|
＜その１＞
涼子の身に予期していなかった事態が起きたのは、通勤の満員電車のなかでのことだった・・・
毎朝、涼子は、自宅マンションのある服部から、私鉄で30分ほどかけて、彼女が勤めるオフィスまで通っている。
混雑の激しい路線だ。ラッシュ時には身動きも取れないほどになる。
当然のように痴漢も多い。さらに言うなら、人身事故も多い路線だった。人身事故というのは婉曲な言い方で、つまりは自殺であることが多い。
その日も、朝から人身事故があって、ダイヤが乱れているようだった。いつも以上に混雑した車内で、涼子は身じろぎすることも出来なかった。
（朝から散々だわ・・・・・）
涼子は、ひっそりと溜息を洩らした。
どうも、気分爽快とはいかない一日になりそうだった。寝ていて身体を冷やしてしまったらしく、体調もよくなかった。
まだ雨こそ降り出していないものの、天気予報によると、梅雨寒で冷え込んで、四月中旬の陽気に逆戻りしてしまった。
（オフィスに着いたら、医務室で少し休ませてもらおうかしら・・・）
涼子はそんな事を考えていた。
医務室の大村静香とは、何度か愛し合った。医務室は勿論、夜の公園で愛しあった事もあった。涼子が訪ねて行けば歓迎してくれるはずだった。
（静香と愛し合えば、すぐにスッキリできるはずなんだけど・・・）
のろのろ運転の電車の中で、退屈のせいもあって、つい静香と愛し合ったときの事を思い出してしまう。
とたんに、ドキンッと心臓が跳ね上がったようだった。ズキリッ、ズキリッと、股間のモノが脈を打って、疼きだす。
（まったく、反応が良すぎるのも困ったものね・・・）
涼子は、身動ぎする事さえままならない満員電車の中で、僅かに腰を捻って、少しでも勃起したモノを楽にしてやろうとした。
それが、なおさらまずかった。
正面に立っている、キャリアウーマン風の熟女のヒップに、ずんっと勃起したモノを押し付けることになってしまったのだ。
すぐに、何か解かったのだろう。
「あっ・・・・・！？」
熟女がか細い声を上げ、ヒップに煙草の火でも押し付けられたかのように、びくんっと背筋を反らせた。
勃起したモノから逃れるように、ピンヒールのパンプスで爪先立ちになる。しかし、それがまた、かえってマズイ結果となった。
ぎゅむっ！！
と、突き上がったペニスが、熟女の革のミニスカートの中へもぐりこむような角度で、尻の谷間へ食い込んでしまったのだ。
「い、いやっ・・・・・！！」
熟女が戸惑ったように、喘ぎ声を洩らした。
（やめてください・・・）
とでも言うように、背後を気にしながら、ヒップを左右に揺する。
しかし、困惑しているのは、涼子も同じだった。
たまたま偶然、こういう形になってしまっただけなのだ。何も、前に立っている熟女に悪戯をしたくて、やっているわけではない。
しかし、やめてくださいと言われて、今すぐに、どうにか出来るモノではなかった。何しろ、棍棒のように勃起したモノは、すでに熟女の尻の谷間にしっかりとはさみこまれてしまっているのだから。
熟女のほうは、逃げ場がない満員電車の中で、少しでもそのモノから遠ざかろうと、爪先立ちになっている。
気持ちはわかるが、ソレも悪かった。爪先立ちになれば、下半身に力が入って、キュッと尻の谷間も閉じ気味になる。これでは、自分からペニスを逃さないように締め付けているようなものだった。
しかも、その爪先立ちを続けているのは疲れるらしく、フッと力が抜けるときがある。すると、身体の底を勃起したモノで、ぐんっと突き上げられてしまう。それでまた、慌てて爪先立ちになる。
ちょうど適当な間隔で、尻の谷間に挟み込んだペニスを、握って、ゆるめ、握って、ゆるめ、しているようなものだった。まるで尻の谷間を使った愛撫だった。
勃起しているモノが、ますます猛ってきてしまう。
（もうっ・・・困るわぁ・・・・・）
涼子は、内心で悲鳴を洩らした。
勃起したモノが気持ち良過ぎて、困ってしまうのだ・・・嬉しい悲鳴と言うべきだった。
しかし、黙って愉しんでいるわけにはいかなかった。痴漢ではないのだから。
「ごめんなさい・・・」
涼子は、眼の前の熟女に、小さく囁きかけた。
「えっ・・・・・！？」
とたんに、熟女が驚いたように、満員電車の中で窮屈そうに振り返った。
まさか自分の背後で痴漢行為をしていたんが、女性だとは思っていなかったのだろう。それが、当然だった。
