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Ⅳ
彼女の甘酸っぱい体臭が香ると、ぼくの股間が反応した。彼女は恥じらいながら、ぼくに向かって体を起こし、胸を広げると、手を両の乳房にそえてもちあげ、床の上に膝を広げて股間がよく見えるように足を開いた。
ぼくは、無表情に指で乳首をつまんで確かめ、手を内股からスリットへはわせながら、分泌物がないか指でなぞっていく。彼女は、さとられまいとしながら、触られるたびに息をつめている。
９か月。亜子の帯を取り替える時、床の上で彼女はもう体を起こしているのがつらいほどお腹がせりだしてきた。乳房は普段の三倍にはなったろうか、せっせともんだ甲斐あって、多忙の夫君に代わってボクが吸ってあげたので、乳首ももうひっこむことなく、かわいいピンクの乳頭がみちがえるようにふくらみを見せている。乳首のまわりの乳運がすっかり大きくなり、茶褐色の部分がひろがってきた。
一方、股の間にはそういってはなんだが、新婚の初々しさはもうない。割れ目の下の端や、外陰唇の周辺は、全体に茶色の色素が沈殿して色が濃くなり、筋肉や脂肪が集まってぶよぶよと豊かな感じだ。いまや完全にお産に備えて臨戦態勢ということだ。もちろん、産後にはきれいに美しさを取り戻すはずだが、今の現実は、膣からは下りモノが絶え間なく流れ出て、時々消毒しなければならない。色気もなにも・・・という状態のはずだが、しかし、亜子は違っていた。それでもなお、すらりとした股の付け根から下腹部の茂みにかけて、ぞくぞくするような色香はまだ健在だった。
白状しよう。ぼくは彼女のオシメをはずし、下りモノを拭いてあげるたびに、彼女が広げた股をふるえるように緊張させながらボクの指を待ちかまえる風情に色情し、股間が勃起するのをどうにもできなかった。ぼくは平静をよそおい、脱脂綿にくるんだ指をいとおしむようにそってクリトリスに当て、根本のひだの中を清潔にしてから、いちだんと股に力を入れふんばる彼女の押し殺した声をききながら、下端の会陰までもむようにゆっくり清めると、裏返した脱脂綿をもう一度クリトリスにかぶせてつまむ。彼女は「アッ」と小さく叫び、もうそれだけでイッテしまうのだった。ぼくは、彼女が呼吸を止めて、じっと快感に身を沈めると、じゃましないようにクリトリスの根本を押さえている指の動きをとめ、広げた股の硬直がゆるむのを静かに待つ。
妊婦はこの次期気分の変化が激しい。がまんできないくらい欲望にかられるかと思うと、苦痛や不快感が重なって嫌悪感のかたまりなる。ネットで誰彼構わず募って、集まった妊婦フェチのモノ好きに、ナマの挿入をさせた無軌道な妊婦もいあたほどだ。
ボクは、彼女が高ぶって自己嫌悪に陥っている日でも、彼女が快感に身をゆだねることで、不安を癒すことができるある方法を実行に移す。これでカリスマ出産は、仕上げコースに入る。
在宅出産の最大の難題は、会陰破裂だ。産道が広がると、陰門の下端の肛門との間の皮膜の一部、いわゆる会陰が裂けてしまうことがある。出血がひどいと命にかかわる。病院の出産では、医師は、裂けることを前提に、さっさと会陰にハサミを数カ所入れて、あらかじめ切っておく。ボクはそういう機械的な医療側のご都合主義の処置は反対だ。あくまで自然に、妊婦のからだに傷をつけないでお産できるように努力する。基本は訓練による妊婦の体力・体質の増強だ。妊婦のご亭主には、このことは、ボクの方針としてあらかじめ詳しく説明してある。方針とは、いうなれば妊婦の調教だ。
そこでボクの最終コース、ドラサージュ（調教）が始まる。
妊婦にまず浣腸をする。よつんばいになってもらって、できるだえ我慢する。我慢できなくなったら、トイレで出してもらう。これは下腹部をお産の時と同じ状態にするためなのだ。そのあとバスルームでまたよつんばいになってもらって、ぼくがシャワーのお湯でお尻の中を洗う。そのままの姿勢で、右手の指をアナルに入れる。ゼリーをたっぷりつけた小指をお尻の穴に入れて、穴の中をひろげるように動かし、次にゼリーをつけた親指を入れる。
