エピローグ
　

「じゃあ、今度は、こっちだよ」
　茜ちゃんが覚悟の表情で、コクリと頷きました。
　このために、朝から何も食べていないのを知っています。
　驚いたことに、浣腸と言うことを知っていたのも茜ちゃんなら、アナルをする前に、十分にそれをして置いて、お腹をキレイにしておく、と言うのを知っていたのも茜ちゃんなのです。
　どうやら母親も、時々、浣腸をすることがあったようです。
　不思議に思っていた茜ちゃんでしたが、それが「何のため」にすることなのか、狭いアパートゆえに、とうとう、それを知ってしまった、と言うよりも、見てしまったと言うのが正しいのでしょう。
　それ故に、私にそこを差し出すことには抵抗はなかったのです。
　むしろ怒張についてしまうかもしれない「汚いモノ」で、私に幻滅されることだけが、茜ちゃんの気がかりだったようです。
　しかし、ともかくも、茜ちゃんの全身から力を抜いてしまわねばなりません。
「あううう」
　茜ちゃんを上に載せた体勢のまま、一気に腰を使いながら、私は、茜ちゃんのすみれ色のすぼまりを指で捉えました。
「あ、そ、それぇ」
　ぬぷりと薬指の先端が、すみれ色のすぼまりに飲み込まれていきました。強烈な締め付けです。
　前後の筋肉は繋がっているせいでしょう。
　美肉が締め付ける力は、今まで味わったことのないくらいになります。
「ああ！だめ、あう、あ、あ、あううう！」
　さっきから、逝きそうになる度に、焦らして、焦らして、焦らし続けてきた身体は、この２ヶ所責めに、一気に崩壊してしまいました。
　茜ちゃんは、私のモノを前に飲み込んだまま、指で後ろを掘り起こされながら、オーガズムを極めてしまったのです。
　くたっと、私の上で崩れ落ちる、小さな身体。
　柔らかさよりも、弾力性が先立つ、まだ未熟な身体が、オーガズムの絶頂の果てにピトリとくっついていました。
　これで、余分な力など入らないはずです。
　今日のために「勉強」した私は、静かに茜ちゃんを降ろすと、仰向けにして脚を広げてしまいます。
「初めて」の時は、こうやって、まんぐり返しと呼ばれる形から、そのまま腰を持ち上げる体勢が良い。
　後ろから、と言うより、こちらの方が、女の子の力が入りにくいのだとか。
　確かに、ぐにゃりと広がった脚では、そこに力は入れられるはずもありません。しかし、羞恥の場所を、こんな風にあからさまに広げられてしまうのですから、普通なら恥ずかしくて拒むかもしれません。
　しかし、無意識のように私に協力して、細く、しなやかな脚は、カエルのように広がります。
　さっきまで、私のモノが挿入されていた美肉は、まだ、閉まりきらず、ピンクと言うより、赤に近い美肉の色を剥き出しにしながら、白く濁った茜ちゃんの秘液がその周りを濡らしています。
　もちろん、私のモノは、既に膜を張ったようになっていましたが、どちらかというと、本来サラサラしている茜ちゃんの秘液では、潤滑が足りません。
　そこで、いつかの赤いジェルを私のモノにどろりと垂らしていちど、自分の手で扱くようにして塗りつけます。
「さあ、いくよ」
　はあはあ、と息も荒い茜ちゃんは、聞こえたのか、聞こえないのか。しかし、ともかくも私の近づく気配に、さらに脚を、グッと広げたのです。　
　ヒザの裏側に手を入れて、そのまま持ち上げると、すみれ色のすぼまりが、剥き出しになりました。
　ゆっくりと、先端をくっつけて力を少しずつ入れると、さっきまで指でかき回したせいでしょうか、思ったよりも簡単に先端が入ります。もちろんジェルの滑りも、そして、茜ちゃん自身の秘液のぬるぬるも、助けになっています。
　ヌル、ヌル、ヌル。
　強烈な締め付けを見せる「輪っか」を、私はくぐり抜けようとしていました。
　初めての場所を犯す興奮に、怒張は最大限に勃起しています。
　その亀頭の膨らみに合わせて、茜ちゃんのその「輪っか」は、そのまま目一杯広がって、パチンといつ切れるのかと思うほど伸びて、私を受け入れていました。
「息を吐いて」
　茜ちゃんが力を抜くのに合わせて、私がぐっと力を入れます。
　ヌルッ……
