15．

「そんなに力一杯、脚を閉じないでよ・。」
　おじさんの声が遠くに聞こえるの。
『閉じないで・・・』なんて無理よ。意識して閉じるんじゃないのよ。感じる度に力が入っちゃうんだもの、まともな女性としては自然な反応だわ。

　口では『閉じないで・・・』って云っていて、その割には脚を開こうともしません。
　代わりに内股を優しく静かに撫でるんです。
　愛おしんでくれているのが分かります。
　優しく触れた手が内股を滑るんです・。
　「ァアア・！」 そんな事されたら、喜悦が膨らむんでしまうんです。
　こんな敏感なわたし、恥ずかしいわ。
　ホンのチョットのタッチだけで全身が反応しちゃうんだもの！
　タッチされた処が次々にポイントになるような気さえするの。
　触れているのか触れていないのか、注意しなければ分からなくなるような柔らかいタッチ。
　・・・指の先だけでも、掌で撫でて行っても、触れてるトコだけじゃなく全身が熱くなるんだもの！
　今まで、・こんなに激しく感じたこと無かった・。

　唇から始まった愛の伝達が閉じてるクリットへ刺激が近付いて来ると、もう駄目ぇ・。
　既に一杯になったヴァギナからおじさんを求めて分泌液が溢れていく・。
　ドンドンおじさんを欲しくなっていくの・。
　淫乱じゃない！・わたし淫乱じゃないわよぉ！
　おじさんが求めさせるのよ。

　わたしの最深部が我慢出来なくなってたの！
　自然に両手がおじさんの脇の下に行ってたわ。
　愛撫なんて良い！
　昂まり過ぎてるの。
　両手はおじさんを目の前に引き上げたの。
　強い力なんていらない。・意志を示せばおじさんに伝わるんだもの。
　わたしの目の前におじさんの顔が来たらわたし、顔を傾げながら身体を浮かせて、おじさんに吸い付いていた・。
　ウグ・ウグって、おじさんの口の中で舌を絡めていったの。
　おじさんの舌も絡まってくる。
　わたしの舌の上を滑り、歯の裏を撫でて上下の顎にも穏やかな愛撫。
　身体の総てを中から愛撫されてる感じ・・・。
　わたし・、トロけていく・・・。

　おじさんの膝が、わたしの脚を割って来たわ・。
　ぁぁあ〜・。来てっ！
　わたしの弱い抵抗の感じをしっかり掴んで・・・。
　太股の間に固くなったおじさんが滑って入って来るの。
　クリットにおじさんを感じた・・・。
　いつもはわたしが銜えて行く・、おじさん自身を・・・。
　おじさんが覆い被さってくると、自然のようにおじさんの先がクリットを滑ってヴァギナの口近くにまで降りてきたの。
　これでおじさんが身体を摺り上げれば、わたしの中が満たされるわ・。

　やっと、おじさんに愛して貰える。・そう思った途端に涙が浮かんできてしまったの。
　わたしを見続けていたおじさんは直ぐに気付いたのよ。おじさんの顔に不安の色が浮かんだわ。
「どうしたの？」って聞かれても、どう応えて良いか分からなかった。
　嬉しいのよ。・おじさんが初めてしてくれるんだもん・。愛する人に求められるのは、わたしだってもちろん、殆どの女性には嬉しいことよ・。

　行動開始のトリガーをどちらが引くかなんて、第３者にはどうでも良い事でしょうけど、当人、わたしみたいな考え方の人にとっては、特にとっても大事なことなの。
　わたしは自分から求めていくのは簡単に出来るんですけど、おじさんの方からして貰うのは、おじさんの欲望が理性を抑えなければ無理でしょう？
　おじさんが欲望を持つと云うのは、わたしがおじさんの欲求以上になっている。って云う事よね。
　それはわたしがおじさんにとって十分に魅力があることになるわ！
　男の人だって何の魅力も感じない女性には、欲望なんて起こしませんものね・。

　ＳＥＸに関する事柄は、口に出すのだって恥ずかしさを感じるじゃない。
　行動でそれを見せるのはもっと恥ずかしい事の筈なんだけど、相手に人と面と向かう分だけ淫性な言葉を口に出す方が恥ずかしく感じるものだわ・。
　だから、身体で誘導しようとするんだけど、感受性の相性に違いがあるとなかなか巧く行かないの。
　おじさんは決して無理をしないの。
　わたしの嫌がる事なんてした事が無いわ。
　わたしが動きたくなる様に誘導された気はするんだけど・、一度だってわたしをおじさんの力で動かした事が無い。