同時に、左手の人差し指、中指にゼリーをつけてそろえてピストルのようにそろえて陰裂に挿入する。前後に挿入された状態の彼女に、呼吸練習に入ってもらい、いきみへ移行してもらう。大便や小便をする要領でいきんでもらう。アナルと膣が指でふさがっているので、いきみやすい状態になっている。
最初なれるまでは、アナルはいきむと鈍痛をともなうが、だんだんなれてくる。この時、左手の親指で会陰を指圧したりマッサージしたりを続ける。
これを毎日続けて、いきみに膣をならし、会陰を丈夫にする。
アナル挿入の時、ボクは一工夫する。小指がアナルに当たって彼女が緊張すると、ボクは左手の指でクリトリスをつまむ。彼女が「あん」とわずかに腰を振る瞬間にアナルの小指をするっと入れる。代わって親指がアナルの中におちつくまで、クリトリスをもみ続ける。彼女は快感でよつんばいの膝がくずれそうになる。そのとき、左手の指を股間に入れる。新しい刺激で彼女はふんばる。「スースーハー」が始まる。「いきみ」のドリルが始まる・・・
Ⅴ
人事を尽くして天命を待つ心境は、ぼくだけではない。亜子もすっかりぼくの流儀で自分で自分を鍛え、コントロールする心がけでその日を待っている。訓練がどんないつらくても、彼女は楽しんでその苦痛を乗り越えた。
自然に出産するには、まず心身を鍛えておかなければならないのだ。しかし、自然分娩をもっとも象徴するのは、分娩のポーズではなかろうか。ぼくは、本人に、座位、半座位、四つん這い、しゃがみ、仰臥、水中出産の中から、選んでもらう。亜子は夫と相談して、夫の介添えを前提に、半座位を選んだ。 臨月に入って、夫君の都合のいい日に練習をすることにした。
座布団を２枚重ねてビニールでくるみ、大きめの木綿の布を重ねて、お尻が当たる部分に敷いた、特性の分娩台もできた。
亜子は分娩の時、お尻をこれに落としながらまたいで座り、両膝を折って、半分座った感じの体勢をとる。夫が背中を抱いて後ろから支える。ぼくは、助手を務めるもう一人の助産士と一緒に、彼女の正面、膝の間で赤ん坊を待ち受ける。こういう構図だ。
赤ん坊がしきりに足で蹴るのがいとおしいという亜子は、ほらほらと夫の手をとってむき出しの下腹部に当てている。亜子を抱えた夫は触った手のやりばに困ったように、きまりわるそうに妻の裸の腰に置く。ぼくは、暖かく二人を眺めながら、亜子の膝を広げ、股間に指を入れて会陰を指圧する体勢をとる。夫はぼくの指の位置にちょっととまどっているが、ぼくが何をするかに気がついて、妻の背中をしっかり支える。いつもの呼吸練習に入る。
「吐く息は細く弱くきらさないで長めに。」
「スー、スー、ハー」
呼吸に合わせて会陰のマッサージを始める。
２０分は続いたろうか、夫婦は顔をすっかり紅潮させている。亜子の股間は、いつものように潤んでくる。夫の前で、密かな快感を味合うのは彼女も初めてなのだが、彼女自身おどろくほどに濡れてきたのだ。ぼくという他人に恥ずかしい部分を自由にさせていることが、夫が一緒にいることでより強い刺激を呼んだのだろうか。
ぼくは一瞬ひらめいたことを実行することにした。
「ご主人、右手で奥様の乳首を揉んであげてください」
夫はびっくりした表情のまま、いわれる通りに右手の人差し指と親指で、妻の右の乳首をもみはじめた。
「スースーハー」が激しくなって、股間は透明な液体が洪水のようにあふれてきた。あまり熱心に乳首を揉まれて、彼女はとうとう限界を越えた。
「アー、アー、アー」と声を漏らし、崩れそうになる。
ぼくは、夫に後ろから近づき、彼に代わって亜子の体を支えるために体を入れ替えながら、夫の耳にささやいた。
「さあ、あなたもずいぶんご無沙汰なさっているでしょう。彼女の前に行って、優しくしてあげてください。」
夫は、まだよく分からない表情のまま、彼女の前にうずくまり、次の瞬間何かを察して彼女の股間にうずくまった。そして静に口で愛しはじめていた。
「あ、乱暴にしないでください。そっと、優しく・・・」
いわずもがなか。彼の態度は、壊れ物に向かうように優しさに満ちていた。
亜子はぼくの腕の中で頭を後ろにそらせて、深くうめき、硬直した。
