携帯のアラームで目覚め、体力を回復した俺は、カバンの中から拘束具をとりだし、美穂子が帰宅したらすぐに行動できるように準備を整えた。
　
　六時半を過ぎた。窓は夕暮れを知らせるオレンジ色に染まっている。もういつ帰ってきてもおかしくない。部屋の片隅に潜んで玄関のほうに全神経を集中した。
　
　鍵を差し込む、音がして扉が開かた。外の熱した空気が露出した肌にまとわりつく。
　鍵をしめる音に続いて、チェーンロックをかける金属音が聞こえた。
　既に侵入者が潜んでいるてもしらずに、用心なことである。女の１人暮らしなら当然だろう。
　パンプスを脱ぐ音がし、パチパチッとキッチンの蛍光灯が光った。
　もう、後に戻ることはできない。いよいよだ。かってないほど心臓が漠々と高鳴る。喉はカラカラに渇いている。荒くなる鼻息を押さえ込み、壁に背中を貼り付けて美穂子がこの部屋に一歩踏み入れるのを待った。
　
　美穂子の右足が見え、すぐに彼女の姿が現れた。彼女はわすが１メートル側で息を殺し潜んでいる俺に気づかず一直線に小さなテーブルの上に置かれているエアコンのリモコンを手にした。
　無防備に背を見せている美穂子に忍び寄ると、彼女は気配を察し振り向いた。
　美穂子は大きな目をいっぱいに広げ、俺を見つめた。不意の侵入者、しかも、知り合いの男が目の前にいる。口を開くこともできずに、混乱しているようだ。
「お帰り。美穂子」　
　乾いた声で呟き、凍りついたように口をあんぐり開く美穂子の細腕をがっちりと掴んだ。
「いやぁぁっ！」
　ことの重大さを察したのか、ありったけの声で美穂子が叫んだ。
　俺は、叫び、逃れようと腰を引く美穂子を力任せにベッドへ放り投げ、彼女の上に跨り、頭を押さえつけハンカチを口に押し込み声を奪った。
「うぐぅっ、うぐっ」
　美穂子は顔を振りながら、全身を使い、逃れようとするが、日頃、鍛えている俺の力にかなうばすがない。両手を膝で押さえ込みながら、用意しておいた手枷で両手の自由を奪った。
「うむっ、むううっ」
「うるさい！　」
　首を振りながら必死に抵抗を続ける美穂子の頬に強烈な平手を喰らわせた。たちまち、美穂子の白い頬が赤く腫上る。美穂子が怯んだのを見逃さずベッドにがっしりと結びつけておいた紐に手枷を繋ぐ。
「うぐぅっ！　ううっ」
　大人しくなった美穂子の抵抗が再び激しくなる。
　拳を強く握り、振り下ろし、ヘッドマットにのめりこます。美穂子の顔から血の気が失せていく。
「静かにするんだ。そうすれば、暴力はふるわない。わかったな」
　小刻みに身体を震わせながら美穂子が頷いた。もう、大声をあげる気力もないだろう。口内に詰め込んだハンカチを抜いた。
「はぁっ、はぁ……」
「ふっ。イメクラ嬢の時とは違って、処女のような怯え方だな」
「いやだ。そのことは言わないで」
「今更、かまととぶるなよ。色んな男におま○こ触られ、感じているんだろ」
「感じてなんかないわ」
「嘘をつくなよ。どういう事情であんな仕事しているかは知らんが、本質的にスケベだからしているんだろっ」
「ち……違う。あれは仕方なく……」
　美穂子は途中で言葉を閉ざした。
「なにが、違うんだい。なにが、仕方がないんだ」
　美穂子は答えを返せずに唇を噛み締めた。
「まあ、そんなことはどうでもいい。これから、じっくりと確かめられるからな」
　俺は卑猥に笑って美穂子の赤い唇を奪いにかかった。キスをさせまいと逃れようとする顔を両手で抑えて唇を重ねる。美穂子は固く唇を閉ざし、俺の舌の挿入を拒否する。
　仕方なく、唇をペロペロと舐めまわし、
　「おいおい、ただじゃいやかい？　店ではあんなに積極的に舌を絡めてきたくせに。この唇でいろんな男とキスしチンポをしゃぶってきたんだろ。素直に受け入れろよ。淫乱な美穂子さん」
　と陰湿に言った。美穂子の唇の周りは俺の唾液でテカテカになっている。
「どっ、どうして……。どうして、こんなことするの？　私、上村さんのこと嫌いじゃなかったのに、なぜ？　お願い、今なら、誰にも言わないから、ねっ、いつもの上村さんに戻って」
「誰にもいわないだって、可笑しなことを言うもんだ。誰にも言わないで欲しいのは君のほうなんじゃないのかな。いいのかい？　俺が喋れば、来週からは会社にいけないぞ。それに勘違いしないでほしい。これが俺の本性なんだよ」
　美穂子が風俗嬢であることを暴露するつもりは全くないが、美穂子の抵抗心を失わせるためにあえて、脅迫がまいの言葉をはいた。
「そ、そんな、信じてたのに……酷い」
　絶望的にいう美穂子のブラウスを左右に引きちぎった。
　静かに言って、ブラウスを引きちぎった。
「やっ！」
　美穂子は小さく悲鳴をあげた。
「おい、静かにしろっていっただろう」
　言いながら眩いばかりの黄色いブラジャーの上から豊満な乳房を力強く握り締めた。美穂子の顔が苦痛に歪む。
　ブラのカップを捲くり上げ、乳房を露にすると既にほのかなピンク色の乳首は起立していた。
「ほら、なにもしてないのに、こんなに乳首を勃起させている。やっぱり、淫乱だなあ」　乳首を指で摘んでクリクリと左右に回転させた。
「やっ、お願い。やめて……」
「なにが、やめてだ。もう、おま○こも濡れ濡れなんだろ」
　乳首を弄りながら、片手を下半身へと伸ばす。
「やだっ。やだってば」
　スカートを捲り上げ、股の間に手を挿入しようとするが、美穂子はがっしりと太股をすり合わせてそれを拒む。
「おい、おい。力を抜けよ。気持ちいいことしてやるんだから」
　二の腕にグイッと力を込めて手を股の間にねじ込み、美穂子の肝心な部分に触れた。残念ながら股布から湿り気は感じない。こんなことは、今だかってなかった。嫌だといいつつも、俺が犯してきた女たちはこの段階でじっとりと薄布を濡らしていた。気丈な女だ。だが、その方が面白い。
　潜らせた指をせわしなく動かす。
「や、やめてよ」
「ほらっ、早く濡らせよ。早く濡らして俺のものを受け入れよ」
　声こそあげないが、美穂子の呼吸は荒くなっている。もう少し弄れば濡れてくるだろう。クロッチの間に指を滑り込ませて直接、乾いた女唇を弄る。
「痛い！」
　的確に責めているはずだが、全く女唇は潤わない。強情な女だ。
　できることなら、ゆっくりと責め、グチョグチョにさせ、美穂子自身の口から肉棒を入れて欲しいと言わせたかったが、既に俺の肉の棒はジーンズの熱い生地を突き破るのではないかと思われるほどに硬くそそり立ち、その余裕はない。この日のために新調した濃紺のブリ−フの前部が不快なくらいに濡れているのがわかる。もう、限界だった。
　俺は捲くれあがったスカートから覗く黄色のパンティに手をかけ一気にずり下ろした。「やだぁっ！！」
　嫌がる美穂子を見下ろしながら、ブリーフをジーンズごと脱ぎ、巨大な肉棒を曝け出した。
　
つづく