第１６章　　隠し彫りの激痛に泣くマミ


　女の敏感な秘丘に刺青をされることは、恐怖である。覚悟していてもその場から逃げ出したくなる。
　源五郎の館に着くと震えだした。震えるマミを虎太郎に連れられて仕事場に来た。

　布団を敷かれた四隅に丸太の杭が打たれていた。それだけで恐怖が襲ってきた。暴れるマミを源五郎と虎太郎によって、四隅の杭に縛られる。両手は広げられ、足も50センチの間隔を開けられて縛られた。
　目には、目隠しをされ、口には猿轡を噛まされた。これで逃げることも悲鳴をあげることも出来なくされた。縛られた身体が小刻みに震えている。

「奥さん、始めます」
「う--ぅぅぅ」
　秘丘にアルコール消毒されたヒンヤリ感に怯えている。

　バラの花模様を造形した虎の絵が墨で描かれる。大きさにして5センチもない虎の模様なのだ。墨で描かれた線上に黒く浮き上がるであろう墨を入れていく。
「サクサクサク----サクサクサク---」
　三拍子のリズムで白い肌に針が刺さっていく。針が刺さったあとには赤い血が滲んでくる。その血が吹き出す瞬間は、痛そうに思える。静かに見守っていた虎太郎であるが血を観ていると自分に針が刺さってくる錯覚になり、居たたまれなくなり、マミを残して一人帰って行った。

　そんなこととは知らないマミは、局部の激痛に耐えていた。痛くても声にならず、身体も動かないように固定されてしまっているので、逃げることも許されなかった。ただ、源五郎はマミの身体の変化を感じ取っていた。

　マミの股間からは、愛液がコンコンと湧き出していた。こんな酷いことをされながら女の源泉は、痛みを淫靡な快感に変えていたのだ。マミも激痛の中で白昼夢に観るように、身体の芯から湧いてくる恍惚とした快楽にのめり込んでいた。そのときは、激痛から逃れ、甘い甘美な刺激に身体をくねらせていた。

　痛みが行きつく先は、快楽なのだ。痺れるような刺激の中で、男に抱かれて激しくセックスしている夢を見ていた。男は、これでもか、これでもかとマミの子宮に精液を放出してくる。卵子と精子がくっ付いても、くっ付いても終わることのない快楽に酔っていた。
　

　マミは快楽に酔うことによって、激痛から逃避することができていた。其の方が幸せであった。深夜の2時前に最初の刺青が終わった。源五郎は、マミの秘口から溢れ出でいる愛液が布団まで濡らして、大きな地図を作っていた。そのまま指を秘口に沈めて行った。マミの秘道は熱く燃えているように暑かった。襞を指先でなぞると絡みつくように指を締め付けてきた。

「この女は、名器だ。仕上げをするか」
　勃起した赤黒く腫れたように膨れた亀頭をマミの秘道に押し入った。待っていたかのように広げられた膣に呑みこんでいった。
「ほほ、締め付けてくる」
　ゆっくりと動かし、子宮を押し上げたかと思うと浅く抜き、再び、子宮を圧迫するように押し上げてくる。
　深く、浅く、深く、浅く挿入されると無意識でペニスを締め付け、源五郎を喜ばせた。

　源五郎も全身汗まみれになりながらマミを追い上げ、追い詰めた。源五郎のペニスでマミは失神してしまった。湯気が立ち上るペニスを抜くとその精液を血に濡れていた秘丘にかけた。精液を秘丘に丁寧に塗り付けた。
「これで、今日の仕上げができた。明日の朝、風呂に浸けるのだ。熱い湯が肌に沁みるがそれが隠し彫りの秘伝なのだ」

　明日の夜、仕上げの色彩を入れて完成するが、もう一度精液を塗りつけなければならない。そんなことを想いながら仕事疲れとセックスの疲労で眠ってしまった。

　源五郎が目覚めたのは、６時であった。お風呂に水を入れ、薪で風呂を沸かすのだ。薪に火が付くと食事の準備を始めた。ニンニクを擂り、山芋を擂り潰していく。さらに高麗人参の粉末を混ぜ、さらに奥の戸棚から何種類もの乾燥させた薬用植物を混ぜ合わせた。最後に籠からマムシを取り出した。首を押さえていてマムシの頭を刎ねた。

　頭が無くなった蛇だが胴体をくねらせている。その胴体を真っ直ぐに伸ばして、マムシの生血をその中に注いだ。血を流してしまった蛇は、動かなくなった。生血を注いだ秘薬を何度も混ぜた。

　風呂が沸いたことを確かめるとマミを起こした。マミはまだ意識が明確にならなかったが源五郎裸体に抱えられて湯船に沈んだ。
「ヒィ----エィ----ああぁぁ---沁みる----出して----出してください」
　マミは泣きながら訴えたが聞き入れて貰えなかった。秘丘が燃えるように痛かった。その痛みもお湯に馴染んでくると快感に変わった。

　お湯の中で30分くらい温めて、抱かれたままお風呂から上がった。空気に触れると秘丘が微かに痛く思えたが、空気に馴染むとその痛みもなくなった。源五郎から渡された浴衣を身に纏った。源五郎に勧められるまま源五郎の秘薬を啜った。何も知らないで食べることが幸せであった。

　浴衣を纏い縁側で転寝をしていた10時過ぎに虎太郎が来た。
「夕方の６時頃にもう一度連れてきてください」
　と源五郎は、虎太郎に告げるとその場で眠ってしまった。