| 第25章 穏やかな日々(最終回) 演技とはいえ、屈辱の撮影が続いた。演技と心に決めているが心の葛藤がある。そんな時には、ご主人の鞭がしなった。背中からお尻・太腿にかけて鞭の跡が赤く蚯蚓腫れになった。禿げたご主人に媚びを売り、詫びた。 ペニスのフェラを求められ、陰嚢から肛門まで舌で舐め、愛撫していく。ご主人様がOKを言うまでは舐め続けなければならない。 「舌を尻の穴の中まで捻じ込むのだ」 毛に覆われ、悪臭のする肛門を死ぬ覚悟で舐め続ける。 「少しは奴隷らしくなってきた」 ご主人のペニスが漸く勃起してきた。 肛門から陰嚢を舐め、太くになった肉茎を舌で愛撫して、鈴口に戻った。口が怠い、舌も痺れてきている。懸命に吸引力を強めて精液を飲み干すまでは許してくれない。股間から愛液が溢れて、愛液が太腿から脹脛まで伝っている。長い格闘の末、 「要し、俺様の精液を飲まさせてやる。さぁ----ごちそうだぞ----」 美里役に撤して、マミは精液を飲み干していった。 「可愛い奴、美里は一生涯、俺が飼ってあげるから-----幸せだろ-----」 誰がと思いつつ、 「嬉しいです-----」 今は、媚びを売らなければならない-----。 ストリーでは、３０日の設定になっているが、撮影では３日間もこの男と寝起きさせられた。 このシーンが終わって、やっと自室に戻ることができた。入浴をして、洗面を済ませると睡魔に襲われ眠りこけた。３日間の疲れが襲っていた。 早く終わって欲しい。秘かに願っていた。この男が撮影後もマミの部屋に侵入しようとしているところを監督が阻止してくれた。そんなこととも知らずに眠りこけていた。 「魔性の女」のエンディングは、「お七」を想定していた。年齢を「ハイ」と言えば助かった命なのに正直に１６歳と言ったばかりに火あぶりの刑に処せられた。このお七が江戸の火事の時に、歌舞伎俳優と会うことができた。もう一度火事になれば、その男と会えるという思いで放火をしてしまい、放火犯として束縛される。 その拷問シーン交えた撮影でラストになる。ここも美濃村の出番となる。緊縛され、竹で叩かれ吊られて水責めになる。発狂する直前で拷問が終わり、自白したことで火あぶりになった。そんな女心の虚しさと空虚さを映し出している。 人の世の無常、天は何人の見方でもなく、犠牲になるものは、苦しみと辛さの中で死んでいく。 「いじめ」で自殺する子供達の心境にも似ている。世の中は、 「強い者ではない、変化に、情勢に対応できる者だけが生き残れる」 真にこの言葉の重さを感じさせられた。 マミは、強い女でも、賢い女でもない。その情勢に対応できる柔らかな頭脳と柔軟な身体が一つのことに拘らない、個々ではなくて全体を把握できる大きな心を持っていることが柔軟な対応を許している。 有名な女優になりたい思いもない、大きなお金を蓄えようという意識もない。ただ、家庭が、子供たちが何事もなく成長することのみを願っていた。 「女は、一夫しか交わってはいけないという意識も希薄であるが、誰とでもという気もない。信頼でき、清潔感のある素敵な男性であれば」 この思いは、撮影によって断たれた。だが仕事だと諦めるしかなかった。 この撮影ももうすぐ完了する。これからは、家庭で主婦業に専念しようと考えている。女は平凡な幸せが一番と思えた。マミの身体を何人もの男達が愛してくれた。それはそれで過去の事なのだ。 「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えることが出来る」 と提唱する人がいる。 「花も美しい時があり、やがて枯れていく」由里もここらが潮時と思っていた。 撮影が終わり、家庭に戻ってきた。これまで使用していた携帯を解約した。新しい携帯には女友達と家族と親戚だけを残して削除した。楽しい思い出だけを心の奥底にしまっておこうと心に誓った。 その日から家庭を家族を大切にするマミ(真美)になった。 長い間、読んでいただいてありがとうございます。今回で 完 になりました。 次作は、「緋色の刻」を連載します。--- 龍 晃一 乞うご期待----。  |
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| 2012.7.30掲載 |
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