今日は友子には大切な日である。・・・自分が生まれ、20年目であること。 人が大切に思わなくてはいけない日だろう。 母から今日が特別な日であることは4年も前から何度も聞かされている。 しかし、そこでは「特別な日」であり、誕生20年目であることは形容にされた。 友子は教会において特別な立場であった。 教会内で敬称である、「M」友子と呼ばれる。 友子の母親も同様に「M」が付けられ、神父を含む職員達からも言われていた。 「M」が付けられ呼ばれる信者は18人いる。 いずれも女性であるが、年齢は友子と友子の母親の世代に多い。 16〜40歳程度。43を迎えると基本的に「敬称」は奪われる。 そして、孤児院の院長である前教祖の妻とその中で働く24歳の孤児院出身者、三咲も「M」が使われ呼ばれていた。 当然、彼女には母親はなく、他の職員に同じくらいの歳の娘は多くいたが、何故か彼女だけ「M」が使われる。 いつからか新しい神父が「M」三咲と呼び始めて以来、当然、他の者もそれに続いた。 理由は曖昧なままである。 43歳を超えた段階でこの「M」の呼び方を奪われたものが10名ほどいたが、いずれも普通の家庭の主婦でだった。 その女性に娘がおり、16歳の段階で入信したものは「M」が継承される。 「M」はMotherのMであると教えられていた。信者達も「M」を時々、マザーと発音し彼女らを呼ぶことがある。 現在、「M」の人数構成は16〜19が10名。そして友子が20。後は24の三咲、そして、30〜40が5名。 残りは前の教祖の妻が46歳。ちなみに友子の母は今年40歳になる。 「友子。おはよう。・・・今日なのね。」 「お母さん。おはよう。何、それ。誕生日おめでとうでしょう。しかも二十歳。」 友子の母はそれを聞き、少し黙り込む。 母の名は美子（みこ）。名の通り、今も若々しく美しい。 父親は母をずっと一途に愛していることは普段の生活から明らかだった。 父の事業の成功で裕福な家庭で「女」などでは騒ぎなど起こる事は想像できない。 つまり、幸せな3人家族である。 「友子。16歳の日は覚えている？あなたが教会に入信した日。」 今日、友子は午後5時から教会に行く。 教会から給料を得ている一般事務職が帰る時間の30分後である。 いつもは午前7時半〜午後4時半。 普通の会社と異なり早いのは交代制の孤児院の勤務が連動しているためで不思議ではない。 夜の係りは休憩を数時間挿み、次の日の午前7時半まで交代で勤務する。 午前9時。父親はもう仕事に出ていない。 広いテーブルで向かい合った母がカップに紅茶を注ぐ時、その事を言った時はちょうど4年前の今日。 「覚えているわよ。え〜と、教会へのご奉仕をお約束する日よ。・・・だったかしら？」 その後、4年の間、何ら変わったことはない。 ただ、友子に敬称「M」が付けられ呼ばれる様になった。 そして、高校を卒業し教会の仕事に係わり始める。それ位しか、特別な事は思い浮かばない。 「そうね。M.友子。あの年はちょうど神父様の変わられた年だったわ。」 宗教家としては珍しく、この窓を開いた教祖は短命で人生を終える。この世を4年と3ヶ月前、60歳で去った。友子の頭に厳粛な式典が2,3過ぎる。 「何から伝えれば良いのでしょう。M.友子。」 母はまた、実の娘を教会での敬称を付け名を言った。 友子は何か重要な話をし始めそうな母の口元を見つめる。 「今日はあなたにとって、とても大切な日です。16歳の時お約束した事を実行し始める日。つまり、ご奉仕・・・。」 （そんなこと。当然じゃない。大人になった。だから、責任を持つ。・・・でも、月給が今日で突然2倍になるのね。手取り20万。当然、多くはないけど・・・。） 「M.美子。どうして今日からお給料が倍になるかご存知？」 母の真似をし、教会の呼び方で笑いながら友子は聞いた。 「クスッ。まぁ、いいか。友子しっかり聞きなさい。」 「何よ。お母さんが変に改まるから。」 「いいわ。聞きたい事は先に全部聞いてくださいな。」 「そうねぇ。う〜ん。・・・その改まった言い方の原因。」 母が困った顔をする。話の急所なのかも知れない。 友子は午後2時、髪を美容室でセットし教会への身支度を整えようとしていた。 