16.寝室

　折り重なり密着した状態で、二人は快感の余韻に浸っていた。
　大量に放った亮介のものは徐々に小さくなっていく。
　少ししてから、亮介は祥子から離れた。
　ティッシュで軽く自分のものをふくと、床をふき、浴室の方に歩いて行く。

　祥子はまだ半分意識がボーとした状態で、床に転がったままそれを眺めていた。
　身体に力が入らない。
　タオルをもって戻ってきた亮介は、祥子の身体にバスタオルをかけた。

「すいません、なんか強引にしてしまって、、、」
　亮介が一応すまなそうに、しかし心の中では舌を出しながら言葉をかけた。

　起き上がってバスタオルを身体に巻きながら祥子は考えた。

（確かにすこし期待していたし、抱かれて感じてしまったが、、、このままでは、、、こでやめなければ、、、先生がすまないと思っているのなら、こちらが少し強く出ても大丈夫なはず、、、）

「ひどいじゃない、この間のことは、忘れるって約束だったのに、、、」

「、、、はあ、、、」
（いくだけいっといて、なんだかな〜）

「お互いのためにも、よくないことなのはわかるでしょ？」

「、、、、、」
（だったら旦那が出張の日に呼ぶなよ、、、）

「こんどこそ、今夜限りにしてくださいね。」

（今夜限りねぇ、、、ん？、、、今夜限り？、、、）

「、、、わかりました。すいませんでした。」
　そう言いながら頭を下げた亮介の唇の端が笑みを湛えていた。

「今度こそは約束守ってくださいね。」

「わかってますって、じゃあ、、、よいしょっと。」

　亮介が座っている祥子を抱きかかえ、もちあげると、そのまま歩き出した。

「え？えっ？」

　答えずに、抱きかかえたままキッチンを出ると、階段を上がり始める。

「え？なに？どうしたの？」と聞くと、

「あまり騒ぐと、祐二くんがおきちゃいますよ？」と、亮介が言った。

　祥子が口をつぐむと亮介は寝室のドアを開け、抱えたまま入っていき祥子を降ろした。

「ここが寝室かー。」

「ちょ、ちょっと亮介君どういうつもり？」

「どうって、今夜限りってことは、今夜はしてもいいんでしょ？」

「え？ちがうぅ、、、」

　違うと言い切る前にキスをされ、抱きしめられる。
　濃厚なキスに身体の芯がしびれる。

「んっ、んー」

　キスされながら祥子は突き放そうと、亮介の厚い胸板を押したが、びくともしない。

　ようやく唇を離した亮介は、耳や首筋に下を這わせていく。
　それと同時に、祥子の手をつかむと自分の熱いものを握らせる。

（さっきしたのに、、、もう大きくなってる、、、）

　手のひらから熱と弾力のある硬さが伝わってくる。
　握っているそれは、先ほどの快感を思いおこさせた。
　じわじわと溢れてくるものがとまらない。

「やめて、、、ここはだめ、、、」

　それでも、さすがに寝室では夫を思い出すのか、祥子は抵抗して、手を振り払った。

「やめてっていってるで、、、きゃっ、、、」

　その唇をまた亮介はふさぐと、ベットに押し倒した。

　ベットの上で亮介は祥子のバスタオルをとった。
　隠そうとする手を押さえ、両方の手に指と指をからめてバンザイのかっこをさせる。
　両手を押さえたまま、濃厚な激しいキスをする。
　キスを続けながら、祥子の足の間に割ってはいると膝や逞しいもので祥子の入り口を刺激した。
　それに反応して、身をよじると、もう中から熱いものがこぼれてだしてきていた。
　入り口に先端が触れると、ぬらぬらと溝をなぞる。

「奥さん、濡れてますよ、、、」

「うそっ、、、いやぁ、、、」

　手をはなし、肩をかかえて密着すると、キスをしたまま亮介のものが探りながら入ってきた。

「んっ、んーー」

　唇がふさがれているので、声が出ない。
　感触を味わうかのように、ゆっくり引いていくと、抜ける寸前でとまり、また入ってくる。
　しばらく同じ動きを繰り返す。
　先ほどと違い、まったりとしたセックスだ。
　ようやく唇をはなした亮介は上半身をおこすと、乳房を愛撫しながら、つながっているところを眺める。

