【８】

「拓哉、やさしくして……」
「うん……」
　麗香にやさしくささやかれ、拓哉はうなずくも、この先どうしたらいいかわからない。
　当惑して手を出せないでいると、麗香が肩から腋腹、胸を、デリカシーにそっと撫ではじめる。それと同時に、色めきだす熱い息を耳に吹きかけてくる。
　耳たぶ、首筋、肩にキスして、拓哉にリードを促した。
　麗香のソフトタッチに、ゾクゾクッとするものを感じた。ただ撫でられただけなのに、ペニスが反応してしまう。
「ママを、さわってごらんなさい」
「……うん」
　拓哉は真似るように首筋、肩、脇をソフトにタッチしていく。
　いとも柔らかくなめらかで、これが女の素肌なんだという感触を、ほのかに漂うボディソープの香りとともに、拓哉に印象づける。
「う〜ん、それでいいのよ……」
　男を知り尽くした麗香にしたら、拓哉の手つきなど明らかに稚拙きわまりないものだったが、それがかえって新鮮に感じられる。
　麗香は不安げな息子を励ましていく。
「そ、その調子……拓哉」
「あっ……」
　シースルーにぴったり覆われている果実のような乳房にふれた瞬間、拓哉は刮目した。
　仰向けになっているのにお碗を被せた形に丸々と盛りあがっていて、熟女ならではのふくよかさを誇っていたのだ。
　おずおずと乳房に手のひらをあてがっていく。
「あっ、柔らかい」
　母親の乳房は拓哉の手では包みきれない豊満さであった。しかもみずみずしく弾力に富んでいて、驚くほどやわやわとしている。幼児期の遠い記憶にある感触だ。
　黒のシースルーの上から頬をそっと近づけ、匂いを嗅いだ。その淫靡きわまりない香りに、少年の理性はさらに崩壊していく。
　その薄布をずらすように押し下げた。
「きれいだ……」
　目の前に現われた豊艶なる美乳に、拓哉は感嘆する。
　白磁のように、シミひとつない肌理細かな乳房、その中心にある桜色に淡く色づいた愛しい乳首。白い素肌とピンク色した乳首とのコントラスの鮮やかさ、そして息を呑むほどの深々とした胸の谷間に、拓哉は感動した。
　ピンク色の乳首にふれる。興奮状態にあるのか、野苺のほどに硬くなりだしていた。
　つき立てのお餅のようになめらかで柔らかな乳房を揉みしだくのと合わせるように、乳首の周りを舌先で舐めまわしたり、口に含んで吸いついたりする。
「あ〜ん……拓哉、もっと、やさしくして」
　だが、拓哉には余裕ほどない。次の行為に移りたいという逸る気持ちを抑えているのに精一杯で、つい手荒になっても仕方あるまい。
　そんな息子の思いが、麗香には愛くるしいほどひしひしと伝わってくる。
「うふ〜ん……拓哉」
　テクニックなどほとんど無縁の愛撫なんて、ボーイフレンドの熟練したテクニックで仕込まれた肉体には物足らないはずなのに、息子に愛撫されいると思えば、麗香は齡がいもなく胸の鼓動を異様に速め、ぬめりだしていた秘芯が一段と濡れそぼっていく。
　麗香の美しい乳首と乳輪をまったりと絡めて濡らした唾液が、乳房の表面を伝わって深い谷間に流れる。
　しばらく愛撫していた手が乳房を離れ、シルクを思わす柔らかなドレスの上を這い下がっていく。と同時に、拓哉の体もずらしていった。
　お腹、下腹の上を、じれったいほどにゆっくりと通過して、ドレスのスリットのところまでたどりつく。その手はいくぶんためらいを見せたあと、スッとスリットの中にもぐり込んできた。
「あっ、ダメ……」
　スリットの奥へ拓哉の手が分け入った途端、少女のように硬直して股を軽く閉じる。
