１３

「待ちな！」
　絵里子が、立ち去ろうとしたヒトミの腕を乱暴に掴んだ。
「何、するのよ！」
「このまま、帰すわけにはいかないんだよ！」
　絵里子は、ヒトミの脇腹にナイフを突きつけて、脅した。
「まだ、最高のお楽しみが残っているんだから！」
「何ですって？！。絵里子、あなたって、いう人は！……、どうして、そこまでするの！……」
「いちいち文句言うんじゃないわよ！こっちは４人だからね、痛い目に遭いたくなかったら、おとなしく言うことを聞いた方が、身のためだよ！」
「さんざん辱めてきて……、このうえ、まだ、何かするつもりなの？！」

　絵里子と寛子は、今度は俊之と哲也に向かって、檄を飛ばした。
「あなたたちも、まさか、このまま引き下がるつもりじゃないでしょうね！子供じゃあないんだから！大学生が２人も揃って、小娘に手玉に取られて恥ずかしくないの！やりたいんでしょ。輪姦(まわ)しちゃいな！」
「若いんだから、まだまだ大丈夫でしょ！」
　ヒトミの表情に戦慄が走った。だが、絵里子にナイフで脅されていては、どうすることもできなかった。逆らえば、本当に刺すほどの殺気が、絵里子の瞳の奥から感じられたからだ。
「最初から、こうするつもりだったのね！」
「あははは、今頃、気がついたのかい！」
　ヒトミは、絵里子たちの恐るべき魂胆を悟ったが、時すでに遅かった。

　俊之と哲也が渋々といった様子で立ち上がると、すかさず、寛子が左右の片手でそれぞれ、俊之と哲也のスイミングトランクスの前を同時に弄り始めた。その巧みな指捌きに、２人とも、たちまち戦闘可能なまでに硬度と大きさを取り戻していった。スイミングトランクスの前がテントを張ったのを確かめると、寛子は、2人のペニスを脇から取り出し、直に力強く扱き立てた。
「ほら、大丈夫ね。やっちゃいなよ！」
　俊之と哲也は、気を取り直すと、ヒトミの下半身にそそられて、めらめらと性欲の炎を燃え上がらせていた。
「ようし、今度こそ、本番だ！。手加減はしないぜ！」
　再び野獣と化した２人の大学生は、とっておきのご馳走に飛びつくかのように、ヒトミに襲いかかった。ヒトミの身体を床に押し倒すと、両手を万歳させた形で、用意していた手錠をかけ、身体の自由を奪った。
「じゃ、まず俺から行かせてもらうぜ！」
　まず、哲也が１番手として、攻撃を開始した。絵里子と寛子に両手両足を押さえつけられたヒトミは、抵抗するすべもなかった。
　哲也は、ヒトミのスクール水着の股の部分を捲し上げると、強引に挿入した。
「いやー！」
　ヒトミは悲鳴を上げながら、自分の運命を呪った。なぜ？、なぜ、なの！？……。心の中で何度も何度も叫びながら、おぞましい悪夢を現実のものとして、目の当たりにさせられてしまっていた。

　こうしてヒトミは、今まで何より大事にしてきた、そしてこれからも大事にしなくてはいけないはずの、女の子にとってかけがえのないヴァージンを、全く思ってもみなかった最悪の事態のもとで失うことになったのだった……。

　ヒトミに感じられたのは、ただ痛みだけだった。おスペやフェラチオのときには、それが好むと好まざるとにさせられていたにもかかわらず、なぜか自分自身も密かに快感を覚えたのに、レイプされた今は、ただ、身体と心を深く痛めつけられ、傷つけられて、惨めな屈辱感だけが身体を貫いていた。

　やがて、哲也に絶頂が近づいたのか、腰のピストン運動が一層激しさを増した。
「お願い、中に出すのだけは……、止めて〜！……」
　ヒトミは、最後の力を振り絞るかのように、悲鳴を上げた。
「それもそうだな、普通に中に出すだけじゃ、あまり面白くないかも。どうせ出すなら……、」
　何やら薄笑いを浮かべながら、哲也が乱暴に肉棒を引き抜くと、すかさず寛子が握り締め、愛おしそうに手を素早く前後させた。
「ありがたく思いな！お礼に、たっぷりご馳走してくれるそうよ！」
　寛子は、哲也の肉棒の先をヒトミの顔に向け、高速ピストンで扱き出した。ヒトミがその意図を悟る。
「い、いや、やめて！」
　ヒトミは、恐怖に眼を見開き、逃れようと悶える。しかし、絵里子や俊之に押さえつけられているので、顔は哲也の肉棒の前から逃れられない。
「さっき、お顔に受けて喜んでたじゃあない！だから、ご褒美にもっと掛けてあげるわ、たっぷりとね。お肌の美容にいいのよ！」
「そうよ、有難く思いな！」
　絵里子と寛子はそう言って、きゃはは、と笑った。美貌と知性にはとてもかなわないと思っていた存在が、墜ちるところまで墜ちていく光景を目の当たりにするのは、２人にとって、何物にも勝る快感なのだ。