　息をゆっくりと吸わせている間は、強烈な締め付けを楽しみながらじっとして、また、息を吐かせる瞬間に、少しだけ奥にグッと、入り込む。
　そして、４度目に吐いた瞬間、まるでカチッと音でもしたように、カリの一番太い場所が通過して、一気にかっちりと飲み込まれてしまったのです。
　ここまで来れば、あとは、楽になるはずです。
「痛い？」
　黙ったまま、首を振るのは、自分の身体に生まれた新しい感覚を懸命に探ろうとしているせいなのでしょうか。しかし、すくなくとも、茜ちゃんは嫌がっても、痛がってもいない表情です。
　いえ、茜ちゃんは、私に求められることならば、何でもしたいのだとずっと言い続けてきました。今日の「喪失」だって「いつかの約束、覚えてます」と、自分から言い出してのことなのです。
　グッと、また力を入れると、もはや抵抗も少なく、ズルズルと、さらに奥に入ります。
　ジェルにまみれた私のモノがすぼまりをゆっくりとかき分けていきました。
　強烈な締め付けは、美肉の締め付け方とひと味違います。
　入り口の強烈さに比べると、中は、意外に広がっています。なんだか、ちいちゃな輪ゴムをひと束にして、そこに挿入しているような、そんな気分でした。
　奥に入れた部分は、ぬるっとした物に包まれていますが、美肉のような締め付けは、出てきません。
いきおい、締め付けられる心地よさを求めて、抜き差しの動作が大きくなるのですが、それは、すみれ色のすぼまりを大きくこすり立てることと同じなのです。
　次第次第に、茜ちゃんの顔に、だんだんと、うっすらした赤みが浮かびます。
　さすがに、入れるときには、うっと口の中で言葉を止めた、苦しげな表情を垣間見せますが、抜く動作をしているときには、少しだけでも快感があるようにも見えます。
「どう？感じる？」
　眼を閉じた茜ちゃんが、私の動きに合わせて、だんだんと息が荒くなってきたのを見て、つい、そう言ってしまいました。まさしく、その時の表情は、感じているときのモノだったからです。
「ああ、いやん」
　突然、真っ赤になった茜ちゃんは、その可愛らしい顔を両手で覆ってしまいます。
　どうやら、後ろの孔で感じるのは、茜ちゃんも恥ずかしいようです。とりもなおさず、それは、快感の告白、と受け止めて良いということ。早くも、後ろの動きに慣れてきた、と言うことでしょう。
　カエルの脚になっている、しなやかな脚をさらに持ち上げて、私は腰の動きを少しだけ速くしながら、二人の間に、右手を入れました。
　クリトリスを捉えます。
「あふぅう」
　途端に声を我慢できない茜ちゃんは、私にしがみついてきたのです。
「あう、あう、だ、だめ、あうぅ、おし、りが、おじさん、あうう」
「どうした」
「あうぅ、ごめんなさい、エッチで。あう、でも、いい、いいの、お尻が、なんだか、あうう、焼けちゃいそう、ああ、おじさん、もっと、もっと、メチャメチャにして、あう！」
　きっと痛みは、あるはずなのです。
　それが茜ちゃんのマゾ性を刺戟したのか、はたまた、全てを私に捧げた精神的な満足感なのか。
　なんと、お尻に私を入れたまま、茜ちゃんはのけ反って、白い喉を見せています。
　強烈な締め付けと、ヒクンヒクン、ヒクンと驚くようなケイレン。
『逝った……』
　オーガズム。
　お尻を犯されながら、クリトリスの刺激を受けたとは言え、逝ってしまうとは。
　まだ、未完成の女体から、一度、グッと力が抜けて、私の動きを楽にしてくれます。
　しかし、動きを再開すると、一転して、すみれ色のすぼまりの強烈な締め付けが、さらに、一つ、奥の何モノかが、カリの部分にクッとくっつくように締め付けてきました。
　いったい何なのか。
　人体に、肛門の奥に、締め付ける筋肉があるなんて知りませんでしたが、もし、これが茜ちゃんだけにあるモノなら、これは、神が与えた快楽のための器官に他なりませんでした。
　強烈な締め付けが二つの輪っかになって、亀頭はその狭間で、サンドイッチになったままこすられていきました。
　それは、私にとっても、感じたこともないような未体験の、腰がとろけていくのかという快感です。