涼子の顔を見ても、まだ信じられない様子だった。表情をさぐるように、涼子を見つめてくる。
その一方で、何か思い当たる事があったようだった。
「いつも会いますよね！？」
と、涼子の顔を見つめたまま言った。
そう言われれば，涼子の方にも見覚えがあった。
それは、毎朝、同じ通勤の電車に乗っているキャリアウーマンだったのだ。
車両までいつも同じだから、挨拶をかわしたことはなくても、顔だけは見ている。
四十五、六歳ぐらいだろうか。女優の秋野○子によく似たクールな印象を受ける感じの女性だった。
都心の一流企業に勤めているらしく、いつも洗練された装いをしている。
「あの、何か！？」
熟女の方は、まだ痴漢の正体に気がついていないらしく、涼子へたずねかけてくる。
「だから、さっきから、あなたのお尻にぶつかっているモノがあるでしょう」
涼子は、熟女の耳元で、囁きかけるように言った。
「えっ・・・・・！？」
熟女の方は、涼子の言葉にも、まだきょとんとした顔をした。
大きな瞳がますます大きく見える。ぽかんと口を開けた表情をしてはいるが、何故か妙に美しかった。
が、美し過ぎて、まるで計算尽くの表情のようにも見えてしまった。何もかも承知で、綺麗な顔して驚いたふりをしているように見えてしまうのだ。
（ちょっと意地悪してやりたくなっちゃうわね・・・・・）
涼子は、熟女の美し過ぎる表情に、ますます股間のモノが猛ってくるのを覚えた。新しい発見だった。
「ほら、あなたのお尻の谷間に挟まっているモノがあるでしょう！？」
小声で言うと、涼子は、軽く腰をしゃくって、熟女の尻の谷間を勃起したペニスで突き上げてやった。
ぎゅむっ！！
と、棍棒のようなモノの先端が、熟女の後門のあたりを突き上げた。
「あんっ・・・・・」
突き上げられ、またしても熟女が爪先立ちになった。
「ひどいっ！！こんないやらしい悪戯して・・・」
「そう言うけど、私は悪戯をしてるつもりなんてないのよ」
涼子は、首を振った。
「たまたま偶然、こうなっちゃっただけなの。だから、さっきから、謝っているじゃない・・・・・」
「そんな言い訳、おかしいでしょう！？たまたま偶然、電車の中に大人の玩具を持ち込んでいて、それがまた、たまたま偶然、私のお尻に潜り込んできた、とでも言いたいのぉ・・・！？」
「だから、コレは玩具なんかじゃないの。本物なの」
「本物って、そんな訳ないじゃない！！」
熟女はさらに言う。
「何なら、あなたの勤めてる会社に抗議しても良いんですよ！？」
「会社って！？」
「Ｏｆｆｉｃｅ−Ｒの社長さんでしょ、私知ってるんですから！！」
「どうして、それを！？」
「電車の中で、見かけたことがあるんです。Ｏｆｆｉｃ−Ｒの社員から社長って呼ばれているところを・・・」
熟女は勝ち誇ったかのように言った。
意地悪してやるどころか、これでは涼子の方がいじめられているようなものだった。
「まだ若いのに社長になれるなんて・・・、なりたくてもなれないってご時世なのに・・・。そんな社長さんが痴漢で捕まったりしたら、部下の方達はさぞ、ショックでしょうね！？」
「だから、誤解だと言ってるでしょう」
言うなり、涼子は我慢ができなくなり、熟女の手首をつかんだ。
「ほら、触ってみて。すぐに本物だって解かるはずよ！！」
と、熟女の手を、自分の股間に押し当てる。
「いやっ！！」
熟女が反射的に手を引っ込めようとして、
「えっ・・・！？」
と、戸惑ったように自分から手を這わせてきた。
涼子のゆったりとしたフェイクレザー・パンツ越しに、棍棒さながに硬く反り返っているペニスをなぞる。
「これって・・・！？」
さらに撫でまわし、鷲づかみにした。
「本当に本物・・・！？」
「だから、さっきから言ってるでしょう、本物だって」
「でも、どうして・・・！？」
「私は俗に言う、シーメールなの・・・」
涼子は、言った。
「えっ！？」
「直接、触ってみます！？」
言うと、涼子は、フェイクレザー・パンツのジッパーを降ろして、熟女の手が直接、そのモノに触れるように導いた。
好奇心があるのだろう。もう熟女の方でも、拒否をしようとはしなかった。
指先がジッパーを潜り、ハイレグのパンティからはみ出しているモノをつまんだ。亀頭部を撫でまわし、その鰓の張り出し具合を確かめるように、指先を鰓の裏側へ潜らせる。
