第4章　かいほう

　逃げなきゃ、って私の頭に一瞬、自分の声がしたけど、なんだか、動けなくて。
　きっと蛇に睨まれたカエルさんて、こんな感じなのかしら。
　私がそんな馬鹿なことを考えている間、ほんの一瞬のことのような気がしたのに、お義兄さんは、私がどこを見てたかすぐにわかったみたい。
「そりゃあ、いくらクライアントでも、あんなにきれいなお尻を見てたら、男なら誰だってこうなるよ」

　さっきと違って、照れたような口調だけど、相変わらず、胸から手を離してくれない。左手は私のお尻にそっとおかれてるし。
「そんなあ」
　私は、胸に置かれた手をそっと離そうと、身じろぎをする。
「でも、美樹さんも、結構、感じてたでしょ。だから、逃げなかった」
「ひどい！お義兄さんだから、安心してたのに」
「う〜ん、だけどさ、ほら」
「ああん」
　指が大事なところに。
「ほら、ヌルヌルだよ」
「いや、やめて、やめてください」
　指がヌルヌルと動いて、私の中にゆっくりと出し入れされちゃう。そんな、なんでこんなになっちゃうのか、自分でもわからないけど。
　上手。
　こんなことに上手とか下手とかあるのか知らないケド、夫にもされたことがない、不思議な気持ちよさが、どんどん送り込まれちゃう。
　指だけなのに、アソコから、感じたことのないような気持ちよさがあって。
　ううん、はっきり言って快感。感じちゃってる、ワタシ。
　夫の指でも、もちろん、アレでも感じたことのない、頼りないような、それでいて身体を掘り起こされるような、そんな感じ。
　油断したらオシッコが漏れちゃいそうな不安があって、でも、もっとしてほしいような、怪しげなカンカク…
「ほら、ほら、ほら。美樹さんも、感じるでしょ」
「だめですぅ。あう、感じてなんか。あん、夫が、貴彰さんが来ますよ」
「あれえ、タカアキのヤツが来なければいいのかなあ」
「そんなことぉ、でもぉ、夫に見られたら、ああ、やめてぇ、くださいぃ」
　語尾が震えちゃう。
　もっと奥まで入れて欲しいような、ああ、だめなのに。
「ほら、もっと感じて良いんだよ」
「そんなことありません。ああん。もう、やめてく、あう、ださ、いぃぃ」
　逃げなきゃって思うんだけど、身体に力が入らなくて。
　だって、こんな風に、夫以外の男の人に、ううん、夫にだって、こんな丸見えの、恥ずかしいことをされたことないから。
「だって、ちっとも、カラダは嫌がってない。もっと感じたいでしょ」
　違うもの。もっと感じたいからなんかじゃないもの。夫以外になんて。
　私は貞淑な妻なんだからぁ。
「う〜ん。こんなに濡れちゃうなんて。さっきから、こんこんと泉みたいに湧き出してきて。やっぱり若いなあ」
「お義兄さん、お願い。あん。もうやめてください」
「でも、あえぎながらだと、説得力ないなあ。ほら、こんなに」　
「あううう」
　指が、中でぐるりと動いて、どんな風に動いているのか、よくわからないけど、なんだか、切ない感じがして、ずぅーんと腰が重くなっちゃう。　
　それに胸も、さっきから、完全にイヤらしい動きで、触られて、そんな、私、胸、弱いのに。
　乳首がつままれちゃう。
　ビリビリって、お腹の下の方にまで、電気が走って、アソコの中の指と反響して、あう、我慢できなくなっちゃいそう。
「ああ、お願い、しますからぁ、ああん、もう、もう」
　私はやっとの思いで、身体をふりほどく。
　でも、力が入らないから、そのまま、倒れるように横に倒れただけ。
　素早く、お義兄さんが、私を抱き起こしてくれるのだけど。
　ああ、どうしよ。裸のまま、男性に抱えられてる。
「すっかり、感じちゃったね、美樹。力が入らないんだろ」
「ああ、だめえ」
　私は、どうして良いのか、わからなくなっちゃって、両手で顔を覆ってしまう。
