【　鬼畜の棲む館�A　】
〔 ３話完結 〕

━━━━━
〜あらすじ〜

　２６歳で谷川家に嫁いだ恵(めぐみ)は犬猫にも劣る性モラルの一家であることが分った時には既に遅かった。長期海外出張中の夫・義明(28歳)の子供ではない子、義父・慎一(58歳)か義兄・慎太郎(32歳)のいずれかの子を宿してしまったのだ…。義母・充子は消化器系の病で長期入院中の為、義父と義兄の性処理を半ば強制的にさせられることになった。

━━━━━

５．【本当の地獄の始まり】

　慎太郎は慎一の実子だ。義明もそうだ。だが、母が違う。慎太郎は、実母を追い出すような形で入ってきた（後妻の）充子には内心疎く思っていた。その分、義明への愛情も薄れる。学業成績もスポーツも慎太郎より義明のほうができたし、交際する女性の質も数も義明のほうが上だった。要するに機会があれば、義明への軽い復讐じみたことはしてみたかった。

　翌朝、慎太郎は早起きして恵に襲いかかった。"朝立ち"に伴う勃起を恵の膣内で慰めた。
　勿論、生で中出しである。もう、こうなれば堕ちるところまで堕ちるしかない。この日も慎太郎は仮病で会社を休んだ。朝メシを恵と二人で食べると、慎太郎はまたも恵に挑んだ。朝メシの食器洗いさえさせなかった。昨日と今日一日は、恵の肉体を完全に制服するつもりでいた。
　２度目の膣内射精が終わると、今度はリモコンのバイブレーターを恵の膣内に仕舞い込んで服を着せたのだ。屋外プレイというのがやってみたかった。慎太郎の妻はそういうことに応じてくれない。

　ファッミレスで１時間、公園で１時間、移動車中の１時間の計３時間、バイブの電源が無くなって更に電池を交換して３時間も恵の膣内でバイブは唸った。帰宅した恵は耐え切れず、『お義兄さん、抱いて、入れて』と抱きついてきた。たった二日で女はこうも堕ちるものなのだ。
　この日、眠るまでに更に４回恵は中出しされた。

　翌朝は、慎太郎は会社に出た。
　夕方前には、慎一が旅行から帰る。
　丸二日分の大人三食二人分の食器を、恵は憂鬱な気持ちで洗って片付けた。

　これからどうなるの？わたし…。
　無意識に、妊娠のことを考えて、産婦人科に行く仕度をしていた。
　Ｍアフータピルで慎太郎の受精卵を流さないと…。

　産婦人科から帰った恵は、義父に全てを打ち明け、一時（義明が帰国するまで）実家に返してくれるように頼むことにした。今回の妊娠は防げたが、何時なんどき、また、慎太郎に犯されるかも知れない…。そう思ったからだ。

　慎一は旅行から帰り、風呂からあがってウイスキーの水割りを飲んでいた。恵は屈辱の二日間の話を全て慎一にした。そして、慎一は激怒した。だが、その激怒の中身は、父親として息子がしでかした神をも恐れぬ不道徳に対してではなくて、男としての嫉妬だった。自分でさえ恵へのペニス挿入は我慢していたのに、そして、自分の口と指で愛撫してやった恵の可愛いい膣と陰唇に、憎っくき息子・慎太郎は容赦無い中出しを１０回以上もしたこと、に対してだった。
　しかも、自分の留守中に…。

「それで、慎太郎に挿れられて感じたか？愛撫はしてくれたのか？」
『…。最初の１、２回目は抵抗するので必死だったけど、もう何回も出されたら、どうでも良くなって、少し感じました…。恥かしい…』

「仕方が無い話だな。悪いのは慎太郎だ。いや、恵さんの美しさにも問題もあるが…」
『…』

「しかし、こうなった以上はあんたを家に置いておくのも酷だな。いつなんどき慎太郎があんたに襲い掛かるかも知れん。何しろ、１０回も二日で出しよったのだからな」
『は、はい…』