「気持ち良いよ」
　茜ちゃんにキスをしながら、そういうと、嬉しい、と涙を浮かべています。
「あれ？痛い？」
「いいえ。嬉しいんです」
　尻孔を犯されながら「嬉しい」というのは、茜ちゃんの精一杯の愛情表現なのかも知れません。
　感激は、射精のスイッチを速く押してくることになります。
　腰から不意に登ってきた、強烈な電流に抗うこともできませんでした。
　私に出来ることは、腰を一気に遣うことだけでした。
「あかね、いくぞ、だす、出すぞぉ」
「ああ、あう、はい、だして、だして、あう、私も、い、いく、いっちゃうう、あうう！」
　今日は、いったい驚くのは何度目になるのか分かりません。
「あああうう、お、おじさん、いくぅうう！」
　茜ちゃんは、私の射精に合わせて、アナルでも、オーガズムを迎えてしまったのです。
　いくぶんは、精神的なモノもあるのでしょうが、尻孔の動きだけで、痛烈なブリッジを作りながら、その細く白い身体は、オーガズムに震えたのです。
　まだ幼いと言ってもいい、その若くしなやかな身体は、確かに、強烈なオーガズムを感じているのだと、息もできぬほどの硬直が、物語っていました。
　その中で、私は、いつか初めて茜ちゃんの中に出した日のことを思い出してながら、今また「初めての場所」に、快感の塊を放出し続けていました。
　どくん、どくん、どくん、どくん。
　幾度も、幾度も、引き金を引いてしまう、終わりがいつ訪れるのかも、わからない、射精の間、茜ちゃんもまた、オーガズムから下りることはありませんでした。
　私も、呼吸を忘れるほどの快感に、しばし浸った瞬間です。
「ふぅ〜」
　しばしの硬直から、息を吐いて力を抜いた瞬間、私のモノが、チュポン、と音を立てるようにしてはじき出されてきました。
　まだ、小さくなりきってない怒張に、汚れはまったく見えず、ただ、私が出した精液が、絡みついていました。
　どうやら、ジェルも、いつの間にか、摩擦の中で取れてしまったようです。
　尻餅をつくようにした姿勢で脚を投げ出し、私は、はあ、と力を抜いていました。
「きゃ、だめぇ」
　慌てて、茜ちゃんは起き上がると、一気に、私のモノを口に含んでしまったのです。それには、私の方が慌ててしまいます。
「茜ちゃん、茜ちゃん！」
　首を左右に振って、私のモノを出すどころか、ペロペロと舌でこすり上げてきます。
　力を失った怒張には、いくぶん刺激が強すぎるホドです。
「あか、ね、ちゃ、ん？」
　私の股間に顔を埋め込んで、懸命にフェラを続けています。その顔には必死さがにじみ出ていました。
「お願いします、見ないで、見ないで、お願いです」
　必死に、懇願するときも、私のモノをグッと両手で隠しそうとしたままでした。
『あ、そうか』
　どうやら、茜ちゃんとしては、自分の「汚い場所」に入った痕跡を見られるのを、一番恐れたんだと思います。だからこそ、そこに入っていた怒張を口に入れる、なんてことを選んだに違いないんです。
　その姿は、羞恥と言うより、限りなく被虐の悦びを知るマゾのオンナの媚び、とでも言うように見える気がします。
　しなやかな身体を丸めながら、後ろの孔から出したばかりの怒張を、そのまましゃぶり、舌を遣ってきれいにしようとしています。
　じゅる、じゅると音をさせる、お掃除フェラ。
　私は、その薄い肩を掴まえます。
「もういいよ。さ、このままバスルームに行こう」
　え？という表情で私を見上げるのも、怒張を口にくわえたままでした。
「オシッコをしないとね。尿道に入るとまずいから」
　コクリと頷いても、まだ咥えたまま。
「そうだ、オシッコする間、これ持ってってもらおうかな、それ」
　嬉しそうな笑み。しかし、にっこり笑って、コクリと頷く時も、口からは出しません。
「オレがオシッコするところを見せるのだから、その次は、当然、君が見せるんだよね……」
　私の意地悪な物言いに、困惑した顔でイヤイヤをしてみせる顔が、いかにも子どもっぽいのに、私はなんだか不思議な思いでした。
「だ〜め。見せるんだよ」
