第4話　一撃晴人


「うおぉぉぉぉぉぉ！！」

　突如、鑑賞ルームで歓声が上がったので、谷村は咄嗟にマジックミラーの向こうに視線を投げた。
「こっ　こいつは・・・・・」

　極太のカリ首にたっぷりと白濁した愛液を掬い上げて、膣からゆっくり抜き出ようとしていた。
　ヌルンと亀頭が抜け出ると、魔棒から精液が流れ出したように見えるほど愛液がドロッと滴り落ちる。
　尋常な量ではない。
　その亀頭の影からポッカリと鮮やかな桜色した内部を晒した膣口が、キュツと口を閉ざす姿が見えた。
　その膣口にも魔棒から垂れた愛液が纏わり付く。
　魔棒は涎を垂らしつつ、それでいて優子の最後に残った理性すら溶かそうと意地悪なほどに焦らす。
　優子の腰は本能の動き、不意に魔棒を抜かれた不満を訴えてクネクネと動く。
　亀頭は焦らすように膣口を擦りつけて、一向に押し入ろうとしない。

　もはや谷村だけではない、鑑賞ルームの者全員が固唾を呑んで見入っていた。
　初めて無修正のＡＶを見た時の衝撃に似ている、それでいて満腹感にも似た強烈な痴態であった。
　見ている者達の思考は停止している状態であった。
　次の瞬間、耐えかねた優子の腰が突き上げられ、あっという間に魔棒は咥え込まれた。

　ブップゥゥゥプッジュウルゥゥゥゥゥゥパプッ！！
「あぁぁぁん　いいぃぃぃぃぃ」

　淫靡な空気が抜けるような音をたてながら、魔棒は身悶える優子の中に飲み込まれた。
　そして咥え込んだまま魔棒を引っ張るように腰を沈める。
　再び腰を引こうとする晴人の腰に、あっという間に白く美しい優子の両脚が巻き付いた。
　両腕もあっという間に巻き付いた。
　魔棒を抜くことは阻止しようとする女の本能の動きであろう。
　動きを封じられた形の晴人は一転ピストン運動を軽快に始めて、優子を責めたてる。
　微妙に腰は８字状にくねらせながら、優子の深に合わせて掻き混ぜる。

　パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪

優子　「はぁあん♪♪はぁあん♪♪はぁあん♪♪はぁあん♪♪はぁあん♪♪」
晴人　「はぁん！！はぁん！！はぁん！！はぁん！！はぁん！！」

　パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪

優子　「はぁあん♪♪はぁあん♪♪はぁあん♪♪はぁあん♪♪はぁあん♪♪」
晴人　「はぁん！！はぁん！！はぁん！！はぁん！！はぁん！！」

　パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪パフゥゥゥパン♪♪

優子　「あぐぅ　いくふぅぅぅぅぅぅひいっ・・・・・・・」
晴人　「はあぁはあぁはあぁはあぁはあぁ」

　優子は一気に登り詰めて、身体を痙攣させながら意識を失った。
　再び優子は宙を舞う錯覚に襲われて、真っ白い、なにかが迫ってきて、一瞬にして弾けて意識が真っ白になった。
「あぁぁぁぁぁん　わたし　どうなっちゃったの　こんなにセックスが良いなんて」
「晴人　凄すぎぃぃぃ」

　晴人は動かなくなった優子を優しく抱き上げて、正対座位で貫きつつ抱きしめた。
　この体位になることで優子魅惑のＥカップバストが全貌を現した。
　鑑賞ルームの男達から感嘆の溜息が漏れる。
　篠田優子の肢体は芸術品と言って良い、素晴らしい美の化身であった。
　それをあの魔棒が独占したのだ。
　谷村は苦笑いを浮かべるのが精一杯であった。