　わたしは自分が主体になっている時は、感じる処と感じたい処を思い通りには繋げていけるんだけど、相手の人はわたし自身ではないから、上手く誘導出来ないときは感覚に集中しきれないのよね・。それがおじさんみたいにわたしの感覚を先回りできる人がお相手だと、ただ自然に起こって来る感覚だけに集中してしまうのよ！

　わたし自身が刺激して行くんだったら、次はここ！・って、思う処から僅かに数ミリ違い、いいえ、１ミリも違わない事だって、０，１ミリか０，０１ミリ。
　ホンの僅かな違いだって、大きな悦楽を感じてしまうのよ。
　手の大きさの違いや培われた感覚の違い。
　・・・ポイントだけじゃなくってその周囲への触れ方だって違うじゃない。その結果は圧す力の掛かり方にだって違いが出るわ。・自分の手とは全く違う感覚。そんなの、僅かな違いしか無いのも分かっているのに、おじさんはわたしを夢中にさせるの。

　目尻に流れる涙をおじさんが吸い取った・・・。
　涙の後を追って耳たぶに唇が・・。
　耳たぶが急に熱くなるの。・おじさんの唇としたが耳たぶを・表から裏まで優しく撫でていく・・・。
　ぁぁあ・・・身体が芯から熱くなるわ。
　おじさんの膝が・、右も左も・、わたしの脚を割ってくる・。
　左右に開かれたわたしの脚・を・おじさんの脚に絡ませていたわ・。
　考えもしない内にそうなっちゃったの。

　ゆっくりとおじさんが身体を摺り上げていく・。
　絡ませた両脚の力が緩んでいた・・・。
　直ぐに脚の合わさりに圧力を感じたわ。
　少し開き気味にされた両脚・の・・・。
　既に濡れているクリットを圧力が滑る・。
　ヴァギナの口に合うまでがとっても早く感じたの。
　クリットが圧し開かれて静かにます圧力・・・。
　プクッ！って感じがして、先がわたしの中にいるのが分かった！
「ぁあ〜！」・特別な性悦じゃぁないの。おじさんから来てくれたのが嬉しいの。
　その感激なのよ・。
　おじさんが・おじさんから繋がってくれたんだもの！
　ゆっくりと入って来るおじさん。
　入り口を滑るおじさんがハッキリ分かっているの。
　まるでスローモーションのアニメみたいに、頭の中にはそのイメージが浮かんでいたの。
　求めて求めて求め尽くしたものを迎え入れている・。
　身体の中を拡げられて行くのに、自然に広がって行くかのようなわたし・、早く全てを迎え入れたいのに・少しずつ確かめてでもいるかのようにゆっくりしか入って来ないおじさん。
　焦れったいの！早く来てっ！・・・でも、・この焦れったさ・・・心地良い・。
　わたしの感情が沸騰するのを待っているの？
　そんな感じ・。
　内襞を滑るおじさんだってハッキリ分かる。

　ハヤくっ！・早く奥まで来て！・・・口でなんて言えない。
　合わさった眼と眼で伝えるの・。
　嬉しさが込み上げて来るんです。
　自分からＳＥＸを始める時の何倍もの喜悦が身体の中心から沸き上がって来るんです。

　グゥゥゥンってヴァギナが押し込まれる・。　
　奥が熱い！
　急に熱くなったの。
　おじさんが押し込んでるのよっ・
　今までもそうだったんだけど、おじさんを迎え入れる時はいつも口の周りのお肉まで中に入って来る様な気がするの。
　ヴァギナが伸びきったのだって分かるの・。
　奥がドンドン熱くなって、身体中に熱さを伝える・。
　ァァンッ・。
　身体が膨らんでいくぅ・・・。
　おじさんと一つになっている。
　・そんな感覚が、わたしの全てに安堵を感じさせていたの！

　今日は特におじさんを強く感じる。
　奥底が押し込まれるのをハッキリ承知していたんですもの！
　おじさん、だもんね。・若い人みたいな豪快さはないの。でも、しっかりとわたしを満たしてくれよう。って思いが伝わって来ます。
　そう。入って来る時からわたしの内襞の一枚一枚を探るように入って来るの。
　わたしの今の状態を探って・・・。

