≪撮影≫

「はい。美香ちゃん、カメラ見て。」「少しお顔あげようか。」「はい、いいよぉ。可愛いよ。」
「じゃぁ今度は、後ろで手を組んでみようか。」「そう、いいよ、カメラみて。」
　13歳といえども、やはり女なんだなぁと思う。
　ほとんどの女性がそうであるように、女は、写真を撮られるのが好きなようである。
　最初は、緊張していたものの、撮影が進むにつれ、ポーズも軽やかに決まってくる。
　ファインダーの中の彼女は、実に輝いて見える。
　あれから、数日後、また誘ってみた。
　意外なことに、すんなり撮影を了承してくれた。
　そして今、私の前で、可愛いポーズをとってくれている。
　やはり可愛い。見れば見るほど可愛くなってくる。
　何とも、セーラー服が似合う子なのか。これほどセーラー服が似合う子も、そうはいまい。
　ブレザーも悪くはないが、私はこの方が好みである。
　我が母校がセーラー服であったことに感謝する。
　白と黒のコントラストが実に良い。
　スカートも、若干短めである。我々のころは、膝が出ている子はほとんどいなかった。
　膝小僧が出るくらいが、ちょうど良いような気がする。
　太くもなく、細すぎもしない彼女の足、何とも可愛らしいアンヨである。アンヨという言い方がふさわしい。
　また、胸の名札がいい。徽章の横に「福永」の文字。
　正真正銘の中学生であることが確認でき、リアルである。
「美香ちゃん、今度はねぇ、後ろ向きになって、両手をお膝に当てて、少し前かがみになってごらん。」
「うん、そう、それでねぇ、お顔をおじちゃんの方に向けてごらん。」
　お尻をぴょこんと突き出したポーズ、大きくはないが、可愛らしいお尻を想像させる。
　スカートが上がり、膝の裏から太ももの中ぐらいまでが見える。
　少し下から撮ってみる。スカートを気にする彼女。
「大丈夫だよ。カメラ見てて。」見えそうで見えない。歯がゆいが仕方だない。今はムリしないほうがいい。
「じゃぁ、よく向きで胸を張って、お顔はカメラ見てごらん。」
　胸は、まったくのペチャンコではないようだ。僅かだが、ふくらみが確認できる。
　まだ、顔は緊張感が残っていて、「笑ってごらん」と言っても、うまく笑えないようだ。
　会話をしているときに、何度か笑って見せた、あの笑顔が実によかった。
　息子のクラスメートをこんな風に撮影することになろうとは・・。
　肌は、白すぎず、黒くもなく、程良い肌色だ。シミ一つないきれいな肌をしている。
　学生ともなると、スポーツや何かで、黒地になったり、擦り傷があったりするものだが、この子の肌には、そんな形跡もなく、奇麗なものである。
「じゃぁ今度は、体育座りしてみようか」
　意外と、このポーズも中年好みなのだ。
　最近は、平気でウンコ座りをする若者がいるが、あれはイカン。趣がない。興ざめだ。
　やはり、体育座りがいい。そこから、Ｍ字開脚へと発展していくのだが・・・。
　さすがは、この子は馬鹿じゃない。スカートの裾を上手く包み、中が見えないようにしている。
　しかし、太ももの奥までは見えており、こちらがドキッとしてしまうほど、きれいな太ももだ。
「じゃぁねぇ美香ちゃん、そのまま両手を後ろについてみようか。」（意地悪だねぇ）
　さすがに、真正面からは、かわいそうだと思い、少し斜めから撮ってみる。
　やはり、馬鹿じゃないね。足を少し伸ばし膝の高さを下げてきている。意識的なら、大したものだ。
「も少し、足を曲げてごらん。」（追い打ち？）
　不安そうな顔（私にはそう見えた）で、カメラを見ながら、ゆっくり足を動かしてくる。
「もう少しだけ曲げようか。カメラ見て。」（さらに追い打ち？）
　見えた！白だ。やっぱり想像通り白だった。この子には白が似合う。
　真っ赤な下着だったらどうしようかと思った。
　まして、黒やスパッツだったら、興醒めのところだった。
　あまり、時間をかけると気づかれるので、３枚ほど撮ったところで足を伸ばさせた。
　この写真は、彼女には見せられない。ちなみに下着が見えないように1枚撮っておいた。
「じゃぁ今度は、仰向けに寝ちゃおうか。」
　横になった彼女の足もとに立ち、全身を写す。
　何と無防備なことか。安心しきっているかのようだ。
　全身をくまなく写す。彼女の上に跨って立ち、上半身と顔を接写。
　意外と、胸はあるのかも・・・。僅かなふくらみが可愛い。
「じゃぁ、ゴロッとまわってうつぶせになってごらん。」
　スカートが乱れ、太ももが露になる。気づかないうちに太ももを接写。
「じゃぁ、また上向いて」
　再びスカートが乱れる。いい感じだ。
　心地いいモデルとカメラマンとのフットワーク。
　意外と、この子はモデルの素質があるのかもしれない。
　笑顔はないものの、私の指示に素直に従ってくる。
　1時間ほど、枚数にして200枚ほど撮ることができた。最初にしては上出来である。
　撮影の後、出来上がった写真を見せてあげた。
　わらながら上出来すぎる写真に、彼女も満足していたようだ。
「アイドルみたいに写ってるよ。」って言うと恥ずかしそうに笑っていた。
　最近の子は「アイドル」という言葉に弱いようだ。「アイドル」と言われて嫌な気はしないのであろう。
「よかったらまた撮ってあげるね。」って言うと、コクンと頷いていた。
（これは、脈があるぞ）そう思った。
　私の、これまでの経験から、いけそうな予感があった。だてに何人もの少女と接してきたわけじゃない。
　たいがいの子は、2度目の撮影をＯＫすれば、すんなり次の段階に進めるのだ。
　2度目の撮影を了解した娘が、裏の撮影を拒否した例はこれまでほとんどなかった。
　これはいける。確信した。よし、次で勝負を賭けよう。そう決心した。