２.西へ・・・

　卒業式を待たずに翔は旅に出ることにした。
　卒業証書は、翔が旅から戻るまで、佳那に預かってもらうことになった。
「佳那先生があんなに大胆で、あんなに乱れるなんて・・・女性って、不思議だな〜」
　翔は初めての経験を思い出しながら西へ向かう夜行に乗った。
「お金があれば、トワイライトエクスプレスに乗って・・・なんて、カッコよくきめるのかもしれないが、今の僕じゃあ、この寝台車が似合ってる」
　初めての旅・・・翔は、自分がこれからどんな人に出会うのか、どんなことがｂﾋ、また、逢えるといいわね・・・」
　少し前まで話しが弾んでいた空気とは異なり、重苦しい空気が流れていた。
「そうだよ！また、どこかで逢えるさ！だから・・・今を大切にしよう〜この時を」
　翔は努めて明るく言った。
「そうね！でも・・・翔は、すぐにわたしなんか忘れるでしょうね？」
「そんなことないよ！杏子のような可愛いくて素敵な女性を、忘れる訳が無い！」
「ホント？じゃぁ、証明して見せて〜」
　翔は杏子の両肩を掴み引き寄せて、愛らしい口唇に軽くキスをした。

　夜行列車の走る音が寝静まった車内に響いていた。
　翔と杏子は、まるで絵画のように軽く口唇を合わせたまま、動かなかった。
「証明してって言ったのは、こういうことじゃなかったのに・・・」
　杏子が止まった時間を現実に引き戻した。
「ごめん・・・口であれこれ約束事を並べるより、杏子のすべてで感じて欲しかった。僕の君と再会したいという熱い想いを、５感で感じて欲しかった・・・僕の性的な欲求で君にキスした訳じゃないんだ。 杏子自身のステップアップにしてほしいと思って・・・」
「翔・・・わたしって、子供みたいでしょ？ちっとも色っぽくないし、魅力もないわ。そんなわたしのどこが良くてキスしたの？単純な男の生理現象なの？」
「杏子、君は僕をそんな風に見てたのかい？・・・それじゃあ、正直に言おう〜君は確かに一見可愛い・・・だから子供っぽく見え、歳相応には見えないかも・・・でも、こうして同じ空間、同じ時間を共有して、お互いに気取らず話しをしてて、正直な印象は・・・・、杏子は素敵な女性だって感じたよ〜それだけ・・・だよ」
「どういうこと？良く分からないわ〜」
「つまり、ありのまま・・・ありのままの杏子を杏子自身が受け容れればいい・・・・・、そうすれば、今、僕が感じている以上に、魅力が出てくると思うよ。
杏子は、自分で自分を縛って、固定的になりすぎてるような気がするよ・・・。
今の自分が感じている自分から脱皮したいのなら、固い殻を破らなきゃ〜」
「・・・・・・そうかもしれない・・。大学でグループ交際してても、何故か引いちゃう。どうせ、子供扱いされるに決まってる、って思っちゃって・・・いじけてるなぁ〜・・・翔は鋭いわ〜なんか、いっぱい服を着てても、見透かされてるみたい・・・」
　翔は立ち上がって車窓から外を眺め、大きく息を吸った。
「いいね〜旅って・・・こうして、杏子と出逢い、杏子と語り、杏子を感じる・・・もう、君は大丈夫、自分が見えてきてるから・・・大きく変われるよ〜」
　静かな時が流れ、枕木の音だけが鼓動のように聞こえていた。
「翔・・・わたしを・・・感じて、くれる？」
　翔が振り向くと、そこには小さな三角形の下着だけの姿で杏子が立っていた。
「杏子！？僕は・・・・・・」
「違うの？翔にわたしを感じてもらいたいの！そして・・・それをわたし自身が・・・真っ白な気持ちで受け容れて・・・感じたいの・・・・・」
「杏子・・・きれいだ・・・眩しいぐらいに・・・きれいだよ〜」
「見て！触って！・・・そして、感じて！」
　翔は杏子を抱きかかえ、ベッドに優しく横たえた。
「じゃぁ、僕も杏子にすべて曝け出して見てもらうよ〜」
　杏子が胸を押さえて寝ている傍で、翔はアッと言う間に全裸になった。
「さぁ、杏子、これが僕だ！何も無い、言葉どおり裸の僕だよ！」
　杏子は視線を翔に向けてからすぐに天井に視線を戻した。
「ダメだよ、杏子〜もっと、こころを解放してあげないと・・・ほら、こっちを向いて、しっかり僕を見るんだ！」
　杏子はベッドに座りなおして翔を真正面から見た。
「・・・・・・怖いわ〜」
　翔は先日の自分を思い出していた。
　童貞だった自分を、佳那は優しくリードしてくれて、翔を男にしてくれた。
（もしかしたら、杏子は処女・・・かもしれない）
「怖がることなんか何も無いよ、杏子の素敵な裸を見れば、男は皆こうなるよ〜」
　そう言って、翔はヘソまで届きそうな勢いで起っている肉棒を握って見せた。
「だって、そんなに大きなモノをわたしの中に入れるんでしょ？・・・怖いわ〜」
「そんなことを言ったら、赤ん坊は僕のオチ××ンと比べてるとどうなの？赤ん坊のほうが何倍も大きいのに・・・女性のアソコから、ちゃんと出てくるよ」
「そう・・・そうね・・・そうよね〜わたしったら・・・おかしいわね〜フフフッ・・・」
「気持ちを開放して・・・身体の余分な力も抜いて・・・僕を受け容れて・・・杏子〜」
　乳房を隠していた両手を広げ、杏子に再び口づけをして仰向けに寝せた。
　気持ちを解すように杏子の口唇を何度も舐めて、固さが取れていくのを待った。