　おじさんはいつもわたしに合わせてくれているみたい。
　その遣り方もスタンダードに徹しているの。
　変わった事なんてしようとした事も無いわ。わたしの経験した人達と、そんなに変わった事をした事なんて無かったもの！
　でも、わたしはいつも、他の人達では得られない程に満足させられるのよ。
　
　最初の挿し入れただけで、わたしはこれだけの悦びを起こされてしまうの！
　おじさん自身だって少しは大きいかも知れないけど、特別に大きいって訳でもないわ。
　挿し入って来る速さや強さ、そしてわたしの感じ方を察知して遣り方が一本調子だと飽きる、って云う人もいるわよね。
　でもわたしの感じ方は、回を重ねる度に強くなっている気がするの。
　おじさんの遣り方は、いつもそんなに違わないと思うのよ。
　だって、仕掛けるのはいつもわたしから・。
　いつもはわたしから仕掛けるんだけど、今日はわたしの誘いにおじさんは正面から受けてくれている。・・・随分、期待していたわ、いままで。
　わたしのする事に応えてくれるだけじゃ、おじさんが本当はどうしたいのかが分からないじゃない。
　女性の多くはして貰う方を好むわ。・それはわたしだって同じなのよ。
　主導権をおじさんが握ってくれるのはわたしが望んでいたこと・・。

　わたしの中を確かめながら繋がって来たおじさん。
　わたしは満たされたわ。奥の奥におじさんは届いた時、目尻から溢れていく伝わりを感じたの。感涙なの。
　だって、本当に嬉しいんだもの・。
　おじさんの全てがわたしに収まるまで、おじさんはわたしの眼を見ていたの。
　眼の奥の方まで覗き込まれていたの。
　こんな覗かれ方、心の中を見られているみたいだわ。
「レイさんすごく澄んだ眼をしているねぇ！・・・また一つ魅力を見付けたよ。」
「嬉しい！・そんな事、云われるの久しぶりよ。お上手ね・。」
　３０の声を聞いた頃から、こんな歯の浮くような言葉からは遠ざかっていましたもの。
　スタイルにも自身はあったんだけど、暫くわたしの姿態を誉める言葉にはご無沙汰していたもの。
「魅力的なのは確かだよ！・それは偽らざる処だ。だから、あの時もレンズを向けないではいられなかったんだ。」
「あの時って、・山中湖？」
「そうだよ。自然一杯の中で輝いてた気がしたからね。」
　多分、おじさんは正直に云ってくれているんだと思う。でもねぇ、・婚期を通り過ぎてしまった女は、真っ直ぐ受け取れるとは限らないのよ。
　一種の自意識でしょうね？・云われて嬉しいんだから素直に喜べば良いのに。
　この時ばかりは、自分の疑問を恨めしくさえ思ったの。おじさん大好きなんだもの。
　それなのに、云われても恥ずかしさとお世辞じゃぁ無いか？って疑いを消し去れないの。
「そう？」この短い一言が精一杯だったわ。

「あんまり喜んでくれないんだね？」
「女も３０になると、ひねくれちゃうのかしら・・・？」云いながら自分でも疑問に思うのよ。・なんでこんな台詞が口を突くんだろう？って・。　
「コッチでは随分喜んでくれているみたいなのになぁ・？」
　おじさんの腰が突き出されて、おじさんの先がわたしの最奥を突き圧したの。
「あっ・！」思わずの嗚咽が飛び出しちゃった。
「痛かった？」
「ううん！」
　おじさんの聞き方が優しかったので、否定しかできなかったけど、痛さはあったの。
　だって、先がグンッて圧し込んでくるんだもの！・女性の身体の中って微妙なのよ。
　同時に淫靡な官能も身体に拡がっていたわ。

　インサートしてから話し始めてしまって、チョットしか時間は経っていないんだけど、頭の中のイメージが淫艶なものではなくなってしまったわ。それなのにおじさんの動きは確実にわたしをウェットにしていくの。
　ヴァギナの中に分泌液が滲み出すと両脚の動きが違って感じるのよ。いいえ、動かさなくたって動きが軽くなったのが分かるわ。付け根の滑りが違う。って云って分かるかしら？
　分泌が始まるまでは、ヴァギナがそこにあるのが分かっていても、そのものと云うより何か別の臓器がある感じなの。・ソリッドなね。
　それが分泌が始まった途端に、両脚の動きを制限していたものがなくなる感じ・。
　スゥッと楽な感じが出て来るの。
　そうするとね『アアわたし、この人を求めているんだ！』って、自覚するのよ。
　身体が求めているの。

　心と身体の求めているモノの違い。いつも、それがハッキリしないの・。
　心が求めているものは分かっているわ。だって、それは愛ですもの。おじさんそのものが欲しいのよ。
　でも、わたしの身体が求めるモノって、おじさんがくれる悦びなのかしら・？おじさんの遣り方？・・・本当の処はわたし自身自覚できるほど分かっていなかったの。