「うっ……、出すぞ！」という喘ぎ声の直後に、哲也の３度目とは思えないほどの大量のスペルマが、シャワーのようにヒトミの顔面に浴びせ掛けられた。目や鼻や唇にも直撃を受けたヒトミは、スペルマが目に沁みて、その痛さに目を開けられないでいた。
「ごめんね、ヒトミ。ちょっと刺激が強すぎたかしらねぇ。だけど、みんな悪気は無かったのよ！」
　絵里子が満足そうにヒトミを蔑み、悪魔の微笑を浮かべていた。
　寛子は、発射後も一向に硬さを失わない哲也のペニスをスイミングトランクスの中に仕舞うと、名残り惜しそうにその上からなおも握り締め、擦り続けていた。
「今度は、私たちも楽しみましょうよ、哲也さん。プールの中で……」
「そうだな、後は俊之に任せて、今度は寛子ちゃんのフィンガーテクをたっぷりと堪能させてもらおうかな……」
「嬉しいわ。私も哲也さんをハンド・ジョブだけで、最後まで導いてあげたいの！」
　そう言い残すと、寛子と哲也は先にプールに戻っていった。

「次は、俺の番だぜ！」
　俊之が、待ってましたとばかり、茫然自失の状態のヒトミに襲いかかった。
　ナイフで水着の胸の部分を引き裂くと、飢えた狼が獲物に貪り食うがごとく、そのふくよかで弾けるような乳房にむしゃぶりついた。
　そして、ナイフを傍らに置くと、今度は下半身をおもちゃのように愛撫しまくり、後はいとも簡単に、しかし乱暴に突入していった。

　ヒトミには、もはや、抵抗する気力すら消え失せていた。
　ただ、早く終わって欲しい、それだけだった。マグロのように、横たわるだけで、俊之に好きなようにされるがままだった。

　俊之は、ひととおり満足すると、哲也と同様に、絶頂寸前にペニスを引き抜き、それを絵里子が握り締め、ヒトミの顔の前に持っていった。絵里子の手の動きが速さを増した。
　まもなく、哲也同様、次から次へと大量のスペルマがヒトミの顔面を襲った。
　スペルマだらけのヒトミの顔面全体がさらにスペルマまみれになり、どろどろヌルヌルで、それはそれは凄惨な光景になっていった。

　一段落すると、「さ、私たちもプールに戻って、もうひと泳ぎしましょ……」と、絵里子は、俊之の肉棒をなおも扱きながら、彼のスイミングトランクスの中に大事そうにしまってあげると、腰を上げた。
「ああ、そうだな。先に行ってて、いいよ」俊之が答える。
「あら、まだヒトミに未練があるの？まあ、いいけど。じゃ、先に行ってるから、早く来てよ。私だって、自慢のゴールド・フィンガーで俊之さんを満足させてあげたいもの！」
　絵里子はウインクしながら、一足先にプールサイドに向かった。
　俊之は、ヒトミに馬乗りになったまま、しばし、余韻を味わった後、立ち上がろうとした。が、その前に、お情けで、ヒトミの手錠を外してやろうと思い直し、スイミングトランクスの内ポケットの中の鍵を手に取った。

　ヒトミは、放心状態のまま、絶望のどん底に突き落とされていた。女の子の一番大事なものを、恥辱にまみれた思ってもみなかった最悪の状況で失ったのだから。果たして、この後、どうしたらよいのか、頭の中が真っ白で、何も考えられなかった。
（こんな恥ずかしい目を受けて……、もう誰にも顔を合わせられない……。何もかも終わりだわ……。）
　いっそのこと、ひと思いに死んでしまいたい気分だった。仰向けに寝そべって、目をつぶったままのヒトミが、半ば自暴自棄になりながら、ふと無意識に手錠をかけられたままの両手を左右にばたつかせると、左側に何か触れるものがあった。それは何かの柄のようだった。
（もしかして、ナイフ……？）
　確かにそれは、俊之のサバイバルナイフだった。