　わかっていることなのに、男の手がスカートに侵入した時の、背筋をムズムズと這いのぼってくるあの感触はいつになっても恥ずかしく、勝手に反応してしまうものだ。
　しかし、拒否反応はほんの一瞬で、早く見られたい、さわられたいという欲求に支配されて、爛熟した陰花をどよめかした。
「いいのよ……、拓哉、まくりあげて」
　眉を細めて、いくらかはにかんだ表情で、麗香は弱々しくささやいた。
　拓哉も、そう率直に言われては緊張してしまって手が震えてくる。そんな高ぶりと闘いながら、手を太ももに滑らすように黒いドレスのスリットを大きくたくし上げる。
「……」
　そして麗香の股間を目にするなり、拓哉は息が止まりそうになった。
　白い生肌の上にぷっくりと盛りあがって、ベルベットのように艶やかに密生した漆黒の繁み。女性の局部をまじまじと見るのが初めての拓哉には、目が暗みそうに生々しく、まぶしく、何がなんだかわからなくなってしまう。
「ううん、さわっても……いいのよ」
　頬に含羞の色を浮かべつつも、麗香は浅黒い繁茂地帯を差し出すように股間を開き、マゴマゴしている拓哉を促す。
　麗香の言葉にハッとした拓哉はなんとか呼吸を整えて、手に神経を集中させる。
　脂身のほどよく乗ったゴージャスな内腿に手のひらをそっと押しつけ、付け根の中央に向けて静かに這わせていく。
　手を近づけるにつれ、潤みを立ち込めた官能的な甘酸っぱい女の芳臭に、ボディソープの爽やかさとの異なりを覚える。
「けっこう、濃いんだね……ママ」
　喉がカラカラになりながら、拓哉はかろうじて声を出した。
　恥ずかしい部分を恐る恐るふれる。実に柔らかい。１本１本、綿アメのような繊毛の手触りを鮮明にとらえるや、拓哉の手に緊張が走り強ばる。
「ヘアの濃い女性はとても情熱家なのよ。たがら……、悪いことではないわ」
　拓哉にふれられていると意識すればするほど、麗香の声は自然とうわずってしまう。恥ずかしさでいたたまれないのに、女としての欲望がさらに頭をもたげてくる。
　そんなことに気づくはずもないが、拓哉の指が恥らいの繊毛の上を這う。
「ねぇ、もっと奥まで、さわって」
　いつまでもヘアの上辺を撫でていると、麗香に両脚を大きく広げて催促された。緊張を禁じ得ないながら、拓哉が繁茂の中へ指を進めていく。
「あっ……濡れてっ」
　かすかに歓声をあげた。初めてふれる女性自身のヌメリに怖じ気づく。とてもいけないモノをさわっているような、えも言われぬ罪意識にとらわれた。
「怖がらなくていいの……、女はね、大きくなったオチンチンを見ると、濡れてきて、オチンチンを入りやすくするの、ほら……」
　麗香は出し抜けに拓哉の人差し指を取り、そのもどかしい指を後押しした。
　ねっとりと淫水にまみれた果肉のクレバスを、拓哉の指が上から下へなぞっていく。思いのほか柔らかく弾力があり、濡れてローズピンクに光っていた。
　その肉襞になすり付け、何度か指を動かされているうちに、指先がクレバスの熱いぬかるみに入り込んだ。
「あっ……」
　そのとき、拓哉はそこが未知の世界だと知った。血液がドクドク音を立てて流れる、血管が破れそうな奇妙な圧迫感に、興奮と恐怖は高まり、息苦しいほどに心拍もあがる。
「あ〜ん、ここが女の膣よ、この間、これから拓哉のオチンチンが入ったところ……」
　受け入れ準備が整った女壷の中に、麗香に指をより深く押し込まれた。
