【７】

「フフッ、ちょっと、待って」
　少しして、ティッシュで手のひらにたっぷりと溜まった男の快液を拭き取ってから、服を全部脱がせた明彦をソファに腰かけさせた。彩乃は、いくらか愁いをたたえた眼差しを投げかけると、彼から離れた。
「見たい？」
　１、２歩後ずさりするなり、彩乃はロングドレスのバックファスナーを器用に引き下ろして、ヒップをなよやかに振りながら、セクシーなロングドレスを脱ぎはじめた。
「あっ……」
　そのベールを剥がされた彩乃の姿態を見て、明彦はクラクラッと目がくらみそうになった。ナイロン特有の煌めくシャイニングラインと透明感を持ったゲージの細かい黒のパンストにくるまれた太股と、ボディスーツが食いこむほど肉感的な実りの全貌を彼の前に現わしたのだ。
　バストメイクのカップに寄せて上げられた乳房はまるで、戦車から放たれる砲弾のように隆起して、男の目を圧倒するほどの迫力があり、腰の両サイドには女らしい曲線を演出するボーンが入れられ、ウエストからヒップに流れるラインは生身より官能的で、メリハリも豊かになっていた。
　豪華なレース模様を施されてお洒落であるが、ハードタイプのボディスーツらしく、補正力の高い機能性によって、熟れて程よく肉が付いた彩乃のボディはしっかりハードメイクされている。
　それにもまして彼の目を輝かせたのは、ボディスーツをまとった彼女のセクシーにして起伏に富んだボディラインと、脚の付け根に過激に食いこむボディスーツ股ぐりである。股間の形がこんもりと浮き彫りされるぐらいに、食いこみ具合が何とも甚だしい。
　そこに惹きつけられるにつれ、胸が妖しいざわめきだした明彦は、欲望の顔がフツフツと湧き出てくるのがわかった。あれだけ全力で烈しくヌケたばかりなのに、半分うな垂れかけていた牡たる証しが、これまでない熱さを伴って、いやが上にもムクムクと雁首をもたげてくる。
（恥ずかしい……。でも、やっぱり童貞の子ね。下着姿だけで、感じるなんて……）
　それは、さながら生き物のようにすごい勢いで若々しい息吹をとり戻していく。その回復力たるや見事で、彩乃に驚嘆と悦楽を与えるほどだ。
　彼の前で服を脱いで肌を見せていくことより、明彦の過敏さと色艶の見事さに痺れるような熱い疼きを抱いた彩乃は、自分の肉体を鋭く突き刺さす興味津々の初々しい視線に耳まで赤らめて、明彦にやさしげな秋波を送る。
「明彦くんの、エッチ」
　彩乃の言葉に、羞恥心を目顔いっぱいに知らせた彼は前を手で隠して、視線を逸らした。
　しかし、ドギマギすればするほど、見られたくないところは紛らわせようがないくらい反応して脈を打った。若いマツタケは熱く膨張させ、角度を上げて情欲をあらわにする。
（今度は、もっと気持ちよくさせてあげるから、待っててね……）
　明彦の動揺がありありとわかる。嫣然とした笑みをたたえた彩乃は、明彦のそんなおどおどしたところが可愛いかった。
　１６歳の少年。最近の高校生は知識も経験も豊富で、大人びて小賢しい子が少なからずいる世の中にあって、彼の純情さは珍しい。
　彩乃にとっては、その少年らしからぬ雄々しい肉茎の姿と、純粋にはにかむ振る舞いとがたまらなかった。
「いいの、恥ずかしがらなくても……わたしを見て」
　恥ずかしがる明彦に目配せした。胸元のファスナーをウエストのあたりまで滑らせ、肩からストラップをはずした彩乃は、ボディスーツを体からミカンの皮をむくみたいにして、胸からウエスト、ヒップ、太股まで徐々にめくり降ろしていく。
