３．露出っ娘・夏目沙希

「真希さん・・・・本気？」
　沙希は、しゃがんだまま、真希を見上げて言った。
「ええ、本気よ」
　真希も、沙希の真正面でしゃがんだ。
　しばらく考えて、沙希は、辺りを見回した・・・誰もいない。
　沙希は、してみたい気になっていた。
（ええい、しちゃえ）
　そう思っても、なかなかでない。夜の公園とは言え、灯りはあるが、ようやく出始めた沙希のおしっこは、目の前にいる真希ですら見えない。ただ、地面に当たる音で、沙希がおしっこをし始めたことはわかった。
（ふふ・・・・・・）
　沙希は、なぜか楽しい気分だったが、目の前の真希が自分を見ていないことに気がついた。
　真希の視線は、沙希の後ろ・・・
　その時、急に、後ろで音がして、沙希は、しゃがんだまま後ろから抱きつかれた。
「きゃっ・・・」
　膝の後ろに手を入れられ、沙希は持ち上げられた。上向きになったおしっこは、目の前の真希に向っていったが、間一髪、真希はそれをよけた。
「こらっ・・・狙ったな」
　狼狽する沙希をよそに、真希は、沙希を抱え上げた男に向かって話しかけた。
「違いますよ。・・・それに真正面にいるほうが悪いんですよ」
　沙希は、その男の声に聞き覚えがあった。
「研二？」
「そんな大声で名前を呼ぶなよ・・・」
　驚きのあまり、沙希は思わず大声になっていた。
「どういうこと？ここに隠れてたの？」
　そう言いながらも、沙希のおしっこは止まらない。
「ここじゃ、映りませんよ」
　もう一人、今度は前から男が現れた。今度は拓也だ。
　沙希は、何がなんだかわからない。ようやくおしっこは終わった。

「研二、降ろしてよ」
　沙希は、あいかわらず両足を広げて抱え上げている研二に文句を言ったが、
「真希さん・・・こいつの、拭いてやって」
「やだ・・・研二、ばか、何言ってんの・・・えーっ、真希さん、やめて、お願い・・・」
　真希は、すぐにティッシュを取り出した。
　研二の腕の中で、降りようともがいていた沙希は、真希の手が股間に伸びると、真希を汚しちゃいけないと思ったのか、暴れるのをやめた。
「ごめんね・・・ちょっと悪戯っていうか・・・今度の撮影のリハーサルなの」
「撮影？」
「この子らね、このあいだ、実際に、ここで、沙希にしたようなことを実際にやったんだよ」
「実際に・・・って？撮影じゃなくてっていうことですか？」
　ようやく、研二に降ろされて、沙希は、立ち上がりながら真希に聞いた。
「そう。ここで、おしっこした子がいるの。その子を後ろから抱えて、写真とって・・・・」
「それって・・・知らない人・・・ですか？」
「どうだろ？知らないって言えば知らない人だけど・・・・まぁ、本人は知らされてなかったわね」
　真希の説明は、要領を得なかったが、それよりも沙希には、聞きたいことがあった。
「研二・・・どうしてここに？」
「仕事だから・・・・」
「ここで仕事してるの？」
「そうそう、彼ね、うちで新しくＡＤやることになったの。ＡＤ兼カメラマン見習い、ときどき男優」
　真希が、会話に割って入った。
「そうなの？」
　沙希は、直接研二に聞いた。
「ああ、まぁ、そういうことだ」
「なんで？」
「わたしが誘ったの。拓也がね、ひとりで死にそうだってこぼすもんだから・・・」
　また、真希が答える。
　沙希は、真希を見た。真希は、普通の表情だが、口元に笑みがあった。

「真希さん・・・それで、それ、わたしが出るんですか？」
「ううん。実録で行く予定なんで、その子にやってもらうつもりなんだけど・・・まだ、彼女、全然知らないのよね」
「言ってないんですか？」
「まぁ、そう言うこと・・・もし、彼女がだめだったら、せっかくのシナリオなんで、そのときは沙希でいくからね」
「はぁ・・・」
「そとで裸になってもらうからね」
「そういうこと・・・ですか。それで・・・・」
「そう。そういうこと。露出っ娘・夏目沙希」
「犯罪でしょ」
「だいじょうぶ。すべて研二がかぶるから・・・」
「ひでぇ・・・それで採用されたんですか？」
　研二が、笑いながら言った。
「今回は・・・危険だったからね・・・とかげのしっぽはたくさんあったほうがいいのよ」
「おーお、本人目の前に言いますかね、そういうことを・・・」
　もうひとりのとかげのしっぽ、拓也も笑っている。
「拓也、ちょっとサンプルで撮ってみて」
「いいですけど・・・何を」
「サンプル」
　そう言うと、真希は、並んで立っている研二と沙希を見た。
　拓也は、赤外線ビデオカメラを二人に向けた。
「研二・・・」
　研二が真希に顔を向けた。
「沙希を・・・・あげる」
　真希は、ゆっくりそう言うと、研二に見えるように手をあげて合図をした。
「用意・・・・・はい」
　拓也のカメラが回った。

