第3章　よろめき

　はあ、はあ、はあ…
「もう、あなたったら、ヘンなことばっかり」
　私が夫の方を向くと、夫が満面の笑顔。夫の二の腕を叩いては見たけど、この笑顔を見ると、怒れなかった。
「大丈夫、どうせ、温泉だし。旅の恥はかき捨てっていうだろ。平気だよ」
「むう」
　私がふくれたフリをすると、夫は懸命になだめてくる。焦っている顔が、結構カワイイから、わざとそのままでいたりして。
　でも、だめ。夫の方が一枚上手みたい。
　エッチをした後は、丸１日くらいは、普段より感じやすくなっちゃう。
　だから、グッて抱きしめられてキスされちゃうと、身体の奥がとろけちゃって。
「ほら、機嫌を直して」
「もう！バカぁ」
　ふくれたフリが続けられなくなっちゃった。
「おっと、洗ってあげる続きをしなくちゃね」
「また、ヘンなコトしないでよ」
「あれ？たとえばこんなコトかな？」
　あうう、もう。夫はまた胸を触ってくるんだから。
「もうだめぇ。これ以上されたら、また、ヘンになっちゃうから」
「でもぉ、こ、こ、は、準備完了みたいですけど」
「それは、違うの、さっきのなの」
「そおかなあ。ますますヌルヌルですけど」
「いや〜ん、だめえ」
　そんなことでやめてくれる夫じゃなかった。
　さっきので、ふらついている私を抱えると、湯船の縁に腰を掛ける。私は向き合うように抱っこされる。
　私の下で、夫のモノが、また、元気になっているのがわかる。だって、アソコにあたってくるもの。
　私のアソコから生えてるみたいに、ニョキッと立ってるのが、ちょっとおかしい。
　どうしたの、あなた。こんなに、スグ、元気になるなんて。すごい…
「あうう」
「ほら、あたるでしょ」
「え、なにが？」
　私は知らんぷりをしようとしたけど、アソコにあたる度に声が出ちゃうから、もちろん、隠せない。
　硬くなったアレが私のアソコをこすりつける。クリトリスが、グイって。
　ああ、だめえぇ、感じちゃうから。
「どうかなあ」
　夫が急に私のお尻を抱えて、身体を揺さぶったの。
「あん、だめえ！」
「ほしくならないかな？」
　今度は私の胸の先端を両手で弄ってくる。
　なぜだか、夫の首に回した手が、ほどけない。自分でもおかしいんだけど、夫の手に抵抗できないの。
　腰から下がしびれたみたいになっちゃって、こすれた所から、ビリビリ電気が走ってくるんだもん。それに、アソコと胸はつながってて、両方刺激されると、体の中が溶けるみたいになっちゃう。
　だから、胸からの刺激がますます、すごくなっちゃって。
「ほしいなら、自分で入れても良いんだよ」
　そんな、そんなコトしたことないのに。できない。
「簡単だろ、ちょっとお尻を持ち上げれば良いんだよ。ほら、ちょっと腰を上げて」
　つい、夫の言葉に乗っちゃった。私は腰を上げてしまう。
　つっと、夫が腰をあわせて、私のアソコめがけて、硬くなった先端をくっつけてくる。
　このまま、腰を下ろせば、また、セックスしちゃう。
　いいのかな？
　はしたないって言葉が頭の端によぎるけど、でも、腰を上げたままの姿は中途半端だもの。
　そうよ、しかたないのよ。このまま、中腰でいるのもヘンだし。
　私は、自分にそう言い訳しながら、ゆっくりと膝の力を抜いていく。
　エッチ部分に、大きなモノが、グッて、かき分けて入ってくるカンジ。
「あぁ」
　私がため息をつきながら、夫につかまってしまう。　
　その時だった。
「あら、ごめんなさい、おじゃましちゃって」
　もうパニック。だって、夫が私の中にぐっと奥まで入っちゃった、その時よ。　目の前に人が現れたんだもの。