　悲しげに目を伏せようとした瞬間、そのパッチリした瞳の中に、官能の光が宿っているのを確かに、私は見たのです。
　一方で、もう一度開いた瞳は、また、あの、明るく、子どもっぽい表情のまま。
　本来は、この子どもっぽい表情だけでも良いのに、その口は、大人以上の妙技で、怒張を扱き上げている茜ちゃんなのです。
「さ、行こうか」
　私は、無理矢理茜ちゃんを引き離すと、バスルームに追い立てました。
「ああ、あう、い、いく！いく、いく、いくう！いっちゃう、ああああ！」
　寝室からは、ちょうど妻が絶頂を告げる婬声が響いてきました。
　今日、何度目か分からぬセックスをしている妻の声が、掠れていました。
　このところ、妻は、その身体を、若いオスが望むままに開かねばならなくなっています。
　近親相姦だけは、と妻が、思ったせいです。いかにも、教育者の最後の、プライドなのかも知れません。
　とにかくも「姉に手を出さない」という約束で、いつでも我が身を捧げると言ってしまったのです。
　若くて、まだ、外出もままならぬ圭司君は、それからは、ヒマさえあれば妻の肉体に、青臭い精液を注ぎ込み続けました。
　そして、成長の早いオスは、セックスもまた、飲み込むまでに時間はかかりません。ここ数日は、一度の射精までに、遙かな年上のメスから散々にオーガズムを搾り取ることを、覚えてしまったのです。
　今もまた、オーガズムを告げる声の後、まだまだだよ、という幼い声が聞こえてきました。
　つかの間、立ち止まってしまった私を、茜ちゃんがのぞき込んだ後、少しだけ引っ張りました。
　黙って肯いた私は、一緒に、バスルームに向かったのです。


　茜ちゃんの、もう一つの処女を散らして一月とたたないうちに、圭司君も、それを知ってしまいました。
　妻の身体をむさぼっても、若い性欲は、姉の手で出してもらうことも日常としているのを、隠してあるカメラで、私は「知って」いました。
　その会話の中で、茜ちゃんは、セックスだけはダメだけど、と弟に言い聞かせていたのは嬉しいことでした。
　しかし、弟の涙ながらの訴えにほだされてしまった姉は、とうとう「いつか後ろなら」と約束して、私との「初体験」を喋ってしまったのです。
　妻の体で、若い精を吐き出し続けているとは言え、オトコという生き物は、常に、新しい「孔」を求めてしまう生き物です。まして、若いオスには飽くなき好奇心というモノも持っています。
　なによりも、圭司君には、美しい姉に対する思い入れがひときわ大きいのでしょう。姉が経験したなら、どうしても、自分もさせろと聞かない弟に、それでも姉は「そのうちね」とオアズケをさせていました。
　となれば、その興味は、勢い、自分が何でも自由になる相手。つまりは妻に向けられるのも必然だったのかも知れません。
　かくして、妻の後ろの処女は、いつの間にか、圭司君に奪われていました。
　私のモノとは違って、まだ、発展途上の細さと、私より数段、硬直が続く怒張が、好奇心とともに発揮されてしまった結果でした。
　妻は、そのことを、後から、すまなそうに告白したのです。
「けいちゃんに、後ろの処女を差し出してしまいました」
　その時の妻と来たら、さすがに泣きそうだったのです。
「処女喪失の日」は、この間の妻の生理の日。しかも、２日目のことでした。　
　さすがに血まみれになる「オンナ」の場所では受け入れられず、かと言って、口でするだけでは圭司君が納得しなかったとか。
　もちろん、圭司君ははじめから、そのつもりだったに違いありません。
　ヤクソクと違って、姉がなかなか許してくれないなら、その「味」だけでも早く確かめたい。
　若いオスに、いつ許されるともわからぬ時を待つ余裕などなかったに違いありません。
　生理で美肉が使えぬとあらば、妻の選択肢は、フェラしかありません。
　そこに、決まり文句の、お尻がダメならお姉ちゃんとする、という切り札を出されては、妻に、抵抗する手段などあるはずがありません。
「あなたにごめんなさいって思ったんだけど、でも、あんまりにも必死で頼んでくるから……　ごめんなさい」
「痛かった？」
「案外、大丈夫だったけど……、あの……」
