本当に味わいながら指を舐めるのを最後まで見ていた香山の目が、いつの間にかまたギラついてる。その香山の顔の脇まで、わたしは右膝を上げて内股を見せつけた。 「ここ、また濡れてるよ、センセ」 お尻や机に垂れ落ちるだけじゃなく、内股にも飛び散った愛液。一度は舐め取られたけど、それも遥か前。――強要するまでもなく、二戦目を予感したらしい香山は喜んでむしゃぶりつく。 「あぁ……く、ぅん……」 アソコやクリの鋭い感覚と違って、背中がぞくぞくするような甘いしびれ。じわっと、また愛液があふれる。それにもうっとりしながらわたしは、甘く気だるい体をなんとか起き上がらせ、左右の内股を犬みたいに舐め回す香山をしばらく黙って見下ろした。 ……これぞバター犬？ なんて。 「女子高生のお股は好きですかぁ？」 「ああ、たまらんな。こんな余禄でもなければ、学年主任なんて面倒なこと誰がするか」 熱く荒い吐息が内股をくすぐる。それにも感じそうになって首をすくめたわたしは、彼のナイスな本音にまたクスリと笑って気をまぎらわせる。 「毎年こんなことしてるの？」 「推薦希望者に女子がいて、全員の実力に大きな差がなければな。差があれば内申が多少悪くても実力で取れるんだし……。長澤は二年ぶりだ」 それは……さぞ嬉しいだろう。でも、本当に聞きたいのはこんなことじゃない。 「そうなんだ……。でも、実力で取れる子でもとりあえず食っちゃうなんてことは？」 この学校ではテストの結果を掲示板に貼り出すなんてことはしないから、他人に総合得点や学年順位を知られることはないけど、自分の得点と順位は個別配布の個人結果票でわかる。 推薦希望者同士もそれは変わらないけど、あいつに勝たないとおまえは取れないとか、今のままいけばおまえが取れるとか、言われる……んだろうな。わたしの場合は誰が取ってもおかしくない、次のテストで最後の勝負だって言われた。実力伯仲だから。でも、実力で取れる子にもこのままじゃ無理とか……だから俺の力でおまえに取らせてやるって、香山の立場なら言えそうだよね。 「その生徒が俺の担任クラスならできそうだが、そうでなければ無理だな」 「あ、そっか」 まずは担任が番付を教えてやるんだった。 でも、それにしても……自分の担任クラスならとりあえず食っちゃうって言ったも同然の徹底した下衆っぷりに、わたしは軽蔑を通り越してつい感心してしまった。 これをずっと隠し通してるなんて……普段、一体何枚ぐらいネコかぶってるんだろ。 「じゃあ、わたしみたいに無事食っちゃった子には、卒業までいい思いさせてもらうの？」 「ああ」 「卒業したあとは？」 わたしにとっての本題。彼にとっても核心だったらしいそこでふと目だけを上げた香山は、不敵に笑ってぬるりと股間を撫で上げた。見せつけるみたいに卑猥な手つきで。 「あっん」 「俺からは強要しない。しかし、卒業後も俺の味が忘れられないと言ってすがりついてくるのは、何人かいたな」 「それはまた……」 わたしも病みつきになりそうって思ってしまっただけに、やたらリアルなのが怖い。 こいつの味が忘れられない……そうなるまで快楽漬けにして、虜にしちゃうんだろうな。下衆も通り越して悪党だよ、ほんと。 「おまえはどうだろうな、長澤。とりあえず卒業まではいい思いをさせてもらうことになるから、あとで携帯の番号とアドレスを交換だ。卒業後もそれを使うか削除するかは、おまえが自分で決めろ」 「はっ……そこ…あんっ……いじりながら、そんなこと…あふっ……言うの……ずるい」 「初日だから一ラウンドで勘弁してやろうと思ったのに、挑発したのはおまえだぞ。なあ…亜澄？」 「あ……だって…先生が……」 「手加減したつもりだったんだが、早くも味を占めちまったか？ ほんと、可愛い顔して淫乱だな」 「ちが……あっ」 手加減……したのか……。あれで。 恐ろしいこと聞いちゃったね。 わたしは生徒指導に目をつけられるほど素行は悪くないけど、優等生ってほど「良い子」でもない。と思う。部活は三年間頑張ったけど、委員とか生徒会とかはやってないから、内申点では多分、ガチガチ優等生のライバル二人にかなわないだろう。 まあ、あいつら学年中の嫌われ者ってぐらい性格悪いから、そこんとこをあいつらの担任が見抜いてるかがキモだとしても、とにかく内申ではわたしが不利な可能性も香山との関係に踏み切った理由だけど……。歴代の推薦希望者の女の子たちは、ほとんどが優等生だったに違いない。 優等生は勉強ばかりで男に免疫がない分、落としやすそうってイメージがあるんだけど、その子たちと比べても、わたしはあっさり落ちた方？ そうなの？ 淫乱なの？ でも、体がもうさっきの香山を覚えてる。アソコに、無駄に存在感のある彼の大きさや熱さの記憶が……まだリアルに残ってる。それを思い出すだけで、またそこが熱くなる。 それは、香山の目の前でまたあふれた愛液が、彼の手を濡らした視覚的にも明らかで。 「はぁ…ああんっ」 つい物欲しげに腰が揺れる。それに気づいていながら香山は、指先でただ軽くいじるだけで決定的なものはくれないまま話を続ける。 「ま、大抵の優等生はみんなそんなもんだ。外見重視で男漁りだの金目当てに援交だの、年中安売りのバーゲン娘どもと違って、スレてないから落ちやすい。そうだろう亜澄？ 処女ではなかったようだが、それは余計な面倒がないからいいとして……ここは全然使い込まれていない。