１．第１ターゲット

　都心から車で２時間ほど離れた郊外の山中に、誰の目にも触れないようにひっそりと建つ１軒の白い屋敷があった。
　男はここにひとりで棲んでいた。
　２０代半ばの年齢で、まるで隠遁生活をしているかのような環境だった。
　この屋敷は、戦前、瀬戸内にあった細菌兵器の秘密基地を、そっくり移設したような造りになっていた。
　実は、男の祖父が戦後、ある種の人体実験の為に移設したものだったのだ。
　両親を早くに亡くし、祖父に育てられた男は、祖父の影響を強く受けて育った。
　昨年、その祖父が他界し、この屋敷と莫大な遺産を男に残して逝ったのだ。
　男は定職に就かず、この屋敷と暮らすことにした。

　この日、男は都内にある有名なお嬢様学校○○女子大の傍にいた。
（先ずは、育ちのいいお嬢様を・・・）
　あれこれ考えても仕方がないので、とにかく身柄を確保しようと思った。
　まもなく数人の女子大生が現れ、その後にひとり歩いて来た。
　数人の群れはどうやら近くのショップに向かう様子だった。
　ひとりで歩いていた娘は、どうやら迎えの車を待っているようだった。
（下調べ通りだ・・・坂上 奈緒、20歳、××商事社長の一人娘だ）
　男は黒塗りのベンツをその娘に横付けし、車を降りて声を掛けた。
　運転手を装う帽子と伊達メガネ、白い手袋をして奈緒に近づいていった。
「奈緒お嬢様、お迎えに上がりました」
「あれっ？高野はどうしたの？」
「急病で入院しまして・・・奈緒お嬢様を代わりに迎えに行って欲しいと・・・」
　奈緒は、自分の名前を呼ばれたことで安心し、男の車に乗った。
　５分も走った頃、男は運転席と後部座席を仕切るガラスのスイッチを押した。
「何、これ？」
「今に分かりますよ、奈緒お嬢様・・・フフフッ！」
　男が手元のスイッチを押すと、後部座席に催眠ガスが充満した。
　奈緒はすぐに座席に倒れてしまった。
「これで、第１ターゲット確保・・・ハハハハハ〜〜」
　男は高笑いをして、屋敷に向かった。

　屋敷に着くと男は奈緒を抱えて中に入り、ひとつの部屋に鍵を掛けて入れた。
「車のナンバープレートを元に戻しておかないと・・・」
　男は偽造プレートを外して車を車庫にしまった。
　屋敷の中に戻り帽子やメガネを外し、着替えを済ませてから奈緒の元に行った。
　重いドアを開けると、椅子に縛られた奈緒が気づいて男を睨んだ。
「どうしてこんなことを！あなたは誰なの？何の恨みがあって・・・」
「五月蠅いオンナだなぁ〜次から次に・・・奈緒お嬢様〜」
「あっ！あなたは、あの運転手・・・？」
「そうさ！これが素顔・・・かな？ハハハハ〜別に恨みなんか無いさ！」
「じゃぁ、何が目的なの？身代金？父に対する・・・」
「あぁ〜〜またまた、五月蠅いと言っているのが分からないのか！」
　男が凄んで奈緒を一喝すると、奈緒はさすがに静かになった。
「奈緒、これからオマエは、ここで、この狭い牢獄のような部屋で暮らすんだ」
「・・・・・・・・・」
「自分の姿を見たのか？」
「うわぁっ・・・イヤァ〜〜〜！！」
「やっぱり気づいてなかったのか、確か・・・まだ処女だったな？」
「ヤメテ！近寄らないで！」
「何を言っても、今のオマエは無力だと、いい加減に自覚しろ！馬鹿で無ければ〜」
「縛りは解いてやる！でも、その姿じゃ逃げられない・・・監視カメラもある！まぁ、時間はあるから・・・ゆっくりするんだな〜ここの生活に慣れるんだ・・・」
　男は奈緒を縛ってあったロープを解き、ドアを閉めて再び鍵を掛けた。
（何なの・・・？ここは何処？わたし・・・どうなるの？）
　奈緒は不安と恐怖で気が狂いそうになった。