４．盗撮風

「はい」といきなり言われても・・・
　研二は、戸惑った。どうしていいのかわからない。
　沙希は、ただ突っ立ったままの研二の前にしゃがむと、ズボンのベルトを外しだした。
　研二は、ベルトが外され、ホックもはずされて、ジッパーが降ろされるのを、ただ上からじっと見下ろしていた。沙希は、勢いよく、ズボンを膝まで降ろし、研二のものをトランクスの上から握った。
　横向きの肉棒は、まだ柔らかい。
　沙希は、それを中央に寄せ、トランクス越しに下から上へと撫で上げる。
　強く握って、ゆっくりと手を上下させると、研二のものは、みるみる膨らんだ。
　沙希は、トランクスを少し下ろし、研二のものを頭だけ、外に出して上から咥えた。
　拓也が、研二の斜め後ろから、ほぼ研二の視線で、沙希の顔を撮る。
　沙希は、上を向いた。研二の顔を見ながら、研二の肉棒に舌を這わせる。
　トランクスも膝まで降ろされた。
　研二の手がようやく動いて、沙希の頭を抱えた。
　拓也は、横に移動した。
　研二のものが真っ直ぐ前に伸び、沙希の口の中に押し入る。半ばで止まり、いっきに根元まで押し込む。沙希の頭を固定して、研二は腰を前後させた。
「ふぐわぁ・・・」
　肉棒が引かれるたびに、沙希は声を上げる。
　真希は、少し離れて、周囲の様子を伺っていた。
　幸い、人通りはない。

　沙希は、大きく目を見開いて、ずっと研二を見上げていた。
　研二もずっと沙希の顔を見ている。
　拓也は、少しずつカメラを引いた。

　研二は、沙希を立たせ、後ろ向きにすると、沙希の上半身をぐっと押し下げた。
　沙希が、目の前の木を抱きかかえるようにして、お尻を後ろに突き出すと、暗くてもはっきりと沙希の真っ白なお尻が見て取れた。

　研二の指が２本、沙希の中にすっぽりおさまった。
「う・・・あ・・・・」
　きれぎれに沙希が小さくうめく。
　研二は、後ろから沙希に入ると、すぐに激しく突き始めた。
「あ・・あ・・・あ・・あ・・あ・・」
　深く突かれるたびに、沙希が小さく声を上げる。
　拓也は、さらに後ろに引いた。
「ああ・・・ああ・・・・ああ・・・・」
　沙希の押し殺した声は、離れていた真希にも届いた。
　ぱん・・ぱんと研二が沙希のお尻にぶつかる音も、徐々にその間隔が短くなる。
「ああ・・あああ・・・ああ・・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・・」
　研二の息も乱れ始めた。
「うっ・・・・」
「ああ・・・あ・・・・いい・・・・」
　沙希の足が震えている。
「うっ」
　もう少し、というところで沙希がうずくまってしまった。
　研二は、しゃがみこんだ沙希の顔を手で持ち上げ、沙希の口の中に肉棒を押し入れて突いた。２度・・・。研二は、ゆっくり引くと、全てを解き放つかのように、ぐぃっともう一回奥まで突き入れて、止まった。
　３秒・・・４秒・・・５秒・・・
　研二は、ゆっくりと後ろに引いた。
　膝をつき倒れないように両手で支えているを研二は、横から支えた。
「呑んだのか？」
　沙希はうなずいた。
　まだ、肩で息をしている。

「なんで、そんなに引いて撮ってるのよ」
　真希の近くにまで下がってカメラを回している拓也に真希が言った。
「いやぁ・・・なんか、暗いし・・せっかくだから、盗撮っってことで、他で使おうかなって思って・・・・」
「へぇ・・・そんなことも考えるようになったんだぁ・・・偉いぞ・・・」
　ふだんから、真希は、拓也を子ども扱いしている。
「でしょ・・・ね、けっこうプロっぽくなったでしょ」
　拓也も、なぜか真希に限り、その扱いに文句はなかった。

「拓也・・・」
　真希が、座り込んで抱き合っているように見える二人を見ながら、拓也を呼んだ。
　拓也は、真希を見た。
「行こうか？」
　真希は、そう言って、自分の車に乗るように拓也に合図した。
「二人・・・どうするんです？」
「置いていくわ。研二は車でしょ？」
　置き去りにしても、車はあるので大丈夫だ。
「そうですね・・・そうしますか・・・」
　真希と目があった。真希は笑っていた。