今日の不吉な色、緑など一切ない。 母が準備していた服である。 シルクの白と黒。ただし、圧倒的に白が多い。 友子は午前中の母との会話を思い出しながら準備をしている。 「友子。良く聞きなさい。あなたは今日から教会での私の順列を追い抜きます。つまり、地位が上になるの。」 （・・・地位など聞いたことがないけど。それはあるわよね。お給料貰っているのだし。沢村さん（事務長）なんかもいるのだから。やっぱり教会ね。今まで考えたことがなかったわ。） 「そうなの。でも、お母さんって、教会で何していたの？信者ではあるけど、仕事はしてない・・・。でも、M.美子か。」 「私はあなたが16になった時から今日まで、あなたの代わりをしていたの。もっとも、それ以前も何もしていないと言うことはないけど・・・。あなたは生まれた時からMを授けられる運命だったから、私よりずっと偉かったのよ。M.友子。」 また、娘を「敬称」で呼んだ。 もっとも、今度は笑みがこぼれていたが。 「教会の運営者の立場にあなたはなるの。わかるかしら。一番の方は当然、神父様ね。次が・・・難しいけど、前の神父様の奥様もほぼ対等。そして、3人の選ばれた信者で作られている運営局と言うものがあって、その5人の方が実質的に教会の運営を行っているの。わかる？」 「まさか、その3人にお母さんが入っていたの？」 「入っているわけないでしょう。あなたはその3人の顔もほとんど、ご存知ないわ。その下にM局と言うものがあって、それが5名。これは18名のMと呼ばれる信者の方がいるでしょう。そこから3名と職員2名の5名よ。実はあなたは5名の中の筆頭、つまり教会の顔とも言うべき人なの。」 「えっ。」 「少しは驚いた。お母さんがあなたの代わりを4年もしていたの。そして、職員ではない残りの13名は・・・そうねぇ、こう言ってはなんだけど、M局で「選ばれた」5名の女中さんの様なものかしら。私はそこに今日から戻ります。おわかり、M.友子。」 （びっくりするなぁ。でも、一体何をするの。何もできないよぉ。） それに母が答えた。 「たぶん、神父様の身の回りのお世話が最初の仕事になるわ。それを私も4年したから。」 （神父様のお世話？身の回り？えっ、何？） 友子の顔が赤くなる。母が教会の用事で夜いないことは1ヶ月に2,3度ではない。 当然、孤児院の手伝いをしているものと思っていたが、確かに今、母は口にした。 （4年も・・・神父様の・・・身の回りのお世話をした・・・。） 友子はその後、黙って母の話を聞いた。 運営局の3人は全て男性で、地元の信用金庫頭取、有力企業の副社長、県庁の某局長。 M局の残りの4名は全て顔を知っている。 「三咲さんには気をつけてね。」ボソッと母が言い、イヤなら辞めるのは早いうちとも言われた。 三咲も「選ばれた5名」の一員らしい。 友子は女の直感を持った。 （女であることが利用されている。信者の母が自分の信じる道標（宗教）を辞めろ、と言うだろうか。暗く、汚い世界。母は言わざる得なかった。実の娘だから。そして、その選択を友子にさすがため4年「耐えた。」・・・父を裏切った・・・。） しかし、母には言えない。 母の顔に少しの安堵が見えた。 何も言えない。当然、批判もできない。 友子は準備は終えかけている。 「でもね。それだけではないのよ。私はあなたと神父様が結ばれると思っているわ。」 母が告げたその時、最後の言葉。 友子は当然、神父が嫌いではない。尊敬している。 でも、母の言葉を全て整理し、深く想像までしてみれば・・・。 母も今日は教会に友子に付き添う。 それは初めて聞いたが、オカシナ話ではない。序列を入れ代える儀式でもあるのだろう。 美子は赤い血のような色のドレスを身に纏い、友子の準備をリビングで待っていた。 友子は処女を強調する白が多くを占め、黒のアクセントのあるシルクを羽織っている。 2人は午後4時、同じ白い帽子を最後に身に付け、教会へ向かう。 誰もが振り返る美しい淑女が2人。果たして母と娘だとその全てが思うだろうか。 赤い服の美子は何度か歩のスピードを落とし、娘を前に置き、その後姿を確かめた。 （もしかしたら、今日、この娘と淫らな契りを結ばされる。） 