１１

　スイミングトランクス越しのフェラチオで何とか絶頂に導こうと、けなげに頭を振り動かし、懸命に奉仕する、そんなヒトミを見下ろす俊之と哲也であったが、ヒトミの強烈なリップサーブスに、哲也が再び限界に押し上げられようとしていた。哲也のスイミングトランクスの前は我慢汁とヒトミの涎でべとべとになっていた。
　すると、突然、
「もう、我慢できねえ、俺は直にしゃぶってもらうぜ！」と、哲也がヒトミの手を取り、　トランクスの脇からペニスを強引に引きずり出させた。
「あっ！」思わず、ヒトミが声をあげる。
　一瞬見とれてしまったものの、すかさず直に口づけしたヒトミであったが、ペニスは、ヒトミの唇を押し返す勢いで急激に脈動している。
（す、すごい、また一段と膨らんできたわ！）
「まて、早まるな！」
　慌てて、俊之が諌めたが、哲也は意に介さない。
「哲也さん！……」
　思いもかけない哲也の突拍子もない衝動に、絵里子たちもあっけにとられていた。
（哲也さんたら、一体何に考えているのかしら？せっかくのシナリオが……）
「何、大丈夫さ！」
　しかし、それがやせ我慢に過ぎないことは明白だった。むしろ、ヒトミの唇で一刻も早く楽になりたかったのだ。

「うっ！」哲也が呻く。
　ヒトミは、えらの張った先端部分を口に含んだ。というよりも哲也が強引に唇に捻り込ませたという方が正しいかも知れない。
　ヒトミの格好はもはや奴隷そのものだった。脚を大きく広げられている。そして何よりも、その美しい唇に肉棒を突っ込まれ、強制フェラチオ、すなわちイマラチオをさせられているのだ……。
　頭を捕まれて前後に動かされているため、長い髪が可愛く揺れているのがまた痛々しい。
「ああっ……、もっと、早く、早く動かすんだ！」
（とうとう、この人、快楽の罠にはまったようね。お望みどおり、最高に気持ちよくさせて昇天させてあげるわ！……）
　ヒトミの口唇のぬめっとした感触が、先端部分に心地よい刺激を与えていく。射精に導くのはもはや簡単なことだった。
　直に唇で締めつけていると、今までスイミングトランクス越しに扱いていた時より、もっと急激に茎と先端の部分に血液が流入するのが感じられる。それはヒトミの口の中で、まるで別の生き物のようにうごめいている。
（大きさといい、硬さといい、俊之さんのに勝るとも劣らないわね……。き、気持ちいい！私までおかしくなりそう……）
　ヒトミは、ピンク色をした亀頭と鈴口を舌で転がした。そして、くびれたところの裏側を舐め上げ続けた。そこが、大抵の男性にとって最も弱い部分であることをヒトミは奈美恵から教わっていたのだ。
（お望みどおり、もっと……、もっと、してあげる。もっと、たくさん刺激して、思い切り、勢いよく、いっぱい出させてあげる……）
　ぬりゅりゅっ……、ちゅるん……、ちゅぽっ……くちゅ……。
　ヒトミが刺激する音がいやらしく響く……。
「あ……、うっ……、そこ……！」
　たまらず、哲也がよがり声をあげた。
　ちゅぷちゅぷ……、ぬるっぬりゅ……、ちゅぽっ……。
　ヒトミは、哲也の息の上がり方で、彼の絶頂がすぐそこまで来ているのを感じていた。
（もうじき……、哲也さん……、出すわ……）
　ちゅるんっ……、ぬりゅ……、れるっれるっ……、くぽっ……。
（先っぽの方を舐めて欲しいの？それとも、幹のところを唇で扱いて欲しいの？唾をたくさんまぶして、やわらかく舐めあげたほうがいいの？それとも、強く吸って欲しい？）
　ヒトミは、上目遣いで挑発しながら、激しく攻め続けた。
　くぽっ……ちゅぶっ……、ぐちゅ……ちゅっ……ちゅうぅぅ……、くぽっ、ぬるっ、ぬるっぬるんっ……、ぬるるるっ……。
　ヒトミは、さらに、哲也のペニスを喉の奥深く呑み込み、扱きあげた。
（どう？もう、すぐよ……。早く、出して頂戴！……）
「あ……う……、あっ……」
　ヒトミは、口のピストン運動を最高速に早めた。哲也の全身を快感が突き抜ける。
　ヒトミ自身も、もう何が何だかわからなくなりつつあった。腰から下、花びらを中心として、しびれたような、また倒れそうな快感が襲ってきていた。

　次の瞬間、ヒトミは哲也のペニスにスペルマがこみ上げてくるのを感じて、慌ててペニスを口から引き抜いた。
（やっと１人、終わるわ……！）
　ヒトミは、本能的に口を開けて、舌を突き出した。スペルマをしっかりと溢さず、受け止めるために。
　ほどなくして、ぷっ……と、亀頭が膨張したかと思うと、先端の割れ目も一層大きく膨らんだ……。
「あっ！……」と哲也が声をあげるとともに、彼の肉棒から白濁液の弾丸が大量にヒトミに向かって勢いよく放たれた。
　びくっ……ぴく……、びゅ……どぴゅっ！……、びゅくっ！……、びゅっ……びゅるっ……。
　それは、ヒトミの口へ、舌へ、喉へ、口の周りに、そして顔面全体に、打ち付けられていった。避ける間もなく、ヒトミの顔は見る見る間に大量の白濁液にまみれていった。
「哲也、お前！……」
　ギャラリーは唖然とした。
「きゃー、これが噂に聞く顔射ね！」
　すかさず絵里子は歓声をあげたが、内心は穏やかではなかった。
（全く、もう……、しょうがない人ね！……。海パン越しなら、まだまだ耐えられたはずなのに！）
「おー、一度やってみたかったんだよなー、顔射ってやつを！……」
　哲也は、俊之や絵里子達に一応すまなそうな表情を見せながらも、強気を装っていた。絵里子と寛子は、仕方なく哲也に調子を合わせながら、ヒトミに容赦無い言葉を浴びせて、はしゃいだ。
「ひえー、顔射、だって。そこまでするぅ？」
「うわー、きれいなお顔が台無し〜。ちょっと、ついてけないなー……」
「ヒトミい、ほんとにＡＶ、出るつもりなの〜？」
「だけど、ヒトミ、すっごく淫らでいやらしくて、エッチだからぴったしじゃん？将来ＡＶ女優になったら、応援してあげるよ！」
「それだけ美人なのに、こんなに大胆なんだもんなー。もう、たまらないぜっ！」
　俊之も加勢する。
　ヒトミは、哲也の腰に両手を廻してしがみつきながら、まだズキズキと脈動を続けるペニスを舌で嘗め回し、綺麗に掃除した後も、唇から鼻、そして瞼にかけて放出されたおびただしい量のスペルマを浴びたまま、呆然として、微動だにできなかった。
　最後は哲也の自爆という、予想外のハプニングに救われたとはいえ、ヒトミは、ついに最初の１人を陥落させた。だが、残り時間は１分３０秒を切っていた。