　何で、私の身体、言うことを聞かないの。そう、そうよ、さっき、途中だったから、途中だったのに、お義姉さんがはいってくるから。
「あああ、だめえ」
　私の大事なところに、お義兄さんの手が、また侵入してくる。
　やめてほしいんだけど、指が出て行っちゃのが怖いような気がして。
　ああ、私どうかしてる。すぐにやめてもらわなきゃ。
　でも、だって、ああん、もうわかんなくなっちゃってる。どうしたらいいの。
「あん、あん、あん、ああ、あ、あ、あ、あ」
　完全に、お義兄さんの指に操られちゃって、声が出ちゃう。イヤなのに。だって、こんな事ダメなんだからあ。
　でも、指が私の中で振動したり、中をグッってかき回す度に声が、我慢できないの。あ〜ん、私、エッチになっちゃってるぅ。
「ほら、こんな風に、うんうん、いいねえ」
　かってに、お義兄さんは喜んで、ますます、動いてる。
「ピチャ、ピチャ」
「ほら、美樹の中が音を立てるよ」
「いやあ」
　はっきり聞こえた。私のエッチな音。こんなになったことないのに。
　でも、いやらしい音が、ピチャピチャって止まってくれない。
　いや、耳をふさぎたいけど、顔を、見せられないもの。
　突然、手が止まる。
「美樹、僕のも頼むよ」
「え？」
　その言葉に誘導されたみたいに、恐る恐る手を開いて、目を開けると、浴衣の間から、そそり立っている、お義兄さんのモノ。
　だめ。怖い。それに、いけないこと。
　今は仕方ないのよ。だって、力が入らないから、逃げられないだけ。男の人にされちゃって力が入らないんだモン。
　もちろん、お義兄さんがしてほしいことは、わかってる。
　私だって、人妻だもん。こんな時に男の人にどうしてあげるのかなんて。
　夫となら、きっと言われなくても、してる。
　でも、自分から触ったらダメ。だって、自分からエッチなコトしちゃうことになるから。
　相手は、夫じゃないのに。やめてもらわなきゃいけないのに。
　ああだめぇ。
　一度、顔から離した手が、置き場がないの。
　右手はそのまま床に降ろせばいいけど、ううん、本当は、お義兄さんの手を、振り払わなきゃいけないのだけど。
　左手が。
　どうしよ、そのまま、下に降ろすと、お義兄さんの、そそり立っているモノに、ぶつかっちゃうもの。
　ああ、でも、どうしたら。手が、だって、手を降ろしたいだけだもん。でもぉ、ああ、このまま、手がくっついちゃう。
　ああ、指、指先が、熱い物に触れちゃった。
「ほら、そのまま握って」
　耳元で、低くて強い声。タイミングよくささやかれて、私は、反射的に握ってしまう。
「あ、熱い」
　私は手の中の熱さに、ビックリする。そして、ギュウーって握ってしまう。もちろん、柔らかくだけど。
「おっきい…」
「そうだよ。美樹がかわいいから。とっても感じてる顔がイヤらしくて、かわいいよ」
「そんなあ、ああ、もう、ああ、だめぇ」
　私の中の指が、また、動き出す。中をかき回してくる。その度に、もう声が止められないの。
「美樹、いいよ、上手だね、そのまま、ほら、もっと」
　私の手も、お義兄さんの指に合わせて自然に動いてしまう。
　ほめてくれるのはうれしいけど、こんなコト、ホントはしちゃいけないのに。
　でも、確かに、今、とっても感じてる。手も、握ったまま、動かしちゃってる。
　その時だったの。
　突然、おそってきたカンカク。
　オシッコ？なんだか、漏れちゃいそうな。でも、なんだか違うような。ううん、なにかが、身体から、こぼれちゃいそうな感じなの。
「お義兄さん、もう、もう、やめて、ヘンなの、ヘンだから、出ちゃうから」
　ああ、恥ずかしいけど、なんだか、ちゃんと言わなきゃいけないような気がして。
　でも、オシッコとは違うと思うんだけど。ああん、もう出ちゃうぅ。
「ダメ、ホントに、ダメ、出ちゃうから、お願い、やめてぇ」
