３．交換

　浩介が出て行ってから５分もしない頃、部長が応接室に姿を見せる。
「休みだというのにやけに忙しくて、お出迎えもできずに…」
　ワインボトルの残量を横目にチェックする有川。
「お招き頂いて、ありがとうございます」
　かしこまって頭を下げる奈保子。
「いえいえ、そう硬くならないで…、さあ、ご主人がお呼びです。こちらへ」
「はい」
　扉を開けて先に出る有川に続いてフローリングの廊下にでると、大きなお城のように片側に幾つもの部屋があるのか多数の扉が見えた。
　四つほど扉を過ぎて案内された部屋に入ると後手に有川が扉を閉める。
「あの、主人は？」
　誰もいないさっきの部屋と変わり映えしない部屋に戸惑う奈保子。
「ご主人はこちらですよ」
　壁に貼られたカーテンを引き寄せる。
「…」
　そこには、電源の切れた大きな壁掛け式のスクリーンらしき物があるだけで浩介の姿はない。
「おっ、まだ電源をいれてなかったなぁ」
　小さなリモコン式のコントローラーを操作する有川。
　ブゥ〜ン
　テレビの電源を入れたときの音とよく似た音がして、しばらくするとスクリーンが明るくなった。
「あっ…！！！」
　大きなスクリーンには、窓ガラスから見ているような等身大の人物が写った。
　応接室から出て行った、主人と有川夫人。
　ズボンの前をはだけた浩介がパイプ椅子に座り、股間に怒り立ったそれを愛しそうに咥えた夫人。
　クチャ、クチャと淫らな音までも響いている。
「向こうは、もう始まってますね、…家内の悪い癖でねぇ」
　奈保子は、とんでもない事を、あたりまえの事のようにいう有川の言葉に身をすくめた。
「どうして、どういうことです？…」
　後ずさりする奈保子に、有川は足元のソファを引き伸ばしてベットに変える。
「家内が、ご主人をつまみ食いしたい、というんですよ、若い男が好きでねぇ」
　奈保子の手を素早く捕ると、広げたベットに引き倒した。
「いやっ、やめてぇ〜」
　ベットの上を這うようにして逃げる奈保子の足を捕り引き戻すと、用意した腰紐で両手を背中に縛った。
　グイッと強い力で仰向けにし唇を重ねてしまう。
　ウググッ
（少しは媚薬入りのワインも効いてるだろう）
　スカートのすそをたくし上げ、ストッキングと薄絹に覆われた股間をまさぐると熱く火照ったやわ肉を感じとる。
「あ、だめ、だめ」
　暴れる奈保子が、腰を浮かすと、空かさず薄絹と一緒にストッキングもを引き剥がす、脅威的な早業の有川。
「ほぉ〜ら、向こうはもう一つになったようですよ」
　スクリーンには浩介に向かい合う夫人が、上に跨り大きな丸い尻をゆっくり引き下げて、今にもドッキングする直前のシーンが見える。
「いや〜〜っ」
　映像のことなのか、すでに濡れた亀裂に侵入した指のことなのかスクリーンからそむけた顔に嫌らしく欲情をそそられる。
「これなら準備はいいようだな、奥さん」
（嫌がっているが、めったに味わえない強姦願望が満たされるってもんだろ）
　有川は、白い腿を押し広げ割り込んでいく。
　奈保子は自由な足を有川の下腹めがけて蹴り上げた。
　かかとと己の腹肉に一物を挟まれウグッとうめいて、ベットの上に吹き飛んだ有川。
「奥さん、それはないでしょう」
　頭に血の上った有川は新たな紐を取り出す。
「お願いです、ゆるしてぇ」
　ずり上がっていく奈保子。
「何を許して欲しいのかなぁ、蹴り上げたことはこれで許してあげますよ」
　膝上の腿を縛り、背中に括った腕にからめてもう一方の腿に縛っていく。
「これで蹴られなくなったでしょう、それにあそこも丸見えだ」
　充血して口を開き、花弁を広げた花園をまさぐりだす。
「奥さん、甘露が滴ってますよ」
「いやぁ〜っ」