　慎一は恵を庇うような言葉とは裏腹に、無意識に恵の乳房と尻に"舐める"ような視線を送った。

　恵は、慎一の怒りの矛先が違うことを察した。これはオス同士の嫉妬だ。危険を感じた時には、既に慎一の指はショーツの中の恵の性器を愛撫していた。『…犯られる…』、そう察して立ち上がろうとしたが、下半身が言うことを聞いてくれなかった。慎一との恒常的なオーラルセックスで性感帯は開発され、二日続けて慎太郎にホンモノのペニスと実弾を１０発も飲み込まされた。バイブで徹底的に性感帯を開発された。

　すでに、性モラルがある上半身と下半身は別人になっていたのである…。

『お、義父さん、や、やめて…』断わりの言葉に力が無い。それを、見透かした慎一は、スカートとストッキングとショーツを引き摺りおろした。慎太郎と同じパターンだ。

「め、めぐみさん。慎太郎に犯らせた以上、もうあんたの操を守る理由がワシにはなくなった。悪いが、犯らせもらう…。う、ぅっ気持ちいい。若い娘は膣の締まりが違うな…」

　勝手にわめいて恵の膣の感触を慎一は楽しみ始めた。恵は感じてはいけない、気持ち良くなってはいけないと、慎一と顔を逸らし、慎一が終わるのを待つしか対策が無かった…。

「ほれ、ほれ。どうよ！恵さんよ。ワシのチンポは？慎太郎のとどっちがええ？」
『…うっ、うっ、あ、あは〜ん…。お、お義父さん、気持ちいいです。お義父のほうがいいです。素敵です。で、でも、な、中には射精しないで下さい。お願いで…』

　恵の中出し拒絶の言葉の途中で、慎一は膣内で果ててしまった。
「ぅっ、おーっ、ぅっ、っ、で、出る…。ああっ、一杯出てるゾ…。う〜気持ちいい…」
『ど、どうして…。お義父さんまで、中に出すの、よ？…』

　半泣きになって、恵はシャワーに立った。膣内の残留液を洗い出す為だ。それを見た慎一は年甲斐もなくまたもや勃起してしまった！自からも裸になり、洗う恵のシャワーのノズルを取り上げて壁に押し付け左足を上げさせて挿入した。挿入して、好きなように腰を振って恵の膣内に２度目の射精を敢行した…。

___________

６．【精液便所化】

　シャワーから出た慎一は、旅行の疲れもあってか、恵を風呂場に放置したまま身勝手に自分の寝室で就寝した。恵は、翌日に家を出る覚悟をした。だが、そうは出来なかった。慎太郎が放してくれないのだ。就寝した慎一と入れ代わるように慎太郎が会社から帰宅した。

　食事の仕度をしようとする、恵を拉致するように自分の部屋に連れ込んだ。
　恵のパジャマのズボンとショーツを同時に引き摺りおろし、恵の性器のニオイを慎太郎が嗅いだ。かすかだが、精液のニオイが残っていた…。陰唇もほのかに充血していた。

「恵ちゃん！や、やったのか？親父と？なあ？」
『知りません、知りません。私の意志じゃないんです』

「しゃーない親父だな？笑。生で犯らせたのか？中に出されたのか？なあ？」
『いいえ、ちゃんとスキンしてくれましたし、一回しかしてません』

　嘘である。こういうふうに言わないと、慎太郎の嫉妬に火を付けて、どういうことをされるか分からない。少しでも、良識のあることを言うほうが得策だと思った。

「まあ、ええわ。とにかく、帰宅の一発を中出しさせてもらう」
『い、嫌ゃ〜あ！中出しは止めて〜。お願い避妊してくださいぃ〜』

　またも、（父同様に）慎太郎も恵の中出し懇願拒否を無視して膣内射精した。グッタリする恵の股間の陰毛に慎一はシェービングフォームをスプレーした。陰毛を剃って、慎一に見せれないようにするのだ。

『ちょ、ちょと！何する気？』
「危ないよ！動くと大事なあそこが切れて傷だらけになる。動くなよ」
「そうそう、おとなしくしてろよ」

　恵を、パイパンにしてから更に３回膣内射精をした。もう、これで解放されると思ったが、慎太郎は放してくれなかった。今日、会社帰りに買って来たリモコン極太バイブを品定めするのだという…。極太のバイブを膣に咥えさせられ、服を着せられた。慎太郎の馴染みのスナックに連れていくというのだ。