　身体から何かがこぼれる感じがして、私は、あわてて両手で、お義兄さんの手を離そうとしたんだけど。
　その時、突然、限界を超えちゃったの。一番恥ずかしい瞬間。体の中が溶けてしまいそうな、コワイくらいの快感が溢れてくる。
「ああ、ああ！う、う、いく、いくぅ」
　力が入らない。どかそうとした手をそのままに、お義兄さんの手が動いて、私は達しちゃった。
「はぁ〜」
　全身に、ピーンと電気が走ったみたいに、硬くなっちゃったと思う。そして、一気に力が抜けてしまって。
「ふふ、かわいいね」
　お義兄さんの唇がそっと私の唇に重なってくる。
　乾いた唇。
　ああ、夫以外の人とキスしちゃってる。いけないんだあ。
　ぼーっと、そう思うんだけど、拒否できない。力が入らないんだもん。
　力が入らないから、そのまま、ヌルって感じで、舌を入れられても、抵抗できない。
　自由に、私の中を動き回る、夫じゃない人の舌。
　ああ、私、なんてコトしちゃってるんだろ。こんなこと。だめなのに。
　もう何回思ったかわからないほど、ダメって思うんだけど、身体が動かない。　うそ！　
　私、身体が動かないのに、舌だけ、ああ、どうしよ、お義兄さんの舌に勝手に絡んでる。
　なんでぇ、何で、私、お義兄さんの舌を、吸ってるんだろ。
　気がついたら、夫とのキスをしてるみたいに、お義兄さんの舌を吸ってた。
　上からかぶさるようにキスしてくるお義兄さんの唾液が、とくとくって感じで私の口に流れ込んでくるの。
　私は、ごくんって、それを飲み干してしまう。ううん、違う、私が舌を絡めて吸い取ってる。何でこんなコトしちゃうの。
　ああん、オンナって逝かされちゃうと、その人の一部ならなんでも平気になっちゃうのかしら。
　その時、ハッとした。
「粗相を…」
　私が、急に動いたものだから、びっくりしたみたい。
「どうしたの」
「すみません、すみません、私、粗相をしちゃって」
「そそう？そ、うん、あ、これのことね」
　最初は怪訝な様子だったけど、にっこり笑って、私のアソコを動かす。
　あ〜ん、まだ、指が入ってたんだっけ。
「ほら、これはね、オシッコじゃないんだよ、気持ち良くなったヌルヌルが飛び出しただけ。潮吹きって言うんだけど」
「しおふき？」
「そう、恵まれた素質の女性だけに起きる現象」
　にっこり、笑って、私から抜いた指を目の前にかざす。いやん、そんな、恥ずかしい。
「ほら、サラサラしてるでしょ。普通の時は、もっとヌルヌルしてるけど」
　私は思わず、指を見てしまう。確かに、前に夫に見せられた私のヌルヌルは、もっとねばねばしてたような気がするけど。
「でさ、美樹。僕もこうなってるんだけど」
　その声につられて、お義兄さんのモノを見てしまう。
　さっきまで握っていたモノ。
　「しおふき」の時に、漏れちゃいそうで、あわてて手を離しちゃったんだっけ。
　黒くて、夫より、少し大きいモノが、先端に、ちょっぴり液をしみ出してこっちを向いてる。
「ほら、このまま、入れちゃって良いだろ」
「それだけは、それだけは、お願いです。夫に顔向けできないから」
　今でも、十分顔向けできないけど、でも、でも、これ以上はダメだもん。
　ああん、でも、もし、お義兄さんに、今、身体を開かれたら、きっと、抵抗できないと思った。
　だって、力が抜けちゃってるし。　
　それに、身体が、身体が、なんだかオカシクなっちゃってて、大きなモノで私の中をこすってほしいって、一瞬よ、ホンの一瞬だけど思っちゃって。
　ああぁ、私、お義兄さんのモノ、入れちゃうのかしら。
　でも、だめ。相手はお義兄さんだもの。ううん、相手が誰であっても、夫以外はいけないの。　
　でも、だらけで私は混乱してしまう。そんな私に優しい声。
「しかたないな」
　ホッとした。正直言って拒む自信がなかったから。
