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（本稿の妊娠・出産に関する記述はすべて個人的な考え方に基づく架空の創作で、科学的根拠も社会的根拠もありません。）
Ⅰ
２０＊＊年の今日この頃、日本ではお産婆さんに代わって助産士という男性がお産の介助をするのがあたりまえになっている。世の夫たちは妻を妊娠させた責任として、出産を不安がるに妻に安心して子供を産んでもらうために、妻が気に入る助産士を妻の妊娠・産褥生活の伴侶としてあてがうのが習慣になっている。
ボクは、その助産士のなかでも、若い妊婦の人気を一身に集めているカリスマ助産士だ。
何が人気の秘密なのか、知りたいのなら、しばらくボクの話におつきあいいただこうか。
ボクのお産の哲学は、「自然の力を信じよう」だ。帝王切開だ、陣痛促進剤だという、神をもおそれぬ医者の奢りが、お産をけがしていると考えている。妊婦は自然のままの生む力をもっている。お産はその妊婦の力を最高の形とタイミングでひきだせばいいだけなのだ。
だからボクは、自宅出産をすすめる。異常があるときは仕方がないが、医者の出番だ。それ以外は、ぼくがまかせてもらう。そこは女性の助産婦とは違って、男のぼくには、いざとなれば力もある、決断力もある、自宅に居てどんな事態になっても、安心してもらえる経験と技術もある。いざとなれば飛んできて手助けしてくれる助産士仲間も、ボクのファンの先輩助産婦さんもいる。
ぼくの顧客である、若い夫や妻たちは、このぼくの流儀に共鳴してもらわなければならない。そのうえで、ぼくにすべてをあずけてもらう。
あとは、ぼくが、妊婦と一体となって、渾身の力を発揮して、自然で完全な出産を実現するだけなのだ。これがぼくの「お産哲学」だ。
様子を聞きに来た夫婦にぼくが「哲学」を話し終えると、
「どうか妻をよろしく」と夫が喜びのあいさつをし、いい人に会ったというように瞳をかがやかせて手をさしだす。ぼくはその手を強く握り返し、目をみながらいう。
「奥さんは確かにお預かりします。ただし妬けますよ。」
かれは怪訝な顔をする。
「今日からぼくは、毎日のようにあなたのお宅にうかがい、奥さんのおからだに触り続けます。妬けますよ。妬いてくださって結構です。奥さんが、ご主人を妬かせるくらい、ぼくに心を開いてくださらないと、お産がうまくいきません。」
彼はやっとぼくの理屈が分かる。しかし急に不安な陰が顔を曇らせる。なんとなくぼくの言い方を納得はしていないようだ。彼が何か確かめようとするのを遮るように、ぼくは奥さんに目を移す。
「ね、奥さん。」
隣で恥じらう夫人の手をとり、やさしくもみながら目を見て言う。
「ぼくにおまかせくださいますか？」
「お願いします。」
奥さんは、ここで向き直ってきっぱりした口調になる。
その力強い妻の口調に、夫は気押されて、もうそれ以上言うのをやめる。
これで、若い妊婦は、かくもうすカリスマ助産士の虜になる。
修司と亜子の若夫婦が初産の相談にきたときも、こんな出だしの会話になった。修司は実力商社マンでもう部長だというのに、婚期が遅れて若い花嫁を迎えた。いい家の箱入り娘だったらしい亜子は、初々しい専業主婦だ。亜子の美しさには驚嘆した。この蝋のような白い体を、病院の猥雑な環境にさらさなくてよかった。白衣の下は野獣のような産科医に蹂躙させるわけにはいかない。心からそう思った。告白すると、それはぼくが彼女の密かな部分の美しさを独占できる喜びだった。彼女のすべすべしたうなじから、胸の盛り上がりのラインを目で追いながら、ぞくぞくこみあげる歓喜で、一瞬の戦慄に襲われたほどだった。