　スナックでは６０分間キッチリと恵の膣が咥えたバイブは作動した。バイブの作動音はカラオケの大音響で相殺された。他人が歌うカラオケの時はスイッチＯＮ、歌が終わるとスイッチＯＦＦにして、それを繰り返した。バイブは時には、連続作動より、こういう間欠作動のほうが効果があるものだ、と慎太郎は妙に関心した。

　快感とも苦痛ともどちらともいえない表情の恵に、スナックのママは「義妹さん、どっかお悪いの？」と恵と慎太郎の両方に聞いた。慎太郎は「ああ、僕と父の食事の仕度とか家事で少し疲れたようだね。悪いけど帰るわ」と店を離れた。

　帰宅して、慎太郎は慎一の就寝を確かめると、応接間で膣に極太バイブを咥えたままの恵にフェラチオで奉仕させた。恵はというと、なんと極太バイブを自分の快感のツボに合わせるようにゆっくり出し入れした…。「性奴隷、精液便所化になる日は近い…」そう実感すると、恵の頭を押さえつけて薄くなった精液を搾り出した…。

　こういう地獄のような日々を恵は一週間程過ごした。

　４８時間以内の受精卵を流す為にモーニングアフターピルを４回も産婦人科で処方してもらった。但し、同じ医院では続けては処方してくれないから４回全て別の医院でした。（仕方なく）
　セックスの現場に突入すれば下半身は性の奴隷になった。だが、夫・義明以外の子を妊娠することだけは避ける、という性モラルを上半身はまだ備えていたのだ。つまり、恵は、慎一や慎太郎がどう喜ぼうと真の淫乱女では無い証明になる。

　しかし、Ｍピルは劇薬なのである。４回目のＭピルを処方してもらって、自宅近くのスーパーで買い物中に、強烈な嘔吐、腹痛、頭痛が恵を襲った。恵は気を失ってスーパーで倒れた。
　たまたま、谷川家の嫁（恵）を知っていた複数のご近所さんが１１９番した。

　恵は、病院のベッドで気がついた。
　優しい顔した男性の医師と、恵より若い看護士に介護されていた。
　看護士は口を開いた。

「谷川恵さんですね。ご近所の方のお話と、あなたのお財布の免許証を見せてもらいました。先生に診てもらいましたが、過度の過労のようですね。病気じゃないですから、精神安定剤を入れた睡眠剤をさっき注射しました。もう直ぐ眠くなります」
『あ、あのう…。家族へは…？』
「あっ、大丈夫です。お義父さんに連絡つきましたから。ゆっくり、眠って休養してください」
『…』

　看護士の最後のほうの話は聞こえないくらいの睡魔がやってきた。
　恵は死んだように眠りはじめた。

___________

７．【地獄から修羅へ】

　４度目のＭピルを処方して倒れて、病院にいる。ということは、恵の子宮内には受精卵はいないことになる。恵は、今いる病院から谷川家に戻るつもりは無かった…。それは、スーパーで気絶する寸前に考えていたことだ。義明との夫婦関係は別として、とにかく一度、女性の友達宅で４、５日いさせてもらって、それから自分の実家に帰るつもりだった…。

　恵が熟睡する午後８時前、慎一は、恵の着替えと花を持って病院に現れた。看護士は、「強めの睡眠剤を投与してますから、暫く恵さんは起きませんよ。お顔を見て、着替えとかを置かれたら、退屈でしょうから病室を出て下さい。休憩室は食事もありますし」と恵の眠る個室の病室に通した。

　個室での慎一は最初は、イタワリの気持ちで恵の寝顔を観察していたが、予想外の明るい表情の寝顔に、イタワリの気持ちから、ここ数日続いた"官能の日々"に関心が移ってしまった…。
　そして、不謹慎にも勃起していた。その時、看護士の「強めの睡眠剤を投与してますから、暫く恵さんは起きませんよ」という言葉が脳裏に浮んだ。

　左手に点滴をしている恵の掛け布団を足元から腰のあたりまで無意識に静かにまくった。続いて、パジャマとショーツを同時に静かにずらした。慎一は急いでズボンとパンツを脱ぎ、音を立てないでベッドの恵の足元に乗った。陰毛は綺麗に剃られてパイパン状態である…。慎太郎に剃られてのは明白だろうが、そういう嫉妬の気持ちが勃起をより強く大きくした。