　初体験の時は何が何だかわけ分からず無我夢中のまま終わってしまい、セックスの味わいなどあまり記憶になかった拓哉だが、熱くぬめった柔襞が絡みつき、どこまでものめり込んでいくかの不思議な感触と、透明な愛蜜があとからあとから湧きだしてくる女体の神秘に、ペニスは完全に下腹を打つ。
「あ〜ん、あぁ、素敵……、まるで拓哉のオチンチンが入ってるみたい、ほら……」
「あっ……」
　淫らな柔襞のキュッと強い絞めつけと、埋没していくような吸いつきに、拓哉は額から汗をしたたらせた。
（こんな狭いところに……だから、あんなに気持ちよかったんだぁ）
「あぁ、あーん、拓哉……」
　いたずらに指を動かしたら、身も蕩けるばかりの妖美な快感が麗香の背中を走り抜け、耐えきれず腰をくねらせる。収縮する淫裂からは熱化した透明な果蜜がどっとあふれ出す。
「どうしたの、苦しい……？」
　にわかに呼吸を乱れる母に、拓哉はいささかびっくりした。
「大丈夫よ……。女はネ、そうされると、とっても気持ちよくって、つい声を出してしまうものなの……。膣の上に豆のようなふくらみがあるでしょ、クリトリスって言って、そこをさわってもらうと、もう、たまらなく気持ちいいの……」
　麗香の囁きが猫なで声に変わり、急に色めきだった。
「ここ……」
　言われるまま、拓哉は指先で肉襞をめくって麗香の肉芽を探る。
「あ〜っ、そ、そこよ、拓哉……。あっ、そうされると、あ〜ん、ダメ……いい〜、か、感じる……」
　桜か梅の莟のようにローズ色に固く腫れてるクリトリスに、拓哉が人差し指で軽くコリコリとまわしただけで、麗香は可愛らしいボイスをひときわ悩ましく響かせ、美しい裸身をしならせて震わせた。
（そんなに……）
　身を硬直させて歓ぶ麗香を見て、拓哉は自分が毎日しているオナニーと同じぐらい気持ちいいだろうかと想いつつ、愛撫を続けた。
「ねぇ……、拓哉」
　拓哉は見上げる。白く豊かな双丘の向こうに、恍惚とした艶美なる母の顔があった。
「舐めてみて……」
　瞳を泳がせながらささやく美母に、拓哉は喉仏を揺らす。
　指を引き抜くと、一つうなずいて、緊張ぎみに顔を麗香の繁みに近づけた。ツーンとする牝の芳香が拓哉の鼻を刺激する。
　そして、ヌラヌラと濡れ光った果肉に顔を密着させた。
「ああぁ〜ん、拓哉」
　麗香の美貌が歪み、美しい身をよじらせた。
　いい知れぬ恥ずかしさを込みあげるが、女の欲望を満たすために、両手で拓哉の頭を押さえて腰を前に突きだしていた。
　それに触発されるように、拓哉は熱い愛液をゆっくりと舐め取りながら、肉厚で柔らかな襞をめくるように上から下、下から上と舐める。
　舌先で花びらをかきわけ、淫裂の奥をグルグルとかき回す。会陰部の複雑に重なった柔襞があたかも妖しい生き物のように、拓哉の舌にヌラヌラと絡みついてくる。
「ああ〜、いい〜ん……」
　麗香は突きだした腰をくねらせた。ヌメッとした舌のタッチがたまらない。どよめく秘孔の奥からジュクジュクと淫液が湧きだしてくる。
　あふれ出る愛液をすくっているうちに、拓哉の舌先がコリッと勃起した敏感な真珠の小粒を探り当てる。
「あっ……」
　快感への期待に一瞬、麗香は肌に緊張を走らせる。
　美母の腰を抱え込み、親指の腹で包皮をグッと押しあげるや、拓哉は完全に露出したクリトリスを舌先で舐めあげてから吸いついた。
「そっ、そこ、そこ……、あぁ〜、いぃ〜」
　稚拙ながらもストレートな拓哉の愛戯に、つい言葉にならない嬉々とした嗚咽を洩らし、痺れるような性感が全身に広がる。
