| ≪噂≫ このころ、女の子達の間で、ある噂が広がっていた。 「Ｈなビデオのスカウトがいる。」「すでにスカウトされてＨなモデルをした子がいる。」というものだった。 私が、この噂を聞いたのは偶然だった。 ショッピングセンターに買い物に行ったとき、駐車場横にある、自転車置き場で、中学生の女の子数人がたむろしていた。 中に、見覚えのある女の子がいた。 息子と同じクラスの女の子だ。 以前、我が家に来ていた子だ。 息子や美香ちゃんと同じ班の子だ。 何やら、きゃっきゃと言いながら、時には「ヤダー！」なんて声も聞こえた。 気になって車の窓を空かし、聞き耳を立てていた。 そして、その噂を耳にした。 「なんかさぁ、中年オヤジにさぁ、パンツ脱がされて、アソコ写されるんだって！」 「ヤダー！」 「誰？誰？誰？」 「なんかさぁ、先輩が言ってたけど、1年の子だって。」 「マジー！」 「誰よ？」 「誰？誰？」 「３組の子じゃない？」 「誰よ？」 「留美って子？」 「なんかやってそうな感じ！」（笑） 「でもさぁ。オヤジにさぁ、マ○コ見せるんでしょ。最低じゃん！」 （おいおい、女の子が「マ○コ」って・・） 「でもさぁ。あの子さぁ、処女じゃないじゃん。」 「マジー！」 「彼氏いるしさぁ、やりまくってるらしいよ。」 「モデルってさぁ、処女じゃないとダメなん？」 「なに、あんたやるつもり？」 「ヤダー。そんなわけないじゃん。」 「いいじゃん、思い切り足開いて、見せてやったら。」（笑） 「ヤダぁ！」 （中学生とも思えない会話が続く。） 「でもさぁ、可愛い子しかダメみたいだから、あんたダメじゃん。」 「どういう言う意味よ（怒）」 「うちのクラスだったら、明美か美香ぐらいじゃない。」 （思わず、美香と言う名前にドッキっとしてしまった。） 「明美は絶対ないよね。くそ真面目だもん。」 「わかんないよ、真面目なのがさぁ、意外と裏でやってたりして。」 「美香だってそうじゃん。」 「真面目って言えば二人ともそうじゃん。」 「でも、美香はさぁ、たまに弾けてるじゃん。」 （はじける？彼女が。あのおとなしい彼女がはじける？） （どうも、私の知らない美香がいるようだ。） 「男子には、美香の方が人気あるじゃん。」 「そぅかなぁ、明美のこと好きな子多いよ。」 「中年好みってどっちだろう。」（笑） 「どっちかなぁ？」 「大人っぽさは明美だよね。」 「美香は、どっちかって言ったら、ロリ好みじゃないないの？」（笑） 「美香ってさぁ、まだ生えてないじゃん。」 「マジでー！」 「何でしってんの？」 「だってさぁ、水泳のとき見たもん。」 「そうなんだ、美香、生えてないんだ。」 「生えてないの、美香ぐらいじゃないの？」 「わかんないけど、そうかも。」 「中年ってさぁ、どっちが好きなんだろう？」 （人によるさぁ。私はパイパン好きだけどね。） 「ロリ好きだったらさぁ、絶対生えてない方がいいよね。」 「えーそうなん？」 「じゃないの？」 「わかんないけど。」 「明美は絶対生えてるよ。」 「剃ってたりして。」 「アハハハ・・・」（笑） 「それにさぁ、美香ってロリパンツだよね。」 「そうそう、ロリパンだよ。」 「なんかさぁ、お尻小さいから、フツーのパンツだとダブルんだって。」 「美香ってさぁ、スパッツ履いてないよね。」 「そうそう、いつも生パンだよね。」 「やっぱ見せたいんじゃないの？」（笑） （実は、スパッツを履かないように指示したのは、私である。） （あれは可愛げがない。） 「でも、ほんと誰だろう？」 「ただの、噂じゃないの？」 「でもさぁ、先輩の話、マジっぽかったよ。」 しかし、誰がこんな噂を流したのだろうか？ 私と美香のことだろうか？ これまで、秘密が漏れたことは一度もなかった。 いったい誰が？ クライアントは信用高い人物が多い。 仮に、秘密が漏れれば、彼らの地位も危ういことは分かっているはず。 彼らではないだろうと思う。 じゃぁ誰が？目的は？ 息子？ 私と美香の関係に気づき、彼が噂を流した？ そんなことをしてみても、彼に利益はないはずなのだが・・。 たしか、隣町で、そういう連中がいることを聞いたことがある。 そいつらが、この田舎まで、進出してきたのだろうか。 だとすると、私の仕事もやりづらくなる。 いずれにしても、しばらく様子を見るしかないだろう。 |
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| 2012.4.7掲載 |