　男が部屋を出てから数時間が経った・・・。
　奈緒は狭い部屋の中を裸のままウロウロしていたが、先ずは、着る物を捜した。
「堅いベッド・・・便器・・・椅子・・・どんなに見渡しても、これだけしかないわ・・・」
　奈緒の中で不安感がより膨らんでいった。
「ねぇ〜何でも言うことを聞くから、着る物を返して〜！」
　奈緒は監視カメラに向かって叫んだが、男からは何の応答も無かった。
「父に連絡して！わたしの為ならいくらでも払うわ！ねぇ〜聞いてるの〜！！」
　そのうちに奈緒は我慢できない尿意をもよおした。
（困ったわぁ〜水分も摂ってないのに・・・カメラで見られちゃうわ・・・あぁ〜〜だけど、もう我慢できないわ〜）
　奈緒はカメラに背を向け、便器に逆向きに座って尿を出した。
（どうしよう・・・水も食料も身体を温めるものも無い！このままじゃ・・・）
　奈緒の頭の中に『死』という文字が浮かんだ。
（わたしを殺すことが目的なの？こんな死に方・・・いやぁ〜〜〜！！）
　時計が無いので正確には分からないが、さらに数時間が経ったように感じた。
　奈緒はベッドの上で身体を丸めてジッとしていた。
（動けばお腹も空くし、叫べば喉も渇く・・・ジッとしているしか・・・）
　丸２日が過ぎていった。

　男は監視カメラで奈緒をずっと見ていたのだ。
「フフフフッ・・・大分、まいってきたな・・・もうじきだな・・・しかし、オレの目に狂いは無かったなぁ〜奈緒はいいオンナだ・・・顔もスタイルも申し分ない・・・後は性能がいいかどうか？きっちり仕込んでやれば・・・淫らな性欲に取り憑かれたオンナになるだろう〜処女から仕込む悦びを、感じさせてくれれば・・・フフフッ、ハハハハ〜〜」
　いいオンナが乱れれば乱れるほど、男にとっては快感なんだと思っていた。
「今に、顔やスタイルなどに拘っていられなくなる・・・」
　その第１ターゲットに選ばれた奈緒は、不幸としか言いようがなかった。

　さらに１日が過ぎようとしていた・・・。
　何不自由なく恵まれた環境で育った奈緒にとって、それは想像できない時間だった。
　喉がカラカラに渇き、唾液さえも出ず、意識が朦朧としていた。
　自分が全裸であることや、ここがどこであるかなど、全く問題ではなかった。
（お願い・・・誰か・・・水を・・・）
　空腹は我慢できたが、渇きはどうにもならなかった。
　さらに数時間が経過した頃、鉄の冷たい扉が軋むように重い音を立てて開いた。
「どうだ・・・まだ生きてるか？」
「お願い・・・もう３日も何も・・・水を・・・お水を頂戴・・・」
　男はゆっくりとズボンを下ろし、下半身を露わにした。
「見えるか？」
　奈緒にとっては初めて目にする男の性器だった。
「イヤッ！」
（凄くグロテスクだわ・・・男の人のモノって、あんなに大きいモノだったの・・・）
「いくら処女でもフェラぐらいしているだろう？未経験だとしても、このオレのモノを気持ちよくさせれば・・・美味しいタンパク質の粘液が出て・・・オマエの喉を少しは潤し栄養になるかもな・・・」
「・・・・・・・・・」
「それとも、コレから排泄される小便を飲みたいか・・・？どちらでもオマエの好きな方を選択するがいい〜オマエが選べるのは２つに１つだ」
　奈緒は、やっと男の言っている意味を理解した。
（二者択一・・・？どっちを選んでも、地獄よ・・・でも・・・選ばなければ、死！）
「さぁ、どっちにするんだ！？」
（オシッコなんて・・・でも、フェラなんてしたことないし・・・精液って・・・確かに、飲むとは聞いたことがあるけど・・・どんなものかも知らないし・・・）
「他には、何でもしますから・・・お水を〜お水を一杯・・・」
「大会社の社長令嬢が、何でもしますってか〜いい図だ・・・写真を撮ってやろう〜」
　男はデジカメで何枚も奈緒の疲れ果てた裸を撮った。
「それを・・・父に送るの？」
「いやぁ、街でばら撒くだけさ〜監視カメラの映像・・・そう〜オマエのオシッコをしている恥ずかしい姿も・・・音も入ってるぞ〜」
「変態！キチガイ！・・・もう、死ぬしかないわ・・・」
「そう、世間に戻る道はオマエには無い！ここでこのまま死ぬか？オレの言う事を聞いて、この先に望みを繋ぐか？ハハハハ〜〜〜」
　男は高らかに笑って奈緒を厳しい眼で見遣った。

