龍 晃一 作
| 第１０章 心の叫びに 村口淳一は、中村天風先生から教えられた瞑想の中で、「心の叫び」をインプットしていた。そのまま、進攻しては行けないときに「心の叫び」を聴いていた。 この生田佳子とそのままホテルに行くと不幸なことがあると直感した。 佳子とのホテル行きを中止した。 「あなたと次もご一緒したかったが用事を思い出した。申し訳ないが、"今日はありがとう"と言って、スナックの支払いを済ませてタクシーでマンションに戻った。 「今日の心の叫びは何を意味しているのだろうかと-----」 明日になればわかる-----。風呂に入って眠った。 翌日、天神のデパートに行った。化粧品売り場に行く前にマックスの課長から呼び止められた。 「村口さん、昨日は何でホテルに行かなかったのですか」 「行く予定にしていましたが、キスした時に唾液の味に違和感を覚えました。もう、一人の淳一から"行くな"と言われたのです」 「正解です。あのまま生田とホテルに行っているとあなたは、今頃淋病に怯えています。凄い予知能力ですね」 「そうだったのですか-----好かった」 「マックスの社員で何人か、淋病を貰ったものがいて、現在も治療中です。驚きました」 デパートの美容部員達は、そんな情報を噂話で聴いていたのだ。 退職したチーフからマックスの生田と言う娘は、危険人物ですと言われたことがあった。意識して生田美容部員には近くに行かないようにしていたのであった。 しばらくするとカトレアの村口課長には、予知能力があると噂されるようになっていた。 「私の人生を占って欲しい」 「私は、今の彼と結婚しても良いのですか」 と相談を受けることが多くなった。社内だけでなく、花椿も、ベル化粧品の美容部員からの話があった。相談を受けそのまま帰す人もいたが、ホテルまで付き合った人もいた。 その中の一人が花椿の天海真理であった。身長165.体重50.バスト88.ウエスト56.ヒップ87でミスユニバースにも参加できると思われるほどスタイルも良く、理知的な感じのする27歳のチーフであった。出会ったのは、二回目であるが笑顔で、 「私、村口課長にお話があります」 と切り出してきた。 お互いに会っていることを見られたくないということもあり、新しくできたホテルの２８階のクリスタルに行った。ここは庶民の人達はこないと思われた。 「課長は、人を見ぬく霊感があるとお聞きしました。私を見て欲しいのですが----」 「天海さんのように素敵な方でも悩みがあるのですね」 「ありますもの----」 「最初に会った時に感じていました。何か黒い影を感じていました。恐らく、流産していますね」 「分かりますか------」 「大学の時に妊娠してしまったのですが、テニスをしているときに急にお腹が痛くなり、トイレで生み落しました。恥ずかしいということもあり、そのまま紙に包んで汚物入れに捨てました。このことが悔やまれます。供養をした方が宜しいのでしょうか」 「どこのお寺で水子供養をしているかは知らないのですが、一度供養してくるとあなたも救われます」 「ありがとうございます。驚きました。課長に私の過去のことまで知られてしまいました----」 「誰にも話すことはないです。安心して下さい」 「信頼しています。一度、一緒にお食事をしたいです」 「今夜にでもここで如何ですか」 「嬉しいです。是非、お願いします。私の携帯教えておきます」 携帯の番号とアドレスを交換した。 その夕方、天海真理はカクテルドレスを来て現れた。ホテルに宿泊するものと思われた。真理は左腕をさり気なく絡ませてテーブルまで移動した。 「真理さん、そのドレス素敵です」 「ありがとう。中身も素敵なのよ----」 「後から中身も拝ませてもらいたいです」 「本当に見たいの----」 「観たい」 「いいわ----あとでね」 そこにワインが運ばれてきた。博多の夜景を見ながら乾杯した。ワインを飲み干して並んで座っている真理を見るとうっとりとしていた。その唇と唇を寄せた。 真理も舌を絡ませてくる。唇を合わせて舌を絡ませて、離れた。廻りは薄暗いので見られることはないと思えた。天海真理と思いがけなく会い、今夜の夜は長くなりそうな予感を感じながら真理の右手を握った。 博多の玄界灘で取れた海の幸が運ばれてくる。刺身を真理の口に運んであげる。真理も淳一に刺身を食べさせている。そんなロマンチックな夜になった。酔いが進むにつれて何度も舌を絡ませている。今夜はこのまま、朝まで交わることを了承することを意味していた。 さり気ない真理の言葉に、クリスタルラウンジを後にした。真理が予約していた部屋は、スイートルームであった。真理らしい心配りのお酒とおつまみも準備されている。 「お風呂で汗を流しましょう。一緒に入りましょう」 真理の言葉に反対することもない。男ならば一緒に入りたいものなのだ。 ベッドに薄紫のブラとショーツを置くと見事としか言いようのない均整のとれた肉体が目の前にある。 「綺麗だ----バストが美しい----」 「行きましょう」 慌てて下着を脱ぎ捨ててバスルームに行った。 シャワーで流している長い太腿、長い脚、その付け根にある茂みはふんわりとした陰毛が跳ねあがっている。乳房はロケット乳房と言われるものなのだろうと思いつつ、大きすぎないが見事に飛び出している。 そのシャワーの中に入り、乳首を吸っていく。目を閉じて身体を壁のタイルに委ねた。乳首を吸って口付けを交わし、反対の乳首を吸っていく。裸体を抱きしめながら右手の指は真理のクリストスをとらえている。クリストスを刺戟しながら割れ目の奥にある源泉に人差し指を侵入させた。すでにしっとりと潤っていた。親指でクリストスを刺戟しながら人差し指で源泉を甚振った。 「ああああ----いいい----」 と喘ぎながら目を閉じて淳一の身体に肉体を預けてきた。真理の心も肉体も準備は整ったと思われた。 シャワーを止め、バスタオルで真理の身体を拭きながら抱え上げ、そのままベットの真上に運び軽く落とした。その上に被さる様に真理の上に身体を重ねて抱きしめて口付けを交わす。真理も淳一を懸命に抱きしめてきた。抱きしめてきたが股間のものが太腿に当たり行き場がなくてっいた。 真理の太腿を開かせようと脚を絡めていくと真理は太腿を開いてくれる。その太腿の間に身体を滑り込ませた。肉棒の前方には肉棒を待ち望んでいる愛液が溢れている洞窟が開かれていた。その洞窟に誘われるように肉棒は、入り口に吸い込まれていった。 肉棒が子宮に激突すると、 「ああああ-----いいいい----」 と歓喜の声で絶叫しながら逝ってしまった。 真理はそれ以来、男と寝ることに恐怖を感じるようになっていた。ただ、淳一には真理の真実の姿を知られたこともあり、抱かれてみたい思いに駈られていた。男とのセックスで歓喜の絶叫を上げるような満たされたセックスをしたことがなかった。男が満足すると膣の中に精液を出されて、終わったというセックスしかしたことがなかった。 淳一に逝かされ、心まで痺れるような快感にセックスの満足感を初めて教えられた。セックスがこんなに心地よいものであることを初めて経験した。セックスの満足度と言うものは、相手との相性も愛する人の性感帯の位置を如何に早く知り、その感じるスポットを刺激させることで更に高い満足度を与えることが出来る。心身ともに満足させると女は、その男から離れられなくなってしまう動物である。さすれば、可愛いペットとして永遠に傍に置いておきたくなるものである。 完 |
| あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。 |
| 2013.10.7掲載 |
龍 晃一さんの作品群→ |