「あぁ〜っ、い〜っ、もっと、あ〜ん」
　クリトリスの上で、拓哉に舌先を行ったり来たりさせられるたびに、たまりかねて、麗香は見事に張ったヒップを狂おしくくねらせ、クリトリスへの愛撫をもっと続けるように催促する。
「ああっ〜、くぅ〜……」
　前歯を軽くクリトリスに立てられるなり、鋭い性感が感電したように脳髄を貫く。鮮烈なオルガスムスに膣内が収縮し、大量の愛液がいっぺんにしぶいた。
　とめどなく出る愛液と女体の匂いは、拓哉を気も遠ざかさせる陶酔感に溺れさせる。それでも、敏感なクリトリスへの淫猥な愛戯をゆるめようとはしない。
「ああぁ〜、そ、それ〜、イ……イク〜」
　拓哉の執拗な口舌愛撫を受けながら、絶頂へと昇りつめる。
「あぁ、あぁ、ダメぇ〜……イッちゃう〜、くぅ〜」
　強烈な性感のうねりにたまらず、激しく首を振った美母は、無意識にシーツを掴み、太ももが痙攣し、締まった背をしなやかに弓なりにさせた。
　拓哉の愛咬から必死に逃れようとするが、拓哉は麗香の熟尻を引き戻し、女肉に唇をなおも密着しつづけた。
「ああぁ〜、拓哉……もう、ダメぇ〜、イ……イッちゃう〜」
　悲鳴を張りあげるや、唐突に組んでいた脚をほどき、両手で拓哉を押し退けた。
「はぁ……マっ、ママ、はぁ、はぁ」
　麗香の股間から顔をあげた拓哉は、淡いピンク色に染った肌とツンと尖った乳房、小刻みに痙攣する鮮やかなルージュに彩られた唇が視界に入った。
　いよいよ耐えきれなくなった母親が身を起こしてくる。
「う〜ん、きて、ママの中に入ってきて……」
　哀願するように上気した麗香の眼差しに、拓哉は一にも二にも大きくうなずく。
　体位を入れ替え、拓哉を横にさせた美母はブリーフを脱がしていく。
「ふふっ……」
　少年らしからぬ威容で下腹に貼りついた勃起物を見つめながら、麗香が跨ってきた。
（あっ……）
　美母の股間に目をやれば、生き物のようにパックリと口を開き、淫らな女陰から愛液がジクジクとあふれ出ていた。クリトリスも充血した頭を繁茂している間から覗かせる。
「拓哉、しっかり見てなさい……」
　ナイティとガーターベルトを取り去り、全裸になった麗香は右膝を立て、愛蜜に濡れた毛むらを掻き上げる。
　拓哉にとっては二度目の情交となる。今回は多少の余裕があるためか、熟れたその秘芯に視線を集中させることができた。秘孔からあふれ返る愛液がツーッと糸を引いて、ペニスにしたたり落ちる。
　元気いっぱいの勃起の首を器用につまんだ麗香が、赤や青や紫の血管が浮き出た海綿体を人差し指と中指で挟みつけると、垂直に立て、疼きのやまない花唇に導いていく。
　拓哉が下から手を乳房に伸ばす。重たげに揺れる乳房の谷間に汗の粒が光っていた。
「あっ、はぁ〜ん」
　紅唇を半開きにさせたうつろな表情で、艶美な吐息をつく。したたる愛液で拓哉の尖端が淫靡な光に包まれた。そして麗香は腰を静かに沈めていく。
「あぁぁぁぁ、う〜ん……、かっ、硬い〜」
　粘膜が左右に割り開かれ、膨れあがった亀頭がヌルッと没するなり、愉悦に溺れていくような長く尾を引いた嗚咽を洩らす。
　細い首を伸ばし、顎をあげて法悦に浸っていくさまは実にしどけなく、妖艶きわまりない牝の色香を放つ。
「ママぁ……、すごいよ」
　自分のペニスが女陰の中に呑み込まれていく瞬間を、拓哉は固唾を呑んで見すえた。
「う〜ん……すご〜いん……、まだ、入ってくぅ〜」
　少しずつ女肉の奥へ深々とうずめていく圧迫感が、麗香にはたまらない。