　奈緒は考え込んだままジッと動かなかった。
　いや、正確には、動けなかったのだ。
（どうにも出来ない・・・でも、このまま死ぬのはイヤッ！今は、あの男の言うとおりにして生き延び、何とか逃げ出すことを・・・）
　奈緒の中で、ひとつの結論が出たが、男の選択肢の答えはまだだった。
（オシッコなんて、自分のだって飲めないわ・・・でも、精液なら、セックスすれば飲むって聞いてるから・・・）
「ねぇ、あなた・・・」
「どうした？結論が出たのか？」
「えぇ・・・あなたの言うとおりにします。だから、お水を・・・」
「だから、どうするんだ？」
「あのぉ〜ソレを舐めて、精液を飲みます。だから・・・」
「そうか・・・未経験のオマエに、オレをイカせることが出来るのか？もし、出来たら・・・ご褒美にコップで水をあげよう〜フフフッ・・・」
「ホ、本当に？」
「ウソは言わない！だから、オマエもオレの言うとおりにすれば、この先も生きていける・・・但し、勝手なことをすれば、the end だ！」
　奈緒は頷いて、恐る恐る男の肉棒に近づいていった。

　男は奈緒を制し、自分が椅子に座り、奈緒を股間に膝まづかせた。
「いいか、歯を立てたり乱暴にしたら・・・即座に・・・」
　男は首を掻く仕草をして脅した。
「頑張ってオレをイカせることが出来れば・・・そんなに長い時間は待てないぞ！懸命にしゃぶるんだな！」
　奈緒は初めて見る男の性器に戸惑っていたが、今は何も考えられなかった。
　喉の渇きで、しゃぶる唾液させも出ない状況だった。
　それでも、ダラリとした肉棒を手に取り、聞きかじりの知識で舐め始めた。
　舌先で肉棒の毒見をするかのように怖々亀頭を舐め、筒を手で扱いた。
「ほぉ〜未経験の割には、知識だけはありそうだな・・・」
　奈緒は男の言うことに耳を貸す余裕など、何処にも無かった。
　今はただ、早くどうにか男の言うとおりになればいいと思っていた。
　恐々舌先だけで舐めていた奈緒は、思い切って男の肉棒を頭から咥えた。
「うっ・・・」
　男の反応に奈緒は一瞬、ビクッとした。
　咥えた肉棒が奈緒の口の中で、徐々に大きく太くなっていった。
「うぅぅぅ・・・はぁ〜〜ぁ！」
　奈緒は息苦しくなって咥えていた肉棒を口から放した。
「うわっ！・・・・・・すごい・・・何なの・・・？」
「堅くならないと、オンナのオマ××コに入らないだろ！そんなことも知らないのか？２０歳にもなって・・・大きく太くないとオンナは悦ばない・・・だから男は、こうなるんだ！」
（そうなんだ・・・オンナを悦ばせる為に・・・ふぅ〜）
　奈緒は意識が朦朧としていて、男の言う事が正しいものだと思った。
「早くしないと時間切れだぞ！」
　奈緒は男の声に反応し、衝動的に肉棒を頬張り舐め始めた。
（ここで射精して、小さな達成感と悦びを与える・・・こうすることで、水を得ることが出来たのだという思いを強くさせる）
　男は意識を集中し、射精を早めた。
　奈緒は懸命に肉棒を舐め回していた。
　拙い舐め方だったが、奈緒にとっては精一杯の初体験だった。
「うっ・・・あっ・・・あぁ〜〜」
　肉棒の先から奈緒の口の中に白濁の粘液が力強く放出された。
「グハッ・・・・・・ゴクッ・・・ゴホッ、ゴホ・・・」
「一滴も漏らさず飲み込むんだ！オマエの命を繋ぐ液だぞ！」
「ゴホッ・・・ゴクッ・・・はぁ、はぁ、はぁ〜ぁ・・・」
　奈緒は男の言葉に反応し、噴出しそうになった精液を飲み込んだ。
「ほぉ〜頑張ったな・・・良くやった！気持ち良かったぞ！」
「ホント？じゃぁ・・・お水・・・」
「あぁ、約束だからな！・・・待ってろ！」
　男は肉棒をズボンの中にしまい、ドアから出て行った。
　奈緒はフェラで男をイカせ、水を貰えるという達成感で悦んでいた。
（最初はビックリしたけど・・・飲み込めたし・・・ふぅ〜ぅ・・・）

