１．露出遊戯

「だめよ、沙希。裸でいるっていう約束でしょ」
「えっ、・・・・うそ？」
　沙希は、おどろいて真希に聞き返した。
　真希が、服を着始めたので、自分もと、Ｔシャツを取ろうとしたら、真希に咎められたのだ。

「何いってるの？そう言ったでしょ」
「聞いてません。そんなこと・・・」
「家でずっと裸でいなさいってメールしたわ」
　真希は、ずっとというところに力を入れた。
　確かに、そういう内容のメールだった。
「でも、それは、今日のことでしょ」
「いいえ、明日もよ。あさっても・・・ずっとよ」
「そんなぁ・・・」
「あら？それとも規約違反・・・正式に上に報告しようか？」
　きつい言葉とはうらはらに、真希の表情はいつもの笑顔だった。
「あーあ、わかりました。しょーがない、裸でいます」
「そっ・・・いい子ね、じゃぁ、わたし、帰るね」
　真希は、さっさとひとりで玄関に向っていく。

　玄関で、振り返った真希は、
「お見送りしてよ」
　そう言って、沙希の手をひっぱった。
「だめですよ・・・裸なんですから・・・」
　そんなことは、見れば分かる。そう言われてやめるはずがない。
　真希は、裸の沙希を玄関の外に引っ張り出した。
「・・・・だめ・・・・です」
　大声が出せない沙希は、ドアノブを握って、必死にドアのかげにかくれようとしたが、やはり真希は男だった。沙希よりも力が強い。完全に沙希が外に出てしまってから、ようやく手を放した。
「じゃぁ・・・またね」
「はい」
　挨拶どころではなかった。沙希は、すぐにドアの陰に隠れて、顔だけ外に出した格好で真希を見送った。

「はだかかぁ・・・」
　沙希は、まんざらいやなわけでもなかった。
　誰も見ていないのに、ただ、裸だというだけで、どきどきする。
　それが心地よかった。

　次の日、真希の指示どおり、沙希は裸で暮らした。別に見られているわけではない。裸である必要はなかったのだが・・・・。
　お尻を丸出しで食卓のイスに座った。
　姿見をわざわざ食卓の前に置いてみた。裸の自分が見える。
（ありえない・・・・）
　噴出したくなる格好だ。朝食を取り、部屋の掃除をし、洗濯をした。言いようのない感覚だった。ありえない格好でする日常的な作業。洗濯が終わる頃には、歩き難いくらい股間が濡れていた。
（ああ、触りたい・・・あそこをいじりたい）
　沙希は、食卓の前に置いた姿見の前に、食卓の肘掛のついた椅子を持っていって座った。肘掛に両足を乗せた。薄いヘアーの中にある肉襞をゆっくり、左右にかきわけると、内側はどきっとする淡いピンク色。写真に撮られたのを見たことはあったが・・・今日は生だ。
　指でクリトリスを挟み上下に擦ると、今度はその指を深く奥まで差し込んだ。
（ああ・・・あああ・・・・ああああ）
　いつもと違って、今日は異常に早かった。そのことにも沙希は驚いた。
（どうしたの？ああ・・ああ・・・・いい・・・・いい）
　沙希はしばらく動けなかった。
　ふぅーっ
　大きな息をして、沙希は立ち上がった。喉が渇いて、冷蔵庫を開けたが、あいにく何もない。
「買いものに行かなきゃ・・・・裸で？・・・まさかね」