　シルキーピンクのボディスーツを剥がされた中から、ボリューム感のあるピチピチと弾けるような乳房と、つやつやとしたテカリのあるパンストにぴったり包まれて、適度に贅肉のついた下腹部が現われた。
　股間から中央に伸びるストッキングのシームの克明なラインや、第２の皮膚を思わせる極薄のナイロンと妖しいメタリックな透明感、パンストの薄布越しに見える股間にぴったり貼りついたパンティ。とくに豊満で刺激的な下半身を、血走った明彦の視線が射抜くように集中した。
（あぁ、これね、童貞の子の……新鮮だわ）
　子宮の奥がキューンと甘美に疼いた。思わず膝をすり合わせたくなってしまう。
　膝のあたりで両足を交互に抜き取り、裏返しになったボディスーツをドレッサーの椅子の背もたれにドレスとともに掛ける。手を休めることなく、パンストのゴムに指を引っかけ、彩乃は下半身を覆っている婀娜めくパンストを体から剥ぐように引き下げていく。その仕草が濃艶なのだ。
　パンストから肉づきのいい太股の素肌を晒すと、明彦の舐めるような視線はよりいっそう粘っこくまつわりつく。とりわけ白いパンティが艶めかしく、股布の上に刻まれた陰唇のシワからムンムンとした熱い女の芳臭が匂い立ってくるかのようだ。そこに直視する彼の眼が、彩乃を耐えがたいまでに狂おしくさせる。
（あっ、見られている。パンティも透けて、何から何まで見られている感じ……恥ずかしいから、そんな目で見つめないで……、でも、突き刺さるような視線が、たまんない……）
　体中を疎ましいほど纏綿と絡みついてくる鮮烈な彼の目線に犯される感覚だ。彩乃は限りなく恥辱に近いものが込み上げて体を熱くする。しかし、それは決して嫌悪な感情ではない。むしろ期待感にもまがう心地よい昂揚感だった。
　それを全身に感じながら、彩乃は黒のストッキングを脚首から取り去り、極薄の布をシルクのごとくボディスーツの上にフワッと重ねた。
　彩乃が服を脱いで裸になっていくにつれ、彼の頭の中は、女、年上、美貌、裸体、太股、豊満、爛熟、人妻、下着……といったボキャブラリーで充溢し、しだいに悦楽のパラダイスの虜になっていった。パンティの股布の卑猥さに女の秘められた部分の存在を想像するだけで、若い欲棒はたまらなく気張ってしまう。
「やっぱり、好きです……。おばさんが、おばさんが、好きです、大好きです」
　明彦はスクッと立ち上がった。そして一瞬の沈黙のあと、体の底から熱く噴出するような彩乃への烈々たるパトスを、もうこれ以上こらえきれないという迫力で、彼女に抱きついた。
「あ〜ん、明彦くん……」
　未熟で拙くもその目には涙をいっぱい溜めるほど純真な思いで、自分のことをこよなく愛してくれている彼の愛情の深さと激しさをあらためて知った彩乃は、思わず目頭が熱くなる。
「わかった……セックスしたいのね」
「うん」
　彼は首を小さくタテに振った。
　胸が詰まりそうになるほど、体が浮くかの熱い昂揚感に包まれて、明彦のことがこれまでになく愛おしくなってしまうような感覚に蕩ける。
　ここまで押しとどめていた何もかも吹っ飛び、恋のほむらを一度に燃やしあがらせた明彦も、荒々しく彩乃の唇を奪って強く抱きしめた。
「ほんとに、いいのね、最初の女が、このわたしで……。わたしの体で、あなたを……」
　昂揚する中で、彩乃はブリリアントな珠玉を想わせる美しい瞳をいっそう輝かせ、真剣に明彦の眼を見やった。さながら明彦に念を押すかの言葉でもあったが、それは自分への最後の決意表明だ。
「おばさん、お願いです……。ぼくの生涯で最初の女性になってください」