彼女が我に返ったとき、そっと床に寝かせ、股間をきれいに拭っていると、彼女が手招きして引き寄せた夫の、彼女の顔に覆い被さった腰の勃起した部分を、静に取り出して吸いはじめた。ぼくは、そそくさと部屋を出た。
Ⅵ
その日は、あっという間に来た。夜中に電話が鳴った。でると亜子だった。
「先生、陣痛です。あまり規則的ではないんですが、２０分おきくらいに、お腹が痛いんです。」
泣きそうな甘えた声だ。
「はじまりましたね。１０分おきくらいになったら知らせてください。手伝いを呼んで、１０分で駆けつけます。」
「ご主人は？」
「まだです。母が・・・」
「そうですか、お母さんにそろそろお風呂を沸かし、薬缶にお湯をたっぷり・・・」時間稼ぎのいつもの口舌だ。言わずもがなだが、ぼくの声で彼女は落ち着くに違いない。電話口で相づちを打ちながら彼女は、冷静になったようだった。
仲間のＺに一応救援依頼の予告の電話を入れ、一眠りした。
切迫した亜子の電話で飛び出した。玄関で待っていたＺと一緒に産室へ入った。 亜子は、厳しい表情で座っていた。帰宅していた夫が背中をさすっていた。
「痛みはひどいですか。そうですか、順調ですね。ゆっくり深呼吸するように呼吸して、ちょっとそこのソファーで楽にしましょうか。」
ご主人にお湯とタオルを頼んで彼が部屋を出たところで、Ｚとともに亜子の膝の前にいき、簡単に診察する。まだ前兆の出血はないようだ。
Ｚと手分けして分娩の準備を手早く整える。
亜子を風呂場に連れていき、いつものように浣腸をする。
そのあとをきれいに洗い流し、最後の会陰マッサージだ。 その間も、陣痛の波は絶え間なく彼女のお腹を襲う。痛みに襲われると手を握ってあげる。
陣痛が過ぎたら、会陰のローションマッサージを続ける。陰裂の周囲は紅潮してすっかりふくらんでいるので、傷がつかないように慎重にすすめる。陣痛がくる。手を握ってやりすごす。また会陰のマッサージ。彼女がなごむ。また陣痛・・・、しばらく繰り返す。
疲れないうちに切り上げて、体をすみずみまできれいに拭く。タオルの下の白蝋のような彼女の裸体が、切迫したために、全体に紅色に染め上げられていて、彼女はそれどころでないが、なまめかしいことこの上ない。まるで、ぼくはサドの世界にいるような錯覚をおぼえる。
さらにぼくは、四つん這いの彼女の尻を拭き上げながら、手を谷間に入れて、火事場の真ん中で蕾を探してみた。蕾は包皮の下深く頭を埋めているらしく、指に触れるものはなかった。陣痛で身を固くしながら、意識的に呼吸をしようと亜子が踏ん張った股が、火事場泥棒のぼくの腕を挟んでしまった。
「あー、あー、あー！」大きな声でさけびながら、いきむ亜子。いよいよだ。半座位の位置で、全員待機。
「深く息して、そうそう深呼吸です、呼吸を止めないで、はい！」
と、赤ん坊の頭がもう現れていた。
「そう、今度は、呼吸を強く、短く、はー、はー、はー、そうです！」
ぼくは会陰をリズミカルに押さえながら、張り裂けそうな亜子の陰裂の状態に全神経を集中する。赤ん坊がぐるぐる頭を回しながら現れる。もうこれ以上は無理というほどに、陰裂が広がる。ぼくは会陰の端を下から押しながら、赤ん坊の肩が抜けやすくなるよう、彼女の下腹部に中からふくらんでいる、肩とおぼしき部分を押し上げて位置を変えてやる。ずるずるっ。
一気に出た。やった！おめでとう。亜子！えらいぞ！Ｚが手早く吸引すると、ぽっかり開いた産道が収縮しながら後産をはきだす。
「オギャー」元気がいい、男だ。
ぼくはすぐ赤ん坊を亜子の胸に乗せてやる。感動の母親。ぼくが彼女の乳首を赤ん坊にくわえさせる。吸った！元気だ。夫がお乳に手をそえて、赤ん坊の口に入りやすくする。亜子は赤ん坊を見ていた目を移し、じっとぼくを見て涙ぐむ。
ぼくは、彼女の蕾の上を誰にも見られないようにそっとなでる。かすかに目が笑っている亜子。
（よくがんばった、ごほうびだよ！）
Ⅶ
バスタブにつかった亜子の大理石の輝きのようなミルク色の乳房がまぶしい。その上に苺のようなプックリした乳首が、勃起して大きくふくらんでいる。ぼくは、人差し指でその乳首をチョンとはじく。「あん」と彼女はうめく。手を差し出して手を握り、彼女を立たせて、バスタブから出てもらう。
