雅史が突然求めて来た時、乃梨子は目を閉じて妄想を愉しんでいた。 壮一郎を想いながら自慰している部屋へ、壮一郎自身が入って来る…という想念を脳内で弄んでいる最中だった。 （どうしたの……？） 性急な雅史の様子を不審に思ったが、この間から身体を疼かせていた乃梨子には嬉しい誘いでもあった。 休日の前夜でもないのに求められることは珍しい。 そして今夜の雅史は、後ろからの体位を要求して来た。 「いや……あなた……後ろからは……」 （どうしたの……いやよ……こんなの……まるで……） 四つん這いになり、雅史に腰を掴まれて尻を持ち上げられながら乃梨子は思う。 （犯されるみたいで……） とぷっ…っと愛液が溢れた。 そこへ、一気に雅史の肉棒が突き込まれる。 グチュっと厭らしい音がした。 「ぁ……ぁはぁぁっ……っ…」 いつもなら、ゆっくりと、乃梨子の体調を気遣いながら行為を進めてくれる雅史である。なぜ今日は……と考える余裕もなく、乃梨子の身体は肉棒を締め付けながらヒクヒクと震える。 「ぁんっ…んっ…いやぁ……っ…」 （……後ろから……犯されてる………ぁぁ……工藤さんに………） 乃梨子の頭の中に、昼間からの妄想の続きが広がっていく。 膣壁が肉棒を絡め取り、悦びに収縮する。 雅史が、背後から激しく突き上げてくる。 「ぁっ…ぁっ……ぁぅぅ…っ…」 目をぎゅっと閉じて、乃梨子は首を左右に振る。 （ぁぁぁ……次々……いろんな人に……犯されて……） 想像の中で、乃梨子は大勢に押さえつけられ、輪姦される。 順番を待つ男達が、下品な笑いを投げかける。 犯されながらも感じている乃梨子を、みんなが軽蔑しているのだ。 （犯されてるのに……びしょびしょに濡らして……あそこもヒクヒクして……） 上半身を引き上げられ、背後から乳房を揉まれる。 （違う人に……前からも触られて……） 「はぁ……ぁぁ……や……だめぇ…」 乃梨子は緩やかに腰を動かす。 「すごい……今日の乃梨子……いいよ……」 耳元で雅史の興奮した声が響く。 （違う……あたしを犯してるのは……雅史さん……） 夫の声が、乃梨子を現実に引き戻す。 「ぁぁぁ……あなた………」 急に、他人を想像していたことに罪悪感を覚えた。 （どうして……後ろからなの……） 振り返ろうと身体を捩る乃梨子の尻に、雅史の腰がぶつかって乾いた音を立てた。 「はぅっ……んぅぅ……」 子宮口近くまで肉棒が押し込まれ、乃梨子は背中を大きく反らして喘ぐ。 「いやっ……いやぁ……雅史さん……っ…」 （……ぁぁ……これは……） 痴漢に感じ、壮一郎の指を受け入れ、淫らな想像ばかりしている自分への罰なのかもしれない…と乃梨子は思う。 雅史が気付いている訳は無いと知りながら、夫にお仕置きされているという想像は更に乃梨子の情欲を煽った。 背後から手を伸ばした雅史に、クリトリスを擦られる。 「ぁはぁっ……いぃ………すごいの……っ…」 （許して……ごめんなさい……あなた……） 乱れる自分を、後ろから雅史が冷たく見つめている気がする。 「ぁ……ん……いぃ……雅史さん……感じるのぉ……」 淫らな乃梨子を、雅史は軽蔑しているかもしれない。 そう思えば思うほど、乃梨子の膣壁はひくひくと収縮していく。 背後から激しく突き上げ、乃梨子にお仕置きしながら感じている雅史。 雅史に責められながら、感じている自分。 想像して、乃梨子は腰を激しく揺らす。 「可愛いよ……乃梨子……いっぱい逝って……あぁ……締め付けてくるよ…」 雅史が耳朶に舌を這わす。 クチュッと水音が耳の中に響く。 「いぃ……雅史さん……すごいの………ぁはぁ……」 「そんなにいい？」 何度か腰を動かしてから、雅史が一旦肉棒を抜く。 「ぁぅ……」 絶頂に近づいたところで身体が離れて、乃梨子は思わず不満の声をあげた。 くすくすと雅史が嬉しそうに笑った。 「もっと欲しい？今度は乃梨子が上になってごらん…」 そう言うと自分はごろんと横になる。 「ぇ……やだ……」 「ほら」 抱き上げられて、雅史の上へ跨る格好になる。 「今日の乃梨子、エッチっぽくって可愛いよ」 「ばか……」 乃梨子が、頭の中でどんな想像を巡らせているのか、雅史は知らない。 現実の雅史の声音は優しく、乃梨子を見上げる瞳には愛情が籠っている。 申し訳なく思いながら、身体を重ねていく。 「雅史さん…………」 吐息混じりに囁いて、乃梨子は片手を雅史の肉棒へと添える。 秘裂へ導いた亀頭が、入り口のところでぬるぬると滑る。 