　改まった口調は明彦の真実を語った。
「あ〜ん、明彦くん、光栄よ、わたしを最初の女性に選んでくれて……」
　男との交わりは半年ぶりになる。その相手がみずみずしい肉体を持った明彦、しかも童貞なのだ。
　明彦は必ずしも美少年の方ではない。清潔感があるとはいえ純情すぎて、どちらと言うと、最近の女の子には物足りないタイプかもしれない。しかし、まったくすれたところがない。そんな彼の一生の記憶に残るであろう初体験の相手に、娘の美樹でなく、自分が選ばれたのである。彩乃は心の底からうれしかった。
　女を実感させるセックスの素晴らしさを体験させてやれるのは、明彦の思いを遂げさせてやれるのは、自分の肉体でしか、性器でしかない……そうしないと、明彦を苦しみの煩悶から救ってやることはできない。いや、ひょっとしたら、明彦を受け入れることで、新しい自分が……と思ったとき、頭の中で殻が割れたような気がした。
「おばさんと、セックスがしたい……、初めて逢った時から、ずっと、そう思ってた。最初のセックスは、おばさんとしたいって、ずっと……」
　こらえきれない感情をやっとの思いで口にした。昂揚した明彦の目には、涙があふれていた。
　彼の真剣な眼差しにふれて、彩乃はしぜんと心底から明彦に体を許せるようになる。
　そんな思いが広がりはじめると、自分の熱い女肉に彼の欲棒を導き、体内で感じても……とする、愛するがゆえの、彼を男にしてやりたいという独占欲が、女としての本性が彩乃の完熟した体をフツフツと巣くいだしてくる。
「そう、そうだったの……。ありがとう……」
　目もとをやさしげに細めた彩乃は、自分の方から強く抱きしめる。そのとき、昂揚感がしだいに幸福感へと変わっていくのを実感した。揺らめいていた彼女の心は、こうしてしっかりと明彦に向けられていった。
「わたしも、明彦くんのこと、好き……わたしで、本当によかったら……、明彦くんのものになるわ、わたし……」
　恥も外聞もなく自分の気持ちを率直にあらわす。
　さしもの彩乃もそこまで言いきるには逡巡が生じたとみえて、耳たぶまで恥ずかしさを滲ませていたが、これで心の蟠りが完全に払拭できそうな気がした。
（明彦くん、絶対、後悔させないわ……。人生の記念の日になるんですもの、最高の初体験に……）
　明彦ほど純情な少年の初体験の相手になることは、今後ないかもしれない。明彦の最初の女になれるなら……と決心がつくなり、女の欲望はより妖しく淫らにざわめきだす。
　女陰の奥が疼き、ジワッと濡れてくるのがわかると、彩乃は美樹の母親としての自覚もプライドもどうでもよくなった。
「お、おばさん……」
「もう、何も……」
　彩乃の潤む唇が明彦の口を塞ぐ。そして、込みあがる愛の情火を抑えきれなくなった明彦と彩乃は絡み合って倒れ込んだ。
　彩乃はベッドに転げながら、器用に最後の１枚を脱ぐ。
「はぁ」
　明彦は思わず息を呑んだ。豊満な乳房を押しつぶすように覆い被さる寸前に、彩乃の秘部が明彦の目に入ったのだ。
　肌と肌が密着した感触が何とも心地いい。母親に抱かれた時の安心感に近いものがある。しかし、それをも上回る男と女の温もりが明彦の心を支配していた。
　素肌を通じて、二人の鼓動が響き合っている。
「明彦くん、おばさんの……」
　耳をくすぐるかの甘美な囁きも、明彦の意識を蕩けさせる。
「お、おばさん……」
「う〜ん、さわっても……、いいのよ」
　頬に羞恥を滲ませつつも、彩乃は黒い恥毛を差し出すよう恣意に股間を開いた。
