３.途中下車

　山口では秋吉台で観光気分に浸り、徳山から下関までなんとか行き着いた。
　下関で門司の方へ向かおうとした時、翔は愕然とした。
　何と財布を落としたのだ。
　関門橋でレトロな気分に・・・などと思っていたのが、路頭に迷うことになってしまった。
　仕方がないので、下関の市内をバイトを探して歩いてまわった。
（今日のご飯を食べられる所じゃないと・・・）
　小さな食堂の窓ガラスに『バイト求む』の張り紙があった。
　翔はとにかく何でもいいからと思い、暖簾をくぐって中に入った。
「いらっしゃ〜い」
「いえ、あのぉ〜表のバイトの張り紙を見て・・・」
「何だ、バイトかぁ〜まぁ、いいや、それで、いつから働けるんだ？」
　店主らしい、いかにも食堂の親父さんといった風情の男が出てきた。
「あのぉ〜今日からでいいんですが・・・、住み込みは出来ませんか？」
「何だ、オマエは流れモンかぁ〜？ふぅ〜ん・・・どこから来たんか？」
「東京から今朝、着きまして・・・秋吉台で財布を落として・・・」
「そりゃ、災難じゃの〜・・・よしっ、じゃぁ、困ろうきに〜今日から働きぃ〜」
「本当ですか？ありがとうございます！」
　翔は２階の３畳間に少しばかりの荷物を置くと、早速、店で厨房に入った。
　厨房には親父さんの他、娘さんらしい女性がいた。
「これが〜わしの娘で陽子じゃ、連れ合いは10年も前に死んでの〜若い男がおったけど、急にいなくなってしもうて・・・・まぁ、仕事はすぐに覚えるじゃろ」
　翔はペコッと頭を下げ挨拶をしたが、娘は知らん顔をしていた。

　翌日から、まるで戦争だった。
　朝の早い時間とお昼時、それから夕方から夜までは、休む間もないほどだった。
　翔は、厨房とホールを出たり入ったりで、閉店の時刻にはクタクタになっていた。
「いやぁ〜アンちゃん、ご苦労さん〜今、飯作ってやるから食ってから寝てくれ」
　まもなく、親父さんが丼を３つと味噌汁を持ってきた。
「どうじゃ？続きそうか？今時の若いもんは、エライ仕事はせんからなぁ〜」
「はぁ・・・疲れました・・・でも、頑張ります！」
　翔は食欲もなくなるほど疲れていたが、食べなきゃ体力が続かないと思った。
「風呂は奥にあるから、わしの後に入るといい」
「でも、娘さんが先に・・・」
「いいイッチャ、こん子は、最後に入って掃除するけん・・・」
「はぁ・・・」
　翔は申し訳ないような気がして娘を見た。
　相変わらず無表情で、黙々と丼を食べていた。
（よく見ると、きれいな顔してる・・・でも、僕は嫌われてるみたいだな）
　食事が終わり、親父さんはすぐに風呂に入り、僕を促して部屋に入った。
（明日も早いから・・・寝るしかないな〜）
　翔は、娘の陽子に挨拶をして、風呂に入った。
　やっと生きた心地がして、お風呂がこんなにいいとは思わなかった。
　風呂から出ると、浴衣が置いてあった。
「すみません・・・これ、お借りしてもいいんですか？」
　陽子は黙って頷いてから、翔と入れ替わった。
（まったく、可愛げのない女だな〜・・・ちょっと、覗いてやるか！）
　疲れていてもスケベ心は元気なようだ。
　ドアに手を掛けたとき、親父さんの呼ぶ声が聞こえ、すぐに止めた。
　翔は慌てて２階の部屋に入り、すぐに寝てしまった。
　翌朝、気になって親父さんに尋ねてみた。
「親父さん、陽子さんは口が不自由なんですか？」
「・・・・・・、あぁ、聾唖じゃないんだが・・・失語症っていうやつじゃ」
「失語症・・・何か強いショックでも？」
「まぁ、そのうちにな・・・」
　その日も、一日忙しく、クタクタになって、すぐに寝た。
　それから・・・10日ほど経ち、やっと仕事にも慣れ、少しは要領を得るようになった。
