１

　夏休みも終わりに近づいた市営の室内温水プールは、家族連れや若者で賑わっていた。中学１年生になったヒトミは、部活の女子バスケットボール部のチームメートの絵里子と寛子の３人で泳ぎにきていた。
　ひと泳ぎした後、３人はプールサイドのデッキチェアーで休憩しながら、たわいもないお喋りに花を咲かせていた。

「ねえ、昨日初めて、アレしちゃった……」寛子が言った。
「えっ？」
「男の人のものを飲んじゃったの……。あれって、飲んでも大丈夫なのよね？」
「あれって？」
「スペルマよ！」
「スペルマ？……」驚いたヒトミは、思わず聞き返す。
「あら、ヒトミ、知らないの？精液のことじゃん！ザーメンとも言うけど。赤ちゃんの素よ！」
「……」
「かまととぶっちゃって？……」絵里子が追い討ちをかける。
「寛子、詳しく聞かせて！」
「うーんと……。高校生の彼と遊園地のプールに行ってね。彼ったら、私のスクール水着姿に初めから興奮しちゃって……。彼もピチピチのスクール水着のトランクスタイプでナイロン製の紺色の海パンを履いてたんだけど、両サイドに白ラインが2本入っているタイプね。前がテント張っちゃってて……。プールに浸かって、水面下で、海パンの上から握り締めてあげたら、もうビンビン。あんまり彼が辛そうだったから、つい、上下に扱きながら『出してあげよっか？』って言っちゃったの。
　そしたら、彼にカップル専用の更衣室に連れ込まれて……。仁王立ちした彼の前に跪かされて、いきなり海パンの前の盛り上がりに顔を押し付けれられちゃったの。私は、手ですっきり出してあげるつもりだったのに、彼ったら、お口での愛撫を求めてきたのね。初めは海パンの上から彼のものを咥えて刺激してたんだけど。いつの間にか私の方も興奮してきちゃって……。
　彼の息が荒くなってきたから、海パンの裾から彼のペニスを引っ張り出して、直接おフェラしてあげたの。もうビンビンで、皮も剥けてたわ。彼の先っぽの割れ目部分を舌でちろちろしてあげた後、お口をいっぱいに開けて頬張ったの。それから、彼のペニスを唇に挟んで扱くようにお口の中で素早く往復させてたら、彼、よがり声なんか出しちゃって……。私も感じてきちゃって、一生懸命お口を動かしたの。そしたら、急にお口の中に彼のものがドビュっと飛び出してきちゃって。びっくりしたけど、もう無我夢中でごっくんしちゃったの……」
「飲み込んじゃったのね！」
「うん！」
「凄ーい、寛子！」
「スペルマって、美容と健康にとってもいいのよ！姉貴も言ってたもの」
「どんな味がした？」
「うーん、味の方は……、あんまり美味しいものじゃあないわね。ちょっと生臭いし……」
「でも、初めてのおフェラで射精させちゃうんだから、凄いよ、寛子！」
「フェラチオは初体験だったけど、お口で彼を満足させてあげられて、私も自信つけちゃった！。それに、私もずーんと感じちゃったもの。初めて覚える快感だったわ。喉の奥にも性感帯があるって、姉貴が読む雑誌に書いてあったけど、本当ね！。私、おフェラしてあげて、そのままお口に出されたスペルマを飲むのが病みつきになっちゃいそう……！」

