１．

「あうぅ・・あぁ、莉奈ちゃん・・おおぉ・・いくッ、うんっ！、んっ！、んーーっ・・」
　公靖は画面の中で動く、形のいいアイドルの尻を見つめながら、握り締めたオナホールの中に、今日何度目かの射精をした。
　醜く太った公靖の腹が、何年間も敷いたままでカチカチになっているせんべい布団の上で、ぶよぶよと何度も波打ち、股間に宛われた使い古しのシリコン製オナホールの裂け目からは、溢れ出した公靖の精液が、ぼたぼたと布団の上に滴り落ちている。
　ここは公靖が引き籠り生活を送るアパートの一室。
　食べ散らかしたスナック菓子や、エロ漫画が散乱する部屋の中は、一方の壁がアイドルＤＶＤやエロゲーのＣＤで埋め尽くされ、もう一方の壁には、大画面のモニタとパソコンが設置されている。
　一年中カーテンがひかれたままの薄暗い部屋の中は、丸められ硬くなったテッシュペーパーから漂う腐ったチーズのような匂いと、何日も風呂に入っていない公靖の、鼻をつくような体臭が充満していた。

「さてと、誰か見てくれたかな。」
　公靖は、生臭い精液が付いた右手を自分の服で拭きながら、のそのそと起き上がると、パソコンに向かい、いつもの掲示板にアクセスを始めた。
　最近公靖は、よく利用する画像掲示板に、自分がオナニーをしているところを写した画像を載せている。
　自慢できる事が毎日のオナニーの回数と、出せる精液の量だけという公靖は、静止画だけでなく、自分のペニスが精液を噴上げるところを撮影した動画も、一緒にアップしていた。
　人に注目されたことのない公靖は、これを見た人たちの反応を毎日確認するのが、唯一の楽しみになっている。
　公靖の画像を見た多くの人たちからの「きもい」「汚い」「うざい」という、非難の書き込みが乱れ飛ぶ中、女性からと思われる書き込みがひとつある。
「おっ！、珍しいな。」眼を輝かせた公靖がその内容を確認してみると、そこには

−「あなたは、オナニーをするよりも女性にやってもらった方がいいと思います。」
−「あなたのように、太っていて毛むくじゃらな人は経験豊かな女性に人気があります。」
−「あなたのようなタイプが、性欲が強く、絶倫で、喜んで何度でも相手をしてくれると知っているからです。」
−「相手の女性はすぐに見つかると思います。もし、ぴったりの相手が見つかれば、あなたの望むことはなんでもやってくれると思いますよ。」
−「ぜひ、がんばってください。応援しています。」

　と、書いてあり、署名は「りんご」となっている。
「おおー、りんごちゃん、ありがとう。・・きっと優しい人なんだろうな。・・はぁ・・うぅ」
　女性から声をかけられた事が無い公靖は、この書き込みを見て激しく興奮し、再びスボンの前を大きく膨らませていた。
　ハァハァと息を荒げた公靖は、ジャージのズボンを下に擦り下げ、毛むくじゃらの下腹部に手を伸ばして、醜い自分自身をまた扱き始める。
「おうっ！・・おおぉ・・あぁ、りんごちゃん・・愛してる・・あっ、あぁーー・・」
　部屋には、存在しない相手に愛を囁く公靖の無気味な声と、電動オナホールのブーンという耳障りな音が響く。