　杏子の固さが解れてきたのを確認すると、翔はゴムまりのような弾力に富んだ乳房を、舌と手のひら、指で丁寧に愛撫し始めた。
「あっ、あ、あ、あ、あ、あ・・・・・・あぅっ・・うっわぁっ・・・あんっ・・あんっ・・はぁ〜」
　翔には杏子の喘ぐような声が、本当に快感を感じている声なのかどうか分からなかった。
　時折、眉間に皺を寄せ、息も苦しそうに発する杏子を見ながら、翔は妙に興奮していた。
　乳房から臍のラインを下ると、白い小さな布切れが杏子の一部分を覆っていた。
　ふくよかな太股の付け根からへその下までを隠している布が透けて、黒っぽいこんもりとした丘があった。
　翔は、その丘を手のひらで転がすように撫で、時々、太股の付け根まで指で擦った。
「あぁぁああああ、あうっ・・いぃ・・・ふぅっ・・・あぁ・・・・・」
　杏子の太股が少しずつ開いていき、それにあわせて翔は、中指を丘の下に滑らせた。
　白い布のその部分だけが指に湿り気を伝えてきた。
（うわぁ〜ぐっしょり濡れてるよ・・・やっぱり、気持ちがいいんだな・・・）
　翔は濡れてる部分の中央を縦に何度も擦り続けた。
「あっぅぅううううっ、っ・・・はぁあ、ぅうっ・・あぁん・・・あぅ・・あっあぁ〜っ・・・」
　杏子は自分がどんな声を発してるかなど、意識の外のことだった。
　なぞる中指を横にずらし、布切れの端から中に潜らせると、蜜が溢れるワレメだった。
「うわっ、ぁぁ・・・ぁあああ〜〜ぁあぅっ、っ・・・・・っあぁああああ〜〜〜」
　杏子の両側の腰から白い布切れをゆっくり太股の下まで脱がせていった。
　少し大目の茂みが濡れて光っていた。
　翔は杏子の太股の間に割って入り、泉の中心を覗き込んだ。
（わぁ〜佳那先生とは全く違うなぁ〜・・・・ワレメの両側まで毛が生えてる〜）
　黒々した毛を左右に分け、ワレメを押し広げると、佳那と同様の姿が目に映った。
（中は同じような感じなんだ・・・そうすると、感じる場所も同じようなもんかなぁ〜？佳那先生のは外から見るときれいだったけど、杏子のはイヤらしい感じだなぁ〜）
　毛が生えてるかどうかで全く心象が変わるものなんだと、翔はひとりで納得していた。
　押し広げた上のほうにある豆を舐めながら、翔は中指を壷に挿入した。
「あっ・・・あっぁあああっ〜、ぅぅっ、っぅううううっ、ぁあああ〜〜〜」
　思ったとおり、入り口は窮屈な感じだったが、中が結構、自由に指を動かせた。
　指を下に折り曲げ、奥や入り口を押してみる・・・。
　続けて、一番奥の壁を突っつくようにして、今度は上に折り曲げ擦ってみた。
「あぅぁあああっ、・・・あっふぅ〜、・・・あっ、あ、あ、あ、ぁああああ〜〜〜〜」
　杏子の反応が顕著になってきた。
　翔は指の疲れも忘れ、必死に擦り続けた。
「あっ、っ・・・ぅ、あっ、ぁぁあああぅ・・・あぁぐぅっ、・・・・・・あっいっいぃ〜〜〜」
　翔は我慢が出来ず、小さなベッドの上で杏子の身体を折り曲げ、肉棒を挿入した。
「ぐっ、っあっつ・・・い、いたぁ・・ぃ〜・・・・・・っぁああぅっ・・・あぁ〜はぁうぅ〜〜」
　翔は少し痛そうな声を出した杏子を気遣うように、奥まで入れた肉棒をゆっくり動かした。
　きつく締め付ける蜜が溢れる壷は、次第に弛緩を繰り返し、肉棒を味わいだしていた。
「あぁん、あぁ〜ん、あん、あん・・・あぅ、ぅぅぅ・・・ぅあっ・・・ああぁ〜いぃ〜っ・・・」
　杏子が悶える様子を見て、翔は少し早く腰を送り、杏子のアクメを促した。
「あっ、あっ、あっ・・・うっ、っわぁあああああ〜〜〜っ、ッイ・・イッ、くぅうう〜〜っ」
「あぁ〜杏子〜〜〜僕も・・・イッくぅうっ・・・・・・っあぁ〜・・・あっぅ、ぁっうぁあぁ〜〜」
　翔の身体がぐったりと杏子の身体の上に倒れ、ふたりの荒い呼吸だけが聞こえていた。
「杏子・・・素敵だったね！」
「あぁん・・・翔って、優しいんだぁ・・・」
　ふたりは互いを心に刻むように口付けを交わし、見つめ合っていた・・・。

　車窓の景色が明るい朝陽に照らし出されそうな時刻になって、ふたりは自分の席に戻った。
　広島、岡山を過ぎ、山口に着いた時、翔は終着駅を待たずして途中下車した。
　杏子は窓越しに翔に手を振り、別れを告げていた。
（これで、いいんだ・・・最後まで一緒だと、離れられなくなる・・・これでいいんだ）
　翔は自分に言い聞かせながらホームを後にした。