第23章　　　撮影所に行くマミ


　夏休みになった。

　マミの映画撮影がスタートする。約30日間は撮影の為に撮影所に泊まり込みになる。
撮影所に泊まり込みにすることは、美濃村と監督の魂胆もあった。撮影は、時間通りに終わらないことが多いのが撮影である。撮影後にマミを愛撫することも生甲斐の一つにしている。新人女優というものは、監督やスポンサーから狙われる。

　マミもその一人であった。気に入った女を抱きたいということは、男の夢なのだ。幾つになっても、男と女は切磋琢磨し、気に入った女を独占したいのだ。

　マミは、女子大生、美里を演じる。

　喜田監督と美濃村緊縛師が企画構成する「魔性の女」の撮影が開始した。地方から東京に出てきた女子大生がスカウトマンにスカウトされ、犯され調教を受ける。その男が連れてきたのが美濃村の「マゾの館」であった。そこで半年間に渡り調教され、学生生活を送りながら企業の接待役として重宝がられ、社長に伸し上がっていくというサクセス　ストリーであるが、厳しいＳМの調教を受けながら男心を掴んで離さない女を演じるのだ。

　大学に来て、素敵な彼氏を見つけようとしていたが、大学生はほぼ金がない。
　そんな折に渋谷で声を掛けられた。
「お嬢さん、学生でしょう。あなたならばモデルか女優にならない---」
「私なんて---無理よ---」
「あなたならばできます」
「無理です」
「話だけでも聞いてよ----」
「少しだけですよ」
「そこの喫茶店で----」

　喫茶店には、桜の女の子を待機させていた。
「皆さん、この娘可愛いでしょう。女優に成れると思うでしょう」
「かわいい----素敵よ」
「絶対になれる---」
　その場でい合せた人達から称賛されるとその気になってしまうのだ。
「頑張ってよ----あなたが映画に出演したら絶対に見に行くから---」
　マミが演じている美里はその気になってしまった。

「来週の土曜日、渋谷にあるこのスタジオに来てください。カメラ　テストを行います。カメラテストの時も日当がでます」
「ハイ」
「ここに今住んでいる住所と携帯の番号を書いてください」
　美里は携帯の番号を書き、ケーキとコーヒーを飲んでその店を出た。

　カメラ　テストをどのようにすることも聞かないでウキウキして土曜日を待った。

　美里は楽しみにしてスタジオに来ていた。
　廻りの人達は、笑顔で美里を迎えてくれた。奥まった２０畳くらいの部屋で撮影が開始された。着衣のままで２０分くらいさつえいをした。
「今度はこれに着替えて---」
　下着が透けて見える薄い生地のマイクロミニのボディコンシャツが渡された。
「ハイ----」

　更衣室は、マジック　ミラーになっていた。美里が着替えをしているところも撮影されていた。
「美里ちゃん、着換えが終わったら来てください」
　とカメラマンの鈴木が叫ぶ。
「今、行きます」
　顔だけをだすが-----。
「美里ちゃん、似合っている。可愛いよ」
　恥ずかしい気持ちをほぐされてしまった。

「今度は、下着も撮影したい。そのシャツを持ち上げていって----」
　仕方なく持ち上げていく。
「いいよ。素敵だ-----もっと、持ち上げて---」
　その間にバシャ、バシャとシャッターが切られていく。

　美里が気が付いたときは、下着だけになっていた。
「美里ちゃん、その綺麗な胸を少しだけ見せてよ---」
　ブラの肩紐を外した。
「いいよ----いいよ----きれいだ----ブラも外そうか----外して。可愛い乳房だ---きれいよ」
　カメラマンの元気な声に押されて、ショーツも脱がされていた。

「両手を頭のところで組んで----いい----すてきだよ----」
　乳房もヘアも隠すことなく撮影されてしまった。

「美里ちゃん、最高の写真が撮れました。少し休憩しょうか」
　美里にガウンを着せてくれた。
「美里ちゃんにジュースを持ってきてあげて」
　９０分の撮影の間、ライトに照らされていた。冷たいジュースが咽喉に心地よかった。
　一気に飲み干していた。５分くらいして睡魔に襲われ眠ってしまっていた。

　美里が正気に戻ったとき、上半身が縄で後手に縛られていた。乳房の上下に縄が肌を締め付けていた。
「お願いです.解いてください」
　美里の声に関係なく、立ち姿で天井の金具に繋がれた。左足に縄が結ばれた。そのまま左脚を高く吊られた。股間が丸見えになる。

　その股間にカメラとビデオ　カメラが廻っていた。
「そんなとこ、撮さないで-----」

　東京と言う魔界都市で、「おのぼりさん」と言われている地方から東京に来た女子大生がターゲットにされている。一度、魔の手に落ちると恥ずかしい写真やセックスをビデオ撮影され、卒業するまでの期間、抜け出せないのだ。彼らも長くは必要としない。若くて裸体の美しい期間だけで良いのだ。

　毎年、大学生になって東京に多くの女子大生が誕生する。その中の10名から20名が裏ビデオの女優としてデビューする。その中の９割は、一本で終わる。さらに、狼達が美しい獲物を狙っている。女を調教してマゾ奴隷にする者達がいる。セックスで狂わされるとその快感と甘美の虜になってしまう。

　作品の中の美里演じるマミは、そんな経験者なのだ。上司のセックス　ドールにされていた。頭で「行ってはいけない」と解っている。「来るのだ」と命令されると子宮が疼いてしまい、気が付けば指定された場所に来ていた。

　マミは、ごく自然に身体が反応していた。魔の手に落ちた美里を演じていた。緊縛され、犯され続けるがマミの身体が敏感に男達を求めているのだった。ペニスに奉仕することに悦びを感じ、３穴にペニスを同時に塞がれ、涙を流しながら感じる女を演じている。監督もマミの表情と肉体の反応に満足している。