第２章
　
　最初はその広さと豪華さに圧倒された浴室も、今ではすっかり慣れてしまった。理保は和田の服を脱がしてやった後、自分も裸になり、浴室のヒンヤリとした床に足を踏み入れた。シャワーでお湯の温度を調節してから、まずは丁寧に和田の身体を洗う。締まりのない無様な身体だが、異常なほどに肌艶は良く不潔でないのが救いである。その間に和田の手は理保の乳ていると、いきなり和田が両手で理保の頭を押さえて肉棒をさらに喉奥へ突き刺すように腰を動かす。そろそろという合図だ。
「んっ！んふぅ！･･･んっ！！！」
　分かっていても射精される時はいつもむせてしまう。口内への射精と飲み込む行為に対するオプション料金をもらっているため、吐き出すことは許されない。射精されたものを飲み込み、熱を帯びた肉棒をしっかりと綺麗に舐めてからようやく口が解放される。
「ぷはぁ！はぁ！はぁ･･･はぁ」
　水中から浮き出た時のように理保は喘ぐ。すっかり気持ちよくなった和田は呼吸が整わない理保をクッションが効いたフカフカのベッドの上に運び上げ、四つん這いにさせて背後からローターでクリトリスを刺激し始める。
「あんっ！」
　今夜はまだマシな方だ。彼の気分次第ではフェラチオの最中にバイブを膣内に挿入され、フェラチオが終わったと同時に問答無用で犯されることもあるのだ。
「あっ、あっ･･･あんっ！」
　理保の身体は全身性感帯と思われるほど刺激に弱い。誰もがうらやむようなEカップの美乳、しっかりとくびれたウエスト、綺麗なヒップラインという完璧なスペックの代償なのだろうか。
「イクッ！また、イッちゃうぅ！！！」
　リズミカルなローターの振動に耐えきれずクリトリスでイってしまうと今度は和田の指が愛液で潤っている膣内へ滑り込む。
「相変わらずグチュグチュだよね、理保ちゃんは」
「そ、そんなこと言わないでください。あんっ！激しい！」
　和田は敏感なスポットを激しく擦りつけ、またもすぐに理保を絶頂させると、理保を四つん這いの格好にさせたまま、背後からズッポリと自慢の巨根を埋め込んだ。
「あひっ！！！」
　理保は叫び声を上げた。何度くわえ込んでも、最初の一撃の辛さは変わらない。入店当初、彼に初めて指名された夜は彼に挿入された瞬間にイってしまい、泣いてしまったほどだ。店のルールで本番行為は固く禁止されているのだが、和田だけは特別に見逃されている。彼に指名される度に理保は店長に特別手当をもらった上で覚悟をして臨むのだがあまりの破壊力に抵抗すらできずに屈してしまう。今も遠のく意識の中で必死に力を込め、膣内の刺激に耐えようとするが、ピストン運動が始まると四つん這いの姿勢を保つだけでも精一杯となってしまう。
「イクッ！！イクッ！！！」
　いつしか涙を流しながら、理保は喘ぎ、叫ぶ。
「ほらっ、もっと締めて！」
「はいっ！あっ、あっ！くぅ！！！」
　性行為中に和田は何度も『締めろ』と要求する。その度に理保は無我夢中に膣内に力を入れるのだが、それを押し広げるような強烈な巨根の動きに為す術なく敗北してしまう。
「締めて！もっと！」
「･･･はひっ･･･はっ、はいっ！」
　何度もこれを繰り返しているうちに自分は陵辱されているのだという気持ちが増幅され、恥ずかしさと悔しさ、そしてこんな時でも身体は性的な快楽に浸ってしまっているのだという無念さに支配されるのだ。それを知ってか知らずか和田は『締めろ』と叫びながらひたすら腰を振り、肉体的にも精神的にも理保を追い込んでゆく。
（もうだめぇ･･･もうっ･･･）
　心の中でも理保は涙を流す。いつもこれだ。あまりに無慈悲な責めを受けて弱い自分が心の中を支配してしまう。
（おかしくなっちゃう。アソコが壊れちゃう！）
　理保のミニスカート姿に欲情しているのか、いつもよりもセックスが激しい気がした。
「もうだめぇ！！お願い、もうっ･･･許してぇ！！！」
　自分でもこんなに大きな声が出るなんて驚きである。狂ったように身体をよじり、叫ぶ。が、後で和田に聞いてみるとそれほど大きな声ではないようだ。とにかく理保は彼の為すがままに犯され続け、どうにもならない自分の身体に恐怖を感じながら、嵐が通り過ぎるのを必死に待ち続ける。
「イクッ！！！」
　あらん限りの力を込めて背中を仰け反らす。いつの間にか背面騎乗位の体勢になっていて、背中を反らした弾みで彼のモノが外れ、彼女は仰向けの彼の上に背中から落ちた。
「あ･･･あぁ･･･」
　声が出ない理保を下ろして和田は立ち上がった。
「ちょっと休憩しようか、理保ちゃん」
　朦朧とする意識の中で理保は小さく頷いた。無意識に壁時計を眺める。２２時１０分。半分も終わっていない。あと１時間５０分も残っている。