つぶらな瞳でまっすぐぼくを見つめる亜子の目を見返しながら、平静を装ったボクは、彼女に問診をはじめた。
「７か月ですか。いままでは・・・」
「保健所から紹介された産科医院に」
「どうしてこちらへ」
「自宅出産が希望なもので、先生ならと・・・」
「分かりました。明日お宅へうかがって、これからの生活指導と、かんたんな妊婦体操の練習、それと検査をさせていただきます。ついでに、お産をなさりたい部屋の環境やお風呂やトイレの様子を拝見して、どういう準備をすればいいか、ご相談いたします。あ、それから、ご主人にもご一緒にいていただけると何かと・・・ああ、ご無理なら結構です。あとで奥様からよくご説明なさっておいてください」
それにしても、亜子は美形だった。部屋を出る亜子の後ろ姿を目で追いながら、腰骨のよく張った形のいい尻の、上向きでよく締まった様が、彼女の性器が上付きの極上であることを物語っていた。ピンクの匂うような陰門が黒々と艶やかな陰毛の間から恥じらうようにのぞいている淫靡なイメージが瞼に浮かんだ。ぼくは妄想を払うように立ち上がって、「多産系かな」とつぶやいた。胸が高鳴った。
Ⅱ
最初の日妄想したイメージが、いまでは現実となって目の前にあった。
閑静な高級住宅地の昼過ぎ。日当たりの良い客間にカーテンをして、寝具を広げて横たわった亜子は、新婚１年の初々しい体をかたくして、膝を立て、股間をぼくに少しだけ広げていた。黒い陰毛の下に陰門はまだ隠されている。
「今日から正式の消毒を始めます。ぼくの拭き方を覚えておいてください。もう少し足を広げていただけますか。」
妊婦はもう臨月だった。あれから何回目かの訪問で、すっかりボクの流儀に慣れた彼女だった。
ボクは遠慮なく彼女の膝を持って股を広げる。ピンクの中心が口をあけたのが陰毛の中から現れる。
医療用ゴム手袋のぼくは、脱脂綿に容器から消毒液をふりかけながら陰裂の状態を確認した。艶のある黒々とした陰毛の上から脱脂綿を当てた指先で地肌を探りながら、まず臍の下を上からクリトリスの付け根まで、はくように拭く。先がカールした黒い毛が濃からず薄からず、いいバランスだ。脱脂綿がクリトリスの周囲を拭っていると、かわいらしいピンクの蕾がポチっと頭を出す。注意深くその周りだけを丁寧に事務的に拭き続ける。いきなりクリティカルなシチュエーションになったが、清拭は上から始め、下へ拭き下げるのが鉄則だから仕方がない。あまり強く刺激しないように気をつけながら、少しづつ横にずらして、ていねいに下へ向かって拭く。次は、左側の下腹部から股の付け根へ、上から下へ、何回か拭く。右側も同様にていねいに繰り返す。亜子は冷たい脱脂綿が下腹部にさわると息をつめて構える。気にしてないとう風に息を殺して。ぼくに余計な気を使わせまいとけなげに。
ボクは事務的に脱脂綿を取り替え、消毒液をたっぷりしませて、さっとクリトリスに嵩ね、機械的にていねに拭く。クリトリスの根本を脱脂綿の上からつまむと、亜子が一瞬腰を浮かす。ぼくは無視して拭き続ける。亜子の切迫した表情がこわばる。
ぼくは、クリトリスを終わると、陰裂の表面全体を指でつまむようにしながら下へ向かって拭く。陰唇を上から下へ繰り返し拭き、まず中側から。内陰唇の溝をていねいに上から下へなぞる。外陰唇の左右の縁の厚い肉をつまむようにしてこれも下へ拭いていく。亜子がかすかにうめく。踏ん張って硬直した股がふるえている。ぼくはひたすら無視する。彼女の羞恥心をかわすには、これしか方法はない。がまんしてほしい。
