＜その２＞

「えっ、そんなこと・・・」

　温子は心外だと言いたげに肩を揺する。
　しかし、断るつもりはなさそうだった。涼子を誘うように太腿を開く。
　初子が穿いているのは、赤革のタイトミニのスーツだった。それに、黒い柄のストッキングと、スーツと同じ色の赤いピンヒールを合わせていた。
　涼子の方は、いつものようにフェイクレザー・パンツとドレス・シャツという、活動的な恰好だった。
　今日は、四月中旬の陽気だという、梅雨寒の冷え込みに合わせて、シャツのようにペラペラのスプリング・コートを羽織っている。それが、思いがけず役にたつ事になった。

「こうすれば、誰にも解からないわ・・・」

　涼子は、スプリング・コートの前を開いて、温子の身体をそっと包み込むようにした。
　そうしておいて、赤革のタイトミニを捲り上げる。剥き出しになってしまった尻へ、手を伸ばした。
　以外にも、指先に触れたのは、パンストのザラッとした化繊の感触ではなく、ツルッとしたサテンのパンティの感触だった。温子も、男を求めていたのかも知れない。太腿までのガーターレス・ストッキングを着けているのだった。

「あっ・・・・・」

　温子が微かに声をあげ、ぷりっと尻を振る。
　涼子は、パンティの縁をなぞるように、温子の尻から太腿へと手を這わせた。
　尻のまるみに、パンティの縁が食い込み気味になっていた。尻のまるみと太腿の境目の、ムッチリとした肉づきが指先に触れてくる。
　パンストではなく、太腿までのストッキングというのは、便利だった。肝心の部分に、すぐに指が届いてしまう。
　涼子は、温子の尻の谷間に沿って、パンティの底へ指をすべらせていった。
　ふっくらとしたヴァギナの膨らみを撫でまわす。ツルッとしたサテンの生地が張り付いて、亀裂と、その周辺の肉の畝の盛り上がりを伝えてきた。
　茂みは濃い方なのだろう。かなり硬そうな毛質の茂みが、もっさりと生えてパンティを押し上げていた。

「綺麗な顔に似合わず、野性的なんだ・・・温子って！！」

　涼子は、温子の耳元で囁いた。

「いやっ、恥ずかしい・・・」

　温子は微かに首を振ると、涼子にもられかかってきた。
　もう涼子の身体を愛撫する余裕はないらしい。ペニスをしっかりと掴んだまま、じっと涼子にされるがままになっている。

「もっと恥ずかしいことしてあげる」

　涼子は、温子のパンティの中心へ、ふっくらとしたヴァギナの膨らみを、真っ二つに割るように指をすべらせた。
　尻の側から身体の前面へ、するっと、指先を往復させると、たちまち亀裂に沿ってパンティの生地が浅く沈んだ。キュッと食い込んで、割れ目だけでなく、その内側の粘膜の壁の形まで露わにしてしまう。
　亀裂に沿って、じわっと蜜が染みだしてきた。パンティがますます素肌に張り付いて、触れている感覚が直接的になってくる。
粘膜の壁を割るように、中指の腹で軽く押し上げてやる。と同時に、亀裂の中心、ちょうど秘孔の入り口のあるあたりへ、親指を突き立てていった。

「どう、いいでしょう！？」

　涼子は、温子の敏感なポイントを二ヶ所、同時に責めながら、耳元で訊ねた。

「うっ・・・ああんっ・・・・・」

　温子は、吐息を洩らして、頷いただけだった。
　声を上げそうになるのを堪えるので、精一杯らしい。俯いたきり、もう顔を上げることすら出来ないでいる。
　周囲を気にしつつも、快感に余裕をなくして、羞恥に耐えているだけの姿がなんともいじらしい。コレが野外プレイの醍醐味なのだろう。
　もっともっと、虐めたくなる。

「パンティ、脱がせてあげる・・・」

　わざわざ小声で言うと、涼子は、温子の赤革のミニスカートの中に両手を差し込んで、小さなパンティを裏返しに引きずり降ろしてしまった。
　完全に脱がせる必要はない。太腿のなかばまで裏返しに降ろしてしまえば、それで充分だった。
　尻の側から、直接、太腿のあいだに手を差し込んでいく。すぐに、濡れた粘膜に指先が届いてしまった。
　遠慮せず、粘膜のフリルを割る。浅く沈めた中指を、ぬるりっ、ぬるりっと、前後にすべらせた。

「くっ・・・・・」

　温子が小さく咽喉を鳴らした。
　声を上げそうになるのを、必死になって我慢しているらしい。強張った身体が、時折耐え切れなくなるのか、ぶるっ、ぶるっと、小刻みに震えた。

「声を出せたら、楽になれるのにね・・・うふふ」

　涼子は、からかうように温子の耳元で囁くと、さらに愛撫の指使いを凝らした。中指で大きく膨らんだクリトリスを、人差し指でヴァギナを擦る。そして、親指の腹でアナルをこね回していた。

「くっ・・・ああっ・・・・・」

　温子の身体の震えが止まらなくなった。
　その姿は、快感だけでなく、苦痛に耐えているようだった。俯いた顔から耳まで真っ赤に染まり、首筋にびっしりと汗が浮き上がってきていた。