　恵のパジャマとショーツを膝までずらして、静かに恵の膣口にあてがった。２センチ程挿れて、恵が起きないか確かめた。恵の表情ひとつ変らないのを確認してペニスを一気に突きたててみた！

『うっ、う〜ん！』

　恵の口から漏れたが、それまでだ。恵の膣内が濡れていないぶん、かえってその摩擦感が慎一の亀頭を強く刺激して、１０回程擦っただけで、慎一は恵の膣内で果てた。こういうオゾマシイ事実の証拠隠滅の為に、逆流してくる精液を丁寧に拭き取ったあと、テッシュごと指を膣の５センチくらいまで挿入して中の残留液を拭き取って、恵のショーツとパジャマと掛け布団を元通りにした。そして、自分も大急ぎでパンツとズボンを履いた。

　この間約４０分。
　とんでもない、鬼畜の見舞い人だ。

　ナースセンターの受付で、慎一は、
「予想外に明るい表情だったので安心しました。ここにいても"することが無い"ので、今晩のところは帰ります。恵のお世話宜しくお願いします」
　と挨拶して、病院をあとにした。時間は午後９時前である。

　"することが無い"とは、よく言ったものだ。
　つくづく、恵は家族運に恵まれていない…。

　それから、約３０分後、慎太郎が病院に現れた。
　慎太郎は、帰宅して父も恵もいない自宅を不信に思い、電話台を調べたら、慎一が残した「恵入院」のなぐり書きのメモを見つけた。

　ナースセンターでは、
「先程、お義父様がみえられて、恵さんを１時間程看病されてました。強めの睡眠剤を投与してますから、暫く恵さんは起きませんよ。既に、お見舞いの時間も終わってますから、大変恐縮ですが、今日のところはお引き取り下さい」

　そう看護士に言われて、慎太郎の全身の血が逆流した。
　看護士に面会を拒絶されたことではない…。
（看護士の言葉を借りれば）、強めの睡眠剤で暫く起きない女の部屋で大の男が一時間も何をしていたかが、血の逆流の理由だ。三秒ほどおいて、慎太郎は看護士に返答した。

「ごもっともです。私の妻(嘘の話)がお世話になります。実は私、今長期出張から帰ったばかりで、妻の顔をここのところ見てません。勿論、電話では毎日話してますが、明日から又、出張で早朝に家を出ます。一時間、いや、３０分程顔を見るだけでいいですから、面会させて下さい」
「そういう、ご事情でしたら、ご主人でしたら仕方無いですね…。本当は規則違反ですが、内緒ということで、特別に面会を許可します…。早めに済ませてください」

　看護士としては、患者の家族であるならば、義父であれ夫であれ規則でもどうでも良いのだ。
　面倒なのは、面会人の行きと帰りの（ナースセンターでの）挨拶に付き合わされることだ。
　スタッフ同士の仮眠とか休憩とかの交代のシフトが乱れるのだ。患者である恵でも、医師が「過労だから熟睡して休養すれば治る」ということで睡眠剤を投与した。しかし、"強め"にしたのは、余計な時間に恵が起きないようにという病院の都合を反映した結果でもあるのだ。

　病室に入った慎太郎は、入室して、(恵の)着替えを置くと、父・慎一がとった同じ行動に走った。
　ただし、膝のところまでずらしたショーツとパジャマの膣口にそのままペニスを挿入しないで、恵の膣口に鼻を持っていった。臭う…。右手の中指を膣に入れて、その中指のニオイを嗅いだ。
「あのクソ親父め！なんちゅーことを！」小声で呟いた。

　その後は、慎一が取った行動と全く同じだ。
　但し、慎一の残留液がちょうど良い潤滑油となって、慎太郎の亀頭を甘美が包み込み、ものの２分程で慎太郎は恵の中で果てた。果てた後の証拠隠滅の方法も父子は同じだった。そして、看護士に約束したように３０分で恵の病室を出た…。