もう少しだ。そう念じながら消毒液をつけた新しい脱脂綿を人差し指と中指に巻き付けて、膣口を拭く。指が膣に入ると彼女がぐっと腰を引く。入り口の内側を広げるように拭くと、表皮の近くのクリトリスが引っ張られたらしく、鋭い快感に亜子がぎくりとする。歯をかみしめて懸命に息を噛みころしているのが分かる。無視。なお拭き続ける。ここまでくれば、もう大丈夫。彼女は、すっかり観念して、股間の緊張がほどける。
ぼくの指は、自由に動き回る。彼女の腰が、気のせいかぼくの指を追いかけはじめる。スリットにはとっくに透明な液体があふれ出している。はーっと彼女の吐息。目を堅くつぶっているが、からだは完全にぼくに向かって開かれている。ぼくの指で快感を楽しむ余裕がうかがわれる。成功！ぼくと彼女の黙契成就の瞬間だ。
もう亜子はクセになったはずだ。明日からぼくの訪問を待ちこがれるのだ。
ぼくと妊婦が一緒になってお産をやりとげるいい関係がはじまる。
「それでは拝見します。膝をもう少し立てて、開いて、そうです。
深呼吸してください。吸うとき指が入ります。はい、入りました。」
ぼくは膣に指を入れて、子宮の下がり具合を確かめる。
（順調だ！）
黙って指を抜いてから、もう一度膣を消毒する。
最後にクリトリスをつまんでみる。スリットに分泌液がジュンとあふれる。
（内分泌も異常なし。）
「これからは、トイレやセックスのあとで、先ほどのような要領で消毒をお願いします。セックスの後はご主人にお願いしてはいかがでしょうか。」
亜子は真っ赤になって、返事を飲み込む。
「はい、それでは次に妊婦体操を。お腹が大きくなったので、布団の上でできるものにしましょう。」
亜子には下着をつけて寝間着姿で寝てもらう。仰向けの彼女の足をあぐらをかくように畳んだり、のばしたりの体操。足を畳む時にぼくが上から押さえつけて、できるだけ大きく股をひろげさせる。これを繰り返す。押さえつける時に、彼女の足のかかとが股間のマウンドに当たる。かかとがうまく割れ目に食い込むようにリズミカルに押す。これが彼女は、気に入ったようだ。
次は寝間着姿の亜子をぼくが後ろから抱えるようにして座り、後ろへ寄りかかる彼女の上体をぼくが受け止めて、足を広げたり閉じたりの体操。そのままの姿勢で足を上げたり下げたりの体操。
「これはご主人にお願いするといいですね。ご主人がする時は、こうしてオッパイももんでいただくと効果的です」
そういってぼくの両手が後ろから彼女の左右の形のいい上向きのお乳を下から上へ、柔らかくもみしだく。
「こうして乳首ももんだり、引っ張ったり」
そういいながら、遠慮なく乳首をつまみ、もみ、引っ張る。
また亜子は、ハーと深く呼吸する。両足が硬直し、内股がふるえている。
ぼくの股間は怒張する。怒張した先端が彼女のお尻の下に後ろから入り込む。気がついた彼女は、また体を堅くする。ぼくは知らん顔で、堅くなっ た先端を彼女の尻の穴のあたりにあてておく。お腹の大きくなった彼女は、お腹をせりだしたポーズで、ぼくのなすがままだ。ぼくはかまわずそのお腹に下側から手を回して、そっとマッサージをはじめる。
「深呼吸しましょう、吸って、吸って、吐いて、・・・」
ここまでくればもう少しいいかな。彼女の様子をうかがいながら、最後のごほうびをあげることにする。
「ハイ吸って、吸って、吐いて、・・・」
いいながらぼくの手が前から、彼女のマウンドを優しくなで、指がスリットへ入る。彼女はみじろぎもしない。深々と呼吸しながら、ぼくの指を受け入れている。指先に分泌液が流れるようにあふれ出るのが分かる。亜子の押し殺した深い吐息が静寂のなかに流れる。ぼくは、黙ってクリトリスをぬらしてもむ。亜子は、足をいっぱいに広げて、ぼくの指にスリットをあずけてのけぞり、大きくうなって足を踏ん張り、固まる。ぼくも爆発寸前で呼吸が乱れる。手早く彼女の股間を拭き、離れる。