男とヤッて感じたのも初めてじゃないか？ ん？」 「先生……あんっ…初めて。あっ、あんっ、…あはぁっ」 こう言っちゃ元カレたちに悪いけど、高校生の男なんてＡＶの真似か、とにかく力任せにガンガン突きまくれば女は歓ぶなんて勘違いしてるサルばっかよ。クリや性感帯をいじられればそれなりに感じたけど、メインではさっぱりか痛いだけ。……まあ高校生でテクニシャンてのも逆に怖いけど、とにかくそういう男しか知らなかったって意味では、わたしも免疫がないのかもしれない。 とにかく……こんないたずらめいた愛撫で、また気持ちいい。また欲しくてたまらない。 それが高じてわたしは股間をいじる彼の腕を両手で軽く引いて彼を立たせ、机の高さより上に現れた大きな凶器を右手でつかむ。……触るの初めてのはずなのに、今はそんなことも気にならない。ただコレが欲しくて……またアソコをかき回してほしくてたまらない。 少し柔らかいけど、これぐらいならまだいけるだろうとしごいてみると、グングン硬くなる。なのに、まだわたしの股間をいじってどうしようもなくあえがせる香山は、対照的に余裕。というより微妙に教師面。 「それでいい亜澄。俺はなにも強要しない。欲しいものがあれば、行動に移して自力でつかみ取れ」 なにやら含蓄のある言葉。肘あたりまで落ちてた制服とブラを取り払い、わたしを上半身裸にしながらだけど。……それはまあいいとして、残ったスカートとハイソックスは、どうすれば？ このまま残しとくほうが、香山としてはいいの？ ここが学校だから裸にするのは少しは気が引けるのか、そんな繊細な情緒なんか持ち合わせてなくて単純にこの方が萌えるのか、とにかくこれでいいらしい。それ以上脱がせることなく香山は目を細めた。 「さすが元モダンダンス部。いい体……それにいい眺めだな、亜澄。さっきみたいに足を開けば、俺もすぐその気になるかもしれんぞ」 ほんと目をそらさないから、脱げたも同然の服でも脱がされると心細くなって、本能的に両腕で胸を隠し、膝も倒して閉じたうえにスカートの裾を前だけ下ろしていた。でもその姿もそれはそれでいいらしく、香山はどこまでも遠慮なく視姦。 それはとにかくわたしにとっては恥ずかしいだけ、と思っていた矢先の釣り針に、二戦目を期待するわたしはもう――その言葉と視線、両方に浮かされたように胸を隠してた腕を下ろし、膝を立てて開いた。途端、視線がさらに熱くなる。 また愛液があふれ、お尻の方へと伝い落ちていくのがわかる。 「は……」 「そのまま。もう少し見せろ」 ついそこに手を伸ばしそうになったとき、香山の少しかすれた声がそれを止める。 触れてくれず、自分でも触れない――静止の時。 実際には、わたしを視姦しながら椅子に座った香山が足元にからまるズボンと下着をまとめて脱ぎ、それで脱げかけたソックスもついでに脱いでと、下半身だけ裸なんてちょっと笑える姿になるんだけど……。今のわたしは笑うどころじゃない。 また上から下までなにも隠すもののない姿で大股開き。それでその沈黙と静止に耐えるのを苦痛に思うより、音も動きもない分密度と熱さが増した気がする視線を全身で受け止める、複雑な心地良さを呼吸。 ――うん。水あめの糸でできたクモの巣にいるみたいな……。ネバネバべたべた体中にからみついて身動きが取りづらいんだけど、そこから逃げようって気にさせてくれない甘さと拘束力を持ったハンモック。 で、そこの主は香山の顔したクモ。しかも口元のハサミみたいな毒針の下に、デカいペニスが顎ヒゲみたいにブラーン。それを身動き取れないわたしのアソコにねじ込んで、アソコにキスされつつ犯されちゃうなんてシュールな妄想まで浮かんでしまう。 でもイメージとしてはそんな感じ。息苦しいぐらい熱くて甘くて、ちょっとアブない心地良さ。それに身をゆだねながらただ顔だけ伏せたわたしは、香山によりよく見えるよう……両手を後ろについて心もち体を傾けた。 香山の目が、ほんとに視線だけで犯されてる気分にさせるぐらい獰猛で熱すぎるせい？ 見られるだけでこんなに感じるなんて……。 自分の変態性にまた濡れる――妄想世界のクモ香山と、体が覚えてるさっきの香山がリンクし、そのピストン運動に合わせて腰まで揺れるのが極めつけだ。それでも止められない妄想と腰の揺れ。 そんな自分を持て余しつつしばらく視姦されるうち、うねりのようなしびれが段々高まってきて体が小刻みに震えだし、息が乱れ、身をくねらせる。 「あぁ……なに…やっ、あっ……はぁん！」 うそ……イキそう。なにもされてない、ただ見られてるだけなのに。 戸惑いはしても、わたしを乗せたうねりが小波に、小波が大波に……体は勝手にどんどん高ぶっていく。 見られて感じる自分の性癖は確かに認めたけど、「イク」はないでしょ。それとも、香山はここまで見抜いてたからじっくり視姦してみることにしたの？ これでイッたら、ほんとにわたし淫乱の好き者？ 確定？ 「もしかしてとは思ったが、ここまでとはな……。こいつぁ、とんだ掘り出し物だ」 あ、やっぱり……。 「はっ、あっ、先生……や、だ…こんな……。あんっ…あっ、ああっ……イッちゃ…ぅん！」 「イッていいぞ」 「んっあああ！」 その言葉と、わたしが悲鳴を上げたのはほぼ同時。 イッてしまった……。 |
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| 2012.4.7掲載 |