　恐る恐る目を上げて、見てみると…
「お義姉さん！」
　私の中に入っているモノを一瞬忘れて叫んじゃう。
「きゃ！」
　私があわてて夫から下りようとしたけど、その時ふと思っちゃったの。
　ううん、後から思えば、ヘンなんだけど、その時は、真剣に思いついちゃったの。
　あ、このまま、私がどいたら、夫のオ○ン○ンが、見えちゃうって。
　とっさに、どうして良いかわからない時って、つい夫に頼ってしまうのって、いけないことかしら。
　でも、それって夫婦の仲が良いからなのよね。言い訳かもしれないけど。
　今もパニクってしまって、夫の背中に両手を回してしがみついてしまうしかできなかったの。だって、私がどいたら、夫のが見えちゃうし。
「いいのよ、大丈夫、ご夫婦ですもの、私も温まったら出ますから、気になさらないでね」
　え〜ん、そんなあ、気にしますとも。気にせずにいられるものですか。
　でも、夫はなぜだが、いっこうに小さくもならず、お義姉さんに「あ、どうも」なんて、不器用に挨拶したりして。
　あら、あなた、さっきより大きくなってない？
　ぐっと、私の中で存在感がでた気がするんですケド。

　でも私は、身の置き所をなくして、ひたすら夫の胸にすがりついているしかなかった。
　お義姉さんも、お義姉さんよ。
　普通は、こんなシーンを見ちゃったら、あわてて出ていくんじゃない。フツーは、さ。
　でも、お義兄さんが、ウチにいたとき言ってたことがある。
「ウチのヤツ、ちょー箱入りだから、なんか感覚ずれてんだよなあ。ま、その分、処女だったし、その上、今じゃエッチなんでもＯＫだから良いけどさ」
　あの時は、あわてて聞こえてないふりしたけど、あんなにきれいなお義姉さんに、そんなことあるわけないって思ってた。
　でも、お義姉さんてば、私がすっごく恥ずかしいのに、夫婦だから良いのよって、そんな、やっぱり、ずれてるぅ〜
「でも、やっぱり、若いっていいわねぇ、うらやましいくらいの張りがあるわぁ」
　そんなあ、私のこと、やっぱり、見てるんだあ。
　水音がして、お義姉さんは、私の後ろ。あ〜ん、これじゃあ、入っているところが丸見えになっちゃう。
　あなたぁ、早くお湯の中に入って。見えちゃう。
「いえいえ、うちのなんて。お義姉さんこそ、うらやましいくらいのスタイルですよね」
「あら、あら、こんなオバサンと比べないでくださいね」
　あなた！
　見てるのね。お義姉さんのこと。ちらりと確かめたけど、お義姉さんは、やっぱりタオルなんか持ってない。オールヌード。
　なによ、私の中に入っているのに、見とれちゃったりしてさ。
　そりゃ、お義姉さんは、大学時代はミス・キャンパスだったって言うくらいだし、私なんて、胸なんも全然負けてるけどさ。
　私は、こっそり、背中に回した手で爪を立てる。
「いてっ！」
「あら、どうかなさったの」
「いえ、なんでも」
　そう言いながら、夫が身じろぎしたの。
「あん！」
　ダメよ、お義姉さんにみられてるのに。
　突然動いたから、身体の中がこすれて、びっくりするくらい感じちゃったじゃない。なんだか、これじゃ、見られながら感じてる淫乱な女だって思われちゃうかしら。
「あら、すごいのね。」
　え〜ん、なにが、すごいのよぉ。
　いっそのこと、逃げちゃおうと思ったけど、今動いたら、また声が出ちゃいそうで、動けないし。
　でも、身体が、勝手に、夫のモノをぎゅーって締め付けちゃって、それで、また、じわーって私も感じちゃう。どうしたらいいの。
「なんだか、僕ばっかり、お義姉さんのこと見ちゃって、兄貴に悪いなあ」
　何、調子に乗っているのよ！失礼でしょ。