_________

８．【どこにでもある修羅場】

　翌朝、７時前に恵は眠りから元気に目が覚めた。
　何しろ、夕方前の午後４時頃から眠りに眠ったのだ。
　脈と体温をとりにきた看護士が、笑顔で、

「昨夜、お義父さんとご主人がお見舞いに来られたわよ。着替えを持って来て、優しい家族なのね」
　夫が来る筈がないのを知っている恵は、
『あっ、あれは義理の兄ですよ。そう言わないと、この病室に通してくれないでしょ？笑。夫は海外にいて帰って来るのは来月なんです』
「あらっ、そう。まあ、いいじゃないですか！」

　恵は看護士が部屋から出たあと、一瞬不安を覚えて、膣の中に指を入れてみた。
　かすかだが、精液のニオイもする。だが、Ｍピルを処方した際に、産婦人科医から「嘔吐、腹痛、頭痛の副作用や、子宮から膣へとオリモノのような液体が出ることもあります」と指導されていた。

　恵自身、慎一や慎太郎が、いや、地球上に昏睡中の患者の身内をレイプする男などいるなどとは夢にも思わなかった…。

　夕方の少し前、恵のＯＬ時代の親友の田中里子(独身)が訪ねてきた。恵は、谷川家には戻りたくない、夫・義明が帰って来るまで、自宅で待機するから、それまでの４、５日面倒みて欲しい、と頼んだ。田中里子は、
「分かったわ、恵、ＯＫよ！困った時はお互いさま♪あんたが、そう言うのはよっぽどの事だろうから、親友の私としては理由も聞かないわ」と快諾した。

『嬉しい！ありがとう！里子！』
「さっき、ナースセンターで聞いたら、明日の午後前には退院できるそうよ！１０時過ぎには迎えに来てあげるから、仕度して待っててよ」
『恩にきるわ！本当に助かる』

　この夜は、慎一も慎太郎も面会には来なかった。睡眠剤を飲まない恵（犯やれない恵）には用は無いという感じた。でも、実際は、谷川宅で慎一と慎太郎は殴りあい寸前の大口論になっていたのだが。勿論、恵を巡っての。

　翌朝、病院で朝食を済ませると、恵は迎えに来た里子の車に乗った。
　治療費は、義父の慎一が一昨日の来院時に１０万円預けていった。保健でまかなって、精算して６万円ちょっと恵は病院から受取った。別に貧乏しているわけではないが、その６万円で里子の知っているイタリアンのフルコースを昼に食べることにしたのだ。

　ランチの歓談の中で、めぐみは里子の家に一週間世話になり、実家へ戻る予定にした。
　この夕方、里子は手料理を作ってやって、恵を癒してやった。食事後も二人は、昔話に花を咲かせ眠ったのは午前３時を回っていた。

　翌日の夕食時は、里子の彼氏である柳沢保がやってきて、三人で楽しく食事をした。この日、柳沢は里子の家に泊まった。独身同士とはいえ恋人同士なのだから当然の話である。恵は午後11時には、里子が用意してくれている部屋に戻った。里子の家は３ＬＤＫのマンションである。里子と柳沢が眠る部屋と恵の部屋は端と端で、よほど耳を澄まさないと、いや、注意深くしていないと二人の蜜月の声は聞こえてこない筈だ。恵は、布団に入ると、ものの20分で眠った。

　翌日は柳沢は訪れず、その翌日に訪れてきて、最初と日と同じパターンで、恵は午後11時には床に入り、やはり20分で眠った。だが、この日は午前１時前に目が覚めた。恵は山中で獣の襲われる夢を見て恐ろくなって目が覚めた…。そう、夢の中の獣の吠える声は、現実の世界では、親友の里子が柳沢に攻めたてられての大歓喜のうめき声だったのだ。

「あっあああ〜ん、あん、あん！た、保、素敵よぉ〜、もっと突いて！突きまくって里子をメチャメチャして〜え！」
「どこだ？ここか？好きものだなぁ〜！里子も！いっぺん、チンコ抜いて休憩しよかな？笑」
「い・意地悪しないで続けてぇ〜、お願いぃ〜！」