　視線を下に向けたまま、彩乃の下半身の方へ体をずらすと、ハリのあるゴージャスな内腿に手をそっと押しつけ、付け根の中央に向けて静かに這わせていく。
　密生した繊毛がぷっくりと盛りあがって、ベルベットみたいに艶やかな漆黒の繁みが生肌を引き立っている。初めて見る明彦には、目にまぶしいほどに狂おしい。
　潤みが感じられる媚肉に立ち込めた官能的な甘酸っぱい女の芳臭に、ボディソープの爽やかさとの異なりを覚える。
「けっこう、濃いんだ……」
　明彦の指が恥ずかしい部分を恐る恐るふれる。実に柔らかい。１本１本、綿アメのような繊毛の手ざわりを鮮明にとらえるや、手に緊張が走る。
　少年に恥毛をふれられていると意識すればするほど、顔から火が出るほど恥ずかしいのに、女としての欲望もさらに頭をもたげてくる。
　そんな女心など知り良しもない明彦は、繊毛を丹念に撫でる。
「ねェ、もっと奥までさわって」
　羞恥を禁じ得ない彩乃がさらに両脚を大きく広げると、明彦は繁茂の中へ指を伸ばした。
「あっ……濡れてっ」
　ヌメッとして感触に、かすかな歓声をあげた。
「怖がらなくていいわ……、オチンチンが入りやすくするために、濡れてるの……」
　彩乃の手が明彦のもどかしい指を後押しした。
　ねっとりと淫水にまみれた果肉のクレバスを、明彦の指が上から下へなぞっていく。彩乃の女肉は弾力があり、想像より柔らかく、周りの肉襞がローズピンクに光っている。
　何度か指をなすり付けているうちに、指先が熱いぬかるみに入り込んだ。
「あ〜ん、ここが女の膣よ、これから明彦くんのオチンチンが入るところ……」
　吐息を洩らした彩乃は、受け入れ準備が整った女壷の中にさらに明彦の指を押し込んだ。
「あっ……」
　やわやわとしても、血管がドクドク脈動する奇妙な圧迫感と、熱くぬめった熟肉の柔襞が絡みつき、底なし沼にどこまでものめり込んでいくかの不思議な感触、明彦は甘酸っぱい匂いを放つ透明な愛蜜とともに女体の神秘な生態に驚く。
「あーん、あぁ、素敵よ、明彦くんのオチンチンが入ってるみたい、ほら……」
「あっ……」
　淫らな柔襞の重なる狭い秘境のキュッと強い絞めつけと、埋没していくような吸いつきに、明彦は額から汗をしたたらせた。
（これがオチンチンが入るとこ、こんな狭いところに……どんなに気持ちいいことか）
　そう想うだけで、胸の鼓動はますます速まり、猛然と勃起してくる。
「あぁ、あーん、明彦くん……」
　いたずらに指を動かしたら、身も蕩けるばかりの快感に、彩乃の腰がくねり、収縮する淫裂からは熱化した透明な果蜜がどっとあふれ出してきた。
「うーん、きて、わたしの中に入ってきて……、女を教えてあげるから、わたしを抱いて」
　いよいよ耐えきれなくなってきたのか、誘惑に満ちた表情で、若々しい明彦によって、全身を貫く電撃的なオルガスムスに達したいと哀願してくる彩乃。
「はぁ……おっ、おばさん、はぁ、はぁ」
　彩乃のもの欲しそうに揺れる瞳に、一も二もなく大きくうなずく。明彦は苦しいまでに上気した息づかいで無我夢中に身体を這いあがる。
「あっ、アレは……」
「明彦くんって、やさしいのね……でも、今日は安全日だから、いらないわ」
　明彦のやさしい言葉に昂揚させながら、彩乃は見事な脚線美を誇る両脚をＭ字に開く。
「えっ、な、生で……」
「そうよ、心配することないわ……そのまま、入ってきて……」
　目の輝きが増した明彦を見すえつつ、男を待ちわびて疼くくさむらをたくわえた股間に迎え入れる。