「おい、また隣がなにか喚きながら、オナニーを始めたぞ。」
「やだッ！、お願いだから、気持ちの悪い話をしないで。」
　公靖の顔を思い出した恭子は、思わず顔を顰めながら、身震いをした。
　公靖の部屋の隣に住む、孝と恭子の夫婦は、ベッドの上で抱き合いながら話をしている。
「よく飽きもせずに、あんなに何度も何度もできるよな。もしかすると、一日中握り締めたままじゃないのか。」
　孝は、恭子の反応を面白がって、からかうように話し続ける。
「お前、外であいつに会ったら、たまにはスカートぐらい捲ってやれよ。きっとその場で射精を始めるぞ。」
「やめてったら、もう、鳥肌が立ってきた。」
　孝は、笑いながら恭子の細いウェストに手を伸ばし、腰のところで結んであるショーツの紐をそっと解く。
「あいつ、こんな綺麗な身体には、一生触れないだろうな。」
　真剣な顔になった孝は、恭子の股間に指を滑り込ませながら、その美しい胸元にくちづけをする。
「あっ！、あなた・・うんっ・・あっあぁん・・」
　恭子はうっとりとした顔で眼を閉じながら、孝の背中に両手を回し、脚を左右に大きく開いた。
　やがて恭子の上に孝が覆い被さり、ベッドがギシギシと音をたて始める。

２．

　今日も公靖は、掲示板に書き込まれた「りんご」からの書き込みを熱心に読んでいた。

−「その後、どうなりましたか？相手の人は見つかったでしょうか。」
−「私の経験から言わせてもらうと、相手の女性のタイプは美人でやせ型、無口で裕福な人が多いはずです。 」
−「あなたの年齢がわかりませんが、相手の女性は２０代後半から、３０代の独身の人がいいと思います。」
−「美しく、冷静で清楚に見える人ほど、隠している部分が多く、我慢をしているので、本当は気絶するまで自分の上に乗ってくれる人を求めています。」
−「そんな人は、あなたの勃起した股間を見ればきっとあなたに夢中になるはずです。」
−「あなたのように、精力旺盛で何度も大量の精液を噴上げることのできる人は、沢山のきれいな女性の中から好きな人を選べると思いますよ。」
−「自信をもって、女性にアピールしてみて。きっとうまくいくと思います。」

（「りんごちゃん、いつもありがとう。僕の事をわかってくれるのは、りんごちゃんだけだ。」）
「りんご」からの書き込みに気をよくした公靖は、初めてこの書き込みに返事を書くことにした。

−「りんごさん、いつも、書き込みをありがとう。」
−「ところで自分は、りんごさんが言うような人と、出会うチャンスが無いのですが、どこで出会うのがよろしいのかと・・」

　翌日すぐに「りんご」からの書き込みがあった。

−「実際に外に出てみれば、出会いの場所は沢山あります。」
−「女性のよく行く観光地のカフェ、図書館、美術館、大きな公園のパーキング、静かな駅のホーム。」
−「要は、女性を恐がらせたり、恥ずかしがらせたりせずに、女性の側からスムーズに、欲望を要求できるようにしてあげればいいんです。」
−「痴漢と間違われないようにして下さいね。あくまで、女性の側が夢中になって、興奮しないと意味がないですから。」
−「自分の気持ちを、端的に、はっきりと女性に告げるのがコツです。」

「おおぉー、そうか！。よし、やるぞ。ありがとう、りんごちゃん。」
「りんご」の書き込みに、すっかりその気になった公靖は、何年かぶりに、買い物以外の目的で外に出ることにした。
　久しぶりに風呂に入り、しまってあった外出用の服に着替える。
　やる気満々で外に出た公靖は、近くにある大きな公園に向かった。
　何年もの間、昼間、外に出たことがなかったので、太陽の光が眩しく、すこし目眩いがしていた。
　公園に着いた公靖が、辺りを物色していると、公園の駐車場で３０才ぐらいの綺麗な女性が、車を降りて上着を脱ごうとしていた。
　早速公靖が、女性に近づき挨拶をしようとすると、話しかけようとした公靖の容姿を見て、女性の方が先に口を開いた。
「なにか用ですか？」
　公靖が女性の事を褒める言葉を口にした途端、「どこかへ行って下さい。警察を呼びますよ。」と、凄い勢いで女性が怒り始めた。
　急いでその場を離れた公靖は、（「やはり、簡単にはいかないな。」）と、現実の厳しさを感じていた。
　それでも、「りんご」に後押しをされて、異様な自信に満ちている公靖は、諦めなかった。
　懲りもせず、場所を変えながら、更に女性に声をかけ続ける。
　その姿はまるで、イケメンのナンパ師の様だ。

