たいの？」
　一瞬だけ、私のモノから口を離し、私の目を真剣な表情で見つめます。
　私は、目だけで、うん、と返事をすると、妻は何も言わず、再び私のモノを舐め始めるのでした。
　私が触れもしていないのに妻は足を微妙にヒクヒクとうごめかしています。
　静かに妻の口から私を引き抜くと、妻の後ろに回り腰を両手で押さえました。そのまま何も言わずにお尻を高くかかげさせます。
　そう妻の嫌いな動物の交尾のポーズを取らせます。
　その姿には、オモチャ屋の主人の前で、全てを差し出しているかのようにしたまま、オモチャで恥ずかしい瞬間を迎えた、あの時の妻の姿が重なります。
　私は、再びぐちゃぐちゃに濡れている妻の中に、大きくなった私自身を、ゆっくりと埋め込んでいきました。
「ああ、いい」
　妻がうわごとのように口にします。
　私の怒張に美肉が隙間なく密着したためでしょう。
　すでに、私のモノがたっぷりと注ぎ込まれた妻の美肉からは、後ろから私が出し入れする度に、ポタポタと、妻のモノとも、私のモノとも付かない液体が溢れます。
　私が幾度も動かぬうちに、軽く達してしまったのか、持ち上げていた両手がかくんと折れ、尻だけを高々と私に差し出しています。
　それは、オンナの全てを差し出している姿でした。
　こんなにも感じている妻の頭の中にあるのは、はたして、私のモノだけなのか。
　そう考えると、ますます、私自身も膨らんでしまうような気がします。
　ふと思いついて、顔をベッドに埋め込んでいる妻に向かって声をかけます。
　圭司君がこの姿を見たらどうするかなあ？
　ヒクンというすごい締め付けの後、妻は、急にいやいやとかぶりを振りながら訴えます。
「いや、いや、見せちゃいやあ、だめぇ、しないでぇ」
　そのくせ、腰が今まで見たことがないほどの淫らなうごめきを見せます。
　妻の腰をつかんでいる手を離してみると、うねうねと妻の腰は動き始めます。
　ほら、もっとお尻を動かしてごらん。自分で逝くんだよ。
「そんな、ひどい…」
　そう言いながらも、ゆっくりとですが、確実に、私のモノが抜き差しするように、体を前後に動かします。
　しかし、慣れないためでしょう。ともすると、私がスポッと抜けてしまい、妻がじれたように訴えます。
「お願い。お願いだから、あなたが、あなたが」
　顔を突っ伏したまま、泣くような声で訴える妻に限界を悟ります。
　じゃあ、こんど圭司君にこの格好でしてもらおうね。良いね。
「ああ、いやあ、できない、そんな、いや、いや、ああ、い、いく、いっちゃうから」
　圭ちゃんして、っていってごらん。
「あ、あ、もうだめ、ああ、け、けいちゃん、して、先生にしてちょうだい、ああ！い、くぅぅう」
　私を幾度も、ケイレンするように締め付けた妻の身体から、がくっと力が抜けます。
　しかし、私は、まだ異様に力がみなぎったままでした。
　ズルズルと抜き出したものには、白く膜のようになった妻の秘液が、再び覆い尽くしていました。　
　怒張の支えを失ったせいでしょうか。尻を高く掲げていた妻の身体が、どさりとベッドに沈みました。
　え？ね、ちょっと、まだ…
　妻をいくらゆすっても、反応がありません。
　まだ、夜は始まったばかりだというのに、妻にとっては、あまりに刺激が強すぎたのでしょうか。妻が目覚める気配は、全くなかったのです。
　それにしても、自分の精力が驚くほどになってしまったのには、自分でもビックリです。これでは、圭司君のことをからかえません。
　昼間たっぷりと、茜ちゃんに出して、今また、妻の奥深くに放出したというのに、途中まで高まった衝動は、押さえるに抑えられずモヤモヤしてしまいます。
　すやすやと安らかな表情の妻の中に、このまま押し入るのは、可能かもしれませんが、少し可哀想な気もしました。
　これなら…
　あまりにも淫らなアイディアが浮かんでしまい、一瞬、自分でも躊躇はしました。しかし、一度硬く大きくなって、美肉にまで入って、途中でそのまんま、と言う状態は、コンコンと精力が湧き出してしまっている今の私には耐え難い状態でした。
　私は、裸のまま、ベッドを抜け出したのです。
　この怒張を待つ、もう一つの美肉を求めて。