　自らの媚肉に息子の熱くしこった肉茎を没していきながら、耐えに耐えてきたものがついに爆発したような声をあげ、肉襞がじんわりと肉棒の根元まで搾り上げていく。
「あぁ、うぅぅ……たまんない、ママ……気持ちいい」
　一瞬たりとも目を背けなかったが、すべてが呑み込まれると下半身から衝きあがってくる甘美な快感は、童貞を喪失したての拓哉には堪えられなかった。顎を突き出し、全身をひきつってシーツをギュッと掴んでしまう。
「あぁ〜、すごいわ、拓哉……」
　野放図にみなぎる勃起。肉洞の中に咥え込んだだけで昇りつめてしまうような陶酔感。
　一つも抽送しないのに、勝手に子宮が収縮し、呼吸が乱れてくる。
　やや上体を傾けて、母子の関係を越えた男と女の肉欲に導くように、拓哉の勃起をしっかり咥えたまま抽送をやおら開始する。
　麗香の腰がこすれるように上下するたび、淫裂からはみ出した肉唇は波打って吸いついてくる。腰をくねらせながら、拓哉の牡肉を搾り上げていく。
「ママぁ、気持ちいいよ〜……」
　熟女ならではのもの慣れた腰使いと締めつけは、拓哉にとって圧倒的で、忘却の彼方に消し去ってしまいそうな感覚に襲われる。
　ゆっくりとした動きからしだいにスピードを速めると、麗香はあられもない痴態に変貌していく。
「拓哉、もっと腰を動かして……、ママを、もっと気持ちよくさせて」
　切ない声で拓哉を求めた。
　麗香の動きに合わせて、拓哉も腰を下から突き上げる。
　均整のとれた豊艶なボディが弾むたびに、ぬかるんだ結合部がこすれ合ってピチャピチャといやらしい音がする。
「あぁっ、やっぱり、いい……、すごく気持ちいい、あ〜、たまらない……拓哉……」
　みなぎった蒼いペニスとの摩擦で、すべてをかなぐり捨てたかのよがりをあげ、ムチッと張った尻がうねり悶えた。
「ママ、ボクも、ボクも……」
　拓哉は麗香と向き合わせるように上体を起こして抱き寄せた。
　片手を麗香の肩にかけ、一方の手で豊満なバストを強くつかみ揉みしだけば、麗香の肌には玉の汗が噴き出していて、全身がいっそう艶やかで、ピンク色に色づいていた。
「ああっ、あぁ〜ん、あぁ、気持ちいい、イキそう……あぁ〜」
　麗香の切迫した叫びと乱れた息が、耳もとに熱く吹きかかる。
「ママ、ママ、ママぁ……」
「あぁ〜、こんないいの、初めて……。あぁ〜ん、き、気持ちいい……」
　身悶える母親の嬌態に煽られた拓哉がなりふり構わず腰を振りはじめ、いっそう男らしく硬く張りつめていくと、麗香の表情がどんどんエロチックになる。
「あっ、イク、イクッ、イッちゃう……、あ〜ん、ほ、ほんとに、イッグぅ〜……」
　髪をふり乱し、牝獣になったかの悶えぶりは凄まじい。嬌声とともに、太ももと球体の臀部がさざ波立ち、足の爪先も曲がるほどボディを硬直させた。
「ボ、ボ、ボクも……も、もう我慢が……うわぁ〜、出るぅ……くぅ〜っ」
　麗香の千切れんばかりの絞めあげと摩擦に、めまいがするような快感が駆けめぐり、拓哉の全身がわなないだ。
「き、き〜、気持ちいいぃ〜……イ、イッ、イグぅ〜」
　赤く硬直した肉体が快楽のきしみを上げた直後、麗香は白目をむき出しにし、泣き叫ぶかのように、イキ狂ったまま部屋いっぱいに絶叫を張りあげて堕ちた。
　母の悶絶を耳にしたと同時に、拓哉のペニスも官能をたたえた子宮にめがけ、急上昇してきた濃厚で灼熱の精液を咆哮するがごとく噴きあげる。
　そして、二人に自己破壊の瞬間が訪れたのだ。