仰向けに床に伏し、体をかたくして目をつぶる亜子。足は大きく広げたままだ。なお濡れ続けている。傍らで見守るボクは、そこをまたきれいに拭う。彼女はもう完全にボクの共犯者になっていた。
Ⅲ
先週に続ききょうは、バスルームでお産の時の呼吸法と「いきみ」の練習をした。
ボクはショートパンツ、彼女は裸体。湯船にぬるいお湯をいっぱいに張って、彼女には足を広げて腰を浮かせて仰向け状態で入ってもらい、膣口に力を集中する練習をする。お腹が大きいのでお湯の中なら動きが楽だからだ。
輝くような真っ白な大きなお腹が大理石のよう、お湯からせりあがっているお腹の密度の濃い白い肌に水適がしあたる。その下に黒々とした濃い下草が繁り、海の中の昆布のように豊かに揺れている。その黒い草むらにくっきりとピンク色と褐色の縦の筋が数本走っているのが、ぶよぶよとゆがんで見える。大きい陰部の口が膨れ上がって見える。はっとするほど、そこだけ猥褻感が漂いだしていた。
ぼくは眼をそらすと、彼女のお腹に手をそえて、優しくさすりながら拍子をとってかけ声をかけた。
「すーすー、はー。すーすーはー。」
呼吸を整えてから、ボクが右手の人差し指と薬指を膣の下端に当てて軽くつかみ、同じ手の親指をこの字の状態で、肛門方向に蟻のと渡りあたりに当て、呼吸に合わせてリズムをとって強く握ったり、離したりする。会陰がお産で引き裂かれることが多いので、この部分の筋肉を鍛えておくのだ。
また実際にお産の時、会陰が裂けるのを防ぐために、お産の間中僕が指でここを押さえ続ける必要があるので、妊婦に要領をのみこんでおいてもらうのだ。また、膣に指が入っていると、産道の赤ちゃんを助ける「いきみ」の感じもつかみやすくなるだろうという計算もあった。
ぼくは、淫靡な妊婦のポーズや感情は無視して、彼女の呼吸に合わせて、リズムをとって膣と股間をつかみ続ける。３０分は続けて練習しておく。へとへとになる。
彼女も、ボクの指が入る場所が場所なので、ひっきりなしに分泌するものがあるが、もういちいち気にしてはいられなくなる。最初の快感も、やがて苦痛になるからだ。ぼくが、全く手抜きをしないので、彼女はぼくの意図を曲解することもない。一心に体を開いて、スースーハー、スースーハー、を繰り返す。ある種の惑乱があるからこそ、苦痛が和らげられるということもあるだろう。女性の恥ずかしい部分をさわったり、下半身裸の状態に長い時間よりそったりするから、男性が助産士になるのは反対だというのが、数十年前の、二十世紀末の議論だった。いまはウソのようなことだ。
「奥さん、つらいですか。よくがんばりましたね。ではご褒美にしましょうか。」
ぼくは、さわらないよう避けていたクリトリスをむきだし、スリットからあふれていた分泌物をつけた指でねちゃねちゃともてあそび、小さく「あっ」と足を踏ん張る彼女の股間に、短い陶酔の時間をつくってあげた。
この後はお風呂で定番になったエクササイズだ。余韻を楽しんで目をつぶって湯船に浮かぶ彼女の乳首を、勃起していなければ、ボクが軽く吸い出してあげて、ぼくの指がもみ続ける。これが彼女には最高の楽しみになっているようだ。
「さあ、いいかげんにしないと、体にさわりますよ」「風邪をひきますよ」とでも言って追い出さない限りいつまでも、あとねだりが続くのだ。
最近は、さすがに気になるのか、湯船を出ると、ぼくの前にしゃがんで、ぼくの倅に挨拶をしてくれるようになった。口や体内への挿入は立場上厳に戒めているので、指でつまんでもらうだけだが、長い時間耐えているので、たいていはちょっと上下にピストンのように動かすだけで簡単にオーバーフローして、彼女を安心させるのだった。
Ⅳ