淫ら以上の状況と行為が幾つも頭の中を旋回し地に落ちる。そして再び、白い女体が2つ絡まっている光景を脳が映し出す。 「淫らな血。この娘にも流れている。・・・受け入れてしまう。2人とも・・・。」 美子は口に出したが、ずっと考え事を続けている友子の足取りは一定だった。 友子と美子は正面門で神父の出迎えを受けた。 神父は聖職衣を着替え、ダークグレーのスーツを着ている。 神父個人の部屋に入ったのは、友子は初めてのことだった。 明かりは夕方にも係わらず、多くのステンドグラスが採光し、まだ電灯は必要ない。 部屋の広さは10m×10mほど。 ゆったりとした黒皮の椅子を持つ木目調のデスクと友子の事務机では比べ物にならない。 書物の数も数え切れない。 「M.美子、M.友子。まぁ、くつろいで下さい。紅茶ですか？それともコーヒー？」 神父は今年30のはずだが、余裕ある態度は友子を圧倒する。 （ここにお母さんはいつも・・・。） 美子は顔が上げられないほど緊張しているらしい。 「神父様。お言葉に甘えて紅茶を。」友子が答えた。 「M.美子もそれで良いね。」美子に返事はない。 神父は3つのカップに紅茶を注ぎ、冷蔵庫にあったレモンのスライスを受け皿に添え、運んできた。 「お砂糖はご自由に。」 神父が目をやった先にはグラスに入った数本のスティックタイプの砂糖がある。 しかし、3人とも砂糖は使わなかった。 「さて、美子。お話はM.友子にして頂けましたか？」 神父はいつもの様に優しい声で言ったが「M」の敬称は外された。 「は、はい。一通りはご説明致しました。」 「そうですか。具体的には？」 母が娘に敬語を使った内容は極自然にされた。 「は、はい。M.友子と私の序列が変わること、私がM.友子に代わって神父様の「身の回り」のお世話を4年間させて頂いたこと・・・などです。」 「もっと、具体的に。」 「そ、それ以上は・・・。」 「駄目ではないですか。」神父の声は叱責と取れる大きなもの。 「も、申し訳ございません。」母が机に頭が付くほど平謝りする。 机が無ければ土下座でもしそうな様子だった。 「M.友子。大分、説明不足があった様です。直接、私が伺います。あなたは教会に全てを捧げることができますか？」 「・・・はい、神父様。」 正直、その言葉に（できるだろうか・・・。）の考えが頭を過ぎった。 しかし、それは長い時間、友子を侵食した内容が承諾させる。 「M.友子。あなたは私の妻になる最有力の方です。」 「えっ。」 「ご存知ないのですか。」 少し聞いた。しかし、そこまで正確な事としては母から聞かされてはいない。 「美子は身体しか使い物にならない。」 吐き捨てる様に言った神父の言葉は、今日午前中聞いた身の回りの世話が女と男の関係であることを立証し、神父が母を玩具にしていた事を物語っていた。 「申し訳ありません。神父様。」 美子がそれを聞き、また謝罪する。友子にはもうわからない。 母と神父がどういう関係だったのか。 「Mは省略します。友子は私の妻になりますか。今日は私事です。従って、運営局の誰もおりません。もし、答えがNoなら友子は帰って頂いて結構です。・・・。」 そこで神父は一度、口を閉じた。 （神父様は教会において絶対。私は逆らえない。Noは許されない。・・・母の望みでもあったはず。・・・当然、私は神父様を嫌いではない。でも、突然すぎて、そんなこと・・・。） 「これは決まっていた事です。はっきり言いましょう。」 「言わないで神父様。」母が突然叫んだ。 「美子。これは教会の決まりであり、それを私が口にする。つまり絶対です。あなたは何ですか。」 「・・・、・・・美子は運営局の皆様の慰み者です。」 「もう良いでしょう。いつもの通りになりなさい。」 （慰み者・・・。・・・何？神父様だけではなく、運営局の3人にも・・・。お母さん。） 美子は徐々に仮面が取られていく。 やがて、神父の横に静々と近づき横に立った。 「さて、友子。美子が言わないで欲しいと望んだ事、これは新たには言いません。私は命じる事が可能です。あなたは美子の様に全て私に委ねなくてはいけません。Noではない限り。美子はMを持つものです。