　しばらくすると、男は片手にコップ半分ほどの水を持って入ってきた。
（み、水だわ・・・）
　同時に、もう一方の手にサンドウィッチを持ち、美味しそうに食べていた。
「ほら、水だ！大事に飲めよ！」
　男がコップを手渡すと、奈緒はあっと言う間に飲み干した。
「あぁぁ・・・」
　舌でコップを舐め回し、最後の一滴まで飲もうと必死だった。
「美人が台無しだな〜美人であるがゆえに悲惨さが増すなぁ〜」
「はぁ、はぁ・・・それは・・・？」
　奈緒は男が食べているサンドウィッチを指差して、生唾を飲んだ。
「それにしても、奈緒はいいオンナだねぇ〜処女ってのが貴重だね・・・まさしく才色兼備！・・・その上、育ちも良く、スタイルも抜群！20歳までよく処女でいられたものだ・・・ふぅ〜ん・・・」
　男は舐め回すような視線を奈緒の身体の隅々まで向けていた。
「太すぎない太股が長く、その上のお尻も黒人ほどじゃないが、キレイな曲線を描いて・・・木目細かな肌が白く・・・そんなオマエが、水１杯のためにフェラをして精液を飲み込む・・・」
「それより・・・・・・」
「ん〜？」
「そのぉ〜サンドウィッチを・・・ゴクッ！」
　奈緒のお腹がクゥ〜クゥ〜と鳴った。
「そうか！お腹も減ってるんだ〜それにしても・・・大きな音だねぇ〜フフフッ・・・」
　人前でお腹の虫が泣くなどと言うことも、奈緒のとっては初経験だった。
　もう恥ずかしい等と言っていたら、死と直結してしまう・・・。
　危機感を感じた奈緒は、男に食べ物を無心した。
「う〜ん・・・それじゃあ、質問だ。今まで処女と言うことは男性経験は無い。但し、興味はあっただろう？全て正直の答えるんだ！さっきも頑張ったから、水を飲めたんだろ？いいな！どうなんだ・・・？」
「えぇ、友達の経験話を聞いた時は・・・やっぱり興味を・・・はぁ、はぁ・・・」
　奈緒は朦朧としながらも食べ物欲しさに男の問いに応えた。
「それじゃ、オナニーの経験は？」
「・・・・・・・・・」
「そうか！答えたくなきゃ、別にいいんだ！キレイな奈緒が可哀想・・・」
　奈緒は躊躇いがちに顔を上げ、男に向かって小声で答えた。
「はぃ・・・あります・・・」
「そうか・・・どうだ、気持ちがいいか？」
「はぃ・・・」
「イク・・・という快感は、オナニーで分かったか？」
「はぃ・・・それが・・・男性とのアレと同じかどうか、分かりませんが・・・」
「どこをどうやってオナニーするんだ？」
「・・・・・・はぁ、はぁ・・・クリ・・・を指で・・・」
「うん？聞こえないなぁ〜」
「クリトリスを・・・指で・・・擦ったりして・・・」
「じゃぁ、そのベッドの上で、やって見せるんだ！イケば・・・食べさせよう〜」
「・・・・・・・・・」
　奈緒は躊躇っていたがフェラの達成感を思い出し、ゆっくりベッドに上がった。