陰唇への刺激に触発され、乃梨子の意識は再び想像の世界へスライドしていく。 脳裏に淫らな想像が溢れてくる。 （だめ……ぁぁ………） 厭らしい妄想が止められない。 目をぎゅっと閉じる。 想像の中の乃梨子はたくさんの男に身体を抱え上げられ、知らない男の肉棒に跨ることを強要されていた。 （いっぱい濡れて……あたしの身体……ヒクヒクしてる……） こんなに肉棒を欲しいと思うことは今までに無かった。 （犯されたい………他の事…何も考えられないくらいに） ゆっくりと腰を落として、肉棒を迎え入れていく。 「いろんな体位で、乃梨子のこと愛したい…」 雅史の声が、遠くに思える。 「……いっぱい……して………」 それが雅史にかけた言葉なのか、想像の中の男たちにかけた言葉なのか。 自分でも分からないまま、乃梨子は前後に腰を揺らし始める。 ※ ※ ※ 雅史が抽送を繰り返すたびに、白く形の良い乃梨子の尻が揺れる。それほど女性経験の多い雅史ではないが、乃梨子の尻の綺麗さは絶品だと思う。 （これで胸がもっと大きければ最高なんだけどなぁ…） 七恵の豊かな乳房を思い浮かべる。 思っただけで、肉棒が余計に充血していく気がする。 七恵と乃梨子、二人を目の前に並べてみたい。 並べて、順に自分がペニスを突き入れていくのだ。 想像しながら激しく腰を前後に振ると、 「ぁっ…ぁっ……ぁぅぅ…っ…」 乃梨子が甘い声をあげて仰け反った。 今夜の乃梨子は、腿まで流れるほど愛液を垂らし、積極的に腰を振っている。いつもは嫌がる背後からの体位も、嫌がる言葉を口にしながらも感じているようだ。 （感じやすい日とか……あるんだろうな…） 愛液に濡れた肉棒が膣襞を捲って出入りする様を見つめながら、今日は乃梨子の体調が良くて幸運だったと安易に考える。 背後から抱き上げて、乳房を揉み、クリトリスを刺激すると、膣壁がきゅんっと締め付けてくる。 （七恵さんのおま○こも、こんな感じだろうか……） 乃梨子も七恵も、出産の経験が無い。乃梨子と同じように、七恵の秘所も雅史のモノを咥え込んで離さないに違いない。いや、七恵の膣はもっと淫らに蠢くような気がする。 自分は横になり、乃梨子を上に跨らせる。 もっと乃梨子が淫らな女になればいいのに。 下から腰を跳ね上げる。 小振りな乳房が揺れる。 「ぁ…はぅっ……あぁぁ………」 切なげな声をあげて、乃梨子が腰を動かす。 恥ずかしそうに、控えめに前後に揺らす。 七恵なら、もっと激しく自分から腰を使うに違いない。 そして、あの柔らかな巨乳が、厭らしく上下に弾むのだ。 「もっと動いて…乃梨子…」 もっと乃梨子が、自分から腰を振り、ペニスを求めて愛液を垂らし、厭らしい言葉を叫べばいいのに。 「や…やん……っ…恥ずかしい……雅史さん……」 「ほら……ほら……自分が気持ちよくなるように……腰振って…」 乃梨子の腰を掴んで動かしてやる。 「ぁぁぁ……はぁぁ……だめぇ……」 少しずつ、乃梨子の腰の動きが早まっていく。 「そう……あぁ……いいよ……気持ちいい……」 いつになく感じている様子の乃梨子を愛しいと思う。 乃梨子を愛しく思いながら、七恵の白い乳房のことも思い出す。 （七恵とも……こんな風に……やりたい……） 身体を起こし、膝の上に乗せた乃梨子の乳房を形が変わるほど強く掴む。 「んぁっ……痛ぃ……ぁ……っふぅ……」 眉根を寄せて、乃梨子が訴える。 膣の締め付けが強まったところをみると、痛みも快感に変わっているのかもしれない。乳首を強く抓り、乳房を捏ね回す。 「ぁぁ…ぁぁ……ぁぅぅ……あなたぁ……」 すすり泣くような乃梨子の声。 今度は押し倒して、上から強く肉棒を突き入れる。 「もぉ…だめ…………ぁ……ぁぁぁ……」 膣のひくつくリズムが早くなり、乃梨子の絶頂も近いのが分かる。 身体を反らし、腰を跳ね上げては押し付けてくる。 雅史は腰のストロークを速める。 「あぁ……逝きそうだ……っ……んっ……」 その瞬間、雅史は肉棒を抜き去り、乃梨子の乳房の上へと精液を浴びせる。 （今度は七恵の巨乳にも……俺の精液をぶちまけてやる……） 「ぁ……ぅ………」 ぼんやりとした瞳で乃梨子が見上げる中、雅史は柔らかくなっていく肉棒を扱いて、最後の一滴まで乃梨子の上へと注いでいった。 |
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| 2009.2.21掲載 |
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