「あっ、あぁ〜、ああぁぁぁぁぁ〜」
　自分自身が粉々にされるかの快楽の衝撃波が、何年かぶりに味わう自分が求めた以上のオルガスムスとなって、気高くノーブルな麗香は弾ける。強烈な快感に感電したのか、麗しく締まった女体がブリッジし、ピクンピクンと痙攣している。
「ママぁ、くぅぅぅ〜」
　果てしなく続くかの快感に全身がひきつり、断末魔のごとく律動を繰り返しながら、媚肉の中に愛のエキスをほとばしらせる。
　麗香の愉悦はまるで失禁したかのように、拓哉の精と混ざった白い体液となってシーツまでぐっしょりと濡れ広がった。
　息絶え絶えとして美母がしなだれかかってくる。それを受け止めながら、拓哉は静かに横たえた。
　母親が愛しかった。こんなにも愛しく思ったのは初めてだ。
　強く抱きしめているうちに、拓哉に新たな欲情が湧き起こり、終息に向かっていた牡肉がまたもやエネルギッシュな精を取り戻し、麗香に体重をかけていく。
「好きだよ、ママ……」
　卑しくも放恣に開く母親の女唇に、ふたたび衰えを知らない男根を突き刺した。
「あぁぁ……、いい〜」
　一瞬、宙を舞った麗香の身体が大きく仰け反り、紅唇から淫靡な嗚咽を洩らす。瞬く間に愛液をしたたらせた熟肉で息子の欲望を貪るように搾り上げてきた。
（ママって、こんなに可愛いものなのか……）
　再結合で、眉間に深いシワを刻ませてあえぐ麗香を見て、拓哉は女のサガを感じずにはいられない。
「ママ……、好きだよ。愛してる、ママ……」
　悩ましげに潤ます美母の瞳を直視しながら、拓哉は両手で麗香の見目よい顔を押さえ、若い心火のままに唇を奪った。遠慮なしに荒々しく舌を侵入させ、獲物を舐め尽くすかの勢いで容赦なく暴れ回る。
　熱い視線を絡ませ、男臭いディープキスを浴びせつつ、情熱の象徴である雄々しい肉棒で爛熟した秘孔の中を打ちはじめる。ヌチャ、ヌチャッと淫靡な音が響く。
「あ〜、あぁぁん、ママも、ママも、愛してる……」
　こうして、二人は愛しつづけた。
　汗まみれの肉弾を一つにした二人が黄泉の世界から戻り、ようやく安息の時が訪れたのは、部屋に明るく温かな陽が射し込み、すっかり朝になってからのことだった。


【エピローグ】

「ママ……」
　目覚めた拓哉が振り向く。
　横に寝ていたはずの母親はすでに居なかった。
　ダブルベッドの上に、麗香が寝ていた跡が乱れたシーツに残されているだけだ。
「あっ」
　脱ぎ去った下着類は片づけられていたものの、ベッドに残る麗香との愛の名残りが、胸を甘く疼かせる。
　昨夜から何度、母親と悦楽を交わしたのか、何度、淫らに乱舞する母親を見たのか分からない。
　童貞喪失して間もない少年にとって、あまりにも刺激的すぎた情事は、完熟した母親の肉体なしでは生きられなくなりそうな気さえさせた。
　肌のぬくもり、甘美なまでに激しい母の媚態、そして圧倒的な挿入感と絶頂感、どれをとっても精気なく萎えているイチモツを元気にさせるのに十分な官能の記憶。
「もう、お昼かぁ」
　枕元の時計は１２時を過ぎていた。
　拓哉は反応しかけているところを隠すようにバスタオルを腰に巻いて、寝室から出た。
「ママ、おはよう」
　リビングで食事の用意をしていた麗香に声をかける。
「おはよう、拓哉……、よく寝てたわね」
　にこやかな笑顔が返ってきた麗香は、淡いピンクのフリル付きエプロンをかけていた。
　母のエプロン姿が好きだった拓哉は、そのコスチュームに感激する。たったエプロン一つなのに妖艶なほど美しいのだ。
