今まで何度もレイプをしてきたが、当人のいない部屋で待ち伏せするということは始めての体験だ。
　ましてや、俺にとっては特別な女の部屋である。
　異様な興奮が俺の中に駆け巡る。懐かしい感覚だ。
　初めて、胸がときめいた女をレイプをしたときのことを思い出す。まだ、亀頭の皮もむけきっていない中学生２年生のときだった。
　当時、交際していた彼女がいた。バスケット部のエースで名前は良美といった。何度かデートを重ねていたが、彼女とはキスさえしてなかった。今の俺からは信じられないほど女に対しては臆病だった。
　思春期であるから、当然、女性の体には興味があり、セックスしたいと思っていた。しかし、当時は彼女とデートしているよりも悪友たちと一緒にいるほうが楽しく、またその時間のほうが多かった。デートといってもグループ交際のようなものである。二人でいる時間などほとんどない。よって、自分自身の欲望をエロ本で解消していた。
　しかし、あることが俺を変えた。
　良美の母親が、どんな男とつきあっているか興味があるというこで、彼女の家に遊びにいくことになった。
　俺は初めて会った良美の母親に驚きを隠せなかった。おばさんと化していた俺の母親と違い、若くて美しい。女優のＨ・Ｋに似ていた。
　ティーシャツから透けたブラジャー、良美とは違う豊満なふたつの膨らみ、柔らかそうな大きなおしり、甘い香水の匂い、ピンク色に彩られた唇、大人の女性だけが持つフェロモンに興奮を覚えた。
　その夜から、良美ではなく、母親であるケイコをネタにオナニーに励むことになった
そんな日々がしばらく続き、俺は良美の母親に恋心が芽生えているのを感じた。良美に告白されて付き合うようになっからも、一度もない感情が湧きあがっていたのだ。
　胸が締め付けられ、食事さえままならなかった。頭の中は良美の母親のことで一杯になっていた。
　俺は覚悟を決めた。良美の母親に思いをぶつけてみようと思い、長い夏休みの良美がバスケット部の合宿でいない日を機会に良美の家にいった。
　そして、俺は正直にケイコに告白した。しかし、俺の必死の思いもむなしく、ケイコは上手くかわしてきた。
　しかし、俺はひきさがらなかった。結婚していて旦那がいるとわかっていても、どうしてもこの女が欲しかった。
　あまりものしつこさに、ケイコは怒りはじめた。
　そのことが、俺を凶暴な男へ変えた。衝動的にケイコに飛び掛っていたのだ。あまりもの興奮状態にあったので、過程はよく覚えていない。気がつくと、ケイコの頬は真っ赤に染まり、怯えながら大粒の涙を流していた。
　また、身に包んでいた衣類はぼろぼろに引き裂かれていた。
　そんな哀れなケイコの姿を見ても不思議に、罪悪感はなかった。むしろ、惨めな女に興奮していた。
　そして、すすり泣くケイコの脚を左右にわり、ビンビンになっていた肉棒をケイコの中心部にねじこんだ。
　ケイコの膣は充分に潤いを帯びていた。泣き、抵抗しながらも、膣を濡らしていたのだ。
　力任せに激しく腰を動かした。突いて突いて、突きまくった。ケイコは感じまいと眉間に皺をよせて必死に唇を噛み締めていた。
　あっという間だった。すぐに俺は生暖かいケイコの胎内に大量のザーメンをぶちまけた。
　ケイコは魂が抜けたように、ただ、天井を見つめていた。まるで、人形のようだった
。
　俺の若い肉棒は大量のザーメンを放ったのにもかかわらずに、衰えをみせない。再び、人形のように抵抗しないケイコを犯しはじめた。
　二度目はなかなか、いかなかった。何度も何度も激しく腰を振り続けた。
　すると、驚いたことに、ケイコが喘ぎはじめたのだ。わりきったのであろうか、快感に耐えられなくなったのであろうか、自分から快楽を求めだした。
　俺の背中に爪をたてて、両足を腰に絡めてきた。
　そんなケイコを攻め立てた。
　そして、ケイコは獣のように吼えて全身を痙攣させ、失神した。
　
　その後、ケイコと俺と良美は不思議な三角関係をもった。ケイコは俺から離れられなくなった。というよりも若くて逞しい肉棒にであろう。そして、女性の肉体の隅々までケイコに教えこまれた。

　それが、俺の初体験だった。
　
　その時の感覚に似ている。頭の中が悶々とした霧につつまれ、息ぐるしい状態が今、生じている。

扉を開くと小さなキッチンがあり、その奥に部屋が見えた。
　部屋の奥のカーテンが左右に開かれレースのカーテンだけ引かれている。キッチンは薄暗いが、部屋の中は蛍光灯をつけなくても充分な明るさだ。
　俺は真っ先に部屋の中にすすんだ。
　部屋に踏み入れ、中を見回した。６畳くらいの部屋にテレビ、ビデオ、ミニコンポや同色のシングルベッドにチェストそしてローテーブルが設置されている。
　統一感があり、シンプルで落ち着く室内を演出している。
　チェストの上に一つだけ置かれた薄茶色のティディペアのぬいぐるみがなければこの部屋の主の性別はわからないだろう。
　ベッドはホテルのようにカバーに覆われ、綺麗にメイクされている。俺の部屋のベッドとは大違いだ。
　フローリングの床にカバンを置き、ベッドの上に腰掛けた。