　近所の買い物に服選びをするのは初めてだった。
（どうしよう・・・家で裸でいなさいって言われたわけだから、外では普通に服を着ていいのよ）
　そう思いながらも、沙希は、まだ迷っていた。
　沙希は、ちょっとしたミニスカートなら、隠れてしまう、ロングジャケットだけを身につけて、鏡を覗いた。
（だいじょうぶ・・・見えない）
　沙希は、ノーパンで外出したことがないわけではない。仕事では、人のいる外で裸になったこともある。ただ・・・今日は仕事ではない。近所のスーパーへの買い物だ。しかも、スカートをはいていない。
　確かにロングジャケットは、沙希のお気に入りのミニのデニムより長い。
　でも・・・それはジャケットであってスカートではない。
　外に出て初めて、沙希は、この違いを痛感させられた。
（やだ・・・・えっ・・・・・どうしよ・・・）
　マンションから出て、通りを歩いている人を見た瞬間、心臓が、はりさけんばかりに鼓動を早めた。
　沙希は、歩けなくなって立ち止まった。
　体全体が、過剰に反応し始めた。乳首は固く尖り、子宮の奥でもぞっと何かが動いたような気がした。
　スーパーまで行くつもりだったが、もちそうにない。自販機で飲み物だけを買うことにした。
　ほんの２０ｍの距離、足を運ぶたびに、ジャケットの裾は揺れ、むき出しのお尻に触れる。乳首が擦れ、痛みすら感じる。沙希は太股にぬめりを感じた。

　自販機で缶コーヒーを買った。沙希は、腰をかがめようとして慌ててしゃがんだ。
（いけない。見えちゃう）
　そう思った瞬間、しゃがんだ太ももになま温かい感触が伝わった。
（あっ、だめ・・・溢れちゃう・・・）
　沙希はゆっくり立ち上がると、周りを見回した。人はいるが、誰も沙希を見てはいない。帰ろうと一歩踏み出したとき、それは沙希の太ももの内側を伝い、すーっと膝まで落ちた。
　慌てて歩くと、ぴちゃぴちゃといやらしい音を立てた。
　人が来て、沙希は立ち止まった。音を聞かれそうな気がしたのだ。

　部屋に帰ると、沙希は疲れ果て、しばらく床に座り込んでしまった。
（どうにかなっちゃう・・・・）
　沙希は、ジャケットを脱いで、シャワーを浴び、また、全裸のまま床のクッションに座り込んで、缶コーヒーを飲んだ。それで、やっと昂ぶっていた気分が落ち着いた。
「ふふ・・・・ふふ・・・」
　沙希は、急に可笑しくなった。ジャケットを着てどきどきし、裸になって落ち着いている自分が可笑しかった。

　その時、メールが入った。

２．公園露出

　メールは、真希からだった。
　夜迎えに行くから、時間を空けといてということで、それ以外に詳しいことは何もない。
　真希らしいメールだった。

「どこへ行くんですかぁ？」
　真希の車に乗った沙希は、すぐに持ち上がってしまうロングジャケットの裾を下に引っ張りながら、真希に訊いた。
「だいじょうぶよ。見えないわよ、夜なんだから・・・・」
　真希は、ジャケットのことを話している。
「沙希、シートに足を乗せなさい」
　太ももの付け根まで露出させている沙希を見て、真希が黙っているはずがない。
　沙希は、膝を立て、狭いシートに足を乗せた。完全にジャケットはまくれ上がった。
　真希が、運転席から手を伸ばして、助手席のダッシュボードを開けると、中に・・・
「真希さん、いつもこんなもの持ってるんですか？」
　ピンクのかわいいローターと、黒いいかにもという感じのバイブがそこにあった。
「な、わけないでしょ。ちょっと、時間がかかるから・・・・持ってきたのよ。たいくつでしょ？」
「いえ、ぜんぜんたいくつじゃありません」
　沙希が、笑って答えると、すっと真希の手が沙希のジャケットの中に入った。
「痛い」
　真希は、沙希の乳首をつかむと少し力を入れてひっぱった。
「します。しますから・・・引っ張らないで・・・」
　沙希は、いそいで、ローターとバイブをダッシュボードから取り出した。
　沙希は、今日一日、朝からずっと、オナニーしっぱなしだった。全裸で日常の生活をするという刺激に完全に虜になってしまったようだ。今も・・・すぐにでも太くいかついバイブを挿入できる状態だったが、まずは、ローターを手にとって、股間に当てた。
「あっ・・・・・」
　いつもより過敏になっているのだろう、ローターを当てただけで、驚くほど感じ、声を上げそうになったのを、必死にこらえたのだが・・・真希に感ずかれてしまった。
「沙希・・・・裸が気に入ったみたいね」
「ああ・・・ああ・・・・」
　沙希は、返事をしようと口を開けたのだが・・・・それどころではなかった。一気に来た。それは、本人にも全く予想外のことで・・・沙希は戸惑った。
「ああ・・・・あ・・・あ・・・いい・・・い・・くぅ・・・」
　真希は、沙希が座席の横の肘掛の上に置いたバイブを手に取り、それを口にした。真希は、リアルにペニスの形をしたバイブを丹念に舐めると、沙希に渡した。
　ローターで予想外に早く達した沙希は、バイブをゆっくりと根元まで深く侵入させた。
　すっぽり収まったところで、それは、急に振動し始めた。リモコンバイブのスィッチは、もちろん、真希が握っている。真希は、沙希の反応を楽しみながら、ＯＮ・ＯＦＦを繰り返す。スィッチが入るたびに、沙希は前屈みになって小さくうめいた。