　奈保子の叫びに合わせてズボッと怒張を滑りこませる有川。
「あっ」
　驚くような声の奈保子の声に重なってスクリーンから
「あっ、あっ、いいわぁ〜」と甘い女の喘ぎが響きわたる。
「あっ、あぁ〜〜、だめっ、あっ、やめてぇ〜」
　有川の自信に満ちた抽送に悶え始める奈保子。
　スクリーンの映像に比べても有川の一物が、浩介のそれよりも一回り大きく、頼もしく反り返って奈保子の花園を大きく歪めている。
「あっ、あっ、あっ」
「どうです、主人とくらべて、…大きい方がいいでしょう、え」
　抽送を休めずクチャクチャと卑猥な音を響かせている。
「あっ、いやっ、あっ、あっ」
　顔をそむける奈保子は少し諦めたのか官能の喘ぎに変わっていく。
「さあ、どうです、暴れないなら拘束は解いてもいいんですよ」
　ニヤついた有川がそっと抽送を軽くする。
「お願い、解いて下さい」
「暴れないんだな」
　大きく一突きする有川。
「あぁ〜っ、あ、あばれません…からぁ」
　抽送のタイミングを戻して腰を振りながら腿の拘束を解く。
「あっ、あっ、あっ」
「身体を起こせ」
　命令口調の有川が奈保子の肩を引き起こし、腕の拘束をもぞもぞと解いていくと、その間も有川に変わって腰を振る奈保子。
「どうなんだ、まだ答えてないぞ、大きいのが好いか」
　自信ありげに問いただす。
「いいです。…あっ、あっ、お、…大きいのがいい〜っ」
　顎を突き上げ、太い怒張を締めて軽く気をやる奈保子。
「どう、良いんだ。何が違う。…ほら、言ってみろ」
「あっ、あっ、当たる、いっぱい埋まって、あっ、当た、あっ、るのぉ〜〜」
　有川の腰振りに合わせてパンパンと打ち返す奈保子の腰。
「どこに、どこに何が当たるんだ、…ほら」
「あっ、し、子宮に、あっ、子宮の奥までくる〜〜、あっ、それいい〜」
「うむっ、これか、引き戻すときもいいのか、えっ」
「あっ、子宮がカ、あっ、カリに擦れるのぉ〜」
　くなくなと器用な腰振りを始める奈保子。
　スクリーンでは浩介が夫人に覆い被さりクイックイッと腰を振り、ぶら下がるように夫人は下から抱き着き、奈保子に負けぬ大きな喘ぎ声をあげている。
「おお、凄いぞ、亀頭をコリッとした子宮がクルクル撫ぜ回してくるぞ」
「いやぁ〜ん、あぁぁ〜、お願い、突いてぇ〜、激しくしてぇ〜ん」
「何だ、イきたいのか、え、自分でクルクル回してイっていいぞ」
　意地悪く動きを止める有川。
「あぁ〜ん、いやぁん、突いてぇ〜、あはぁん、イかせて欲しいの〜ん」
「自分じゃイけないか、こうか、…これが欲しいのか」
　抽送を再開する有川。
「あっ、あっ、そう、あっ、もっとしてぇ〜、あっ、イ、イきそう」
「あっ…、あっ…、あっ…、イく、イく、あぁ、イ、イくぅ〜〜〜〜」
　我慢しきった小水を噴出すようにドバッと多量の潮を有川の股間に吹きつけ、食い千切らんばかりにきつく壺口を締め上げる。
　有川は、「おおっ」とおめき、強烈な放出感を耐え切った。
「いいイきっぷりじゃないか、最高だ」
　数分、夢の世界をまどろんだ奈保子が素の意識を取り戻すと、怒張を引き抜き、潮の臭いを嗅いでいる。
「うむ、臭くないな、うっすら嫌らしい臭いがするな」
「いやっ」
　身体を丸くちぢめて恥ずかしかる奈保子。
「おおっ、向こうに負けずにやるぞ」
　スクリーンに映る浩介と夫人の激しい絡みを見て、奈保子の足を押し開く。
　そこには、抗う様子もなく従う奈保子の姿があった。
・
　数日後、浩介は組織改正を前に、北九州の副支店長に大抜擢で栄転した。
　単身赴任だが、有川夫人がまめに通って身の回りの世話をしてくれている。
　そのかわり、夫人の留守には奈保子が部長の身の下の世話を……。

−完−