　しかし、拓哉を喜ばせるのはそれだけにとどまらなかった。
「あっ、マ、ママ……」
　麗香の後ろ姿を見るや、心臓が飛び出すほど驚く。
　白桃のような丸々とした熟尻が丸見えで、エプロン以外に何一つ身に着けていなかったのだ。よく見れば、エプロン自体も薄く、下のヘアや乳首が透けて、とても隠しているものとは言えない。
「うふふ……、驚いたでしょ」
「ど、どうしたのぉ？」
　生唾をひとつ呑みこんで、艶めかしいエプロン姿をなめ回すように見つめる。
　まるで新婚生活を営む新妻の姿だ。
「拓哉に、喜んでもらいたくて……、二人の時は、ずっとこの格好よ」
　テーブルに食事を並べなから、嬉しそうに答える。
「拓哉も、何も着けないでいてほしいわ」
「えっ！」
「腰のタオル、取りなさい」
　麗香が近づくなり、やにわに伸ばした手でタオルを取り払われる。
「あっ」
　取られた瞬間、拓哉は腰を引き隠そうとした。
「いいのよ、ママだけなんだから……」
「で、でも……」
「もう、大きくしてるのね、嬉しいわ」
　ペニスはすでに半勃ち状態になり、隠そうにも隠しきれないほどになっている。
　笑みを浮かべるも、ペニスを直視する母親の目には獲物を狙うような輝きが帯び、いかにも欲しそうだった。
「残念だけど、ママは、これからお仕事だから……一人で食べてて」
「あっ、ママ……」
　食事の用意を終えると、麗香は寝室へ戻っていく。
　もの淋しげな目でその姿を追いながら、しぶしぶテーブルに着いた。
「ママ……今日は、早いのぉ？」
　寝室にいる母に、少し大きな声をかける。
　程なくして、麗香が衣類を持って出てくる。
「はいはい、今日は、早く帰ってくるわよ」
「ママ……」
「これでしょ、拓哉……。目の前で、穿いてあげる」
　薄ら笑みを差し向けながら、美母が衣類の中からある下着を取り上げると、拓哉はドキッとした。イチモツが瞬時にして猛々しい形相に変貌する。
「あらあら、そんなにガードルが、好きなの……じゃあ、こっち向きなさい」
　白いロングガードルを片手に、麗香は淫欲的な誘惑の視線をそこに注ぐ。そのままリビングの中央へゆっくりと歩を進めてゆく。
　これから始まる悩ましい着替えショーを想像しただけで、拓哉の呼吸は乱れ、鼓動が速まる。もちろん裏筋をあらわにしたペニスは、より堅く、大きく、熱くなっていた。
「これ、拓哉と一緒の時に買った、ガードルよ……ほら、見てぇ」
　麗香は中央に立つと、これ見よがしにガードルを掲げてみせる。
　確かに、あの時のロングガードルだった。
「買ってから、一度も穿いてないの」
　畳まれた折り目や堅そうな質感から、穿いていないことがわかる。
「入るかしらねぇ」
　話しかけながら、母親の麗香はエプロンのひもをほどき、脱いでいく。
　ピンクのエプロンを取り払われるなり、拓哉は息を呑む。
　トリミングされた翳り、艶やかに熟された肉体からは、若い子には到底かなわない、男心に一撃を食らわすだけの濃厚なフェロモンが発散していたのだ。
「ママぁ……」
　官能美を誇示するかの母の女体に目がくらむ。下腹に貼りつくばかりに反り返った肉棒を、無意識に握っていた。
「うふふ、いいわよ……オナニーして」
　腰にガードルをあてがえていた麗香がしなを作って、前傾姿勢を取っていく。
　いよいよガードルを穿きはじめると思うと、脳神経を狂わし、異常なほどの興奮状態に陥り、息苦しくなる。