　気持ちにも余裕が出て、調理も少しずつ覚えるようになった。
　そうすると、依然聞いた陽子の失語症の件が気になって仕方なかった翔は、夜の食後に親父さんに訊いてみた。
「親父さん、もう、話してくれても・・・陽子さんのこと、何があったんですか？」
「う〜ん・・・実はな、オマエさんが来る前に辞めた若い男が居てな・・・そいつが・・・、陽子を襲ったんだ！ナイフで脅して、声を出すと殺すと言われ・・・それからだ、そいつは、翌朝、姿を消したんだが、陽子はそれっきり声が出なくなって・・・」
「そうだったんですか・・・でも、治るんでしょ？」
「医者は、何かきっかけさえあれば・・って言うんだが、特別に治療法もなくて・・・」
「可愛そうに・・・」
「まぁ、気にするなって！」
　その夜、翔はなかなか寝付けず、陽子の失語症のことばかり考えていた。
（何か、手があるはずだ・・・感情まで失ったみたいで・・・）
　いろいろ思いを巡らせたが有効な策を見つけられず寝入ってしまった。

　さらに１週間余り過ぎた頃、アルバイト料が入った。
「思ったより、よくやってくれるので助かるよ、その調子で頼むぞ」
　親父さんに誉められ翔は気をよくしていたが、陽子と視線が合い少し気まずかった。
（そうだ！何か陽子の喜ぶものでも買ってこよう〜）
　大して高いものが買えるわけじゃなかったが、近くの花屋で季節の花とカスミ草を買った。
　店に戻り、忙しい時間が来る前にと思い、陽子の部屋に行った。
「陽子さん、翔だけど・・・開けてもいいかい？」
　ドアを開け中に入ると、陽子はうたた寝をしていた。
（可愛い寝顔だなぁ・・・起きたらすぐ気づくように傍においておこう）
　傍のテーブルに買ってきた花束を置き戻ろうとしたが、陽子が気になって足を止めた。
　ワンピースの胸元から乳房の谷間が見えていた。
（わぁ〜グラマーだな・・・ここんとこ、アッチがご無沙汰だから目の毒だな〜）
　翔は何気なく陽子の乳房に触れてみた。
　陽子の反応は無い。
　翔はドキドキしながらワンピースの裾から手を入れ、太股を摩りながら付け根まで伸ばした。
「うぅ・・・ぅぅうう〜ん・・・」
（ヤバイ！さすがに気づいちゃうな・・・でも、きれいな脚をしてるなぁ〜）
　翔は気づかれないうちに外に出ようと思い、寝ている陽子の口唇にキスをした。
「う、うぅ〜ん・・・」
　陽子が目を覚ます前にどうにか部屋を出て行った。
　お店で掃除や仕込をしている親父さんを手伝っていると、花束を抱えて陽子が現れた。
「おい、どうしたんだい？陽子、その花は？」
　陽子は横に首を振りながら翔を見遣った。
「何だ・・・オマエかぁ〜バイト代が無くなるぞ〜フハハハッ」
　翔は赤くなって照れ笑いをし、陽子を見た。
　いつもより表情が柔らかく嬉しそうな顔をしているように見えた。
（ちょっと悪戯はヤバかったけど、良かった・・・陽子が嬉しそうで〜）
　陽子は花瓶に活けて自分の部屋に戻った。
　その日も夕方から９時過ぎまで休む間もなかったが、陽子が少し明るく見え救われた。
　親父さんが寝てから、ゆっくり風呂に入っていた翔は、ビックリしてしまった。
　陽子が風呂場に入ってきたのだった。
「どうしたの？陽子さん！」
　陽子は背中を流す真似をして見せた。
「花の礼なら、気を遣わなくていいよ〜君が喜んでくれれば・・・」
　陽子はどうしても流したいと言ってるように思えた。
「わ、分かったよ・・・じゃぁ、遠慮なく〜」
　翔は湯船を出てタオルで前を隠し、背中を洗ってもらうことにした。
　陽子は泡立たせたスポンジで丁寧に背中を擦り、翔の前に廻った。
「あっ、いいよ、前は・・・自分で洗うから〜」
　陽子は翔の言葉を無視して、広い胸板から腕まで優しい顔をして洗っていた。