　恵は無意識に股間に指をやった。クリトリスを自分で慰めていた。オナニーで果てた。谷川家の鬼畜男達に蹂躙されて、愛のないセックスはあれほど嫌がっていたのに、"無意識"にクリを指で擦った。擦って果てた。暫くして尿意を催しトイレに立った。トイレに直行するつもりが、空いているドアから漏れる大歓喜の声のほうに夢遊病者のように向った。向って、恋人達の行為を盗み見た。また、無意識に股間に手を入れた。

　その翌日は、やはり柳沢は来なかった。どうやら、一日おきに逢っているようだ。その翌日、柳沢が先に帰ってきた。里子は「残業で少し遅れるから、ビールでも飲んで、柳沢の話し相手でもしてやって」と里子のマンションで待つ恵の携帯に電話を入れた…。

『柳沢さん、いつもスミマセン。明日には、ここを出る予定です。里子にはすっかりお世話になってしまって。それに、柳沢さん達恋人の仲のオジャマ虫にすっかりなってしまいたました…』

　恵は本当に申し訳なさそうに詫びた。柳沢も口を開いた。

「い、いいえ。オジャマ虫なんて、とんでもない！恵さんが来られて、里子はすっかり喜んでます。明日といわず、もうちょっと、ゆっくりしていってくださいよ。不謹慎ですが、恵さんが同じ屋根の下にいらっしゃると思うと、妻を二人もったような愉快な錯覚におちるんです！ハハハ」
『妻二人ですか！まあ、贅沢な！ウフフ。でも、妻二人となると、夜の生活は大変になりますよ』

　恵は余計なことを喋った。後悔したが、あとの祭りである…。
　柳沢の恵を見る、眼つきが変った。

「大変かどうか、試してみますか？恵さん！」
『…』
「あなたは、半年近く、ご主人と"して"ないんでしょう？僕の体で恵さんのカラダを慰めて差し上げますよ！」
『な、なにするの！里子に悪いでしょ！！やめてよ〜！』

　肩を抱いた柳沢の手を恵は振り払い、拒絶の言葉を放った。が、男は拒絶されると激情に火が付くものなのだ。こういう場合は余裕で、肩にかけられた男の手をゆっくり解いて『そうね、今度、機会があったらね！』と逃げるべきなのだ。女にダイレクトに拒絶されると、自分のプライドが傷付けられた事への怒りと、自分の恋人(この場合は里子)に通報される、という二重の重石が男を追い詰めるのだ…。要するに、行き着くところまで、いく…。

　柳沢は、抵抗する恵に軽い平手打ちをかました。恵は黙った。

「里子からの電話では、専務の接待のお供をさせられてる、って。だからあと３時間は帰って来ないってよ」
『知ってるの？里子は？あなたが私にこういうことしようとしてるの？』
「知ってる訳ないじゃん！内緒！内緒！恵さんがあんまりイカシタ女なのでね！僕も、生涯抱いたイカシタ女の中のリストに加えたいのさ！」

　柳沢は、喋りながら（無抵抗の恵を）上手に脱がせた。柳沢は、下半身だけ脱がせて即挿れるような下品なマネをせず、ちゃんと、ブラウス→スカート→ストッキング→ブラジャーという順に丁寧に恵を剥いた。ショーツひとつだけ残して、キスをして優しくオッパイを揉んで乳首を吸った。恵の脳裏では、半年前に優しく抱いてインサートしてくれた夫・義明を重ねていた。
　谷川家の鬼畜男どもとは大違いである…。ある意味、嬉しくなって、感謝の気持ちで、無意識に柳沢のペニスを口に含んでいた。柳沢も「お返し」とばかり、ショーツを脱がせて恵の膣口を貪った。

「恵さん。あなたはイイ女だ。抵抗を止めて自分から僕のをしゃぶってくれ感激してるよ！」
『お互いのパートナーへの裏切りという点では、お互い様ね。これ一度だけにしましょうね！』

「ああ。それが分からないくらい野暮じゃない。あぁ〜、もう我慢できない挿れるよ！」
『ちょっ、ちょっと待って。コンドームして！ちゃんと避妊して！あなたの子を宿したりしたら里子にお詫びのしようもないし…』

「ゴメン。コンドームないのよ、ここには。里子とはいつも生でしてるのよ」
『えっ？じゃあ、避妊はどうしてるの？』
「安全日は里子の中、危ない日は口。もう、いいじゃん、挿れるよ！」