　私は、また、背中に爪を立てようか、真剣に考えちゃった。
「ふふ、そうね、でも、もうすぐ、宅も来るから、私もしてもらおうかしら。それに、きっと喜ぶと思うわ。美樹さんのきれいな身体を見せてもらったら」
　ちょ、ちょっと、お義兄さんもくるって…
　考えてみれば、当然よね。お義姉さんがいるってことは、お義兄さんも来てるってこと。
　そして、お姉さん達も貸し切りを頼んだに違いない。きっと、宿の人が間違えたのね。同じ日に、同じ名字で貸し切りを頼んだから。
　そして、「中澤家貸し切り」ということは、夫婦で入るってことだもの。
「今日は、タケシ君はどうしたんですか」
　夫だって、私の締め付けを知っているのに、声はちゃんとしてる。さすが、っていうべきなのかな。
　でも、ちょっと悔しい。
「ああ、お祖父さまが軽井沢に連れて行ってくださってよ。１週間くらいは帰ってこないのじゃないかしら。お祖父さまの別荘は、いつも楽しみにしてるみたいですし」
　私は、お義姉さんの言葉を聞きながら、気が気じゃなかった。今だって、死ぬほど恥ずかしいのに、こんな姿をお義兄さんにも見られたら。
　もうだめ。私は、やっと、覚悟を決める。
「ごめんさい、先に上がります」
　私は、お姉さんの方なんて、恥ずかしくて見られなかったから、後ろ向きのまま、そう言って、一気に立ち上がったの。
　私の中から、スポンって感じで抜ける。なんだか、苦しい。寂しい感じもするけど…
　よかった。ちょっとふらつくけど、立ち上がれた。
「あら、もっとゆっくりすればいいのに」
　背中にお義姉さんの声を聞きながら、まっすぐに脱衣所に走る。タオルはお姉さんのいる側においてあるから、取りになんて行かれない。
　裸で、露天風呂を走るなんて、はしたない。　けど、もう、今にも、お義兄さんが顔を出しそうな気がする。

　植え込みを回り込む。ガラスの入り口がすぐ目の前。ガラスの中の脱衣所を素早く見る。
　よかった。まだ来てない。
　私は、たどり着いた安心感で、ホッとして重いガラス戸を開いた。
　その時だった。
　ガラリと開いた入り口。私は、重い扉を開いたまま、凍り付く。
「きゃ」
　私の悲鳴に驚いたのか、目を見開いたお義兄さんと目が合う。
「いや！」
　とっさに、両手で身体を抱え込んで、しゃがんでしまう。
「危ない！」
　その声と、しゃがみ込んだお尻に、ゆっくりと閉まってきたガラス戸がぶつかるのは同時だった。
「イタ」
　しゃがんだ状態で、お尻を押されれば、誰だって転んでしまう。ホントはそれほど痛くはなかったけど、転がっちゃった時に思わずそう漏らしてしまったの。
　転んだ拍子に、私の身体は1回転。ころん、バタンって感じで、お尻から落ちる。
「いた〜い」
　足が向こうに広がったまま、私は、床にぶつけたお尻を両手で押さえる。
　ハッとした。
　だって、向こうにはお義兄さんがいて、それで、今、私ってば、足をそっちに広げたまま、お尻を持ち上げるようにしてるってことは…
　丸見え！
　私は恐る恐る、お義兄さんの方を見る。お願い目をそらしてて。
「！」
　見られてる。それも、じっと。
「いや！」
　私はあわてて、横を向いて、エビのように身体を丸める。
「大丈夫？」
「だ、大丈夫です。だいじょうぶですから、あの、その」
「いやいや、いけないよ、お尻をぶつけたね、ちょっと見せて」
「いえ、大丈夫ですから」
「大丈夫、ほら見せて。こんな危ないガラス戸なんて。場合によっては、僕が代理人になって宿を訴えてあげる」
「そ、そんな」
　まだ、イソ弁、なんて謙遜してるけど、お義兄さんの本職は弁護士。真剣な表情。