「アンッ！」わたしの中に来ているおじさんがピクンと動いたの。
　普通は腰の動きでわたしに入っているのも動かされるんでしょう？
　おじさんの身体は動いていないのに、わたしの中でだけ・・・。不思議な感じだわ。
　もちろん微妙な動きでしかないのも分かっているのに、中心で起こされるだけに凄く感じるわ！
　そんな感覚が、おじさんと繋がっていることが再確認させるの。
　繋がって一つになっている。・・・それがわたしに取ってはとても重要な事なの。
　だから、一つになる時がとっても気になるわ。
　でもね、今まではわたしから仕掛けていたから、『よっぽどの好き者なんだなぁ！』なんて、おじさんに思われてやしないか心配なの。
　実際、セックスなんてどうでも良かったわ。・・・女性が男性を繋ぎ止めておく、手っ取り早い手段でしかない気がしていたんですもの。
　おじさんはいつもわたしを悦楽の極地へ連れて行ってくれて、それはそれで気持ち良いんだけど・・・、わたしだって良い仕事をしているつもりだから、そう云う感覚や人格でもおじさんに認めて欲しかったの。・仕事の事や日常の生活難かも分かって貰いたかった。
　始め、わたしからセックスで仕掛けたんだけど、セックス丈で認められているのは人間として苦痛になってきていたの。
「愛する」って云うのはその対象となる人と、身も心も一体化したいのよ！・そこまで出来なくても分かり合いたい。
　心や考え方、価値観などを理解し合いたいの。

　もし、身も心もが一体化できたとすれば、対象の人はわたし自身でもある訳なのよね？
　でも実際には、他の人や他の生き物や物体と、一体化するなんて物理的にも出来ないわ。
　それでも「愛」って云うものは「全て」の一体化を望んでいるのよ。それは自分の消滅かも知れないのに・・・。
「好き」と云う段階の感情では、そこまでは望まないでしょう？・自分自身の消滅かも知れない相手の人との一体化なんて！
　それはセックスしたから一体化できる。と、云うものではないし、そこで終わるものでもないわ。物事への価値観って云うのはそれぞれの人の人生の反映だから・・・、そんな価値観が似通っていると、「好き」に繋がって、「愛」に発展することもあるのよ！
　もちろん、好きは好きなんだけど「愛」する程にはならない人が殆どなのよ。

　若かった頃は、「愛」にだけでなく「ＳＥＸ」への直接的な興味もあったの。
　セクハラが新聞やテレビで問題になる度に、偉い筈の人達でさえ抑え切れなくなる程の快楽を伴うもの・・・？
　そんな認識が強くなって行っていたわ・。そんなに素晴らしい感触を得ることが出来るの？って・。
　だから、大して愛を感じている訳ではない人とだってセックスした事もあったわよ。
　でもその結果は、そんなに良いモノじゃぁ無かったわ。・・・殆どの男の人は自分勝手に自分だけ昂まって勝手に終わってしまうの・。
　大概、コッチは不完全燃焼の侭なのよ。
　その上、出来てしまうかも知れない赤ちゃんの事も考えるようになると、セックスはそんなに簡単に考えて良いモノじゃぁ無かったんだわ！
　当時だって軽く考えていた訳じゃぁ無かったけど、それでも今、考えてみれば相当に軽く考え ていた事になるんだもの。
　それだけ物事が見えていなかったって事なのね！

　男の人は結構単純だから、女性が身体を許したらそれで「その女性を自分のモノにした。」と思うみたい・。
　急に馴れ馴れしくなるのも嫌だったし、不完全燃焼で置いて行かれた女性が、その人にどんな気持ちを持つかも考えないでね。
　わたしだってそうだったけど、はじめての時はセックスそのモノへの興味も少なくは無いのよ。
　相手の男の人の事だって「どちらかと云えば好き」と云う程度だったわ。
　後は流れだったのよ。・・一緒に待ちを歩きながら色々な話しをしている内に、なにか「この人とセックスを試してみても良いかなぁ？」って雰囲気になっていっちゃったの。
　幾ら幼かったからって、嫌いな人じゃぁセックスは考えなかったけど、嫌いな人じゃぁ無かったし・、雰囲気に流されて相手の人にされるままになってしまったの・。
　いくら「好き」の範疇に入る人だからって、「愛」まで感じる人ではなかったわ。
　実際もっと「好き」な人もいたし・ぃ。
　でもその好きな人には恥ずかしくて「して・！」なんて云えなかった。「好き！」と、だって云えなかったんだもの！
　・やっぱり若かったんだわ・。
　だけど、セックスしたら何が起こりうるのか？・それが分かっていれば、本当に好きな人との初体験が理想的だと思うの。