エピローグ

「なんでそんなことするんだよ」
　研二は、咎めるような口調で沙希に言った。
「だってぇ・・・家政婦はだめだって・・・そしたら、昼間仕事ないし・・・」
　研二は、沙希に家政婦の仕事を辞めさせたのだ。
「あるだろ、モデルなんだから・・・」
「そりゃ、あるけど、いつもってわけじゃないわ」
「だからって・・・なんで、これなんだよ」
「いつ仕事が入るか分からないんだから、お勤めはできないでしょ」
「俺と暮らそうって言ってるだろ」
「やだよ、あんたの世話になんかなってやらない」
「素直じゃないなぁ・・・」
「あんたの稼ぎがわたしより多くなったらいっしょに住んであげる」
「あーあ、ホストにでもなるかな」
「無理だろ。サディストなホストって聞いたことないぞ」
「うーん・・・確かに・・・無理だな」
「あっ、ここだよ」
　沙希に指摘されて、研二は、不動産屋の前で車を止めた。
「じゃぁ」
「じゃぁって、いっしょに来てくれないの？」
「ごめん、ちょっと用があるから・・・」
　研二には、いっしょに行きづらい理由もあった。

　沙希は、ＮＯＡｈのサイトから会員向けに提供している、所属モデルのピーピングルームの仕事を請けたのだ。家賃は、事務所が持ってくれるが、部屋は自分で探さなければならなかった。しかも、敷金･礼金は自己負担。人気がなければ、打ち切られるというなんとも事務所に都合のいい契約条件だった。
　中に入ると、女性が応対に出てきて、杉村と名乗った。
　彼女は、沙希の目的もすでに知っていた。事務所から連絡が入っていたのだという。

　杉村日向は、モデルルームに向う車の中で沙希に話しかけた。
「わたしもＮＯＡｈのモデルなんですよ。“ひなたの部屋”っていうのをやってます」
「えっ・・・あなたもやってるの・・・覗き部屋」
　沙希は、びっくりして、聞き返した。
「ええ、夜ですけど・・・」
「ふーん」
　なるほどと思った。日向が応対に出てきたときから、沙希は、日向の格好が気になっていた。
　一見すると、普通のＯＬの制服なのだが・・・
　タイトスカートが、けっこう短く、しかもお尻のスリットが深い。沙希が背が低いせいもあるが、後ろをついて歩いたとき、ほとんど太ももの付け根までスリットの隙間から見えていた。
　日向のお尻が豊満なせいもあって、お尻にばかり目がいっていたが、よく見ると、というかよく見ても、シャツにブラのラインがない。ヌーブラか・・・さもなければ・・・・

「中は、こんな感じです」
　沙希の目的にあう部屋は、当分、無理なのだが、とりあえず、どんな感じなのか、モデルルームに案内された。モデルルームといっても、そこは実際に、日向が使っている部屋だった。

　玄関を入ると、部屋の全てが見渡せた。部屋の中央に大きなベッド。トイレもバスルームもガラス張り、視界をさえぎるものは何もなかった。
「すごい・・・ここ、あなたが、住んでるんでしょ」
「いえ、使ってますけど・・・住んでいるのは別のところです」
「ずっと、見られて、いやにならない？」
「ずっとじゃないですよ。いつ見せるかは、こちらで決められるので・・・」
「そうなの・・・決められてるのかと思った」
「そういうところもあるでしょうけど、あそこは、比較的自由ですよ」
　沙希は、自分が仕事を請けるにもかかわらず、ほとんど何も知ってはいなかった。

「ふーん」
　部屋の隅々まで眺め回しながら沙希は話しかけた
「ねぇ、今は部屋がないんでしょ」
「はい・・・」
「いつごろできるの？」
「それはなんとも・・・改装中の物件を入れて、予定が立っているのは４件ですけど、待ってらっしゃるお客様が１１人いらっしゃいますから・・・・」
「あのさぁ、わたし沙希っていうんだけど・・・あなた、昼間は仕事をしてるでしょ」
「ええ、まぁ」
「じゃぁ、平日の昼間は、ここは空いてるっていうことよね」
「ええ、まぁ、そうですけど・・・・」
「その時間、わたしに貸してくれない？」
「えっ？」
　突拍子もない沙希の提案にひなたは驚いた。
「だめ？家賃の３割払う。シーツとかは自分で持ち込むから・・・お願い」
「でも・・・・まぁ、ちょっと、いいかどうか訊いてみますけど・・・」
　日向は、困惑したが・・・なんとも憎めない沙希の笑顔に、思わず微笑んだ。
「ありがとう。・・・・訊いてみてね」
　沙希は、子供のような笑顔で笑った。

沙希の悪戯　ＥＮＤ