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（あっ、熱い！）
次から次へとドロドロの液が顔に打ちつけられる。数時間前に口の中に吐き出したばかりにも関らずに、瞼を閉じてなければ目の中まで入るほどの凄い量の液だ。多恵は目を閉じながら精の放出が終わるのを待った。
（ああっ…、そ、そんなあ）
こんな行為はしょせん男を喜ばせるためのアダルトビデオの世界だけのものだけであろうと思っていた。しかし、現実に起こっている。多恵にとって衝撃的だった。不思議と嫌悪感はなかった。むしろ、たっぷりと吐き出された男の精液の香りに興奮し、全身が震える程だった。
「さあ、綺麗にしてくれ」
伊藤は半開きの唇に肉棒の先端を擦りつけてきた。ザーメンと愛液の交わった生臭い香りが鼻腔を刺激する。多恵はまだ十分に硬さの残る肉棒に口を被せて尿道口の奥に残るザーメンを一滴残らず吸い取るように頬を窄め吸った。
「うっ…もう、いいぞ…」
肉棒を口から引き抜いた。瞼にかかったザーメンを手のひらで掬うと顔中に擦りつけてきた。頬がヌルヌルする。
「あっ、ああぁ」
「ふっ、ふっ、いい顔だ」
薄っすらと瞼を開くと伊藤が口元を緩めている。イヤラシイ顔である。全身が気だるい。最も今日一日で２人の男に貫かれているのだから、そうなるはずだ。
普通の人であれば悔しくて暗い気分になるのであろうが、多恵は今までに味わったことのない最高の快感に負けた。頭の中が真っ白になり、宙に浮かぶように全身がフワフワとするような感じである。決して性体験が少ないわけではない。高校生の時に付き合っていた彼氏と初めて交わってから、人並みほどのセックスを重ねてきている。男に恵まれなかったのでろうか、それとも、多恵自身に問題があったのであろうか？今、初めて多恵は本当の性の快感に目覚めたのである。
（これがイクってことなの？）
「これからが、本番だ。こっちに来い」
伊藤が手首を掴み顔を火照らせポーッとしている多恵を立たせた。もう、抵抗する気力など無い。できるのならもう一度あの快感を味わいたいと思っていた。
風呂場に連れて行かれた。シャワーからお湯を出し、頭の上から放水してきた。たちまち、全身がビショビショになる。
ボティソープをボディタオルにたっぷりと染みこませて身体を磨いてくる。首筋から足のつま先まで全身が泡立つ。
「そこに座りな」
風呂の縁のところに腰掛けた。伊藤は多恵の膝を左右に開き、自らの手に泡をたっぷりと掬い取り、女唇を擦ってきた。泡が滑り、スルッと蜜壷の指が入ってくる。
「あっ、あん…」
「こっちの穴も綺麗にしておかないとな」
伊藤はそう言って菊の穴に中指をズブズブといれてきた。
「あっ、ああっ…」
多恵の身体についている泡立ちをシャワーの湯で洗い流すと伊藤は自分で肉棒を洗い始めた。
（ああっ、小さくなっている…）
多恵はごくりと生唾を飲み込み、伊藤の柔らかい肉棒へ手を伸ばした。
「私に洗わせて…」
「ふっ、俺のチンポが愛しくてたまらないっといった感じだな」
伊藤の言うことは当たっていた。今すぐに伊藤の硬いもので蜜壷を突いて欲しい。綺麗にしたばかりの蜜壷からはドクドクと蜜が滴り落ちていた。
肉の棒は泡立ちと共に次第に硬さを増していった。それにしても、同じ肉棒で様々な形があるものだ。伊藤のものは両手を重ねて竿を掴んでも頭が覗くほどの長いものである。旦那のものの倍はあった。シャワーのお湯で泡を流した。ゴックリと生唾を飲み込んだ。それに吸い寄せられるように唇を近づけていった。
「うっ、もういい…。これ以上されると、もう一度ぶち込みたくなる」