　奈緒は自分のベッドにいるんだ・・・と自分に言い聞かせ、片手で乳房を揉みながら、もう一方の手で淫唇を軽く撫で始めた。
「どんな想像してるんだい？」
「えっ？・・・男の人にしてもらってると思って・・・」
　自分で言いながら身体が熱くなるのを感じていた。
　いつも密かにしている淫らなことを見知らぬ男に強要され観察され、奈緒は恥ずかしさで身体中が火照った。
　しかし、なかなか感じない・・・。
（見られてると・・・もう誰も居ないと思い込まないと・・・食事を貰えない・・・）
　奈緒は日頃と同じような気持ちで再び自分を慰め始めた。
「はぁ、はぁ、はぁあっ・・・あ、あ、あぁ・・・」
　身体中を自分の手で擦りながら、クリトリスを懸命に擦った。
「あ・・・・・・あ・・・あぁ〜あぁ〜あぁあっ！・・・あぁあああ〜〜〜〜〜っ・・・」
　身体を反らせ両脚を突っ張って、奈緒は小さな絶頂に達したようだった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ふぅ〜ぅ・・・」
「ふぅ〜ん・・・どうやらイッたみたいだな・・・本物じゃないけど仕方ないか！」
　男は奈緒のイッたばかりの淫唇を擦り、中指を淫壷に挿入し肉壁を刺激した。
「うわっ・・・あ、あ、あっ・・・あぁ〜あぁ〜〜〜〜あぁ〜何？あぁ〜あぁ〜うわわわわっ・・・あぁあああああ〜〜〜〜〜あぁ、ダメェ〜〜イクぅううう〜〜」
　奈緒は男の巧みな指遣いで、あっと言う間に初めて大きな絶頂感を味わった。
　両手でベッドの縁をつかみ、ガクガクと震えながら首を左右に振り達した。
「はぁはぁはぁ、はぁ、はぁ・・・はぁ・・・・・・ぁぁぁ・・・ぃぃ・・・ふぅ〜〜〜」
　奈緒が絶頂に達した時、淫壷の中の指は奈緒の肉襞に微妙に締め付けられていた。
（いぃ道具だ・・・この先が楽しみだな・・・フフフッ・・・）
　男は奈緒の淫壷に充分満足した。
（こんなことって・・・指１本で・・・初めての快感だわ・・・あぁ・・・わたし・・・）
　男は食事を奈緒に与えた。
「約束だ！奈緒・・・いぃ顔してだぞ〜キレイだった・・・」
　奈緒は３日ぶりの食事を、ゆっくり味わった。
　食事は粥だったが、中にはビタミン、ミネラル・・・体力回復のための配慮だった。
　奈緒は食事を摂ると、久しぶりに深く眠った。

　何時間が過ぎたのだろう・・・？
　目を醒ました奈緒は、起き上がろうとしたが、身動き出来なかった。
「な、何？どうしたって言うの！」
　身体が大の字に固定されていた。
　ただ、不思議なことに、身体はキレイに洗浄されていた。
（どうしてこんなことを・・・逃げ出せるわけじゃないのに・・・）
　さらに奈緒は自分がどういう状況なのかを察し驚愕した。
（身体中に羽毛が・・・アソコとお尻に何かが入って・・・どうしようって言うの？）
　奈緒は新たな恐怖を感じていた。
　ガチャッ！ギィ〜〜
　鉄の重い扉が開き、男が現れた。
「ねぇ〜どうして？何をしようとしてるの？」
「また、ガァ〜ガァ〜と・・・せっかくの美人が台無しだ！ふぅ〜」
　男はゆっくりとした動きで歩を進め、奈緒の傍らに来てスイッチを押した。
　ガッガァ〜〜〜〜・・・
　ベッドの横の白い壁が開き、キレイな１ルームが現れた。
「な、何なの・・・この部屋は？」
「君次第で、君の部屋になる・・・ここには文化的な生活の全てが揃っている」
「君次第・・・って・・・？」
　男は奈緒の身体を擦りながら呟くように言った。
「今日から毎日、オレがＯＫを出すまで、食事の前に体感してもらう・・・」
「体感・・・？」
「そう・・・先ず、君の身体中の羽毛が微妙に動き君の性感を刺激する。あたかも前戯をされてるように・・・」
「えっ！？」
　奈緒は頭を擡げて身体中を見渡した。
　首筋から耳・・・二の腕から肩甲骨・・・乳房に乳首・・・・・・太股から足先まで、大きさも羽毛の量も身体の部位によって異なっていた。
「次に、オマ×コの中のバイブが振動、挿入などを送り返す。ちなみに、大きさや太さは日本人の標準サイズだ」
　奈緒は力を込めて押し出そうとしたが無駄だった。
「そう〜どうやっても無駄だ！大人しく受け容れることだ。素直に従っていれば、食事も飲み物も与えるし、入浴もできる・・・」
「あなたが洗ったの？わたしの身体・・・」
「そうだ・・・隅から隅まで・・・無論、ソコもお尻の穴の中まで洗浄した」
（あぁ・・・もう・・・死にたい・・・）
「その次は、お尻の穴だ・・・入っているのは標準の２分の１に縮小されてる。これは、徐々に標準サイズまで変更していく。オマ×コの方も要望があれば、さらに大きく太くしても構わない・・・」
「どうして・・・お尻まで？」
「ハハハ・・・お尻は立派な性器だ。オマ×コより感じるかも知れない・・・」
（少し痛いわ・・・気持ち良くなるはず無いのに・・・どうしよう・・・）
「最後は、前後同時に刺激を味わってもらう！最高だろ？フフフ・・・」
　奈緒は、あまりのショックに、言葉が出なかった。
（言うことをきくしかない・・・今は・・・再び食事さえも断たれたら・・・）
　すぐ傍に見えている普通の部屋、普通の生活が輝いて見え、奈緒は、人間としての最低限度の生活を確保したいと思った。