　太股から足の指まで洗い、陽子は納得したような顔でお湯で流した。
「あっ１危ない！」
　陽子が泡で滑り洗面器のお湯を自分で被ってしまった。
「大丈夫か？」
　陽子は平気だと合図して身体を起こした。
　濡れたワンピースが陽子の豊満な肢体に張り付き、何ともエロティックだった。
　翔の目線は陽子の身体に釘付けになっていた。
　それに気づいた陽子は、慌てて両手で胸を隠した。
　翔は静かに陽子に近寄り、両手で陽子の肩を掴んだ。
「陽子さん・・・隠さなくてもいいよ〜だって、すごく素敵なスタイルだよ〜女性として魅力的なのに、勿体無いよ！僕が嫌いですか？・・・」
　陽子の視線が翔の股間に向いていた。
　両手を放したので、股間を隠していたタオルが落ちて、肉棒が露わになっていた。
「陽子さんが魅力的だから、僕のオチ××ンがこうなるんだよ〜陽子さんを悦ばせるために大きくなってるんだよ〜分かるかな・・・？大丈夫、無理矢理、襲ったりしないから・・怖がらないで・・・・そんなシースルーの刺激的な姿を見せられたら、これは普通の反応だよ〜」
　陽子は一旦視線をそらすが、翔の説明で再度、視線を翔の肉棒に向けた。
「陽子さん素敵だから・・・だから、いつも明るく居て欲しくて・・・お花はその為、でも、本当に素敵なスタイルだね〜自分でもそう思わない？」
　陽子は恥ずかしそうな顔で、自分の濡れて透けて見える身体を見た。
　すぐに真っ赤になって顔を伏せたが、そこには大きくなった翔の肉棒があった。
「陽子さん・・・陽子さんのアソコ、濡れてませんか？僕のが欲しくて・・・」
　陽子は全身を強張らせていた。
「じゃぁ、こうしよう〜陽子さんのオマ×コが濡れてるかどうか、僕が調べる。だけど、その間、不公平だから、陽子さんも僕のオチ××ンを触ってていいよ」
　勝手な理屈で陽子を納得させ、僕のを握らせ、陽子のオマ×コに手を伸ばした。
　小さな布越しでもハッキリと濡れているのが分かった。
「ほら、こんなに濡れてる・・・僕のを欲しがってる証拠だよ〜？」
　陽子は困惑した面持ちでどうしていいか分からないでした。
　そんな陽子に翔は軽くキスをした。
「それじゃぁ、今握ってる僕のをきれいにしてくれる？」
　陽子は熱を帯びた翔の肉棒を、手のひらに泡をつけて洗った。
「じゃあ、今度は僕が洗ってあげよう〜」
　そう言うと、陽子の濡れたワンピースを脱がせ、下着姿にした。
　ブラから溢れそうな乳房の膨らみ・・・、ワレメが透けて見えそうなパンティ・・・、翔は裸になるより色っぽい女性の不思議な姿態を目の前にしてドキドキしていた。
　フロントホックを外すと、解き放たれたようにプルンと陽子の乳房が弾んだ。
「うわぁ〜陽子さんの胸って、すごく大きくてきれいなんだなぁ〜」
　陽子はどうしていいのか反応に困り、翔の肉棒を握り締めていた。
（指の強弱で、まるで扱かれてるみたいだ・・・あぁ〜）
　お尻の方からパンティを抜き、陽子を座らせて両脚から抜き取った。
「陽子さん、お尻も引き締まって素敵だね〜じゃあ、僕が洗ってあげるね〜）
　翔は泡立たせた手のひらで、乳房を揉むようにして洗い、乳首をつまんで擦った。
「うっ・・・うっ、ぅぅぅ・・・・・・」
　陽子は敏感に反応していた。
　翔は欲情して息を荒くしながら、腋の下から腰周りを擦り、太股を撫でて洗った。
「陽子さん、立ち上がってくれる？背中もお尻も洗うから・・・ネッ！」
　しなやかな曲線を描いている背筋から尾骶骨までのライを滑るように流し、カモシカのような脂肪の少ない引き締まった脚は、締りの良さを連想させた。
　足首から脹脛、膝の裏から太股の裏側を撫で回すように洗い流した。
