| ≪息子≫ 久し振りに息子が店にやってきた。 普段はあまり写真には興味はないのか店に来ることは少ない。 彼は、今は陸上とゲームにはまっている。 この店も、私の代で終わりだろうか。 まぁ、それもいいのかもしれない。 あまり儲かる仕事ではない。 ただ、サラリーマンと違って、時間が割と自由に過ごせるのがいい。 私は、時間に追われるよりも、その方が向いているらしい。 彼は、店の中に展示してある、デジカメを一通り見た後、２階に上がっていった。 秘密の部屋は、鍵がかけてあるので入られることはない。 私は、あることに気づいた。 今朝、彼女のパンティを洗って、３階の窓際に干したままにしてあるのだ。 私の心配は的中した。 彼が３階に上がっていったのである。 こっそりと階段脇から彼の様子をうかがう。 あぁ、発見されてしまったようだ。 ガランとした殺風景なスタジオの窓際に干してあるのだから、気づかないはずがない。 なんだろうという感じで眺めている。 それは、昨日、彼女が脱いでいったパンティである。 白地にミッキーのバックプリントがされた小さなパンテイ。 ロリ好きな私には、そそられる一品である。 彼は、Ｈに興味はあるのだろうか？ ないわけがない。 私もそうだったように、興味津々な年頃である。 彼の部屋に入ったことはないが、Ｈな本の一冊や二冊はあるのだろう。 以前、リビングに彼のカバンが置いてあったことがあった。 何となく中をのぞいた時に、それらしい本が入っていたように思う。 興味があって当たり前である。それがフツーだろう。 まずい、彼がパンティを手に取ったのである。 裏返さなければいいのだが・・ 裏地には、小さい文字だが、「池畑中 １年 福永美香」と書いてあるのだ。 やはり彼も男である。案の定裏返している。 ついに、見つかってしまった。 当然、彼の眼には「池畑中 １年 福永美香」の文字が見えているだろう。 クラスメイトの名前が書かれたパンティが何故ここにあるのか。 彼の頭の中は、考えに巡っていることだろう。 しばらくパンティを眺めた後、元通りに窓際に戻している。 私は、そっと階段を降り、何事もなかったように仕事を続ける。 しばらくして降りてきた彼は、「帰るわ。」っと言って店を出ていった。 バレてしまった。 もちろん、全てを悟ったわけではないだろう。 しかし、私と彼女が何らかのつながりがあることは感じているだろう。 この先、彼はどんな行動に出るのか。 心配の種が増えた。 ≪息子２≫ 昨日に続き今日も息子がやってきた。 危なかった。 ついさっき、彼女が帰ったところである。入れ違いである。 時間からいって彼女を付けてきたわけではないだろう。 「どうした？」 「別に。」 店の中をうろついた後、上に上がっていった。 さっき、彼女にさりげなく聞いてみた。 「うちのカズと何か話した？」 彼女は、首を振った。 どうやら、息子は彼女には何も聞いていないようだ。 ついさっきまで、彼女は私の前で下着を脱いでいた。 いつものように、履き替えさせたのである。 今日はさすがに、パンティは干していない。 彼は、上で何をしているのか。 気にはなるが、覗きにはいかない。 しばらくすると降りてきたが、何も言わず帰って行った。 明らかに、何かを探していたのだろう。 まずいことになった。 もし、彼女がいる時に、鉢合わせにでもなっていたら・・。 考えねばならない。 ≪息子３≫ あれから私なりに色々と考えてみた。 息子をどうしてやろうか。 息子が何かを感じている以上隠し通せるのか？ もともと、あまり会話のなかった親子である。 小学生の時はともかく、彼が中学生になってから、会話が少なくなっている。 まぁ、友達に聞いても、どこの家でもそうらしい。 会話のないことをそれほど気にすることもないようだ。 彼は、この先、私に対して、どうするだろうか？ 私に彼女との関係を、なぜ彼女のパンティがあったのか聞いてくるだろうか？ 彼の性格、私との接し方などいろいろ考えた結果、私なりの結論はノーである。 たぶん、彼は私に対して何も言わないだろう。 では、彼女に対してはどうだろうか？ 結論は同じ、たぶん、彼女にも何も言わないだろう。 私と一緒で、女性と気軽に会話ができる性格ではないのだ。 そんな風に考えていった時、ふと、いたずら心が湧いてきた。 お互い、無言のまま、秘密を維持できるのであれば、見せてやってもいいのかもしれない。 彼も、男である。興味はあるだろう。 まして、父親を訴えるような性格ではないことはわかっている。 そうだ、見せてやろう。 |
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| 2012.3.7掲載 |