　男は隣の部屋との壁を閉じ、ベッドの脇のスイッチを押した。
「あっ・・・ぁ、ぁ・・・ぁ、ああああ、はぁあぁ〜あふぅ〜はぁ、はぁ、はぁ・・・」
　身体中に触れていた羽毛が一斉に動き出した。
　乳首は直ぐに堅くなり、奈緒は身体を捩って悶え続けた。
　太股の内側を這うように動く羽毛に、両脚を突っ張って堪えていたが、擬似肉棒の入った淫壷からは、透明な液が溢れ出していた。
「あぁぁああああ・・・いぃ・・・あぁ、あぁ、あぁはぁ〜〜ん・・・あぁ〜〜〜」
　奈緒は自分が狂っちゃうのではと思うほど、身体中が快感に満ちていた。
（こんな気持ち、はぁ〜初めて・・・あぁ・・・もぅ、どうにでもしてぇ〜〜）
　奈緒の中の理性が切れそうだった。
　１５分が経過した・・・。

　羽毛が静かに止まると、奈緒の淫壷の中の擬似肉棒がゆっくり動き始めた。
　処女の奈緒には初めて味わう感覚だった。
（わたしの処女は・・・ニセモノのオチ××ンに破られたの・・・？）
　挿入される感覚が無かったので、喪失感は全く無かった。
　擬似肉棒は奈緒の淫壷の中で、前後左右回転を小範囲で動いていた。
　同時に小さな柔らかな突起で、敏感に反応するクリトリスを刺激した。
「うぅぅ・・・あっ、あっ・・・あぁ、あぁ、あぁあああ〜〜〜はぁ、はぁ・・・」
　クリトリスを刺激された奈緒は、オナニー以上に狂ったように悶えた。
　しばらくすると、小さな突起物の振動は止まり、擬似肉棒だけの動きとなった。
　擬似肉棒は微妙な動きを奈緒の淫壷で展開した。
　強い躍動的な動きをしたかと思えば、クネクネと捉えどころの無い動きをし、奈緒は次第に快感に似たものを感じるようになっていた。
（初めてで・・・はぁ〜もぅ自分の身体じゃないみたい・・・だけど気持ちいい・・・）
　やはり１５分もすると淫壷への刺激は止まり、お尻の穴へと切り替わった。

　奈緒にとっては全く未知の経験が始まった。
　アナルセックスという耳知識はあったが、愛撫されたこともしたことも無く、本当にどうなるのかと不安だった。
　標準肉棒の半分ほどの擬似棒は、菊壷の浅いところから微妙な振動を与えた。
「ふぅ〜ふぅ〜ぁぁぁ・・・ぁぁ、ぁ、ぁ・・・」
　むず痒いような少しばかりの心地良さを奈緒に与え続けた。
（あぁ・・・なんか・・・変な感じ・・・感じるんだけど・・・はぁ・・・あ、あっ・・・）
「はぁ、はぁ・・・あっあぁ〜っ・・・はぁ、はぁ・・・」
　あっ、あっと、声の漏れる程度の快感が１５分ほど続き、その後、すぐに淫壷への擬似肉棒の動きが始まり、少し間を置いて、菊壷への刺激も淫壷とリズムを併せるように始まった。
「あぁぁあああああ〜〜〜〜〜はっふぅう〜〜あぁ〜あぁ〜あぁ〜〜あっ、もぅ・・・あぁぁぁ、イッ・・・イッくぅぅううう〜〜〜」
　繰り返し淫壷が激しく収縮し、奈緒は絶頂感から抜け出せなかった。
　淫壷の収縮は菊壷にも収縮を連動させ、小刻みな快感が起きていた。
「はぁ〜はぁ、はぁ・・・はぁ・・・・・・」
　合計で約１時間の擬似セックスが終わった・・・。

