３．非日常的日常
　
　翌日の夕方、真希から電話が入った。
「拓也に聞いたわよ」
　真希は、いきなり切り出した。
「拓也さんに・・・？何を・・・」
　沙希は、とぼけた。
「おや・・・そう来るか・・・そう、いつもそう。男ができると、わたしのような中途半端なのは用なし」
「うわぁ。ひどい・・・そんな言い方」
「でも、男が出来たんでしょ」
「さぁ・・・どうだか」
「とか、なんとか・・・声が、はずんでるんですけどぉ・・・」
「もう、真希さん。やめてください」
「それはそれとして・・・勝手に仕事請けたわね・・・規約違反」
「はい」
「何か、やる前に教えてって言ったのに・・・」
「すいません」
「彼らね・・・さっき逮捕されたって」
「逮捕？・・・彼女は、大丈夫でした？」
「あなたといっしょにいた子？詳しくは知らないけど、その子は、２０歳だったって拓也が言ってたわ」
「ええ？そうなんですか？中学生かと思いました」
「あんたが言うセリフじゃないと思うけど・・・・」
「はぁ・・・まぁ、確かに」
「それでも、無理やり撮影されたらしくて、届けを出してくれたの。それに・・・・」
　そこで、真希は話をやめた。
「それに？なんですか？」
「また、連れ込んだのよ、今日。今度は、正真正銘、高校生」
　やけにはっきりと真希は話した。
「それで、逮捕ですか？」
「そういうこと。昨日じゃなくてよかったわ」
「そうですね」
「他人事みたいに・・・・勝手なまねはだめよ、いい？」
「はい」
「罰よ」
「やっぱり、あるんですか？」
「当然よ」
「で、どんな罰ですか？」
「電話では言いにくいから、後でメールするわ」
　真希は、そう言って電話を切った。
　減俸とか罰金といった正式な罰ではなさそうだ。
　沙希は、ほっとする反面、不安でもあった。

　メールはすぐに来た。
「これから行くから。家でずっと裸でいなさい」
「もう・・・真希さんったら・・・」
　これから行くと言われても、どこから電話してきたのかわからない。沙希は、すぐにシャワーを浴びた。
　シャワーを浴びて、ちょっと大きめのTシャツを取り出すと、素肌の上に、Tシャツだけの格好になった。いつくるかわからないのにずっと裸というわけにもいかない。しょっちゅうしている格好だから、なにも緊張せずにTシャツだけの格好になってみたが、予想外の違和感だった。
（うそっ・・・やだ、恥ずかしい）
　誰にも見られないところで下半身だけなにもつけないでいるというのが、こんなに恥かしいとは思わなかった。沙希は、恥ずかしくて視線を下げられなかった。
（誰かに見られているほうが、恥かしくないなんて・・・わたし、おかしい？）
　誰か人がいれば、それは仕事だった。でも、誰もいないとなると・・・仕事という割りきりが出来ない。
　意識をそらそうと、ソファでコーヒーを飲みながらテレビをつけ、とにかく視線を他に持っていこうとしたが・・・
（だめ・・・むずむずしてきた）
　非日常的な日常生活は、沙希に新鮮な驚きをもたらした。
　座っているだけで、徐々に子宮の奥のほうから、温かいものがじわっと溢れてきているのを感じる。自然と、手が股間に伸びた。二本の指でクリトリスを挟んで、こすってみた。
（ううーわぁぁ・・・・・感じる）
　その二本の指をそのまま奥深く挿入して、肉壺から愛液を掻きだして股間全体にかき広げた。
（いい・・・いいい・・・・気持ちいい・・・いい）
　その時、ルームフォンがなった。真希だった。沙希は、慌ててＴシャツを脱いだ。

４．沙希の匂い

　沙希は、全裸でドアを開けた。
「いい子ね」
　真希は、子供にするように、裸の沙希の頭を撫でた。
「やめてください。子供じゃないんですから・・・」
「ごめん、ごめん･･･どう見ても子供だから・・・」
「もう！」
　さっさと真希は、部屋の中に入った。
「ねぇ、沙希」
「何？」
「してたでしょ」
「えっ」
　沙希は、どきっとして真希を見つめた。
「沙希の臭いがする」
「やだ？」
「だめ、まっすぐ立って、手は頭の上」
　沙希は、言われた通りにした。
　真希の指が、沙希の股間に侵入してきた。
「やっぱり・・・」
　真希の指が、ねとねとしている。
「だって・・・へんな気分なんですよ」
「あら、いつも裸みたいなもんじゃない」
「それは、仕事」
「ふーん。そうなの。仕事なら平気で、仕事じゃないとＨな気分？」
「そりゃ、そうですよ」
　沙希は、当然だとばかりに胸を張った。

「ねぇ、沙希」
「何ですか？」
「足を開いて座って」
　沙希は、真希の目の前で足を開いたまま、ソファに深く座った。先ほどまで感じていたものが、また蘇えってきた。
（ああ、来ちゃう・・・来ちゃう）
「もっと、足広げて」
　真希の命令に、沙希は応じた。股間が真希によく見えるように、お尻を前にずらし、足を広げた。
「続き、やっていいよ」
「・・・・・」
「やりなさい。私の見てる前で・・・」
（ああ、真希さん。恥ずかしいから・・・させないで、お願い）
　沙希は、真希の顔を見た。
（しなきゃだめ？・・・・意地悪）
　沙希は、おずおずと先ほどと同じように、二本の指で、肉壺につまったゼリー状のものを掻きだし、股間全体に塗り広げた。沙希の匂いが広がった。だんだんと指の動きは速くなり、もう一方の手は、乳首へと伸びた。
　はぁ・・・はぁ・・はぁ・はぁはぁ・・・
　沙希の息が荒くなり始めた。
「いい・・・いい・・・・い」
　達しそうになった沙希の唇に不意に真希の唇が重なった。いつのまにか、真希は立って、沙希の後ろに回っていた。
　う・・・うぐっ・・・
　真希の舌が、沙希の口腔の奥深く差し込まれた。真希は、沙希のTシャツの裾を持ち、一気に引き上げ、脱がした。沙希は全裸にされた。
「こっちにきて」
　真希は、沙希を立たせ、立っている自分の足元に跪かせた。
「わたしのを舐めて」
　沙希は、真希のショーツを下ろし、スカートの中に頭を入れ、股間のものをしゃぶった。
「気持ちいいわ・・・沙希」
　小さなショーツに押し込められていた真希のものを解放して、根元の袋からその後ろのお尻の穴まで沙希は舌を這わした。

