４

　直樹のペニスは、尚も大きく硬いままだった。
「今度は、直に握ってくれないか」
「はい」
　言われるままに、ヒトミは直樹のバスケットパンツの中に手を忍ばせ、直接その手の中にスペルマまみれのペニスを掴んだ。一度出したばかりというのに、まだ出したりないのか、ギンギンに昂ぶったままだった。ヒトミは、大事なものを慈しむように、バスケットパンツの短い裾からペニスを器用に取り出し、その手でやんわりと扱き始めた。
　再び直樹の全身を快感が突き抜ける。
「ああ、夢のようだ！……」
（熱い、脈うってる……、すごく熱いわ。それにビンビン……、今出したばかりなのに！）
　それはヒトミの手の中で、まるで別の生き物のようにうごめいている。
（うわさ通り、直樹さんのペニスはビッグだわ……。私の方こそ、感じちゃう……）
　生まれて始めて、男子のペニスを直に握り締め、指を通して、直樹が味わっているのとは別の快感がヒトミを包み込んでゆく。
　ヒトミは快感に打ち震えながら、本能のおもむくまま５本の指をそっと下へ動かした。すると破裂しそうなほど怒張した亀頭部が顔を出す。ピンク色をした亀頭と鈴口がべとべとで、ぬらぬらと光っている。
　ヒトミは、握り締めた手を軽やかに前後に動かし始めた。そして、手の動きを少しずつ早めていった。やがて先走りのしずくが鈴口から溢れだすと、ヒトミは手の動きをいったん止め、人差し指の腹でその滴をつるつると亀頭全体に塗り広げてあげた。
　直樹の背筋がひきつってしまうような快感が走り抜ける中、ヒトミは再び手のピストン運動を始めた。
「先輩、気持ち、いい？、気持ちいいですか？」
「あっ、イイ、とっても……、気持ちいいよ！」
　直樹の声が途切れ途切れになっていく。
“くちゅ、くちゅ、くちゅ”と愛液で擦れる音がよけい淫靡さを増す。
「え、こう？これでいいですか？」
　わざと甘ったるいネコナデ声がかえっていやらしさを増し、直樹を再び絶頂に押し上げていく。
“くちゅ、くちゅ、くちゅ”
「はっ、はっ、はぁ……」
“くちゅ、くちゅ、くちゅ”
「もっと、もっと早く……」
「は、はい」
　ヒトミは右手の動きをさらに早めた。５本の指で握りを調節しつつ、力を込めて脈動するペニスを扱き立てた。
“くちゅ、くちゅ、くちゅ”
「あああう！！！！」
　ヒトミはもう何が何だかわからなくなりつつあった。腰から下、花びらを中心として、しびれたような、また倒れそうな快感が襲ってくる。ヒトミは、もはや立っていることができなくなり、直樹の前に跪いた。
　そして、直樹のペニスを両手で支えるような格好で握り締め、亀頭を完全に露出させると、ヒトミはさらに顔を近づけた。
　ヒトミはその香りを深く吸い込んだ。先ほどに比べ、より大きく、より張り出しているのがわかる。その先端の鈴口をよく見ると、今にも弾けそうなくらい、膨らみつつあった。