「だから、ちょっと、ごめんよ。クライアントの状態を知っておかないとね」
「あ、そ、そんな、」
　お義兄さんの手が私のお尻に触れてくる。
「あの、本当に、大丈夫ですから」
「静かに。ほら、ここ痛くない？」
「え、あ、あ、はい」
「ここは？」
「あ、あの、ちょっと」
「ちょっと、これじゃ、よく見えないな、そのまま、ちょっと、持ち上げて」
　そう言うが早いか、横に丸くなってる私の腰を、ぐっと持ち上げて、お尻を上にしてしまう。
　そんなあ。
　私のお尻のあちこちを押さえては、痛い？って聞いてきて、逃げ出す雰囲気じゃなくなってしまう。
「ほら、ここはどう？」
「あ、あんまり、ああ、そんな…」
　そのまま、次々と私のお尻のあちこちを撫でまわしては尋ねてくる、お義兄さんのペースに乗せられてしまう。
　私は恥ずかしいのを通り越して、麻痺してしまったのかも。
　だって、義理のお兄さんに、お尻をあちこち触られてるの。それも、裸で。
　上半身を抱え込んで丸まったまま、お尻だけは膝から立てるようにして高く持ち上げられてる。
　なぜだか、力が入らない。
　お義兄さんが、ぐっと私の腰を横から抱え込んでいるから、崩れ落ちもできないまま。
　そして、お義兄さんは、あっちこっち触りながら、痛くないか聞いてくるの。
　こんなのいけないのに。恥ずかしいよぉ。
　あん、そんな。押す場所を移動する時に、私の肌を滑らせて移動してるの。
　いけない手。
　温かくて、男の人にしては柔らかい手が、私のお尻をあちこち撫でまわしてくる。だめよ、エッチなコトしてるんじゃないの。大事なことを調べてるんだから。
　でも、そんなに調べる必要があるのかしら。
　だって、そこは、さっき押した場所のような気が…
　それ以上されたら、感じちゃいそうな気がしちゃう。だって、そんなに撫でまわされたら、オカシクなっちゃうもの。
　それにって思う。だって、さっきまで、夫が私の中に入ってた。
　夫が入った直後は、アソコもエッチになっちゃうのに。ううん。身体中がエッチになっちゃう。
　なんだかいつもより、エッチなカラダ。だって、まだ途中だったのに。お義姉さんが途中で来るから。
　あ〜ん、ダメ、私のカラダ。感じちゃダメ。
「それにしても、赤くなっちゃったよ。ほら、この辺り一帯」
　そう言って、手のひらで、お尻全体を包み込むように撫でるんだもん。肌の表面からピリピリって、いけない感覚がつたわってきちゃう。
「あぁ」
　私は、ため息を漏らしてしまう。
　ううん、ため息じゃない。夫以外に聞かせてはいけない声。
「おや、痛かった？骨には異常ないみたいだけど、やっぱり打撲かなあ」
　お義兄さんは、そう言いながら、お尻を何度も撫でてくる。
「ううん、赤くなっているのは、外側だけではないしなあ」
「え？そんなにひどいんですか？」
　私は、さっきの声の照れ隠しに、わざと元気な返事をしたけど、お義兄さんの手から生まれる妖しい感覚に困ってた。油断すると、お尻が動いちゃいそうなんだもん。
「うん、ほら、この谷間の所とか」
「はう！」
　手が、お尻の谷間に入ってくる。揃えた指先が谷間の奥を下から上になで上げてくるカンカク。
　私は思わず、ヒクンとなっちゃった。
「あれ、やっぱり痛い？ほら、これは？」
「あうう、痛くないので、あう、もう、やめて、あう、やめて、ください」
「でも、よく確かめないとねぇ。痛がってるみたいだし。我慢しちゃダメだよ」
　そう言って、抱え込んでいる私のお尻をのぞき込む気配。私は、身体の奥に視線を感じてしまう。
　あ、このカッコウで、後ろから見られたら…
