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（あぁーぁ、全く、課長ったら、帰り間際に仕事いいつけて、本当に頭に来るわ、これくらい自分でやれっていうの！）
多恵はワードへの入力作業を終え、その文書をプリントアウトして課長に渡した。
「課長、終わりました」
「ありがとう」
課長は手渡された書類を手にとり黙読しはじめた。（もう、急いでるのに、早くして）
多恵は今日は早く帰りたかった。明日から三連休で、一足早い夏休みをとっている愛する？旦那と最も愛する子供の待つ田舎に行くために明朝一番の新幹線に乗ることになっていた。そのために、お出かけの準備をしなければならないし、朝、早いのでとっとと準備をすまし、早く眠りたかった。
さっきから壁にかかっている時計を何度も横目で見ていた。時計の針は七時をまわろうとしていた。窓の外は夕日にそまる赤とオレンジが混ざった色から次第に暗い闇に包み込まれている。
「どうしたんだい、何をそわそわしているんだい、用事でもあったかな？」
「はい、少し急いでるんですけど」
「ごめん、ごめん。確か、ご主人たち田舎に帰っているんだよね。早く帰っても１人でさびしいだろうと思って…。それで君に頼んだんだよ。書類はこれでＯＫだ。引き止めて悪かったね」
（大きなお世話よ。それにしても、なんで、知っているの？誰か、話したのかしら？）
多恵の頭の中にふと疑念が浮かんだが、今はそれどころではない。早く帰らなければ…。
急いでロッカールームへ入り、制服を脱ぎベージュのワンピースに着替え帰宅を急いだ。会社から駅まで普通に歩いて１０分くらいのところを急いで歩いたので五分でついた。改札口をとおり、ホームへ入ると直ぐに電車がやってきた。電車に乗れば三十分で自宅近くの駅まで着く。家まではそこから歩いて15分くらいだ。
がたん、ごとん、がたん、ごとん、相変わらず電車は込んでいる。多恵の身体が電車の揺れに合わせ後ろから前からと押される。７時過ぎの電車は帰り際に一杯やったサラリーマンの穿く息により酒臭い匂いがする。
（！）
多恵のお尻に誰かの手が触れた。混んでいる車内なら、いろいろな人の手がお尻などに触れることはよくあることだが、今回のそれは明らかに違っていた。その手のひらは多恵の柔らかいお尻を円を描くように撫でまわしている。後ろを振り向き睨みつけようとしたいが、混んでいるので完全に後ろを振り向けない。男の手は多恵が身動きできないことをいいことに大胆になり、お尻をやわやわと揉み始めた。多恵は腰をくねくねとさせ、その手から逃れようとするが、それが逆に男を興奮させ、もっとやって欲しいと勘違いしたのかお尻の谷間をなぞるように女唇へ向かってくる。
（なに、勘違いしているの？はぁ、あん、いやっ、そんな）
男の手はどんどん大胆になり、スカートを巻くりあげパンストの上から、女唇を指で擦ってきた。
（あぁん、やっ、やめてぇ…そんなことされたら…濡れてくる…）
多恵の女唇は淫靡な汁によってジワジワと濡れてきた。男は女唇の上の方にある突起部を指の腹でぐいぐいと押し付けて刺激してきた。
（あぁぁん、だっめぇ、そこは、だめっ）
多恵は耐え切れなくなりなんとか背後に手をまわし痴漢の手を払いのけた。しかし、男は負けていない。多恵の手首を力強くつかみ硬く熱いものに触れさせた。多恵はその硬いものがなんであるのか直ぐにわかった。
（なに、この人、ちんちんだしているの？）
男はいつからであろうか、肉棒をズボンの窓から出していたのだ。手を引っ込めようとしたが男の力は強く、肉棒の先っぽへと多恵の白魚のような手を擦りつける。男の先っぽは濡れていた。その先走りの液体を多恵の手の平にたっぷりと擦りつけてから雁を刺激するように上下に動かし始めた。
（もう、勘弁してよ…）
と多恵が思った瞬間、人妻の証である指輪がはめられている手の平にビチャッビチャッと生暖かいものがふりかかった。
（きゃあ、なんで、こんなところでだすの〜気持ち悪いから止めて！）
多恵は大声を出したかっが、ここで騒ぎをおこすと警察に事情調書されたりして時間がとられると思いその屈辱を耐えた。手に付着した液体がヌルヌルして気持ち悪い。男は背後ではぁはぁと息を荒くして放出したばかりの肉棒を柔らかい尻になすりつけながら耳元に囁いた。
「奥さん、気持ちよかったよ、次の駅で降りてセックスしようか」
多恵は無言で男の肉棒の下にある陰嚢をぎゅっと握った。
「うっ」
男は急所を握られて女には解らぬ苦しみのうめき声をあげた。
「次は○○、○○」
やっと降車する駅を知らせる案内がされた。電車が止まり人の壁を掻き分けるようにして降車した。手のひらは男の白濁の液によってヌルヌルして気持ち悪い。。カバンの中からハンカチを出し手の平に出されたものを拭っていると背後に視線を感じた。もしかして、スカートにもついているのと思いお尻に手を当てるとやはりヌルヌルした糊のような液がついていた。辺りを見回すと男性はイヤラシイ視線を女性は同情の視線を浴びせている。多恵の頬は瞬く間に真っ赤に染まっていた。
（もう、そんなに見ないで！）
多恵はその視線から逃れるように一目散に女性用のトイレに駆け込んだ。
（もう、最低、ショーツは濡れちゃうし、手に出されちゃうし…それに、スカートにまで）
多恵はまずハンドソープをたっぷりつけて手の平のヌルヌルしているの白い付着物を洗い流してから、ハンカチをたっぷりと濡らして個室に入った。鍵を閉めその場でスカートを抑えているボタンとホックを外して、クルリと起用にお尻の部分を前へ回転させた。そこを見るとたくさんの液が振りかけられていた。特に、最後になすりつけられたお尻の部分には大きな染みができていた。濡れているところを丁寧にハンカチでふき取った。スカートは濡れたままだが、性の液を付けながら歩くよりはいい。
（あぁ、もうこんな時間になっちゃったじゃない、最低）
トイレから出て、お尻をハンドバッグで隠すようにしながら足早に改札口に向かった。そこを出ればいつものルートで後、20分で帰宅できる。
改札口を無事通り越した。家まで後もう少しだ。多恵の頭の中にある考えが浮かんだ。
（どうしようかな、痴漢のせいで大分時間ロスしちゃったから近道しようかな、でも、危ないかな…）
駅から自宅までのルートは二つあった。一つは明るい駅前商店街を通って住宅街へ行くルートで普通に歩いて20分くらいかかる、もう一つは商店街に入り直ぐ右に曲がり、住宅街を通り公園から抜けるルートでここを通れば10分で帰宅できる。しかし、公園ルートは露出魔が度々出現するとの噂がある。また、ご近所の人の話では最近、レイプもあったということで夜は危ないから近づかない方がいいとの話もあった。多恵はスカートが濡れているのためにバッグでそれを隠しながら歩くのも不自然だし、又、1分１秒でも早く家に帰りたかったので勇気を出して公園のルートを選択した。
（あんなの、ただのうわさよ。朝はいつも通ってくるんだから、心配ないわ）
多恵は獲物を狙い息を潜めているレイプ魔がいる公園へ入っていった。
つづく
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