　何人かの女性に声をかけて逃げられた後、ついにその奇跡は起きた。
　公靖が「りんご」の助言通りの、真面目で大人しそうな中年女性をみつけて、真剣な顔で挨拶した後、
「すいません。あなたのその細い腰を見てから、勃ったままで、もう溢れそうなんです。」
「お願いします。どうか、その綺麗なお尻を抱かせて下さい。」
　と、静かな声で頼むと、その女性は最初びっくりしたようだったが、すぐに公靖の大きく膨らんだズボンの前に気づき、そっと辺りを見回した。
　それから、公靖の顔をじっと見つめて「本気なの？」と、小さな声で聞き返してくる。
　公靖が、「はい。あなたが相手なら、何回でもできます。どんなことでも、やりますから。」と、必死になって頼むと、その女性は、
「わかった。じゃ、あそこへ来て。」と、さり気なく、公園の隅の木立に囲まれて影になっている場所を指差して、その場から歩き出す。
　そして、周りを見回し、誰も見ていない事を確認するとその場所に入っていった。
　続いて公靖も、ドキドキする胸を押さえながら、その後についてゆく。

３．

「見せて。」その場所に入るなり、いきなりその女性は命令してきた。
　公靖が急いでベルトを緩め、パンツと一緒にスボンを下に降ろすと、公靖の紫色の巨根が、天に向かって跳ねながらそそり勃つ。
　その女性は、公靖の股間を見つめながら眼を輝かせ、思わずごくりと唾を飲み込んだ。
　そして「本当になんでもする？」と、すこし顔を赤らめながら、公靖に尋ねる。
「はい。」公靖が素直にそう答えると、女性は柵の支柱の上に腰を降し、スカートを捲り上げた。
　それから、股を大きく両側に開き、ショーツの真ん中の部分を脇に寄せて、黒い秘部を公靖にさらしながら、「舐めて。」と指示する。
　公靖は地面に両手をつき、女性の両脚の間で犬のように四つん這いになりながら、女性の股間に顔を近づける。
　女性の尻の下に顔を潜り込ませ、大きく下から上に向けて舌を使う公靖に、ハァハァと息を荒げた女性は、「ここもお願い。」とショーツの隙間を大きく上まで引き拡げると、自分の指で陰核に被った皮を剥いた。
　言われるままに女性の股間に顔を埋め、丸出しの陰核に舌の腹を押しつけて激しく振動させる公靖。
　女性は「ああぁ・・」と震える唇から喘ぎ声を漏らし、微笑むようなうっとりとした表情を浮かべながら、頭を後ろへ反らした。

