−２−

　一月後、茂蔵は人もうらやむ美女を嫁にした。
　村を挙げての祝い事は盛大に執り行われ、高台に建てられた新居はお武家さまを迎えるように立派に作られ、寺にも勝るお屋敷である。
　祝言の日、夜には見知らぬお武家さまを迎え、茂蔵に初夜はなかった。
　ただ村の長として祭り上げられている。
　茂蔵には、東耶麻の名が与えられ「東耶麻茂蔵」と名のった。
　紫光院は、ただ「姫」と呼ばれている。

　屋敷の奥に作られた妾部屋、左右の廊下はそれぞれ男女禁制である。
　右の廊下には姫のため厠から始まり、檜風呂、着替えのための一室と専用の部屋が並んでいる、左の廊下にも同じ作りの部屋が並び男専用である。
　廊下の先端には、ぐるりを広い廊下に囲まれた中央に座敷がある。
　四方を金屏風に囲われた分厚布団が一組と二つの枕。
　枕元には、酒とタバコが用意されている。
　屏風には、大胆なあぶな絵が描かれて、いかにもそれらしい雰囲気を作り出している。
　若い町娘の片足を大きく広げて抱え、人足男が覆いかぶさると娘の股間を押し広げて歪ませしっかり繋がっている、もちろん局部は拡大し誇張され、悶える表情に奇異に歪んだ足指などなどリアルな表現はどれも特筆もの、どちらを向いてもあぶな絵に目を奪われる。

　筋骨隆々とした、仁王像が動いているようないかにも武士といった男の前に白装束で現れる姫。
　抜けたように白い肌は、白い布さえも霞んで見えるほどである。
　男は、経験上から後家好み、痛がるような生娘には興味はない、ギュッと真綿で包んだように締め上げられたいのである。
「遠い所までよく足をお運び下さいました、不束者ですがよろしくお願い致します」
　恭しく礼を尽くす紫光院、祝言の後のままの髪飾りの違和感が卑猥さを増している。
　男は荒々しく引き寄せると、ねじ伏せるように強引に姫を引き倒す。
　厳つくガサついた手が軟らかい身体をまさぐると、遠慮なく股間に伸びてくる。
　細く形だけ程度に茂った草むらを安易に越えて、ポッテリと膨らんだ縦筋をなぞっては、花芽を探りなぶりあげて潤みを確かめる。
「もうよかろう」
　姫の小さく膨らむ胸をもてあそぶ男は、立ち上がり姫を引き起こすと、黒ずんだモノを鼻先に突きつける。
　紫光院が唇を添えると、うつむいていたモノが隆々と頭を上げてくる。
「どうじゃ…」
「頼もしゅうございます」
　自信ありげな男の問いに甘えた声の紫光院。
「もうよい」
　しばらく鶏のように頭を振りつづけた姫を振払うようにして押倒すと、細い足首を大きく広げて秘密の園をに怒り立ったものをズン・ズンと押し進める。
「あっ、あぁ〜〜」
　一撃で勝負が決したとでもいうように成すがままの姫は舞い上がる。
　肉塊の突き上げに釣鐘のように従順に歓喜する紫光院。
「祝言を済ませたばかりというのに間男する気分はどうじゃ」
「あっ、辛ろうございます」
「どう辛いというんじゃ、しっかりこの魔羅を咥え込んでおるぞ」
　男は、他人の新妻を公然と間男する特異な状況に酔っている。
　紫光院には、浮気をする妻のような迷いはない、夫となる茂蔵をも納得させる理由がある。
”人助け”、村の人々のため…
「あっ、あっ…」
　大きく開き切って宙に浮かせた足を、男の突きに合わせて揺すっている。
「すごい、あっ、いい」
　昂ぶる姫を認めた男は、スッと抜き去った。
　高々と砲身を掲げて仰向けになると、さあやれと目配せする。
（あぁ〜、なに？、どうしたの）
　虚ろな眼差しで男を観ると、夢遊病者のようにフラフラと身体を起こす。
（恥ずかしい）
　大きく股を開いた紫光院は、男の腰をまたいでいる。
　男の視線を痛いほど感じながら、止め難い欲望にさらに大きく股を割って腰を下げていく。
（あっ、もう少しでっ）
　極端に呼吸を荒くして、よろける身体を建てなおすように片膝をつくと、さらに大きく股を割る。
（だめ、待ちきれない）
　塔のようにそそり立つ男の砲身をしっかり手で握り締めると自らの壷口にあてがいヌルッと亀頭を飲み込ませる。
　しっかり秘園に加え取ると、そっと手を放す。
　自由になった腰は、さらに下へ下へと揺すられる。
「あ、あぁ〜〜〜」
　かすかに見えていた砲身が埋没し、秘草を絡み合わせて密着し秘芯を押しつけていく。
　甘えた牝の喘ぎあげ男の胸に両手を乗せると、腰をかるく浮かすせてクイックイッと腰を前後する、押し付けられた秘芯を擦っては最奥の子壷を揺すると淫らに全身をくねらせる紫光院。
「あっ、あっ、奥まで来るぅ〜」
　熱い肉棒を喰い締め、プルンプルンと胸を揺すって極楽を追い求める。
「いい眺めじゃ」
　体を投げ出した男は、満足げに姫の動きを眺め動かないでいる。

「もお、だめぇ」
　ただただ強靭な砲身に何度も極楽を迎えて、降参を訴え続けても許されることはなく、芯を貫かれたまま踊らされている。
（これでいいの、あぁっ、気持ちいい）
　新たな環境に早くも馴染んで淫事に耽る紫光院。
　揺すり続ける身体は汗だくになり、綺麗に結いつけられていた髪も乱れ落ち、汗以上に男の股間を溢れ出る淫らな汁で汚している。
「だめっ、本当に…、もおだめぇ〜」
　必死に堪える、たまらない表情で何度もイき果てる。
　イき疲れて肉のかたまりとなった紫光院。
　ダラリと力のない身体の“穴”をおもちゃにしてもてあそび、男はやっと放出する。

　武家の仕来たりを捨て、僧をも捨て、真に牝として自由になった紫光院。
　永く続いた禁欲生活から解放され、欲望のままに甘い声をあげ、汗を噴き、もっととばかりに腰を振り身悶える淫靡な日々。
　武家の男は、そんな奔放な交接に大満足で金を落とし続けた。
・
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　奥耶麻村の人々の生活も大きく変化した。
　農作業からは解放され、東耶麻家に尽くしている。
　女たちは茂蔵と姫の生活の世話に明け暮れ、男たちには新たな仕事が加わった。
　妾としての姫の性技の向上のためとして奉仕する。
　日々３人の男たちが欠かすことなく迎える妾部屋は空く日はない。
　月日が経つと強靭な男たちが選ばれ、数組の専属隊が組織されていた。
　奥耶麻村には、姫を中心にした淫らな大奥が誕生していった。

−完−