「沙希、ベッド行こうか？」
「はい」
　真希も、着ているものを脱いだ。
　全裸になるのを、沙希は先にベッドで待っていた。真希は横たわった沙希の顔をまたぎ、肉棒を沙希の口に差し込むと、自分は舌を尖らせ、沙希のクリトリスをぐるぐると舌先で回すようにこねた。先ほど達する直前だった沙希は、真希の刺激にいっきにのぼりつめたが、真希はそれでも、執拗に愛撫を続け、口を犯し続けた。２度目、３度目の波が押し寄せてきた。
「ああ・・ああああ・・・・・」
　とうとう、沙希は、ぐったりと動けなくなってしまった。

　真希は、沙希から離れ、しばらく沙希の回復を待った。
「ごめんなさい・・・真希さん、いってない・・・」
　下から見上げる沙希の目は、まだうつろだった。

５．ありがとう

「いいのよ、わたしは・・・・」
「でも・・・大丈夫ですよ。・・・もう平気です」
　沙希は、真希の上に乗ると、真希の乳首をゆっくりと舐め始めた。
　真希は、からだから力を抜いて、沙希に任せるようだった。
　上目遣いに、真希の反応を確かめながら、沙希は、舌を乳首からお腹へ・・・そして
　やっぱり、どきっとする。
　乳房も乳首もお腹も、女性なのだ。まったく疑う余地がない。
　それなのに・・・そこにそれはある。
　確かにそう大きくはないが・・・でも、まぎれもなくペニスだ。

　沙希は、真希のものを握ると、下から上に絞るようにする。
　そして先端をすっぽり口に含んだ。
　真希のペニスをゆっくり根元まで飲み込むと、唇を固くしてゆっくり引く。舌も固くしてペニスの裏の部分に強く押し当てる。
「ふぅーっ」
　まだ、完全に回復していないせいか、２度繰り返しただけで息苦しい。それでも、沙希は続ける。
　そのようすを、真希が見ている。
　真希の視線は、ずっと感じている。沙希は、できるだけいやらしく見えるように１回１回、唇をはずして、咥えるところから真希に見せた。
「真希さん」
「ん？」
「上に乗ってもいいですか？」
「いいわよ」
　沙希が、真希にまたがろうとすると、
「あっ・・・沙希ちゃん」
　沙希は、真希を見た
「これつけて・・・」
　真希に渡されたのは、コンドームだった。
「つけるんですか？」
「うん。このままずっと、下でいたいから・・・・」
「中でもいいですよ」
「ばかなこと言わないで・・・」
　真希は、あきれたふうに沙希を叱った。
「こども出来ちゃったら、どうすんの？」
「真希さんでも・・・できるんですか？」
「でもって何よ。何言ってんの？わたしは、出来ないと思ってんの？」
「だって・・・真希さんの子ども？考えられないですよ」
「考えられなくても、男なんだからね、わたしだって・・・」
「そうですけど・・・・なんか、できなさそう」
　沙希は、楽しそうに笑いながら、真希のものにゴムをかぶせた。
「後ろ向きでいいですか？」
「いいわ」
　沙希は、真希にお尻を向けた。はっきり、沙希の股間が見える。沙希は、真希のものに手を添え、自分の中に導いた。
　後ろ向きだと、入るところが全て見える。男は、けっこうそれを喜ぶものだと沙希は知っていた。ただ、真希が喜ぶかどうかは疑問だったが・・・。

　沙希は、真希の膝の上に手を置き、リズミカルに身体を上下させた。
　単調だが、ずんっと奥に突き刺さる感じが、嫌いではない。
（ああ・・・・だめだわ・・・息が・・・・）
　持たないかもしれないと不安だったが、予期したとおり、もちそうになかった。ぐっとお尻をおとしたまま、沙希は動かなくなった。
　真希の手が沙希のお尻を抱え、くるっと沙希を反転させる。
　沙希は、真希のほうに向いたが、そのまま真希の乗りかかった。
　真希は、両手で沙希のお尻を持つと、下から跳ね上げるように動く。
「はぁ･･あああ・・・・あ・・あ・あ・・・」
　沙希は、真希の肩を抱きしめて、絶叫した。
　何度も何度も下から突き上げられる。
「いくわ・・・・いく」
　真希の声が、耳元でした。
「いって・・・いって・・・いってぇー」
　真希の動きが止まった。
　沙希も真希にのっかったまま動かない。
　しばらく、二人は重なったままだったが、沙希が動いた。
　沙希は、やわらかくなった真希のものを握ると、ゴムをはずし、ぬるぬるしたそれを口に含み、舌できれいに舐め取った。
｢沙希ちゃん｣
　真希と目があった。
「ありがと」
　真希に礼を言われると、沙希はうれしくなって、また、それをぐっと飲み込もうとした。
「もういいわ・・・沙希ちゃん・・・今は、だめ」
　真希が悲鳴を上げた。