伊藤は目をトロリとさせながら、肉棒に唇を寄せる寸前の多恵を制止した。
「もう、一回して…」
多恵は完全にただ快楽を欲求するだけの雌になっていた。自分の口からこんな破廉恥な言葉を発したことは今までには無かった。昨日までの多恵なら間違っても発しない言葉である。
伊藤の手が多恵の手首を掴み立ち上がらせた。このまま立ったまま密壷の中に三度いきりたった肉棒を挿入してくれると期待した。しかし、伊藤は何もしてこなかった。
脱衣所に出るとバスタオルで伊藤自身の身体を拭いた後、それを手渡してきた。多恵は少しがっかりしながら、己の身体を拭きあげた。
伊藤はしっかりと衣服を見に着けていく。多恵の身に付けるものはここには無い。仕方なくバスタオルを身体に巻きつけた。
伊藤はさっきからずっと無言だ。多恵は何を話したらいいかわからない。
「寝室へいくぞ」
伊藤がやっと口を開いた。
寝室に入った。シーツが乱れているのと伊藤の黒いバッグが置いてある以外はいつもと変わらぬ寝室だ。ベッドのヘッドボードに置いてある時計を見るともう少しで１２時だ。約束の時間までは後、僅か…。これで終わりなのかと多恵は少しがっかりした。
「時間が気になっているようだな…。もう解放されたいか？それとも、もっと楽しむか？俺はどっちでもいいんだぞ」
「…あなたの好きにして…」
多恵は思わず口にしてしまった。それ程、伊藤のテクニックは多恵の肉体をとろけさせた。明日の朝、旦那の実家に帰ることも忘れる位に…。
「ふっ、そうか。俺が思ったとおりの淫乱な女だな」
「そうよ…。だから、お願いもう一回して」
多恵は甘えた声を発して伊藤に擦り寄った。
「ちょっと、待て」
伊藤は多恵をかわして黒のカバンの中から衣類を取り出した。
「これを着な」
伊藤に手渡された服は格闘技ゲームの女性キャラが身に付けているチャイナドレスだ。その中には黒のガーターベルトとスケスケのショーツとブラジャーも一緒になっていた。
（もしかして、この人コスプレおたく…）
多恵はそれを黙ったまま身に付けた。
「さあ、ベッドに横になるんだ」
多恵は言われるがままにベッドに寝転んだ。伊藤は足首にボンテージテープをぐるぐると巻きつけてきた。
「怖いわ…」
「ふっ、ふっ…」
伊藤の手馴れた手によってあっと言う間に両手足は拘束され、足は左右に開脚され手は万歳をするようにされた。上から見るとＸの文字の用な形だ。
「どうした…。縛られて興奮しているのか。もう、パンティには染みができているんじゃないのか」
「…やっ、恥ずかしい…」
伊藤が股の間を覗き込んできた。温かい息が太股にかかる。
「やっぱり、染みになっている。どうやら、Mの気もあるみたいだな」
多恵の身体は伊藤に指摘されたとおり火照っていた。自分でも解るくらいに真新しいショーツを濡らしているを感じた。
そのまま、女唇を擦って欲しかったが伊藤は又、何もしないでベッドからおりた。
「ねえ、どうして…。なにもしないの」
多恵はたまらずに声を発した。
伊藤は黙ったままだ。沈黙の中に再び伊藤の携帯電話の着信音が鳴った。ガチャリとドアを開き、伊藤は階段を降りていった。住宅街であるから、静かである。玄関の扉の開く音までが良く聞こえる。多恵はこのまま放置されるのではないかという不安が再び脳裏をよぎった。
（こんな格好にしたままで帰らないで！）
階段を昇ってくるギシギシという音が聞こえた。どうやら、思い違いであったようだ。多恵がほっとすると同時に扉が開いた。
つづく
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