綾　　 「谷村さんって相変わらず　なのね」
谷村　「やっぱり　綾か　なんでこんなところに」
綾　　 「貴方に会いたかったから」
谷村　「えっ？」
綾　　 「まだ　独身なんでしょ　それも彼女無し？」
谷村　「それがなにか？　女に不自由してないぞ」
綾　　 「強がっても無理よ　あの子　獲り逃したくせに」
谷村　「・・・・・」
綾　　 「その苦笑いが証拠」
谷村　「それは否定しないが　それがお前に　なんの関係があるんだ」
綾　　 「あるわ　遂にわたしの出番よ」
　　　　「３年前の責任取ってもらうわ」
谷村　「どういことだ」
綾　　 「前練習と称して　わたしの身体　散々弄んだくせに」
　　　　「犯されて　犯されて　わたしの身体を変にした　責任取って貰うわ」
谷村　「あれは　お前が好みだったからだ　業界ではよくあることだろ」
綾　　 「あれだけ　身体の芯に　散々　あなたの刻印植え付けといて　逃げるのは許さない」
谷村　「どうしたいんだ」
綾　　 「あなたの奥さんになるの　あなたの子供産みたいの」
谷村　「マジか？」
綾　　 「２７歳の女じゃ　なにか不満があるのかしら？」
　　　　「料理　洗濯　掃除　どれも完璧よ」
谷村　「俺より良い男　いくらでもいるぞ」
　　　　「ほらぁ　アイツみたいに」
綾　　 「あの子は　あの女のものよ」
　　　　「あの２人の間には　誰も入れやしないわよ」
　　　　「運命の２人ね」
谷村　「そうかもしれないが　俺は」
綾　　 「もう頑張るのは　おしまい　わたしとマイペースで生きるのが　あなたの運命」
谷村　「・・・・・」
綾　　 「分かっているはず　夜　人恋しくなるでしょ」

　谷村は苦笑いするしかなかった。
　平井 綾はお金に困ってＡＶ業界に飛び込んできた女であった。
　まだ業界の作法が分からず、どこの事務所にも所属していなかった素人同然の綾を、谷村は上手く騙して犯したのだった。
　正直、谷村がそんなことをしたのは初めてであり、それだけ綾に興味を持っていたのは否定できない。

　綾は短大を卒業後、真面目に化粧品会社に就職して働いていたが、取引先の女社長に連れて行かれたホストクラブで好みのイケメンホストに出会ってしまった。
　もとより一介のＯＬにすぎない綾にはホストクラブに通い詰めることなど出来やしない。
　綾は美形であり、ご馳走とホストの目には映った。
　たちまち綾はホストの性的関係に溺れていった。
　なけなしの貯金をはたいて、ホストクラブに通い詰める綾。
　気がつけば、お金は底をつき、ホストから支払いのために風俗で働くことを迫られる。

　そんな時であった。
　綾は偶然ＡＶ女優募集の公告を貼ってあった雑居ビルの前で足を止めた。
　綾は抜群容姿で、実はその手のスカウトを受けたことが何度もあったのだ。
　まさに飛び込むとは、そのことであろう。
　なにも下調べもせずに、綾は衝動的に雑居ビルの怪しい会社を訪ねていた。

　それは谷村が暇つぶしにＡＶ製作会社ロビーでたむろしている時であった。
　突然入ってきた業界すれしていない、初々しい美形の若い女に驚いていた。
　正直、谷村の好みドストライクの女がそこにあったのだ。
　谷村はＡＶ製作会社のプロデューサーを名乗り、なにも知らない綾を騙してラブホテルに連れ込んだ。
　綾は谷村によって、本当の深いオンナの悦びを教えられてしまったのだ。

　当時、谷村もまだまだ精力絶倫であり、仕事柄当たり前のように次から次へと女を渡り歩いていった。
　ほとんどの女達の名前すら覚えていないタイプの谷村は、それでも綾の名前が出てくるのは谷村自身も彼女を忘れられずにいた証拠であった。
「まあ　いいかぁ　俺も綾を探したいって思っていたのは事実」
「素直に　なってみるか」
「凄い金の成る木も見つけたし　確かに俺は体力の曲がり角」
「女に人生を預けるのも　悪くない」
　谷村は何も言わず綾を抱き寄せた。