　奈美恵は「スペルマってさ、“びゅっ”って飛ぶのは、最初の１〜２弾で、その後はドロドロって、しばらく出てくるのよ……」と言っていた。
　ヒトミは、楽しみにしている射精の瞬間を思い描きながら、右手による刺激を一層強めていった。左手は、玉袋を揉み解し、少しでも早くスペルマを押し出そうとその動きを激しくしていった。
“くちゅ、くちゅ、くちゅ”
　ヒトミの右手の動きに合わせて、その淫靡な調べがよりいっそう大きくなってゆく。
「ううっ、うっ、うっ……」
　直樹の声も、甘美な快感に打ち震えている。
“くちゅ、くちゅ、くちゅ”
　鈴口からあふれ出る液体は、亀頭部から流れ出し、ヒトミの手をべとべとに濡らしている。そして、その液体は潤滑油となり、さらに直樹を歓喜させ、狂わせる。
　ヒトミは瞬きもせず、こうした光景を目に焼き付けていた。直樹のペニスを扱いている自分の右手と、玉袋を支えている左手、リズミカルで淫靡な調べと直樹の呻き声を聞いている耳、そして股間の疼き……。
　ヒトミも、自分の秘部から滲み出た愛液でバスケットパンツを濡らしていくのを感じていた。
「はっ、はぁ、はぁ」
　呻いている直樹が姿勢を少し折り曲げ、その手が再びヒトミの胸に伸びてきた。そしてユニフォームの上からもはっきりと存在を主張している豊かな乳房を探る。
　今度は、ヒトミは抵抗しなかった。直樹の手がその膨らみを捕らえ、ゆっくりと揉みしだく。
「ヒトミ、中に入れさせてくれよ、なっ、頼むよ……」
「それだけはだめ！　堪忍して……」
　ヒトミは右手の動きをさらに早めた。
（早く射精させてあげないと、ヴァージンが危うくなるわ……）
　直樹の限界が近いのを察したヒトミは、５本の指で、さらに力を込めて脈動するペニスを扱き立てた。
「う、ううう、はあ……ああっ……んんん……。だ、だめだ……」
「我慢しないで、イッちゃってください」
「だ、だめだ。これでイッタんじゃ……、ああぁ……はぅ……！」
「もう、ドバット出しちゃって、いいですからね！」
　そう言うと、ヒトミは間もなく勢いよく噴出されるであろう直樹のスペルマを受け止めるべく、左手を内に向けながら、ペニスの先端の前に持ってきた。
「な、た、頼むからちょっと待ってくれ。おおぅ……、く……」
　そんな直樹の懇願を無視するかのように、ヒトミは一気にラストスパートを駆けた。
「ううっ、で、出そう！」
“ くちゅ、くちゅ、くちゅ”
「あああう！！！！」
　野獣のような咆哮とともに、突然、直樹が腰を突き出した。直樹の足が突っ張り、玉袋がひくひくと収縮する。同時にヒトミの右手の指先に、ペニスが一層大きく膨らむような感覚がした。先端の鈴口が今にも広がりそうになっている。
（あっ、出るわ！）
　ヒトミは直感的にそう思い、とっさに破裂寸前の玉袋を左手で握り締めた。右手の平に、茎の中を何かが通過するのが感じられる。そして先端の様子を覗き込んだ瞬間、
“びゅっ、びちゃっっ……”
　にわかに鈴口が広がったかと思うと、ビュッ、ビュッ、ドビューッ！と、猛烈な勢いで熱く煮えたぎった白濁液が迸り出てきた。そして、大量の白濁した液体が「きゃっ！」と叫んだヒトミの頬、鼻、唇を直撃した。ヒトミは、そのあまりの勢いに一瞬身を引いたが、さらに放出された第二波のスペルマがヒトミの手の平を直撃し、中にぶちまけられた。
　しかし、その噴出はそれでは終わらなかった。
　握りしめたヒトミの右手が、さらに流出しようとしている脈動を感じていた。
（まだ出る……）
　ヒトミは慌てて左手を受け皿にし、握り締めたペニスの先端へあてがった。そして鈴口を押し広げ、溢れ出してくる液体を受け止めた。
「ああっ……、ううううう……」
　直樹が歓喜の声をあげ、ついさきほど体験したときと勝るとも劣らないほどの猛烈な快感に全身をマヒさせた。
　ヒトミは、白濁した液体を凝視しながら、それを左手で掬い取っていった。しかしながら、その流出は止まる事を知らずドクドクと溢れ出し、亀頭の裏側を伝い、ペニスを握り締めたヒトミの右手の親指へと伝う。
　さらに、ヒトミのバスケットパンツやむっちりした太股には、射精初期の精液が飛び散り、不透明な液溜まりを作っていた。
　また、第一波としてヒトミの頬へ到達したスペルマは、じわじわとマグマのようにヒトミの口元へと流れている。
　なおも激しい動きを止めないヒトミの指の間からは、いつしか泡だった液がこぼれ始めていた。
「うっ、うーん」と唸りながら、直樹は、さらに２発３発と続けざまに勢いよくスペルマを飛ばした。
「先輩、いっぱい出ましたよー。あ、まだ出てる！」
　ヒトミの手の中では、なおも硬く大きなペニスから残りのスペルマがこぼれ出し、その手に滴っていた。
「ほら、こーんなに……」
　と、いやらしく汚れた手を広げて直樹に見せていた。
「良かったですか？」
「もちろん、最高だよ！
「初めてなんだ。女の子の手でイッタのは……！」
　生まれて初めての射精がヒトミという絶世の美少女の白魚のようなゴールドフィンガーによって導かれたものだから、直樹が感激に浸るのも無理はなかった。
「嬉しい！満足してくれました？」
「うん。とっても良かったよ」
　二度も放出したばかりというのに、直樹のペニスはまだギンギンだった。
「ねえ、もう一度、してくれる」
「うん、もー、先輩たら……」
　そうして、ヒトミは直樹に言われるまま、彼をしなやかな指さばきで再び絶頂へ導いてあげたのだった。結局、この日ヒトミは、おスペで３度、手に直樹のスペルマを大量に受けてあげた。

　以来、ヒトミは手で男性をイカせる「おスペ」の病み付きになってしまったのだった。
　男子のペニスが手の中で弾けるようにスペルマを放出させる、その瞬間、手の中がしびれるような快感に覆われるのだ。
（男子がイクときの表情がまた貯まらないのよね。私の手と指で絶頂に打ち震えるその恍惚の表情が……。奈美恵さんは、女の子は喉の奥や指先や手の中にも性感帯があるって言ってたけど、本当かも知れない……）
　こうしてヒトミは、多くの男子の初体験……初めての射精を少女の手と指で導いてもらう……、その相手となっていたのだった。