　それにしても熱い。額からは汗が滴り落ちてくる。真夏だから当然だろう。一体、この部屋はどれくらいの気温になっているのであろう。灼熱地獄である。
　エアコンのある生活が当たり前になっているのでこの熱さはこたえる。
　テーブル上にエアコンのリモコンがある。エアコンをつけようかどうか迷った。本来ならばこの部屋には誰もいてはならない。
　しかし、こんな状態では体力が消耗してしまう。美穂子が帰宅する前にばててしまいそうだ。たまらずにテーブルの上に置かれているエアコンのリモコンを手にとり、スイッチをいれた。
　電子音と共に爽やかな風が流れてきた。６畳ほどの部屋だ、すぐに快適になるだろう。
　テーブルの上にリモコンと共に置かれた小さな目覚まし時計をみると、１時をまわったばかりだった。まだ、たっぷりと時間がある。
　まだ、昼食はとっていない。コンビニで買ったものがバッグの中に入っているが、興奮して胸が苦しい。空腹感はなかった。
　俺はベッドの上にうつ伏せになった。顔を埋めると祥子の匂いがする。ここに数時間前まで祥子が寝ていた。後、数時間後にはこのベッドの上で祥子を抱いている。
　今日はどんな下着を身に付けて出社しているのだろう。
　そう思うといてもたってもいられなくなる。
　ガバッと起き上がり、ベッドから降りた。
　チェストの前でしゃがみ込んだ。引き出しは三つあった。上から引き出しを開いていった。一番上の引き出しにはカード会社からの請求書と通帳があった。二段目には電化製品の説明書や賃貸契約書、一番下には年賀状など葉書類がいれられていた。
　目的のものはここにはなかった。
　引き出しを元に戻し、壁に埋め込められているクローゼットの扉を開いた。
　祥子の普段着やスーツが何着も吊るされている。また、どんな時に着用するのだろうか真紅のドレスがクリーニングから帰ってきたままの状態で吊るされていた。
　右横の空洞の棚板にはジーンズやセーターなどが綺麗にたたまれ重ねてある。一番下には二つの引き出しが左右にある。
　まず、左側を開いた。ティーシャツに短パン、使いこまれたパンティストキングが見えた。
　残る引き出しはここだけだ。ここに目的のものが片付けられているに違いない。金具を掴み手前に引いた。
　あった。
　様々なカラーのブラジャーにパンティが整然と並べられている。何時の間にか口の中は唾液で満たされていた。喉を鳴らし、それを飲み込んだ。
　今まで、こんなことはしたことがない。男であるから、女性の下着には興味がないわけではない。しかし、こんなものを盗んでオナニーに励む奴らの気持ちはわからなかった。女性に接する勇気のない臆病者であると思い軽蔑さえしていた。しかし、禁欲生活をつづけ、精液が溜まりにたまっている今、俺は下着に異常な興奮を覚えた。下着泥棒のターゲットのほとんどは知り合いもしくは、憧れている女性だという。
　彼らの気持ちがよくわかる。こないだ、数千点の下着泥棒でつかまった男の気持ちがわかるような気がする。
　手が自然に下着に向かう。３０枚ほどある中で紫のパンティに触れたとき、頭の中に次のことがよぎった。
　もしかして、洗濯機の中には汚れたものがあるでは。
　パンティから指を離して、引き出しを戻さずに立ち上がった。流し台の反対側にある扉を開いた。扉を開くとすぐに全自動洗濯機があった。蓋は開いていた。
　その中を覗きこんだ。白いバスタオルが上にある。この下に祥子の汚れた下着があるはずだ。
　バスタオルを掴んだ。湿っている。それを持ち上げて横にずらした。黄色の丸まったパンティとブラジャーが顔をだした。パンティを握りしめた。
　肉棒は痛い位に勃起している。カウパー支線液でブリーフの前は濡れている。
　パンティを持ち上げ、本来の形に整えた。花柄のレースで織り込まれている。生地を裏返した。祥子の膣があたる厚い布のところは彼女の分泌液が乾いたのであろう白く乾いた染みができている。
　それを鼻に近づけて、思い切り匂いを吸引した。アンモニア臭と女性特有の強烈な香りがする。正直いって、いい香りとはいえない、むしろ不快な匂いがした。
　すかさず、鼻からはなした。刺激臭にむせ返り、咳き込んだ。
　肉棒の力が急速に失われていくと同時に冷静な思考に戻っていった。
　こんな臭い匂いを嗅ぎながらオナニーなどできたものではない。やはり、マニアの気持ちを解ることはできなかった。
　パンティを洗濯機に放り込み、手を触れる前の状態のようにバスタオルを被せた。
　鼻の奥には不快な香りが残っている。

　ついでにすぐ側にある風呂場とトイレを確認してから、再び部屋へ戻った。部屋の中は快適な温度にまで下がっていた。
　冷静さを取り戻ししたからなのであろうか、食欲が湧いてきた。床に腰掛け、側に置いてあるバッグからコンビ二で買ってきたおにぎり５００ｍのペットボトルのコーラをだし、食事を済ました。
　空腹感を満たすには充分な量とはいえないが、急激に睡魔が襲ってきた。やはり、睡眠不足が効いてきたらしい。
　時計に視線を移すと、２時をまわっていた。美穂子が帰宅すると思われる時間までには４時間半はある。睡眠不足を解消するには充分すぎるほどの時間だ。
　レイプするには体力が非常に重要だ。相手は女性とはいえ、すさまじい力で抵抗する。それを押さえつけるためにはすさまじいエネルギーを消耗する。
　俺は睡眠への誘いを受け入れることに決めた。
　美穂子のベッドの上に横たわり、携帯電話のアラームを３時間後にセットし、瞼を閉じた。

つづく