　谷村の目前では、のちに伝説ともなる壮絶なピストンファックが始まろうとしていた。
「このビデオは　間違いなく　「倶楽部」で話題になるだろう」
「種付けだけなんて　勿体ない」
「武田は　倶楽部専属竿師の逸材かもしれない」
「そうなれば　俺は　ウハウハだな」
「優子も　間違いなく抱きたい女ナンバーワンになるだろう」
「へたをすると　一晩で一千万円稼ぐ女になるかもしれん」
「それにしても撮影陣は　醜態だ　もうメロメロじゃないか」
「武田に見られただけで　股開かんばかりだ」
「そこの照明係　ジーパンの股下　染みているぞ　うぅぅぅん」
「まとも撮影してくれないと　困るんだが」
「そうだ　綾がいた」

谷村　「綾　頼みがある」
綾　　 「その前に　答え頂戴」
谷村　「ああ　そうだったな」
　 　　 「こんなところで申し訳ないが　俺と結婚してくれ」
綾　 　「うふふ　素直じゃない　もちろん　はい　よ」
　　　　「で　お願いって　なんでしょう　あなた」
谷村　「このビデオカメラで　あの部屋に行って　あのファックを撮影してきてくれ」
　　　　「あのスタッフでは」
綾　　 「うふふ　確かに　みんな」
　　　　「分かりました　あなた　向こうに行けないもんね」
　　　　「谷村夫人の初仕事させて頂きます」

　谷村は幸運の女神が綾なんだと、バニーガールスタイルの後ろ姿を見送った。
　この場で唯一冷静な女が綾であり、そして目の前のファックに影響されるような女ではなかった。
　綾は谷村によって本当のオンナされてから、色んな作品で激しいアクメも知り尽くした女であった。
　近年の作品は、一昔の演技主体からリアルな激しい本気セックス、プレイが増えている。
　素人から即ＡＶ女優というのは珍しいことではなく、演技など経験ない、そもそも演技力のない素人なのだから演出による作られたアクメでは目の肥えた視聴者の支持を得るのは至難の業だ。
　毎月星の数ほどデビューするＡＶ女優で売れる作品を作るには、女優そのものの素材の良さに加えて、リアルさを伴う本気ファックを見せるしかない時代なのだ。

　綾は谷村の期待通り余裕の涼しい顔して、激しいファックシーンをビデオに納めてくれたのである。
　谷村の撮影スタッフに感じた懸念は現実のものとなり、後半は使えない映像ばかりであった。
　綾が撮影した映像が無かったら、まともな作品を作ることが出来ない有様であった。
　谷村は綾のお陰で、大失態を免れることが出来たのだった。
　以来、谷村は綾に頭が上がらなくなるのであった。

　激しい公開ファックショーは、見ていた目の肥えた者達を圧倒した。
　終わった後もしばらくは溜息しか漏れず、立ち上がることすら出来ず唖然としていた。
　谷村は苦笑いして、鑑賞ルームのお歴々の様子を窺った。
「この口うるさい　注文の多い連中が　圧倒されてる　満足している」
　次の瞬間、鑑賞ルームに満場一致の拍手が巻き起こった。
　そして口々に感嘆の言葉が発せられたのだ。
　谷村は周囲の者達より握手を求められて、困惑の表情を浮かべて応じていた。