「けど？」
「ううん、なんでもない」
　もちろん、言いよどむことを許すはずもなく、快楽責めをしたあげく、ムリヤリ言わせた真実は、妻が後ろで逝ってしまったという、驚くべきコトでした。
　もちろん、私のものを、その場で受け入れさせたのは言うまでもありません。
　ただ、私の物の方が、太いため、滑りが悪いと、相当に痛むらしく、茜ちゃんの時のようにジェルを垂らしながらの行為でした。
　しかし、たっぷりとジェルを肛門に塗り込む間も、秘液をたらたらとこぼす様子は、完全に、後ろの感覚が妻に存在することを、しっかりと告白したも同然です。
　もちろん、滑りをよくした結果もありますが、一種、マゾヒスティクな感覚が、妻のオーガズムにつながっている気もしました。
　しかし、一つだけ確実なのは、妻も、そして、茜ちゃんも、また一つ、快楽の階段を上ってしまったと言うことです。
　柔らかな乳房を掴み締めながらの、甘美な放出。
　しかし、妻もまた、茜ちゃんとは違う種類の快感の中で、強烈な快感を味わっているのも間違いありませんでした。


「修学旅行かあ。今頃、どうしてるんだろうね」
　みんなで、肝試しに枕投げ、なんて、今時、流行んないし…
「きっと、みんなと楽しく話しているんじゃない。初日の夜はみんな元気だしね」
　ふうん、じゃ、こっちは楽しく、くっつきましょうか。
「もう、えっちねぇ、あん、だめ、圭ちゃん、あとで。」
「だって、先生も、もうヌルヌルになってるから」
　久しぶりに、ジェルまみれにしてあげる。
　私は、浴槽の中で圭司君に抱えられている妻を横目に見ながら、いつものジェルを探します。これがないと、開発途上の妻の後ろに入るのは、まだ困難でした。
「ああ、あうう」
　鋭い声が、一つ響いたのは、このところ急速に発達している圭司君の怒張が、湯の中で妻の美肉に挿入されたことを告げています。
「はっ、はっ、はっ」
　口をパクパクしながら、喘ぐような呼吸。
　さっき、さんざん、二人がかりで、たっぷりと「洗って」上げた分、びっしょりとなっているはずの妻の美肉は、いきなり挿入されても、しっかりと快感を覚えているのでしょう。
「ああ、あう、もう、ああ、だめぇ、こんなところで、あう、こ、これ以上されたら、おぼれちゃう」
　あれ、ジェルどこに行ったんだろ？
「もう、また、しっかりしまわないからよ、あん、もう！あう！だめ、だったらぁ」
　浴槽から、規則的な波が起きて、こぼれ始めます。
　ダメと言いながらも、既に妻自身が圭司君に合わせて動き始めたようでした。
　ジェルがないと、まだ後ろは痛いよなあ。ま、いいや。じゃあ、後ろは圭司君に任せて、口でしてもらおうっと。
「あん、もう、やっぱりするのぉ、あん、だめえ、けいちゃん、そっちは後で。あううん、だめぇ」
「とりあえず、１回ずつ出しておこうね。圭司君はそのままでいいよ。僕はこっちでいいから」
　私は、あるはずのジェルの容器をまだ目で探しながら、浴槽の縁越しに妻の目の前に強張ったモノを突き出します。それは、すぐに温かい口の中に迎えられました。
　最近は妻も上手になってきて、圭司君を迎え入れながら、巧みに口を動かせるようになってきています。
　妻のやわらかな舌の動きに身を任せながら、ふと窓に目がいきました。
　いつの間にか、窓の真ん中に、満月が出ていました。
　そういえば、二人がきた、あの晩も満月だったっけ。
　ふと、二人が家に来た日のことを思い出してしまいました。もはや、２人は不可欠な存在になってしまったのです。
　期限付きだったはずの輪唱は、もはや終わることを誰も望んでいませんでした。いえ初めから、終わりなどなかったのかもしれません。
　圭司君に下から抱えこまれるように貫かれて、あえぎ始めた妻。それでも、私を離すことはありません。
　あっという間にこみ上げてきた私は、妻の喉の奥めがけて、早々と放ちました。
　ゴクリと飲み下す妻の喉。
　その喉から、たちまち快楽のフォルテッシモが響きます。
　それは、終わりなき輪唱の１小節だったのかもしれません。
　　　
　カノン　〜ｆｉｎ〜