お湯が股間の黒々として艶のある陰毛を流れ落ちるのがなまめかしい。バスタブをまたぐ時、陰裂のピンクとセピアの縦てじわが毛の間からのぞき、お湯がしたたる風情にぞくっとさせられる。
湯船から出た彼女に洗い場のこしかけ台に座ってもらい、ぼくはきょうもていねいに乳首を洗ってから、お乳をやわらかくもむ。乳の出をよくするマッサージだ。彼女はいつものように次第に呼吸が乱れてくる。
ぼくは、ころあいを見て、両の乳首をかわるがわる唇でつまんでは、軽く吸い、乳首をマッサージする。彼女はその度に「うーん」と足を踏ん張って何かに耐えている。だんだん強くくわえ、乳首をくちびるでこすり上げる。「あー！」という可愛い叫びになる。彼女はぼくのスパッツのもりあがった部分を、正面からまさぐりはじめる。
ぼくは無視して、手にシャボンをしっかりつけ、彼女の股間を洗い始める。
指をひだの間に入れて上下にしごきながら、優しくもみこんでいく。彼女はもうがまんできなくなって、膝をたてたまま、仰向けに洗い場に横になってしまう。目をつぶったまま歯をくいしばって足を踏ん張っている。ぼくの指は、陰裂を上からなんどもなでていく。ぼくは彼女の顔の上に逆向きにまたがって、彼女の股間に向かい、下腹部全体にシャボンをひろげながら、なでていく。彼女はだんだん呼吸が切迫して、はーはー呼吸が荒くなる。目をつぶっていた彼女は気がついて、目の上のぼくの股間にまた手を伸ばす。スパッツの正面の男性用の切れ目から、白い指で器用にぼくの分身を引き出す。
勃起。その先端を指ではさみ、カリのまわりに指をそえて、上下に刺激をはじめる。みるみる太く、固く、大きくなる。ぼくはそっと、腰を落とす。するりと、亀頭が彼女の美しい唇に吸い込まれる。
「グるるる・・。」
うめきながら、彼女は歯を立てて、陰茎をしごく。ああ、いい、ダメだ、もっとソフトに！ぼくは心で叫ぶ。ぼくの指がクリトリスをもむ。「あーー！」彼女は思わず、口を開き、ぼくのモノも歯からはずす。すぐに口でくわえなおし、ぼくの指の動きに反応しながら、ますます強く歯で噛みおさえこんで快感に耐えている。ぼくはかろうじて爆発を耐え続けた。
ぼくはくるりと向きを変え、彼女の下半身に腰をおとした。まちかまえた彼女は大きく足をひらいている。ぼくは、注意深く陰茎を挿入しないようにしながら、われめに沿ってあてがい、亀頭がクリトリスに当たるようにしながら、こすりつけつづけた。彼女は大声を上げて果てた。
しばらく放心した彼女は、ゆっくり体を起こすとバスタブに入ってぼくを待つ。ぼくはバスタブに立って、彼女の前にそそり立つモノを差し出す。彼女の心をこめたフェラが始まる。こうして今日もことなく、いつもの通りの昼下がりの時間が過ぎてゆく。
Ⅷ
マーブルホワイトの足が、開いた指を硬直させたっまま宙をけった。「うーん」亜子は気をやってしまった。あれだけ嫌がっていた婦人科医の、産後の内診で、こんなに乱れてしまうなんて。
医者は、脂ぎった額に汗を浮かべ、どうだという顔で僕をにらみつけている。彼の指は彼女の敏感な部分に差し込まれたままだ。ぼくは恋人を人質を取られたような感じで、惑乱していた。股間は嫉妬で怒張していた。
「ほー、快復していますねえ」
かれは膣から指を抜くと、その指を会陰部に当てて、押してみながら、
「痛みますか」
とたしかめ、またぼくを見る。
「看護士さんのマッサージが効きましたね、よかったよかった」
「どうです、こうするといい気持ちでしょう」
彼女が羞恥で身をすくめるのもかまわず、医者は会陰をマッサージする所作をくりかえしながら、あてつけるのだ。
お前と彼女の関係はお見通しだといわんばかりに。
そこへ産婦の夫の修司が帰宅した。
ふすまの向こうから声がして、入っていいか聞いている。
「ああ、ちょうどいい、助産士さんに、産褥の消毒法を指導してもらいますから、ご主人もどうぞご一緒に。ぼくはこれ失敬します」
医者は、さっさと出ていった。
それから、さらに亜子は恥ずかしい時間に耐えた。