　鑑賞ルームの喧騒を処理した谷村は、プレイルームを訪れた。
　ベットの上では、まだ正対座位で愛し合い続ける晴人と優子の姿があった。
　若い頃は絶倫の名をほしいままにした谷村も、もはや薬なくしては果たせない絶倫ぶりを晴人は見せつけていた。
　晴人の魔棒にすっかり夢中になってしまった優子への欲望は萎えてしまっていた。
　あの魔棒に比べられるなど、谷村のプライドが許さなかった。
「優子は諦める　代わりに決して綾は　晴人には抱かせない」
　それが谷村のささやかな抵抗であった。
　セックスを商売にしてきた谷村だからこそ、魔棒の破壊力を冷静に理解出来たのだ。
「あの魔棒を相手に　火遊びは厳禁」

　谷村は撮影スタッフが撮影した画像を確かめるが、たちまち渋い表情を浮かべた。
　監督以下撮影スタッフ全員が申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
　唯一、綾だけが高笑いを上げながら、自身が撮影した画像を自信満々披露した。
　谷村は、その画像のクオリティに圧倒された。
「綾はいつの間に 撮り手のテクニックを身に付けたんだ？」
「撮られる側だったはずなのに　見事なカメラワークだ」
　谷村は最低限の録画しか期待していなかっただけに、綾のプロ並みの録画映像に満足していた。

谷村　「よおぉし　早速編集にかかるぞ」
　　　　「綾　手伝ってくれるな」
綾　 　「もちろんよ　それより彼女達は？」
谷村　「ちゃんと仕事してくれないと困る」
　　　　「編集終わったら　全員　例の部屋でお仕置きだ」
スタッフ一同　「ひぃい　・・・・・・・・・・・」
綾　　 「あはぁ　そうなんだ　わたしも」
谷村　「おおぉ　綾　あれ頼む」
綾　　 「まあ　残酷女王アヤ　をお望みなの？」
　　　　「うふふ」
谷村　「人気シリーズだからな　バシッと頼む」

　女性スタッフ一同は絶望した。
　「平井 綾」は、人気シリーズで７巻もリリースされた伝説の「レズビアンのドＳ女王」である。
　その中で繰り広げられる激しいレズのドＳプレイが、相手役となった女優達を狂わして、ことごとく綾のペットとされたことを彼女達は知っていたのだ。
　自らの失態により、決して逃げることが許されない窮地に立たされていることに気がついたのだ。
　倶楽部のスタッフである女達にとって、倶楽部からの勝手な逃亡、離脱は制裁対象であった。
　それは裏社会に属する男達へ肉体的払い下げに直結していて、運が良ければ彼らの愛人、大抵は陵辱や金づるとしての肉奴隷への転落を意味する。
　つまりコーディネーター、マネージャー格の谷村に逆らうことは絶対に許されないのだった。

　落胆する彼女達に、綾は勝ち誇ったように谷村の妻となる事を宣言したのだった。
　それは女だけに許された成り上がりを意味していた。
　「平井 綾」はあくまでも、「倶楽部」とは別の存在、ただのＡＶ女優にすぎない。
　「平井 綾」はＡＶ女優でありながら、その過激なプレイスタイルが「倶楽部」で本物と評判で、特例で「倶楽部」のイベントでゲスト参加したことは１度や２度ではない。
　それでも「倶楽部」では正式な地位はなく、彼女達にとっては映像被写体であり、雇ったモデルに過ぎなかった存在であった。
　それが谷村の妻となる事で、いとも簡単にコーディネーター、マネージャーの片腕、サブマネージャー格の地位を手に入れたのだ。
　結果、綾は彼女達の主人格になってしまったのだった。

　優子は夢心地であった。
　自分自身がこんなにセックスが好きな女だったとは晴人に出会うまで知らなかった。
　それなりに男性経験はあった方だと思っていたのだが、晴人とのそれは別物であった。
　アソコが溶けてしまうのではと錯覚するような経験したことがないほどの強い快感と共に、その快感が高まるにつれて訪れる浮遊感が恐ろしいほどの深みをもたらしてくれていた。
　まさに重力から解き放たれていくような快楽の先には、墜ちたら２度と戻れない世界があると本能的に恐怖を感じていた。
　優子は、それなり性経験があって「倶楽部」の女達の乱れた姿を見たことあるので、そのような女の性的深みについては漠然と意識はしていた。
　それは人として墜ちてはいけない領域であり、人格を保っていられないと思っていた。
　普通の女性は無意識に恐怖して回避しようとして、叫ぶ。
「死んじゃう　駄目ぇ」
　女性は浮遊した感覚の中で、自分自身の叫び声で辛うじて現実世界に止まれるのだ。
　晴人のセックスは、それすら許されないのだ。