・・・母親であっても気にする必要はありません。」 神父は続ける。 「あなたはこの教会の実質No.2の人。No.3以下の人にあなたは「命じる」権限を持ちます。ただし、Mを持った女性のみですが。・・・さて、答えを聞きましょう。」 美子の赤い服は既に床に落ちている。 下着のみとなり、まるで友子の存在は無いかの様に自然とブラが取られ、パンティーも下ろした。 真っ裸の成熟した白い女体。 美子は更に手を床に付き、4足となり神父の方に尻を向ける。 神父には少し顔を横にすれば、美子の全てが見て取れた。 「綺麗なもんだ。」 「ハァ〜。」スルッと手で撫でられた尻の割れ目からの快感を美子が示す。 「こんな・・・。無体過ぎます。」神父への友子の非難。 「もう一度言います。Noなら帰って頂いて結構です。私の行為は美子には絶対なのです。彼女はそれを理解しここにいます。・・・それだけではないでしょうが。」 「1つ、いや2つ伺ってよろしいでしょうか。」 「わかっていませんね。・・・まぁ、良いでしょう。どうぞ。」 「し、神父様は私を愛しているのですか。」 「ハッ、ハッ、難しい質問です。私は神父ですから、全ての人を愛しています。では、駄目でしょうね。あなたの立場を何度か言いました。つまり、No.2である、とです。No.3、No.4もいるわけです。その多くのMは全て美子のように甘受します。あなたもそうなります。少し見当違いの質問ですので、これでよろしいですか。」 （つまり、ここに居ればお母さんのようになるから、質問には答えない。・・・No.3は三咲さんだろうか。あの人もこんな・・・。女ってみんなそうなの。・・・三咲さんは上の順位を望んで、身体を神父様に捧げた。だから、お母さんは気をつけろと・・・。） 「私は神父様だけに・・・その・・・愛されるのですか。」 「聞きたいことはわかりました。Mとはマリアのことです。つまり聖母。全ての方から愛される存在。ただ、私の妻であれば一定の範囲で私の独占物です。」 （独占・・・物。私は物じゃない。・・・でも、教会から離れることはできない。祈る事が無駄なんて今更、考えられない。・・・No,2の方が得。母も望んでいる。・・・三咲さんは何を望んだの。） 美子のアナルからヴァギナにかけて、神父のしなやかな指が往復している。 「ミコノオマ○コ、モット、モット・・・。」 あの母の声だろうか。目の前に娘がいることを知っていて、更に快感をねだる声は母のものなのか。 手の動きに合わせ、母の腰が大きくグラインドしている。真実が友子の意識に働きかける。 （女って、こんなものなの・・・。） 「神父様、わかりました。Yesです。」 「おめでとう。M.友子。あなたの成長を見守っていた私、運営局、そして、誰よりもこの美子が今の返事を歓迎しています。あなたは聖母になるでしょう。」 ソファを立った神父が部屋の電灯を点け、2冊の本を手にし、戻ってきた。友子も見たことがあるものである。 「友子、約束は絶対です。それは真実に等しい。わかりますね。」 「・・・はい。神父様。」 裸の母親が再び、神父の手で花唇を弄ばれている異常な状況での会話だった。 しかも、娘が神父の妻となる約束を交わした。友子の承諾が安堵に変わり、いつも以上の声を上げている。それは神父のみが知っていたが。 「アァ〜。モットハゲシクシテェ〜。ハヤク、トモコトイッショニ、ミダラナオヤコヲドレイニシテェ〜〜。」言う必要のない事まで美子は叫んだ。 「美子。黙りなさい。お前は友子の母親でありながら、奴隷になる。それが願いだったんだな。物事には順序がある。」 「ト、トモコノドレイ、ヒィ〜。」 神父の手が美子のクリトリスをヒネリ上げ、それ以後は声にならなかった。 「友子。お前の母親、私の母親にもなる訳だが、美子はこんな女だ。・・・あなたはその血を受け継いでいる。そして・・・。まぁ、良い。話を進めよう。」 友子は何を神父から言われようと声が出せない。 女性として完成されたものを持っていたはずの母の本性に何かを見た気がする。 友子の下半身が少しずつ、愛液を吐き出し始めている事もわかった。 神父の話を自分自身と最も信頼できる母が裏づけいる。 