「奥さんの凄いですよ、、、僕のをくわえ込んで、、、びちゃびちゃだ、、、」

「うそっ、、、あぁ、、、いやぁ、、、」
　祥子は自由になった両手で顔を覆った。

「感じてるんですね、、、夫婦の寝室で、、、祐二も近くにいるというのに、、、」

「あぁ、、、そんな、、、ちがうの、、、」

　亮介の言葉に、いけないことをしているという意識がはたらき、それがさらに快感をよび、熱い愛液が流れ出す。
　片方の手を乳房からはなし、ゆっくり動きながら、敏感な蕾みをいじりはじめる。

「あぁ、、、そこは、、、あっ、、、はぁ、、、くっ、、、」

　強烈な刺激に一気にのぼりつめそうになる。

「ねぇ、、、だめ、、、もう、、、もう、、、」

　ふいに亮介の動きが止まった。

「？？」

　いきそうになっていた身体は、亮介を求め、こすりつけてくる。
　しかし、亮介はそれを許さない。

　また動き出すが、奥まで入ってこない、浅いところでゆっくりピストンを繰り返す。
　快感はあるが、いきそうになっていた身体は納得しない。

「お願い、、、もっと、、、あぁ、、、」

「もっとなんです？」

「、、、、、」

　祥子は奥まで欲しいとは言えなかった。
　自分は犠牲者なのだという思いが、心の最後の砦だった。
　言葉の代わりに祥子の手が亮介の腰にのび、足をからめ、なんとか引きつけようとした。
　しかし、亮介は中途半端なところまでしか、入ってこない。

　激しい快感を知っている身体は、それを求め容赦なく祥子を責めたてた。
　その表現として、大量の愛液が溢れでて、尻をつたい、シーツを汚してゆく。

「お願い、、、あーあぁ、、、ねぇ、、、もっと、、、」

　亮介は祥子の身体を横にすると、片足をかかえ、残った足をまたいだ。

「こうすると奥まではいるんですよ、奥さん、、、よくみえるし、、、」

　体勢を変えても、動きは変わらず中途半端だ。

「お願い、、、おかしくなっちゃうー、、、」

「、、、、、」

　黙ったまま亮介は中途半端な動きを繰り返し、やがて動きをとめた。

　祥子の身体が快感を求めてシーツの上で捩れる、、、。

「ああぁ、、、お願い、、、もっと、、、」

「なんですって？奥さん？」

「もっと、奥まで、、、ください、、、」

　小さな声で欲望を口にしたとたん、祥子の中で何かが壊れた、、、。

「あぁ、、、欲しいの、、、奥まで欲しいの、、、」

「奥まで欲しいんですね、、、さっきので最後にしなくてもいいのですか？」

「ええ、、、今夜だけ、、、今夜だけなら、、、だから奥までください、、、お願い、、、」

「でも、やっぱり今夜しか出来ないならやめようかな、、、」

「ちがいます、、、いつでもいいの、、、もっといっぱい亮介さんにして欲しいの、、、あぁお願いします、もっと奥まで入れてください、、、お願い、、、あぁ、、、」

　半分泣きながら、祥子が懇願する声が寝室に響いた。

「それならいっか、、、わかりました、、、」

　亮介が一気に奥まで入ってきた、そのまま激しく動く。

「ああーーーーーー、凄い、いいの、亮介さんのいいのーーーあぁーーー」

　しばらく激しく動くと、正常位に戻し、肩をもって奥まで突き上げる。

　祥子は快感をむさぼるように、腰を浮かしてくる。
　亮介も求められるままうちつける。

「あー凄い、、、こんなの、、、あぁーーー暴れてるの、、、凄いぃーー」

　祥子の顔が赤く染まって、首筋には血管が浮き出していた。
　亮介の動きがはやくなる。

「きて、、、亮介さんもきて、、、もう、、、もう、、、いくっ、、、あぁーーー」

「奥さん、、、」

「いくっーー、いっちゃう、、、いくぅーーーーーーー」

「うぅっ」

　うめき声とともに、祥子の膣で亮介のものが大きく脈打った。
　それを受け、祥子も快感の大きな波にのみこまれていった、、、。

　結局、そのあと深夜まで何回も亮介は祥子を抱いた。

17.交代

　その後半年くらいは家庭教師をしながら、関係を続けてきたが、先輩の骨折も治ったので交代することになった。
　ちょうど飽きてきていたので、渡りに船だった。
　おそらく、もとのセックスレス生活にはもどれないだろうから、遅かれ早かれ先輩とも関係をもつかもしれない。
　まあどうでもいいことだが、、、。
　ただ金銭的には家庭教師はおいしいので、また次のバイト先を探すつもりだ。
　もちろん今度は最初からその家の奥さんを第一基準で選ぶことになるだろう。
　さて、、、