　我慢し切れず、柳沢は恵に強引に挿入した。

『あっ、あぁ〜んん！イイっ、素敵ぃ。じ・じゃあ、柳沢さん、私もお口で受けてあげるから、絶対に中には出さないでね！お願いよぉ〜』
「あっ、気持ちいい。分かった、飲んでくれるんだね！イク時はいうから、口でチンコを迎えに来てよ！恵さん」

　リビングの絨毯の上で二人は抱き合った。恵は全裸、柳沢は肌着のシャツ一枚残して下半身裸だ。恵が下になり、Ｍ字に脚を開かされて柳沢はグイグイ腰を打ちつけた。もう、二人とも無言で貪った。柳沢にほどなく射精感がやって来た。「中に出したい」と頼もうと恵の顔を観察すると、全神経を子宮と膣と膣口に集中して、柳沢のペニスに没頭している様子だ…。柳沢は、恵に悪いとは思ったが、恵の甘美な生膣に放出する誘惑には勝てなかった…。いや、ピストンを早めた訳では無いのに今までと同じ巡行スピードなのに、柳沢の意志とは別でペニスは射精をはじめていた…。

「ま、マズイ…。だが、恵は中出しに気が付いていない。このまま、抜かないまま少しペースを緩めて、勃起全開になってから、二度目の射精を恵の口にもって行けばいいまでだな…」頭で、そう考えて、柳沢は実行した。一度目の精液は最後のひと絞りは残した。実際は、最後のひと絞りが快感の仕上なのだが、それをしてしまうと、萎えて復活しなくなる。あれこれ考えながらも、柳沢は腰を振りつづけた。勃起は完全になった、一度目のように腰をグイグイ押し付ける方法から、ペニスを膣口近くまで抜いて、膣奥まで送るというピストンに変更した。このほうが男は気持ちいいのだ。二度目の射精感がやってきた。今度は、柳沢は余裕だ。

「恵さん、そろそろです。イキそうです」
『アッ、アッ、あん。わ、分かったわ、中には出さないでね。お口で受けてあげる…』

　最後に猛烈にピストンを加えて、ペニスを抜去し、柳沢は素早く寝そべる恵の口にねじ込んだ。
　恵も頭を上下して、亀頭の一番敏感の部分だけを舌で高速で擦った。二度目というのに、柳沢は大量の精液を恵の口中に出した。恵は、丁寧に丁寧に亀頭とペニスに付着した"液体"を舌で掃除した。

　柳沢はバレないように、先に、恵が起き上がって自分の愛液を拭き取る前に、テッシュで丁寧に拭いてやった…。「恵さん、相当感じてたみたいだね、グッチョリだよ」『恥かしいわ…。とても、素敵でした。里子が羨ましい…』「さっ、起き上がって、お互い服着て、シャキッとしましょう！笑」

　男は"出す"と(しかも、この場合２回も)いきなり女が面倒になる。恵も服装を整えて、何事もなかったような顔でメイクをはじめた。服に着替えて、談笑状態の時に里子は帰宅した。11時と言ってのが10時前には帰ってきた。柳沢か恵のいずれかが"もう一回"と求めたら、万事休すの状態だった。

　翌朝、恵は里子と柳沢に丁重に礼をいって里子のマンションを出た。

　里子の自宅は秋田県で、義明と結婚した時には既に「秋田新幹線」は走っていたが昔は不便極まりない土地だった。電車内で、恵は色々回想した。回想して自分がとんでもない女になっていることに気がついた…。でも、まあ、妊娠だけはしてないから、義明さんには許してもらえるよ…。きっと…。新幹線の車中で頭がぼんやりしてきて、眠りについた。

　だが、、、
　恵の体内では、病院の睡眠薬での熟睡中に膣内射精された精子と恵の卵子は結合して、新しい命が宿っていた。慎一か慎太郎のいずれの精子との受精卵かは分らない…。この病院での二人の鬼畜男に膣内射精をされ日の１４日後が恵の生理予定日だったが、２０日経っても、一ケ月しても生理は来てくれなかった…。

『ま、まさか…』

つづく