もう、何が自分の理性を抑制できるのかわからない。もし、あれば目の前にいる神父、つまり未来の夫であろうか。 「この本だが、一冊は白紙だ。もう一冊は私たちの拠り所。即ち、聖書の一節。あなたも見たことがあるだろう。これには男と女の性についてのものだ。ただし、Mと呼ばれる20歳以上の女性と私、そして運営局の3人しか見ることができない。友子はきっと美子が手書きで書き写している光景を見たことがあるな。」 「は、はい。」少しずつ神父の口調が乱暴になっていくが、それは今の友子には大した問題ではない。 「つまり、こちらは美子が書き写したもの。Mの敬称を持つ母親は全て3年に一度、この作業を行う。20歳になったあなたも今日から。」 優に150ページはある緻密な文字。1日1ページはとても無理だろう。一行目に友子が目を向ける。 「Mとは男の性的奴隷となる資質を有した女に与えられる。」 マザーもマリアも、マゾヒストもMが頭文字。 この教会のMの敬称はマゾヒストを指す内容。 冒頭にはMが普通の女より、あらゆる面で優れていることが書かれてあった。 その理由には「受精しやすい。」「その機会が多い。」などが上げられている。女は受精、つまり、男の性を受け入れることが本来求められる。それに適ったMが優れている・・・。 いかにも宗教書らしく非科学的であるが、男の下に女がいる事は当然であり、その女の中でMは幸福に手が届きやすい存在であることが長々と記されていた。 Mの定義は明確である。単に男の奴隷であることを認めた女、である。 項目「生活」の中では、Mの挨拶など詳細に記されている。 「Mは支配層の男と午後7時以後、2人のみで出会った場合、膝を付き足に接吻すること。靴、素足は問わない。」 「性的交渉」には友子には信じられないことが幾つも記されていた。 「4、8、21、52、53を読みなさい。」神父が友子に命じる。 ついでかの様に美子にも同様を命じた。 「4. Mは性的交渉の前、裸でベッド、布団（或いは、支配層の望む場所）において、女である場所を自らの力で可能な限り拡げ、女を証明する子宮にできるだけ近い部分を支配層に晒し、次の命令を待つこと。」 「8. Mは支配層と共にいるベッド等では、支配層の排尿を自らに吸収し処理すること。支配層の排便に関しては取り決めを行い、それに照らし実行すること。」 「21. Mは支配層（例えば、夫）通しの取り決めが何時、いかなる場合に行われても、それを厳守し、その心、身体の移譲（長期・短期に関わらず）を許容すること。」 「52．Mは基本的に独立したものであり1人の人間である。と同時にMは支配層の基で人間以下である。」 「53．52の記載より支配層がその支配の範疇にあるものと性交を要求した場合、異議を唱えないこと。」 友子は何度か、声を詰まらせ読むのに対し、暗証できるほど読み書きしている美子は一字も違えず、友子の消えそうな声をフォローした。 「友子。序列については何度か言った。あなたは2位。1位は誰だ。」 「神父様です。」 「そうだ、友子。あなたの支配者は私、唯一の支配者だ。そこの絨毯をベッドとしよう。4．を行いなさい。」 フラフラと立ち上がった友子は服を脱ごうとする。 卵の白身の様な裸体はすぐに出来上がった。そのまま絨毯に向かおうとする。 「友子。挨拶を忘れている。」 （・・・挨拶。足に接吻。） 神父の座るソファ近づき、這い蹲り神父の白い綿のスリッパに2回ずつキスをした。 何故か、甘い気持ちが友子に押し寄せる。 （私の支配者。神父様。・・・夫。） 教会だというのに結婚式が行われず、1人の新婦が生まれた。 その新婦は聖母であり、淫らな血を持つ性奴隷。 友子の美子に似た美貌は処女でありながら、支配者の性を全て受け入れる事を当然とし、教会でのポジションを明確に理解した。 （私はマリア。全てを受け入れる。人の罪、欲、差別、戦争・・・。人の罪を全て許し微笑む。） 再び絨毯に向かい、20歳の身体は当然の様に支配者へヴァギナを晒す方向に寝転んだ。 「美子。手伝いなさい。支配者のため私のヴァギナをあなたの手で拡げなさい。」 友子が初めて、「母」に命じる。 友子は両肘を立て、Ｍ字に足を大きく開いていたが、手は動かす意思が無いかの様に身体の横にだらりと伸ばしている。