１

　俺は某企業で輸入下着の訪問販売をしている。だいたいのところ煙たがられる嫌な商売である。しかし、俺はこの仕事が好きだ。なぜなら、毎日、多数の女性と接することができるからだ。中にはドキッとするほどの女もいる。そんな時は、抱きたくなるのが男である。普通の男なら、妄想だけで我慢する。だが、俺は違う。どんな手段をつかってでも思いを果たす。そう、薬をつかったり、力任せに犯したり。そうして、出会い犯してきた女たちとの体験を読んで興奮していただけたらと思い筆をとる。

　季節も春へと移り変わり、空一面は水色で太陽が輝きスーツだけでちょうどいい暖かい穏やかな日のことだった。 俺は、このところスランプで売上が伸びず仕事をする気になれなかった。こういう時は公園のベンチに座ってポーっとする事が多い。
　その日も、春の風を感じながら頭の中をからっぼにして公園で遊んでいる母子や通り過ぎる人を眺めていた。
(あんなやって子供と無邪気に遊んでいるが、毎晩旦那と激しく交わっているんだろうなあ？)
　と邪まな考えが浮かんでくる。
　そんな中、視界に１人の女が入ってきた。
　薄手のブルーのセーターにベージュのジーンズ姿の女性が右斜め前方からこちらへ向かってくる。スーパーの袋を片手に持っていることから、大方夕飯の材料でも買出しにいったのであろうことがわかる。

　その女性が歩を進めるにつれ距離が縮まってきた。
　さりげなくその女の顔を見た。
（いい女だ）
　美人というよりも俺好みの目の大きいかわいい女だ。
　一瞬視線が交差した。思わず視線を外し、さりげなくカバンを開き書類を探しているふりをして女が通り過ぎるのを待った。
　視線の先には女の足が見える。女の甘い香水の香りが鼻覚を刺激する。
（犯したい）
　女が放つフェロモンに刺激された俺はベンチから立ち上って15メートル位の距離を保ち後を追った。 俺の視線は女のお尻に集中している。 なにかスポーツでもやっていたのであろうかキュッと絞まった素晴らしいヒップの持ち主だ。 歩くたびにお尻がプリプリと横揺れする。
　もう少し距離を縮めればパンティライン見えるのだろう。歩を早め、気づかれない距離まで女に近づいた。
　残念ながらパンティラインは見えなかった。たが、下着のセールスをしている俺には線が見えないことを察することができる。
（Ｔバックもしくは、ノーパン）
　前を歩く女のジーンズの下に隠された下着姿を妄想しながら尾行をつづけた。

　３００メートル位歩いた。女はいくつか並ぶ団地の一棟に入っていった。視界から姿が消えた。久しぶりの獲物だ。逃すわけにはいかない。歩を早めた。

　女の入った入り口の前で立ち止まった。女の突き出す尻が見えた。郵便受けの中をチェックしていてるようだ。それにしても、官能的なポーズだ。まるで後ろから攻めてと誘っているかのようである。
　ここに二人きりしかいなかったなら、即座に襲っていることだろうが、ここは団地の入口、人の出入りもある。まだ、早い。
　女が上半身を起こし立ち上がった。俺は慌てて柱の影に隠れ様子を伺った。
　
　女はエレベーターがくるのを待っているようだ。彼女の姿が完全に消えた。エレベーターに乗ったのだろう。俺は小走りでエレベーターの正面に行き表示を見た。
　３、４、５、６、７。そこで、ランプの動きが止まった。 女は７階に住んでいる。
　ポストを確認すれば、大体はわかることなのだが、ポストによっては何階に住んでいるかを探ることが不可能である場合もある。　女が開いていたポストの前に行った。 702号室、ネームプレートには高木幸二・美香と表示されていた。
(名前は美香か。人妻だ)
　最終確認を済ませた俺はすぐにエレベーターの前に行き、ボタンを押した。

　中々こない。僅か数１０秒のことなのだがその僅かな時間でさえもどかしく感じた。
　チンっという音とともにエレベーターの扉が開いた。俺はすばやく乗り込み7階のボタンを押し扉を閉めるボタンを押した。扉がゆっくりと閉まっていく。扉が途中で止まった。そとて、また開いた。
「すいません」
　いまどきの茶髪でミニスカートの女子高生があわてて乗り込んできた。女子高生はぺこりと頭を下げて俺に背を向け、５階のボタンを押した。 チラッと顔を見たが、なかなかかわいらしい女の子だ。
　俺の肉棒は公園であの女を見たときからずっと膨張していた。この狭い空間を若い女と共有していると思うと俺の理性はぶっ飛びそうだ。たが、獲物は違う。さっきの人妻を抱きたいのだ。
　欲情を必死に塞ぎこみ女子高生が降りるのを待った。
　チン、５階に着いた。女子高生は軽く会釈をし、降りていった。

　扉を閉めると静かに上へと向かっていく。チン、七階に着きエレベーターの扉が開かれた。
　エレベーターを降りるとホールになっておりそこから左右に通路は分かれている。
(何だ。案内板もないのか、不親切なつくりだな)
　と思っいつつも、とりあえず左の通路へ動いた。最初の扉を見ると７０１と表示されている。この次の部屋に間違いないと確信し歩を早めた。
　扉の前で立ち止まり表札を見上げた。高木と苗字が記載されている。
　さて、いよいよだ。後、少しでさっきの人妻を犯せる。たが、その前に扉を開けてもらう必要がある。
　どうするかな。
　突然の訪問で扉を開けてくれる確率が高いのは宅急便や郵便物の配達、水道・電気・ガスなどの点検または公務員であることを語ったときである。 できるのなら、家にまであがりたい。その方がやりやすい。
　スーツ姿だから、ここは公務員を装うか。近頃、建築物の手抜き工事が話題になっている。その調査とでもいっておこうか。