夫の前で、ぼくの指技の快感にたえなければならないのだ。医者は知っていてわざとそうしたに違いない。
夫は、妻が目の前で他の男に陰部を触るに任せている光景に、息を殺す時間が続く。妻は、夫の前で、ぼくの指に感じないですますことを祈って、小さくふるえている。いつものように、深い吐息や、小声の反応は許されない。
スポイトの消毒液を陰裂のひだにながしこみ、指先で陰唇をしごき、洗い流しながら、ぼくは祈りつづけた。なにごともおこりませんように。３人が３人、生唾を呑み込んで、それぞれに凍り付いたような時間がゆっくり過ぎてゆく。
困った、彼女の肩がだんだん揺れ始めた。立てた膝のふるえが、目立ってきた。夫は、気がついたようだ。彼の目が冷たく光った。
「あの、ぼく、出ましょうか」
耐えられなくなって、彼が言った。
「あ、いいんです、いえ、ご主人、すみませんが代わっていただけませんか」
ぼくはとっさにある考えがひらめいた。
亜子が夫に気づかれないように、横目でぼくを見た。
目で、大丈夫、と彼女にいって、彼に綿棒を渡した。
ぼくが彼女の外陰唇を指で開き、彼が薬のついた綿棒を膣の入り口に入れて、下りモノをふき取っていく。ついにがまんしきれず、彼女の下腹部が、緊張で大きく上下する。
彼はだんだんなれて、ぼくの指の動きに従って、陰裂の襞をきれいにふき上げていく。彼は緊張と興奮で顔を紅潮させ、平静を装いながら呼吸は大きくなってくるばかりだ。彼女も、まるでそれに歩調を合わせるように呼吸が乱れてきた。彼女は、夫に感じはじめた！ぼくは気がついて、また悪智慧がうかんだ。
「ご主人ちょっと」
部屋の隅でぼくは夫に耳打ちした。
かれはびっくりした表情で、ぼくの真意をはかっていたが、意を決して、ズボンをぬぎはじめた。目をつぶって耐えていた亜子は、気配にきがついて目をあけると、目の前に股間を露出した夫がいた。びっくりして何かを言おうとした彼女の口を夫の唇がふさいだ。
しばらく息ができないくらいの深いキスがつづき、体を離した彼は、彼女をうつ伏せにし、足を開き加減に腰を浮かせて、すかさずバックから挿入した。「うっ」といって腰をひいた四つんばいの彼女の目に、いきなりぼくのモノが飛び込んだ。次の瞬間、ぼくは彼女のうつぶせの顔の下に股間を入れて、口に分身をすべりこませた。
夫は、目を輝かせて彼女の尻の後ろから送抽をくりかえしている。
「あなた、修司さん」
彼女は、口からぼくをはきだして、夫をうかがう。
「亜子、吸ってあげなさい！」
「いいの？」
「いいも悪いも、お世話になってきたんだろう」
そうか、彼も、うすうす気がついていたんだ。
ぼくは、彼女の顔を押さえ込み、猛りたつ一モツをあらためて、のみこませた。
（あー、あー、いい気持ちいー）と言っているように、亜子は解き放たれたように、全身で喜びを表した。
白い象牙のようなうなじが、紅潮して、女神のような神々しさだ。
両手を胸元に入れて、乳房をまさぐりながら、ぼくは彼女の口の中で絶頂を向かえた。
修司は、妻のよがりごえに合わせて最後のスパートへ。亜子はぼくをはきだすと、夫に尻を振り向けながら、からだをよじるようにしながら大きく体をのけぞらえながらイッタ。それを見て修司は「あ、あ、あ、あ」大声を発し、豪快に果てた。
しばらくの放心のあと、亜子の夫、修司はぼくに言った。
「ながらくありがとうございました。おかげさまで、妻は理想的に出産できました。あなたは彼女の苦痛を悦びに変えました。あなたのやり方をぼくは信頼していました。あなたはその信頼にこたえてくださった。心から感謝します。どうか妻をこれからもよろしく。」
口をすすいできた亜子が、いい終わった夫の膝でキスをかわした。
修司は、僕の手をとって亜子の乳房にそえた。
彼は最初からこうなることを期待していたに違いない。
夫の口を吸いながら亜子の手がぼくのうなだれた倅を握った。
若い３人は、またさらなる陶酔へと向かっていった。
こうしてカリスマの伝説がまたひとつ生まれた。 （完）
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