さらに、そこからペニスを扱くように、パンティの中に隠れている根元の方にまで指先を届かせた。刺激されて、ペニスの方は、びくりっ、びくりっと、脈動して、胴震いする。
「す、凄い・・・・・」
熟女が溜息を洩らした。
「ほんとの本物みたい・・・」
「みたいじゃなく、本物なんです」
言うと、涼子は、熟女の方へ腰を突き出した。
「根元まで触ってみて。ちゃんと生えているのがわかるから」
「え、ええ・・・・・」
熟女が指先を、パンティに隠れているペニスの根元のあたりまで侵入させた。
「あっ、玉々がちゃんと付いてる・・・」
「ええ、女の人も悦ばせてあげたいから、取らなかったの」
「見た目は、どう見たって、可愛い女性なのに・・・」
熟女は相手の見た目が女性という事で安心したのか、ソコから手を離せなくなっていた。
熟女は昂奮してしまっているのだろう。息遣いが荒くなり、ひっそりと熱っぽくなっている。
「ああぁ、先が濡れてるぅ・・・」
「そりゃそうでしょう。あなたみたいな綺麗な人に触られれば、やっぱり濡れちゃうわ」
涼子は、やはり昂奮を隠せない熱っぽい溜息を洩らして、頷いた。
「あなたのお名前は！？」
「あ、、温子です・・・」
「あなたにピッタリね。温かい子なんて。でも、今は熱くなってしまってるけどね・・・」
「そ、そんな・・・」
「でも、熱くなっちゃってるでしょう・・・！？」
「ええ、ちょっとだけ・・・」
温子が頬を赤らめて、呟いた。
「社長さんの、お名前は！？」
と、話題を変えるように言う。
「涼子。涼しい子と書いて・・・」
「聞いた気がする。女子社員たちから涼子社長って呼ばれているでしょう・・・」
「よく覚えてますね」
「綺麗な子だなぁ、って、前から思っていたから・・・」
「うふっ、嬉しいわぁ・・・」
「まさか、こんな風にお話するなんて・・・」
「話だけじゃないですけどね」
「あっ、ごめんなさい・・・」
涼子の言葉に、温子の手が動きを止めた。
「私、こんな事するつもりじゃなかったのに・・・」
「ううん、良いの、気にしないで」
涼子は、首を振った。
「私としては、もっと触ってほしい位なんだから・・・」
「えっ・・・！？」
「だって、このままじゃ中途半端で困っちゃう」
「触ってほしいのぉ・・・！？」
「正直に言うとねぇ」
「私みたいなおばさんが、相手でも良いのぉ・・・！？」
「温子が相手なら、嬉しいわ。あなた、凄く綺麗だもの・・・」
何時の間にか涼子は、自分よりも十歳は年上の熟女に対して、『温子』と呼び捨てにしていた。が、温子自身も、そう呼ばれるのが自然とでもいうような感じで、瞳を潤ませていた。
「ほ、ほんとに・・・、本当に良いのぉ・・・・・！？」
言いながら、温子は再び手を動かし始めた。
涼子に身体を密着させて、ゆったりとしたフェイクレザー・パンツの中に深く手を差し込んでしまう。小さなパンティの前面を捲くると、勃起したペニスをすっかりと剥き出しにして、ゆるゆると軽く扱いた。
「ああぁ、うまいのねぇ・・・」
涼子は寄りかかってくる温子の耳元で囁いた。
「もっと、手を、いやらしく動かして・・・」
温子は涼子のペニスを激しく撫でまわした。
薄く唇が開いている。充血した亀頭部の、小さな割れ目から先走り汁が溢れてくるのが解かる。
「ああぁ、凄いっ！！気持ちいいっ！！」
涼子は温子の背中を抱きかかえ、その肩口に顔を埋めるようにして、低くうめいた。
通勤電車の中なのだ。凄いスリルだった。
静香と愛し合っている時も、野外プレイを愉しんだことはあったが、満員電車の中というのは初めてのことだった。声をあげることは勿論、息を弾ませることも出来ない。もどかしいような思いが、ますます快感を高まらせるようだった。
「温子って、痴漢プレイに慣れているみたい」
涼子は、温子の耳元で囁きかけた。
「もしかして、温子、痴女の経験有るんじゃない！？」
「そ、そんな・・・」
温子がさらさらした髪を揺らして、首を振った。
「そんなことしなくても、これぐらい知ってるわぁ・・・」
「ご主人のをいじってるからぁ！？」
「そんな、主人なんていないわ・・・こんな歳になっても、独身なのぉ・・・」
温子は、涼子のペニスを愛撫しながら、まるで自分のヴァギナを愛撫しているかのように、身体をカッカと火照らせている。
「ねえっ、温子も濡れちゃって、つらいんでしょう！？」
涼子は、温子に囁きかけた。
「私が、いやらしい温子のオ○ンコ、可愛がってあげるわ・・・」
|