「苦しそうね。楽にしてあげる・・・」

　言うと、涼子は、温子の太腿のあいだから、するっと手を抜いてしまった。

「い、いやっ・・・」

　その手を押さえつけたのは、温子だった。

「も、もっと・・・虐めてぇ・・・・・」

　と、涼子の胸にもたれたまま、囁きかけてくる。

「いかせて欲しいの！？」
「はい・・・」
「私も、そのつもりよ・・・」
「えっ・・・・・！？」
「だから、コレで、ね・・・」

　と言うなり、涼子は、フェイクレザー・パンツのジッパーのあいだから、苦労して勃起したモノを掴みだした。
　反り返った長大なモノは、大きく鰓を張り出した先端をベルトにまで届かせていた。ソレを押し下げるようにして、温子のミニスカートの裾へ潜らせた。

「あっ・・・熱いっ・・・・・」

　充血したペニスが尻に触れたとたんに、温子が背筋を反らせた。自分から迎え入れるように、きゅっと尻を突き出してくる。

「女同士の立ちバックね・・・」

　涼子は、温子の尻の側から、太腿のあいだにペニスを差し込んだ。
　手を離せば、とたんに臍を叩いてしまうほど、激しく反り返っているぐらいだから、先端を差し込めば、あとは手をそえる必要はなかった。温子の尻に下腹部を密着させるまで、深くペニスをすべりこませる。
が、まだ挿入はしなかった。反り返る勢いで、温子の亀裂を軽く圧迫しているだけなのだが、それでも快感は大きかった。
　ねっとりとした蜜に濡れた粘膜のフリルに、かちかちに硬直したペニスの背筋が密着している。充血したペニスが、ずきっ、ずきっと、脈動を伝えるに合わせて、ペニスを巻き込むように開いた粘膜の壁のあいだから、とろっ、とろっと、生あたたかな蜜が染みだしてきていた。

「このまま温子のオ○ンコ、擦ってあげる・・・」

　涼子は、周囲に気付かれないように、電車の揺れに合わせて、小さく腰を前後にゆすり始めた。
　男性が言うところの、素股のような恰好だった。
　ぬるっ、ぬるっと、長大なペニスで温子の亀裂を前後に擦る。粘膜のフリルが形を歪めて、ペニスに吸い付いてくるようだった。硬い毛質の茂みが蜜に粘ついて、ざらざらとペニスを刺激するのまでが気持ちいい。

「くううっ・・・」

　温子が唇を噛んだ。
　背後に回していた両手で、涼子のスプリング・コートをぎゅっと掴んでいた。
　ベッドならシーツを鷲掴みにしているところだろう。

「もう・・・入れて下さい・・・・・

　と、微かにうめいた。

「もう、焦らさないで・・・・・」
「そうね・・・」

　涼子は、温子の言葉に頷いた。
　ここで大声を上げられたりしたら、涼子だって困る。それに、涼子も、もう入れたくて堪らなかった。
　ぢゅぶっと、秘孔の入り口に亀頭が食い込む。その締め付けてくる感触を愉しみながら、さらに腰を跳ね上げて、ペニスを押し進めた。

　でゅぶるっ・・・！！

　と、慌てずに、だが立ち止まらずに、一気に根元まで押し込んでいった。

「んくっ・・・・・！！」

　とたんに、温子がしゃくりあげるように、咽喉を鳴らした。
　心の準備は出来ていた筈だが、それでも驚きがあったようだ。立ったまま、しかも電車の中ということもあり、いつも以上の昂奮と緊張感があるのだろう。
　受け入れたとたん、キュッと、鷲掴みにするように秘孔全体が締まっていた。

「ああっ、凄いっ・・・・・！！」

　涼子は、寄りかかってくる温子の身体を抱き締めて、電車の揺れに合わせて、上下に身体をゆすった。
　もう遠慮なく、ぢゅぶっ、ぢゅぶっと、温子の中心を長大な代物で突きまくった。強い締め付けで擦られて、ペニスの根元に痺れるような快感がはしる。
　下半身の力が抜けて、膝が折れてしまいそうだった。
　温子も、もう立っているのが辛いらしく、目の前のドアに両手を突いて耐えていた。
　先端がこりこりとした子宮の入り口にぶつかる。その刺激で、温子の秘孔全体が痙攣するように締まった。
　互いに、もう限界だった。
　
「くっ・・・くうっ・・・・・！！」

　温子が硬直し、白眼を剥いた。
　イッたのだ。
　受け入れているモノを、さらに奥へ引き込み、射精を促すように、秘孔全体が独立した生き物のように蠕動する。
　静香と、公園で愛し合ったとき以上の刺激だった。

（温子の身体、精液を欲しがってる・・・・・）

　ソレがはっきりと、感じられた。

（ああんっ、私もイッちゃいそうっ・・・・・）

　どくどくっ・・・・・！！

　温子の体内に、思う存分、熱くねっとりとした液体を注ぎ込むと、温子の身体を抱き締めて、息を止める。

　虚脱してもなお、互いの身体を支えあうように、しばらく抱き合ったままでいた。勢いの緩んできたペニスが自然に抜け落ちるのにまかせて、余韻に浸ってしまう二人だった・・・・・。