　大きくエラを張りだし、青筋立てて痛いほど硬くなったペニスをしっかり握りしめる。たった、それだけで根元がせわしなくざわめき、性感が奥底から広がる。
「ん、ママ……」
　麗香が両脚をロングガードルの足口に運び入れるのを見つめながら、ゆっくりと包皮を剥きあげると、鼓動は一気に速まり、たちまち何も考えられないぐらい極限まで達する。
「はぁ、はぁ、はぁ」
　顔は紅潮し、鼻息を荒げる。手淫に没頭する中で、身じろぎひとつせずに、ガードルをゆったりと膝上まで通していく母の姿を瞳に映しこむ。
「見てぇ、拓哉……こんなに、きついのよ」
　太ももに差しかかると、ハードタイプの堅い生地にきつく締めつけられる。
　試着した時と同様、張りつめたガードルに手こずって、なかなか上げられないようだ。
「んっ……きっ、つぅ、い……」
　軽く足踏みをしながら、麗香は太ももから交互にゆっくりとロングガードルを引きずりあげようとする。
（ママぁ……ここからだよ）
　何かにとり憑かれたように悦楽の極点へ向かって、海綿体がブチ切れそうなほど猛然としごきたてる。
「もっと、しごきなさい……。エッチに、穿いてあげるから」
　厭らしく身をくねらせ、窮屈なガードルを必死に穿き込む姿を見せつけながら、麗香はなまめく視線をペニスに絡ませてくる。
　誘発されるように、血走った目で瞬き一つもせず母親を凝視したまま、拓哉の手は抑制を失ったかのスピードで加速させる。グツグツと熱く煮えたぎったマグマが戸口へズズズーンとせり上がり、一気に限界を告げた。
「ママぁ、あぁぁ〜、イッちゃ、イッちゃう……。マ、ママぁ……ああぁぁ〜〜」
　喚き声をあげるとともに脳髄に白いフラッシュがたかれた。直後、激しい性感に大きく仰け反らした拓哉は、欲望のすべてを炸裂させる。
「うわぁ〜、マ、ママぁ……」
　腰が砕けんばかりの射精感。めまいがするような快楽の稲妻が全身を貫通する。
　ドッピュー、ドッピュー……。
　美しい母に向かって勢いよく噴きあげた新鮮なマグマが、母親の足元まで届く。毛足の長い絨毯の上に落ちた白濁液が、いくつかの水滴のように広がる。
　激しい間歇を繰り返したあとも、しばらくは鈴口からトロッとあふれ出て、粘るように握る手に流れる。
「はぁ、拓哉……ママも、もう……」
　その一部始終を見届けていた麗香は、ようやく繊毛を覆い隠し、ヒップまで引きあげようとしていたガードルを、突然めくり降ろしはじめた。
　ガードルを脱ぎ去るなり、潤ませた目で妖しく微笑みかけてくる。
　母親は明らかに上気し、息づかいも荒くなっている。
「あ、ママぁ……」
「はぁ〜ん、拓哉が、欲しい……」
　息子の激しいオナニーを前にしてたら、モヤモヤしはじめていた淫靡な疼きが抑えられなくなったのだ。
「あ〜ん、入れてぇ……もう、我慢ができないのぉ」
　吐息混じりの猫撫で声で、麗香はそそり立つイチモツの上に跨ってきた。
　淫蕩な母親に刺激された拓哉のそれは衰えるどころではない。白い体液を流し、雄々しく屹立させたまま若い息吹をみなぎらせていた。
「あ、は〜ん、拓哉」
　瞳は泳ぎ、腰をくねらせ、ロングヘアを乱してあでやかな姿態を呈す。
　そして拓哉の根元をつまむや、よだれを垂らしている女陰にめり込ませてきた。
「た、拓哉ぁ、ああぁぁぁぁ〜」
「うおぉ、ママぁぁぁぁ〜」
　麗香が豊熟したヒップを沈め、親子の肉体が一つになった瞬間、二人の雄叫びがリビングに響いた。
　拓哉と麗香の愛欲に満ちた甘い相姦生活は、こうして始まった。

完