　全部見えちゃう！
　そう。お尻だけ突き上げた、今みたいな格好をすると、オンナの大事な部分がきっと見えちゃってる。
　熱い視線を感じるもの。
　もうやめてもらわなくっちゃ。
　でも、お尻の奥を、揃えた指先で、さらさら撫でられると、いけないのに感じちゃって、我慢するだけで精一杯。
　口を開いたら、恥ずかしい声が出ちゃいそう。
「ああぁん」
　指先が、恥ずかしい孔を通り過ぎる。その瞬間、背中がぞくっとして我慢できなかったの。
「あれ、ここも痛いんだ。ひょっとして、中まで損傷を受けたのかな。ちょっと失礼。いや、大丈夫だから、心配しないでいいよ。調べるだけだからね」
　ああ、そんな。指先が後ろのすぼまりをなぞってる。指先がつんつんって、やさしく、ノックしてくる。
　指先がしめった感触で、私の後ろのすぼまりにくっつく。
　粘膜が指先にくっついては、離れていく。その度にピリピリって、感じちゃう。
「はうう」
　私は、思わず、声が漏れちゃって、焦る。
「う〜ん、こんなところが痛いんじゃ、大変だね。きつく言ってやらなければ。れっきとしたＰＬ法の対象だよ」
　お義兄さんが熱心な、それでいて冷静な声。
　さすが弁護士さんと言うべきなのだろうけど、私は、恥ずかしくて、身をすくませるのがやっと。
「あう、お義兄さん、あの、もう、大丈夫ですから」
「う〜ん、美樹さんは、我慢強いね。でも、ほら、いくら我慢しても、カラダは反応しちゃってるんだよ。我慢しないで、ちゃんと言ってごらんよ」
　そう言いながら、私のすぼまりをピトピトって、くっつけては、離していくやり方で、触ってくる。
　あん、なんだか、お義兄さんたら、私が感じちゃってるのを知ってるみたいな言い方。そんな、痛くないか、調べてるはずなのに。
　やっぱり、こんなのヘンよ。
　でも、そんなふうにエッチに思っちゃってる私がイヤらしいのかしら。
「お義兄さん、もう、大丈夫ですから、本当に、痛くありませんから。あの、本当に、もう、大丈夫ですから」
　私は、もう我慢ができなくなって、そう言いながら、そろそろと、上体を起こそうと腕を伸ばす。
「そうかなあ。ま、美樹さんがそう言うなら…」
　やっと、お義兄さんが手を離してくれる。なんだか、残念そうな口調に聞こえるのは気のせい？
「じゃあ、起こしてあげるね」
　そう言いながら、お義兄さんの手が、私の下に伸びてきて。
「きゃん！」
　偶然なんだろうけど、お義兄さんの手が、すっぽりと胸をつかんでしまって、私の胸は温かい手に包まれてしまう。
　だめよ。精一杯我慢してたんだから。私は胸の刺激で、また、カクンって感じで力が抜けちゃう。
「ああ、ごめん、ごめん。でも、美樹さんの胸って張りがあって、すっごくすてきだなあ」
　そう言いながら、私の胸を、プニプニしてくる。
「あうう」
　感じてるんだ。
「あぁぁん。もう！知りません！」
「う〜ん、なんて触り心地が良いんだ」
「いや〜ん、お義兄さん、これ、これ、ダメですよ、調べるのと違ってる」
「しかしなあ、ほら、こんなふうに、気持ちいいとなあ」
「だめ、もうやめてくださあい」
　そのとき、お義兄さんが身じろぎをしたの。
　ふと後ろを、お義兄さんの方を振り向いたら、こっちを向いている膝から、浴衣がはだけてたの。目がつい、その間に行っちゃったら…
「あ！」
　大きい。
　お義兄さんは、下着を着けてなかった。黒くて、大きくなったモノが、ぐっとそびえ立っていて、怖い。夫のモノとも、似てるような気がするけど、もっと大きいような気がする。
　身体が凍り付いたまま、私の目は、そそり立っているモノから離せなかった。