　明彦は尖端を彩乃の花唇にこすりつけ、必死に腰を突き立てようとする。
「あっ、あぁ、おばさん……」
　けたたましい咆哮をあげ、少し苛立ちぎみに彩乃の濡れた女肉を、明彦は勢いだったペニスで突きまくる。
　だが、異常なまでの昂奮とあせりから、それは肝心な中心部に当らず、上滑りして下腹部にこすりつけてしまう。
「あっ、おばさん、うまく……」
「あせらないで……」
　彩乃は、不安げに訴えてあせりを見せる明彦をやさしくフォローした。しかし、内心では自分もあせっていた。
彩乃が欲しくて、腹に貼りつかんばかりに反り返り、キンキンに硬くしている明彦の熱いみなぎりを恥骨に押しつけられたその時、さらにジュッと愛液が湧きだしてくるのがわかった。
「大丈夫よ、明彦くん……あとは、わたしに任せて」
　口ではそう言いつつも、気持ちでは硬くなった牡肉に脳天まで貫かれ、若い明彦と結ばれたいという思いがあった。
　彩乃は、もどかしげに手を股間に伸ばしていく。まさぐっていた手が青筋立てて熱く高まっている男をとらえるなり、すぐ竿の部分に細い指をやんわりと絡める。
「あ〜ん、硬い……、明彦くんのオチンチン、鋼鉄みたいに、さっきより硬くて、……と、とっても熱いわ……」
　一刻も早く彩乃の官能に満ちた泉の中に入りたがって脈打っている勃起が、一度ヌイたものとはとても思えなかった。若さの特権とはいえ、無尽蔵の欲望を誇示するかの絶倫ぶりは、彩乃の背筋を少なからず震わせ、吐息まじりに感激をあらわにさせる。
　愛情の度合いは勃起の硬さによって推し量れ、硬ければ硬いほど、相手に対する愛情が強く、思い入れが深いというが、明彦の勃起度には、まさに彼女に寄せる燃えるような情熱の塊であった。
　しかし、先ほどよりずっとコチンコチンにしこって凄みさえ感じる手応えと、灼きつく熱さは、彩乃への偽りのない明彦の愛情表現ばかりではなかった。大人の肉欲に溺れていく痴情的な欲望も確かに強かったのである。
（すごいわ、明彦くん……すごい）
　少年の欲望を敏感に感じるなり、彩乃は身を焦がした。胸のときめきとともに、官能に横溢された媚肉は早くフレッシュな童貞を頬張りたいと、愛液をあふれ返りながら淫らな花びらを半開きにしている。
　視線を明彦の股間に向ける。赤く充血してテカテカに輝くほど晴れ上がった亀頭が、いまにも突き刺さらんとばかりに彩乃の股間を、エラの張った童貞らしからぬ猛々しい形相で睨みつけ、しかも尖端の窪みには透明な雫をたたえてドクドクと熱く脈を打っていた。
「うぅ、うわぁぁ、おばさんっ……」
　思わず彩乃が握りしめた手に力が入った途端、明彦は全身を震わせ、情けない声を上げた。ほぼ同時に、脈動した肉茎の中を何かが凄まじい速さで駆け抜ける感覚が手のひらに伝わった。
　挿入直前にして、彩乃に握られてたまらず、明彦は新鮮な精液を彩乃の白い胸元に届くほど勢いよく飛び散らせてしまったのだ。
「あぁ、おばさん……ごめんなさい」
　何とも気まずい表情で見つめてくる明彦に、美樹の母親はやさしい微笑みを返す。
「ううん、気にしないで……」
　身を起こした彩乃は枕元にあるティッシュを手にし、胸元から下腹にかけて放出された少年のエキスを拭き取っていく。生温かく、多量だ。
「たくさん、出たわね」
　黄色味がかった白濁の精液をぬぐいながら、明彦のペニスに視線をやれば、まだピクピクとひきつっていた。
　弾けた瞬間は取り残されてしまった焦燥癌にさいなまれそうになったが、無垢な童貞ゆえの敏感さを見て、これで挿入後も少しは持ちこたえてくれそうに思えた。