「白魚のような指」とはこのことだ。心につぶやいた。目の前の蝋細工のような透き通った小指が、朱をさした唇の間にあてがわれ白い歯が噛んで、快感を漏らすまいと、美しい眉間にしわを寄せている姿は、見ているだけで心が揺さぶられ、こちらも昇天してしまう心地がする。
寝床の上で立て膝を大きく割られた亜子は、往診の医者が太い指で、割れ目を外陰唇から内陰唇へと、執拗につまんだりなでたりを繰り返す動きにすっかり乱れ、美しい顔に羞恥の表情を浮かべて耐えていた。
「だいぶ産道が降りてきましたね。順調ですよ」
きょうは、産婦人科医の検診だ。在宅出産の妊婦の安全のために、節目の検診がある。きょう来てくれたのは、医者仲間の間でも評判の男だった。妊婦の陰門の外観と内部の構造機能との相関関係を研究すると称して、その実、下品な性器の品定めと性的機能のランク付けが趣味で、必ず妊婦を濡らしてしまうので有名な奴だ。亜子の美しさに怪しく目を輝かせていた彼は、ボクの存在は全く無視して、したい放題だった。
亜子らしくなく「あん、うーーん」と、突然あられもない声を上げた彼女は、大きなお腹を突き上げて、膝を崩してしまった。両手両足は突っ張ったままで硬直し、うめきが続く。
見ると、くだんの医者は、指を三本そろえて、ゆるくなった陰門深く挿入し、「触診」の最中だった。どうやら子宮口のあたりに深く挿入された指が、静かに動くたびに、彼女は切迫して声をあげているようだ。子宮が敏感になっているのだ。
乱暴なことが厳に慎まなければならないのに、何をしているのか。ボクは怒り心頭に発して、彼をにらみつけた。薄笑いした彼は、するりと指を抜いたと思ったら、スリットから濡れた拳が現れた。ゲンコを挿入していたのだ。だいぶ産道が広がっているのだ。
堅い表情の亜子がちらっと医者をにらんだ。拳挿入へ非難の視線だ。彼は無視して陰唇を上から下へ、つまんだり、もんだりしながら点検した。また、彼女が「うっ」といって腰を浮かした。中途までふくらんでいたクリトリスを乱暴につまみ出したのだ。さすがの彼女もここでまた濡れてしまった。
彼は図に乗って今度は下側がたれ気味の形のいい乳房を重さを図るようにしながらもみはじめた。乳首が一段ふくらむと、笑いながら乳首を手のひらで転がした。
「結構です。カリスマ君の手入れが行き届いているようです」
皮肉たっぷりにぼくを見てから、
「お産の時、またお目にかかりましょう。」
そういって妊婦の股間をもう一度未練がっましく覗くと、立ち上がった。
亜子のからだから、力が抜けていった。
医者がかえってから、ぼくは彼女の精神的なショックや肉体的なショックをなんとかしようと、しばらく、彼女の肩を抱いて背中をなでながら添い寝した。
呆然としていた彼女はしばらくすると、ボクの胸に入り込むように抱きつてきた。そして、ぼくが何か言おうとすると、ボクの唇にあの白い指を当てて、黙っているように促した。
ボクは彼女の指を口に入れて、そっとくわえたまま、手を肩から腰に回した。ボクたちはそのままの姿勢でじっとしていた。動いたら何かが壊れるような感じだった。口からボクの指をはずした彼女は、ちょっとボクの目をのぞいてから、すっと唇をボクの唇に寄せて、自然にキスをした。
ボクは、体を離し、横たわる彼女の横に座り直して、体を拭いた。股間を消毒した。ていねいに。心をこめて。陰唇を消毒するとき彼女はまたしとどに濡れた。濡れた体をまた清めて、腹に帯を巻いていると、彼女は泣いた。泣きながら言った。
「カリスマさん、ありがと。」
「きっといい子が無事うまれますよ」ぼくは心からそう思って言った。
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