　公靖の顔、下半分がびしょびしょになるまで、思う存分、自分の性器を舐めさせた女性は、満足した顔でゆっくりと立ち上がる。
　そして今度は、ショーツを足首まで降ろし、後ろを向いて支柱に両手を突き、小振りな尻を後ろへ突き出しながら、「お尻も舐めて。」と、公靖に要求する。
　ＡＶをいやになるほど観て、今、なにを要求されているのか、よく知っている公靖は、差し出された尻全体を舐め回した後、両手で女性の尻の割れ目を押し拡げ、あらわれた小さな肛門の中に先を尖らせた舌を差し込んだ。
「あっ・・ああぁ・・いいわ、周りも舐めて。そう・・あっ・・もっと、もっと深く・・おおぉ」
　女性は上ずった声でそう口走りながら、公靖の片手を取り、その手を自分の下腹部に導いて、赤く膨れた陰核に押し当てた。
　そのまま長い時間をかけて、舌の感触を肛門の中で楽しんだ女性は、「いいわ。入れさせてあげる。」と、やっと公靖のペニスを求めた。
　女性は足の間隔を拡げると、下から自分の股間に左手を伸ばし、指で陰唇を左右一杯に拡げる。
　そして「初めて？」と、公靖に声をかけた。
　公靖が「ええ。」と答えると、「じゃ、誘導してあげる。」と、股の間から右手を出して、そこで指をひろげた。
　公靖がゆっくりと腰を前に進めて、女性の手にそのペニスを握らせると、女性は「太い・・指が回らないわ。」と、あらためてその太さにびっくりしたようだった。
　それから、公靖が女性の導くままに腰を進め、女性の膣の中にそのペニスを挿入すると・・
「あうぅーーッ・・す、凄いッ・・うっ、んーーっ」
　女性は、その上を向くバネのような強い勃起力と、規格外の太さに思わず悲鳴をあげて、背中を弓のように仰け反らせた。
　公靖は女性の内部を感じ取るように、ゆっくりとその腰を前後させる。
　公靖が、生まれて初めて味わう柔らかい女の身体に夢中になり、女性の服を捲り上げてその背中を舐めようと、上体を前に倒した時、急に女性が後ろを振り向き、「あっ・・やめて！、顔は近づけないで。腰だけ動かして。」と、公靖を叱った。
　公靖はびくっと飛び上がるように上体を起こし、そのまま腰を動かし続ける。
　やがて、初めての生身の女に凄く興奮していた公靖は、短い時間で絶頂を迎え、引き抜いたペニスから大量の精液を女性の尻に降りかけた。
「もう一度、勃てられる？」女性が潤んだ瞳で、期待を込めて公靖にそう尋ねた。
「ええ、何度でも。」公靖が自信をもって答える。
「そう、じゃ、大きくしてあげる。」
　女性は公靖の足元にしゃがみ込み、そのペニスを咥え、口の中で長い舌を激しく踊らせた。
　瞬く間に、公靖のペニスは咥えていられないほどに太くなる。
　女性は、外れそうになった顎を痛そうに開け閉めしながら、「凄いわね。」と、呆れたように呟いた。
「今度はもっと長く、いいわね。」
　女性が尻を後ろへ差し出すと、その尻を抱いた公靖は、先程とは違って、大きく波打つようにその腰を動かし始める。
　激しく腰を打ちつけられた女性の尻が、プルプルと細かく震えている。
「アッアッ・・おおぉ・・あっあぁーーっ！」
　女性の方は、凄い勢いで膣の内部を擦り上げる公靖の太くて硬いペニスの感触に、既に夢中になっていた。
　公靖はそのまま際限なく腰を振り続ける・・

「お、お願い。・・もうやめて・・腰が抜けちゃう。」女性は柵の支柱に必死でしがみつきながら、その腰をガクガクと揺らした。
　公靖は、女性の腰の両側を掴んで上に引き上げながら、「まだ３回しか射精してませんけど、もういいんですか？」と女性に尋ねる。
　女性は息も絶え絶えに「もう・・許して・・だめ・・これ以上は無理。」と小さな声で答えた。
　いつの間にか、日が大きく西に傾いていた。
　公靖は不満そうに女性の腰を離し、まだ上を向いたままの自分のペニスを扱きながら、「すいませんけど、これが勃ったままなので一度飲んでもらえませんか？」と、女性の鼻先にその太いペニスを突き出した。
「えっ？！・・ええ、わかったわ。」
　女性は公靖のペニスを必死で咥えると、顔を前後に動かし始めた。
　２０分後、公靖は、女性の首まで溢れ落ちるほどの大量の精液を、女性の口の中に迸らせた。
　公靖はスボンを穿きながら、へたれ込んでいる女性に向かって、「ありがとうございました。とても気持ちがよかったです。もしよかったら、明日もここに来ていただけませんか。もっと長くあなたを抱きたいんです。」
「・・・・」相手の女性は、口をぽかんと開けたまま、ただ呆れたように公靖の顔を見上げていた。