　そんなたわいもない猥談をしながら、ヒトミ達はプール内の男子の品定めをしていた。それもスイミングトランクスの股間の膨らみに視線を釘付けにしながら……。
「ねえ、海パンの前をもっこりテント張っちゃっている中・高校生や大学生の男の子たちでいっぱいだね」
「きっと、私達みたいな可愛いくて、セクシーな女の子がたくさんいるから、興奮しちゃってるんだよ！」
「ほら、向こうにいる人も、もうビンビンだわ！」
「ここのプールは、身体にぴっちりフィットした水着しか着用しちゃいけないから、男子は水泳用のトランクスタイプの海パンでしょ、よけい目立つのよね」
「そのかわり、女子も派手なビキニやハイレグの水着は禁止で、競泳用かスクール水着じゃないと駄目だけれどね」
「最近の男の子って、ツルツルした光沢の紺の競泳タイプのスクール水着にとっても感じちゃうんだって！」
「白い縁取りがあるやつでしょ」
「そうそう、すっごく人気があるらしいよ、特にバックがハート型に開いているタイプ……、私達が着ているＡ社の水着ね」
「そういう私達女の子の間でも、やっぱり男子の海パンはツルツルした肌触りでギラギラした目にも鮮やかな光沢のナイロン100％の紺のスイミングトランクスが一番人気だよね！」
「ビキニタイプの競泳パンツだといやらしくて気味悪いし……。だぼだぼのロングサイズだと、全然スマートじゃないし……」
「格好悪いよね。足が短く見えるし、何か締りがないって、いう感じ……」
「やっぱり、海パンは、ボックス型のスクール水着タイプのトランクスが最高だよね！」
「そう、サイドに白線が入っているやつでしょ。ショート丈で股下が短くてピチピチでかっこいいし、お尻がきゅっと締まって見えるし、何たって、前のあれの部分がはっきり盛り上がって見えるところが、セクシーだもの！。ね、ヒトミ……」
「う、うん、そうね……。特に厚手のナイロン生地の海パンは、手で触った感じがいいのよ。すべすべで、特にもっこりした部分への手触りがね……」
　そう言いながら、ヒトミは、あたかも５本の指をスイミングトランクスの前の盛り上がった部分を握り締めるかのような手つきを見せてしまった。
「まあっ？！……」
　絵里子と寛子が、ヒトミの顔をまじまじと見つめた。
「えっ、あら、いやだ、勘違いしないでね。私は男子の海パンの前を触ったことなんかないわよ！……、ただ……」
（バスパンの前ならあるけど……）と思わず言いかけて、慌てて口をつぐんだヒトミであった。
　そんなヒトミの狼狽ぶりに、絵里子と寛子は、にやにやしながら顔を見合わせていた……。
「ほら、斜め前の男の子、明るい水色の海パンが透け透けで丸見えよ！アレの形まではっきり浮かび上がっていて……。今にも、はちきれそう……」
「ヒトミ、海パンの上から硬く大きくなったペニスを握り締めたくなってるんじゃあなくって？」
「ま、まさか……」
「あの人、相当溜まってんだよ。出したくてたまんないのね、きっと。ねえ、可哀相だから、ヒトミ、ちょっと擦って、出してあげたら？……」
　絵里子と寛子の真剣な眼差しで語る痴話に、ヒトミは慌てて弁解しようとしたが、動揺を隠せなかった。
「そんなあ……」
「ヒトミのフィンガーテクなら、海パンの上から扱いてあげるだけで、射精させるのに３分とかからないでしょうに……」
　ヒトミは、不意を突かれて、心の内を見透かされたかと思った。事実、さっきからずっと男子のスイミングトランクスの股間の膨らみに目がいってしまって、仕方がないのだった。一瞬顔を赤らめながらも慌てて否定したが、内心は図星だった。本当は、絵里子が言ったとおり、手を出したくてうずうずして仕方がないほどだったのだ。
（前の人、海パンの前の膨らみをひくひくさせて、ペニスの先が当たる部分がもう濡れ濡れで透けちゃってるわ。きっと我慢汁でいっぱいなのね。私の手と指ですぐにでも出してあげたい……）
　実際、今まで何度となく同じクラスの男子やバスケ部男子のペニスを手で扱いて射精させてきたヒトミであった。
　つい昨日も、バスケ部の練習が終わった後、ヒトミは男子部員と２人、体育館に残り、ユニフォーム姿のままお互いにペッティングに耽って、最後は相手を手で絶頂に導いてあげたのだった。それも２回も……。その余韻がまだ手の中に残っていた。初めはバスケ用のぴっちりした短めのナイロンサテンのトランクスの上からペニスを握り締めながら扱き続け、２分と経たないうちにそのままトランクスの中にたっぷりと、射精させたのだった。２回目は、トランクスの脇からペニスを取り出し、直に握り締めて扱いて、これまたたっぷりとスペルマを受けた手のひらを今見つめながら、そのときの快感を思い出していた……。
　もっとも、そのことは男子以外には誰にも知られていないはずなのだが……。