　優子は為す術もなく、浮遊の果ての深淵に何度も墜ちていった。
　晴人の魔棒だけが優子を現実世界に繋ぎ止める存在であった。
　そして毎日のように絶頂の果てで、魔棒から迸る濃厚な魔法の種を肢体の奥深くに注ぎ込まれていた。
　晴人の子種は濃厚でゼリー状で量が多いのだが、ゼリー状ゆえにほとんど逆流せずに膣奥から子宮口にとどまって受胎を果たす。
　通常では数日生き続ける精子だが、晴人のそれは特異体質とのちに診断されるほどの、軽く１週間以上も子宮内を彷徨い続ける強力なものであった。
　優子はそれも毎日のように複数回注ぎ込まれたのだ。

　既に優子の体内には、初めて愛し合ったときに出来た新しい命が芽生えていた。
　それが優子の感情に微妙な影響を与えていた。
　普通なら晴人への独占欲、晴人のパートナーとなった自慢が芽生えてもおかしくない状況であったのに関わらず、全く正反対な感情が芽生えていた。
　周りでは仕事はいえ「倶楽部」の女達が自分達のセックスシーンを撮影していたが、彼女にそんな仕事は投げ出して晴人に抱かれて欲しかった。
　「倶楽部」での享楽が女にとってママゴトに過ぎないのだということを伝えかったのだ。
　納得の上とはいえ、人前でセックスを披露してしまったが、後悔よりもむしろもっと見て欲しいという気持ちが強かった。

　２度にわたって射精した魔棒は萎えることなく、優子を貫き支配し続けた。
　深淵に何度も墜ちた優子の肢体は、全身の性感帯を剥き出しにされて鋭敏な肢体にされてしまっていた。
　晴人が優しく背中に指を這わせるだけで、膣を強く締めつけながら優子は逝ってしまう。
　晴人にとっては後戯にすぎない正対座位による数時間に及ぶ性器同士の結びつきと、絶え間ない全身への繊細な愛撫が女体を溶かしていくのだった。
　谷村達、「倶楽部」の者達は、この２人の姿を見逃してしまったのは失態であった。

　「種付け男子」としてデビューした晴人は、不妊に悩む女達を次々と妊娠させたことで「倶楽部」全国区の有名人に登り詰める。
　そしてなにより、一夜を共にした女達の身も心も魅了してしまう「一撃晴人」と呼ばれることになる。
　女達を魅了してしまう理由がなかなか分からなかったゆえに、「倶楽部」の多くの女性が晴人の言いなりになる事態を防ぐことが出来なかったのだ。

　一応、晴人を制御して「倶楽部」の都合の良い存在に誘導すべき谷村は、この日は「平井 綾」を得て浮かれており、綾が激しく折檻する女スタッフ達をこれでもかとデカチンで陵辱することに夢中であった。
　哀れな女スタッフ達は谷村夫妻の肉奴隷にされて、全員谷村の愛人として子供を産まされてしまう人生しか残されていなかった。
　特にコーディネーター、マネージャー昇格目前で肉奴隷に失脚してしまった女監督が哀れであった。
　初めて経験したデカチンで身も心も魅了されてしまい、自分は女なのだと思い知らされ墜ちていくだけであった。
　以前から彼女は谷村に目を付けられていて、罠に嵌められたという事実に気がついていなかった。
　男尊女卑の思考が強い谷村は、同格の女マネージャーの誕生を快く思っていなかったのだ。

つづく