自分の言葉のみで片付く事は、「母」でも同じであることが既にわかっていた。 這って近づいた美子が言った。 「M.友子。ご命令どおりに。失礼致します。」 母親の手が娘のヴァギナを開き、最も神聖な者の目に映るようにする。 友子は虚空を見つめ、微動もしないが、美子がその全ての羞恥心を引き受けたかの様に大きく震え続けた。 （娘の「女」を拡げている。なんて恥知らずな母親。でも、・・・これだけでは終わらない。） 神父には新妻の姿勢・行為が好ましい。 （わずか80%人。しかし、いずれはその10倍。いや、1000倍の信者持つ教会の「マリア」に相応しい。） 「友子。いや、美子。濡れているか。」 「は、はい。神父様。い、いつでもご使用頂けます。」 「そうか。お前と同じだな。しかし、それは結婚式の後でも良いだろう。友子がお前と同じ奴隷になった後でも。」 友子は何の反論もしない。 一方が支配者であれば、もう一方は妻、マリアであれ、極端に言えば奴隷であろう。 そして、神父が結婚を口にし、それまで友子を抱かないと言った事が重要でうれしい。 友子はまだ少し誤解しているが、その表情を見た神父は例え何が起ころうと自分に従う美子との血の繋がりを未来の妻に見つけた。 「2人ともこっちに来い。」 神父の命令口調に友子は何を隠すでもなく、前に正座し、美子は深く頭を下げ並ぶ。もう、2人の序列は完全にできあがっていた。 「友子。」 「はい、神父様。」 「8．を行う。」美子には飲尿、食便は普通の事で、既に取り決めがあったが、友子にはまだない。 「友子。8.の意味がわかるか。」 「申し訳ありません。良くはわかりませんが・・・しかし、何となくは。」 「そうか。美子の娘だ。きっとその想像は当たっているだろう。しかし、これは後回しにしよう。じゃぁ、最後だな。52.53.はどうだ。」 「神父様。申します。例えば、神父様のご命令に何時、如何なる場所、どのような内容にも従わなければいけない。・・・そう、書かれているものと・・・。」 「まったくその通りだ。美子。友子とキスをしろ。」友子の返事に間髪入れず、神父が命じた。 （あぁ、やはり・・・。神父様は言われていた事をするおつもり・・・。） 背徳的で狂気の官能の火が美子の中で音を立て燃え上がる。 （20年間、育てた娘と肉の交わりを行わなければいけない。そして、その処女を奪うのは結婚を控えた男ではなく実の母。しかも、自分の息子となる男に命令にされ、その目の前で・・・。） 美子の頭が何度か「支配者」に言われた、娘を差し出す手順を思い出す。 （・・・そのオシッコは私の口がいつも便器の代わりとなる。・・・神父様のものはもう友子のもので私にはくださらない。後は運営局の様々な性欲を満たす牝奴隷。・・・奥の部屋にいる家畜と同じにされる。・・・奥様と同じ、生かされている玩具。） 美子は先代の妻の「世話」をしていた。ただし、それに取って代わり、やがて美子がその立場になる。 ただ、生かされていた女は用済みで結婚式の肉料理の一品に先代の言いつけ通りされるに違いない。 それすら、Mのトップは今、望んでいる。 いや、待ち焦がれており、誰かに口にされる度、淫液を溢れさせるM（マゾヒスト）だった。 （もう、主人とは・・・。） 美子は40だが、神父の支配下にあって若干の手心が加えられたがそんな事はもう望めない。先代の妻と同様に美子は「特別な処置」でMの期間以後、拘束されるだろう。 美子は先代の妻同様に支配層に従属した女の中では抜群の美貌も持っている。 そのため、神父の世話係となり、娘を後継のMトップにさせることができた。 しかし、それは彼女自身の価値全てと引き換えと言える。そして、彼女にも先代の妻と同様のある種の厭世観が生まれつつあった。 （もう死ぬまで・・・。責め殺されるまで、私は壊されていく。焼印、鼻輪、刺青、・・・奥様の様に足を奪われた生活。） すーと、美子の瞳から涙が落ちたが、下半身には違う液体が足をつたった。 |
| 2012.5.2掲載 |
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