　男は快感で疲れ切った顔の奈緒に近寄り、優しく声を掛けた。
「よく頑張ったな！少し休んだら朝食をやろう〜」
「あのぉ〜ひとつ聞きたいんですが・・・？」
「何だ？」
「どうしてこんなことを・・・？」
「うん？・・・それは、奈緒がいいオンナだと思ったからさ！美人で育ちも良く、頭脳明晰で優しく、道徳観念も持っている。スタイルも良さそうに見えたが・・・」
「じゃぁ、どうして、自分でわたしを犯そうとしないの？こんな風にするぐらいなら、自分で犯したほうが快感でしょうに〜」
「オレに犯されたいか？・・・・・・フッ、フハハハハ〜〜」
　男は高笑いをして部屋から出て行った。
（結構、ハンサムなのに・・・変な男・・・ハードボイルド？ニヒル？う〜ん・・・）
　奈緒は日毎に変わっていく男に、普通以上の興味を抱き始めていた。
　しばらくすると、男が朝食を運んできた。
　奈緒の固定された身体を解放し、朝食と化粧道具を奈緒に渡した。
「どうして化粧道具を？」
「裸でいても美しくありたいと思うのが、奈緒といういい女だと・・・」
「まぁ・・・ありがとう・・・」
　そのまま何も言わず、男は部屋を出た。

　昼頃になると、再び男は奈緒をベッドに固定し、朝と同様の時間だけ擬似セックスを奈緒に体験させた。
　その後、昼食の他に三面鏡を運んできた。
「これは・・・？」
「見ての通りさ！」
「どうして？」
「化粧をするにも必要だし、自分の裸を見ることも知ることも大事だ！」
「そうか・・・あ、ありがとうございます・・・」
　奈緒は男の真意を測りかねていたが、素直に感謝していた。
　自分が誘拐された身で、この男によって拘束されていることも忘れ、今の自分が次第に良くなって行く事への感謝だけが大きくなっていた。
　夕方も同様の時間が過ぎていった。

　翌日も前日と同様のサイクルで時間が流れたが、奈緒を愛撫する羽毛のパターンや動きの強弱には変化をつけられた。
　無論、淫壷への擬似肉棒の動きも一様ではなく、変化に富んでいた。
　お尻への擬似棒は、前日より一回り大きくしていたが、奈緒が気づくことは無かった。
（自然に受け容れさせることが大事なんだ・・・）
　環境的には、朝、目覚めた時に大きく変わっていた。
　身体がキレイに洗浄されていたことは同じだが、寝ていたベッドは、柔らかいベッドに変わっていた。
（ホントに分かんなくなってきたわ・・・もう殺されることはないと思うけど・・・）
　奈緒は次第に変わりつつある男の対応に、強い好奇心が沸いていた。

　翌日も、その翌日も、毎日、同じようなリズムで１週間が過ぎた。
　擬似セックスで得る快感は、奈緒の身体に性の悦びを深く植えつけていた。
　前戯でも淫壷でも菊壷でも、奈緒は快感を待ち望む身体になっていた。
　わずか１週間で処女の自分がこんなになるとは、奈緒も意外だった。
「これで完了だ！明日からは隣の部屋に移って暮らすんだ・・・」
　翌日の朝、いつもの擬似セックスは無く、隣の部屋に移動させられた。
　全てが揃い、不足の物は無かったが、裸のままは変わらなかった。
（この部屋も監視されてるのかしら・・・？）
　その日は、それきり男は姿を見せなかった。
（何かが足りないような・・・変だわ〜快適な環境になったのに・・・）
　奈緒は自分の身体の変化に気づいていたが、認めたくなかった。
（自分の淫欲がこんなに強かったなんて・・・あぁ、本物が欲しい・・・）
　監視カメラの存在有無が気にかかり、オナニーも出来ずに悶々としていた。