「はっ・・ぁあ〜、はっぁあ〜、あぅっ・・・・・・」
　陽子の喘ぎは出なかった声とは異質のように感じられた。
　翔は、もう一度、お尻に戻り、ふたつの丘を撫で回した後、丘の谷間に指を這わせ、滑らせるようにお尻の穴から前の方へ何度も往復させた。
「あっふぅっ・・・っはぁ〜・・・っっはっ、ぁああ〜〜・・・ぁぁあああっ・・・・・」
　陽子の欲情に拍車をかけるように翔はお尻の谷間の指をワレメまで滑らせた。
　ワレメの中はヌメリを感じる蜜で溢れ、翔の指は小さく勃起したような肉芽に当たった。
「あっつ・・っ、あっ、ぅぅぅうううぅっ、っ・・・ぁああ〜〜あぅん〜・・・」
（陽子・・・無意識に言葉に近くなってるよ〜）
　翔は蜜の壷の中まで下から指を挿入して弄くり、陽子の身体の微妙な震えを感じると、風呂場の壁に両手をつかせ、後ろから昂った肉棒を蜜壷に挿入した。
「ぁ、ぁぁあああああああ、あ、あ、あっ・・・あっふぅ〜〜ぁぁあああぅぅ、っ・・・・・」
　陽子のしなやかな腰を抱えて、翔は右に左に方向を変えながら何度も腰を打ちつけた。
「ぁぁああああ〜〜〜あっ、ぃ・・ぃいぃ〜〜ぅわっ・・いぃ〜わぁ〜あぁ〜もっとぉ〜」
「陽子〜いいよ〜〜」
「あぁぁああああ〜〜〜いぃの〜〜あぁ、もう、だめぇ〜〜あぁ、いっちゃうぅ〜〜」
　陽子の身体がガクガクと砕けるように震え、その場にしゃがみ込んでしまった。
「陽子・・・良かったぁ〜口が利けたよ！本当に良かった・・・」
「えっ？あぁ、じゃぁ、あなた・・・そのために〜？」
「うん・・・きっと、恐怖で閉じたものなら歓喜で開くと思って・・・」
「ありがとう〜翔・・・」
　そう言うと、陽子は翔の昂ぶった肉棒に湯をかけ、手で揉み洗い、口に咥えた。
「うっぅ、う・・・っあぁ〜はぁ、うっ、あぁ〜」
　陽子は自分の失語症を治してくれた肉棒を愛しそうに両手と口で愛撫した。
「ねぇ〜出して・・・わたしの口の中に・・・翔だから、飲んであげるわ〜」
　とっくに我慢の限界に達していた翔は、陽子の言葉にドクドクと一気に射精した。
「ゴクッ・・・っはぁ〜ぁ・・・ほら、もう一度、洗ってあげるわ・・・」
　射精して小さく萎えた肉棒を扱くように両手で洗う陽子の目は潤んでいた。
「陽子・・・」
　翔も両手を泡立たせ、陽子の胸を揉み洗い、蜜で濡れた淫らな壷やお尻まで洗った。
「仕上げに、しゃぶってあげるわ〜」
　陽子の洗う手や指遣いで復活しそうになっていた肉棒は、咥えられると同時に傍聴した。
「わぁ〜すごいわぁ、さっきより、もっと太く大きくなってるわ〜」
「陽子が愛情注ぎ込むから・・・」
「じゃぁ、今度は、わたしのも舐めてくれる？」
「いいよ〜じゃあ、２階に行こうよ〜ここだと、親父さんに見つかると厄介だし・・・」
　２階の翔の部屋に入ると、ふたりは蒲団に倒れ込むようにして抱き合い求め合った。
　お互いの口唇を吸いあい、舌を絡め、唾液を吸いあった。
「翔が店に来た時から、こうなるような気がしてたの、わたし・・・」
「僕も・・・」
　翔は陽子の上になりシックスナインの格好で両手でワレメを開き舌を中に入れ、顔を押し込むようにして狂ったように壷を舐め続けた。
「あぅあっぅあぅあぅ・・・あぁあああ〜もっと、もっと激しく吸ってぇ〜舐めてぇ〜〜」
　陽子の乱れ方に圧倒されながらも翔は、今日はトコトン淫欲に浸ろうと陽子を責めた・・・。

　翌朝、陽が昇る前に、翔は店を出て行った。
『陽子さん、しゃべれるようになって、本当に良かった。親父さん、突然の旅立ち、すみません・・・ありがとうございました。九州に向かいます。もし、帰路の際に寄せてもらったら、また働きたいです〜』
　店のテーブルに走り書きした翔の挨拶文が残してあった・・・。