「じゃあ、美樹。こんなエッチだったんだから、僕のモノを大きくした責任をとらなきゃ」
「え？」
「美樹の中に入れさせてくれるか、美樹の手で出してくれるか。どっちを取る？」「そんなあ、やめてって言ったのに、お義兄さんがするから」
「ほら、美樹、こっちに入れちゃう？」
　気づいたら、お義兄さんは、私のことを、美樹って呼んでる。いつからだろ。
　でも、なんでだろ、嫌な感じがしない。オンナって、身体を触れあわせると、許せちゃうのかなあ。
　ああ、お義兄さんが手を伸ばしただけで、反射的に足を広げちゃった。どうしたの、私の身体。何でこんなにミダラなの。
　私は自分のカラダを、こっそり叱ってはみるけど、全然言うことを聞いてくれない。
「ほら、こっちは、こんなふうに溶けちゃてるよ。こっちに入れちゃおうか」
「お願い、それだけは、もう、やめて、ああ、します。しますから」
「どうするの」
「わかり、ました。しますから。入るのだけは許して」
「ふ〜ん。ま、いいや、美樹がそっちを望むなら。…入るのは今度で」
　私はドキッとしたけど、最後の言葉は聞こえないふり。
　今度なんてしないモン。絶対しない…と思うんだけど。
「ほら、じゃあ、始めてごらん」
　私の前に、すっくと立って。帯の所だけで止まってた浴衣を脱ぎ捨てて、私の目の前。
　硬そうにそそり立ってるのに、ブラブラ揺れてるのが妙におかしくて。
「あの」
　私は、手を上げかけて、ふっと、止める。
　お義兄さんの前で跪きながら、見上げると、目が合う。
「どうしたの」
「夫には、内緒にしてくれますか」
　何でこんなコト聞いてるんだろ。でも、こんなコトしたって夫が知ったら、私、きっと、離婚されちゃう。
　だって、こんな風に淫乱さんみたいなコトして。
「大丈夫、それに、タカアキは、ごめんね、佳子のこと結構気になってるから、きっと、佳子が出るまで、一緒に入ってると思うよ」
　私は、ちょっと、焼き餅を焼く。
　そうよ。だって、私、お風呂を飛び出してきたはずなのに、ちっとも、追いかけてくれないんだから。
　だから、こんなコトになっちゃったのよ。もう、お義姉さんのこと、きっと、でれでれした目で見てるんだわ。
　さっき、お義姉さんにむけた、でれでれした目を思い出しちゃう。
　まあ、さ、きっと、コーヘイに見て、私の方が、いけないコトしちゃってると思うんだけど、でも、それとこれとは別よ。
　だって、夫が心配して見に来ないんだもの。
　私は、そんな風に自分に言い訳しながら、跪く。
　目の前にある、そそり立っているモノ。夫よりちょっと大きい気がする。
　ううん、結構大きいかも。
　私は、ゴクッて息を飲み込んで、そろそろと、右手で、下から持ち上げるように握ってみる。
「熱い…」
　私は、お義兄さんのものから目が離せない。頭の上から、かすかに息がかかるから、きっと、私のことを見てる。
「ほら、それだけ？」
　そっと手を動かす。
「いいぞ。もっと」
　励まされながら、手を動かす。夫のモノより、やっぱり大きいわ。それに、この、段差の部分。ぐっと張り出してて。
　こんなのでかき回れちゃったら…
　ダメよ。そんなこと考えちゃ。夫と比べるなんて。
　自分をしかるけど、アソコがキューンとしちゃうのは止められない。
「あれ、感じてる？」
　ゆっくりと、頭を振るけど、きっと見透かされちゃってる。
「うん、なかなかいいね。でも、美樹の素敵な唇に挟まれたら、きっと天国だろうなあ」
　そんなあ。
　できない、って思った。
　でも、って考える自分がいて。なぜだか、また、アソコがキューンとしちゃったの。
　ちょうど、そのタイミングで、腰が突き出される。目の前に、先端がヌルヌルした大きなモノ。
　ふっと突き出されたから、私は、思わず、ちょっと顔を近づけただけだったんけど。