　１時間くらい走って、真希は車を止めた。
「さぁ、ついたわよ」
　と言われても、沙希はすぐには動けなかった。
　数分してようやく動けるようになった沙希は、やっと、周りを確めるように見回した。
「どこですか？」
「公園」
　真希はそう答えると車を降りた。沙希もすぐに外に出た。
「これ着て」
　真希が、後部座席に置いてあったバッグから、取り出したのは、パーカーだった。
「これって・・・まさか・・・ジョギングとか？」
　沙希が冗談半分に訊くと・・・
「ううん。ウォーキング」
　沙希には、たいして違わない答えだった。
「はぁ？」
「いいから・・・早く」
　なにがいいのか？言われるまま、沙希は、パーカーを手にとったが・・・
「ここで着るんですか？」
「そうよ」
　パーカーを着るには、ジャケットを脱がなければならない。脱げば・・・下は裸だ。
　沙希は、車の陰に入り、さっとジャケットを脱ぐと、急いでパーカーに首を通した。

　パーカーは、そこそこ丈が長く、お尻まで十分隠れるのだが、着ていたジャケットより短い。
「はい」
　横で、シューズを履き替えていた真希が、自分のと同じジョギングシューズを沙希に渡した。
　靴を履き替えるのも・・・・かがめば、お尻が出る。しゃがんでも・・・パーカーの裾はまくれてお尻は丸出しだ。沙希は、公園側にお尻を向けてかがんで靴を履き替えた。
「さっ・・・歩こう」
　真希は、さっさと、公園内の外周遊歩道を、歩き始めた。
　沙希は、慌てて後を追ったが、真希のペースは速い。やっぱり・・・男だ。
　沙希は、同じように歩いていたのでは、どんどん遅れるので、小走りに走った。走りなれていない沙希の体は、必要以上に上下に跳ねる。そのたびに乳房が揺れ、乳首がパーカーに擦れるし、お尻の肉も揺れてパーカーの裾は、すぐに持ち上がった。
（お尻が出てる・・・・）
　そう思ったが、真希は待ってはくれない。沙希の心臓は高鳴り、慣れない運動のせいもあって、息苦しく・・・とうとう、立ち止まってしまった。
「真希さ・・・ん、待って・・・苦しい・・・」
「もうちょっと頑張って・・・」
　真希は、沙希の手を引いて、歩かせた。
　２０ｍくらい真希に引っ張られて歩くと、真希は、沙希を植え込みの中に引き入れた。
「ああ・・・」
　歩道よりも少し土が盛られているのに、足をとられて、沙希は前のめりにつんのめっり、両手を前について、四つんばいの格好になった。パーカーはぐっとまくれあがって、お尻はもちろん、腰のあたりまで露出した。
　沙希は、そのまま、そこにしゃがみこんだ。
「真希さん・・・きついよ・・・急に・・・」
　沙希は、しゃがみこんで肩で息をしながら、真希をにらんだ。
「運動不足よ・・・沙希」
「ひどーい・・・確かに、そうだけど・・・・」

「ねぇ、沙希」
「はい？」
「おしっこしてみせて」
　真希がとんでもないことを言い出した。