「お、サンキュウ、うれしいなあ、美樹の唇は気持ちいいだろうなあ」
　なんてうれしそうな声が頭の上から降ってきて、なんだか、これで、やめたら悪い気がしちゃう。
　自分でもフシギだけど、汚いって思わなかった。夫のお兄さんだからかな。
　ううん、きっと、さっき、私のことをいっぱい感じさせてくれたからね。
　本当は、このまま、私の中に入れたいって、男の人なら、きっと、そう思うと思うんだけど。そうされたら、きっと、私ってば、拒めなかったのに。
　お義兄さんも、そんなのお見通しよね。
　でもお義兄さんは、ちゃんと、我慢してくれた。
　私はゆっくりと、唇をくっつける。最初は、唇を閉じたまま。
　ヌルヌルを、唇に塗ってるみたいにして。クルクルって。
　そして、そのまま、口を開ける。
　大きい。
　夫より、ちょっと大きいモノ（そうよ、ホンのちょっとよ）が、私の口の中を、ゆっくりと満たしてくる。
　思いっきり口を開けて。ぐっと口の中に入ってくる。
　今度は、一度抜いてから、横から舌で、段差を舐め取って。
　先端のヌルヌルも舌先でぺろぺろしてあげる。平気で飲み込める自分に驚く。
　夫の時は、泣きそうなキブンで飲み込んでたのに。
　味は同じなのね。兄弟だからかしら。それとも、男の人って同じ味なの？
「うぅむ」
　お義兄さんの声。気持ちいいって、感じてくれてるのかな。
「そうだよ。気持ちいいよ。ほら、空いてる手は、根本を動かして。そう。反対の手は、袋の部分を撫でて」
　お義兄さんは、なんだか、私の考えていることがみんなわかっちゃうみたい。
　不思議な気分で、私は教わったとおりに、動かす。
　厳粛な感じ。なんだか、尽くしてるって感じ。
　喉の奥まで入れちゃうと、涙が出ちゃうけど、その度に、お義兄さんが、うぅって感じる声を出すから、また、ついしちゃう。
　気がつくと、両手を、言われたとおり動かしながら、思いっきり奥まで、何度も何度も飲み込んで、舌を使っている私がいた。
　なんだか、ふらふらしそうになる。
「おお、美樹ぃ、いいよ、このまま出すよ、ほら、もう少し、そのままだよ」
　え、そんな、出すって、お義兄さん、私の口の中に出しちゃうの。
　一瞬、えっと思っちゃったけど、夫だって、私が口でするときは必ず、口の中に出したがる。
　後で、吐き出せば良いんだし。ここまでしちゃったら仕方ないよね。　　

　うん、うんって感じで頷きながら、そのまま、右手のスピードを上げて、唇でたっぷりとしごくように動かす。
「うう、美樹ぃ、そのまま、奥に、もっと」
　私は、思い切って、奥まで入れちゃう。何度も、何度も。
　苦しくって涙が出ちゃうけど、なんだか、そうしなきゃって思っちゃって。
　どくん。
　太いモノが、口の中で、確かに、そんな音を立てて、喉の奥に、お義兄さんのモノが広がる感触。
　あ…
　奥に出されたから、喉の奥にそのまま、流れ込んじゃってる…
　そんなあ、飲み込むなんて、そんなのないよぉ。
　でも、身体の方が、それを先に受け入れちゃったみたい。
　だって、次々に、喉の奥に広がっているお義兄さんのモノを、そのまま、また、ゴクッて飲み込んじゃってるもの。
　不思議に嫌な感じはしなかった。びっくりしたけど。
　それに、私ったら、言われもしないのに、唇で、根本の方から、しごくみたいにして、絞り出してる。
　ヒクンって、その度に、動くのが面白い。
　そして、舌の上に、ヌルって広がる、あの味。
　びっくりした。だって、そんなものまで、ゴクッて飲み込んじゃってるんだもん。
　どうしちゃったのよ、私。
「そうだよ。そうやって、男が出した後も、ゆっくりと動かしてくれると、気持ちいいんだよ」
　私は、夫の匂いに似てるけど、やっぱり、全然違う男の匂いに包まれて、いつまでも、舐めるのをやめられなかった。